メ ラ ピ ー ク の 概 要


 今回、我々がめざすメラピークは、ネパールヒマラヤ東部の クーンブ山群にそびえる、標高6473mの独立峰である。

 ネパールヒマラヤは、ヒマラヤ山脈の中央部に位置し、ネパールと 中国の間の東西800kmに及ぶ山岳国境でもある。ヒマラヤ山脈の 3分の1を占めるこのネパールヒマラヤには世界最高峰のエベレストを はじめ8000m峰が8座も聳え立ち、「神々の白い峰」が世界の岳人を 魅了している。

 ネパールヒマラヤにおける登山は、観光法や登山規則により 解禁峰・許可取得手続き・登山料・登山期間・ポーター等、また雇用者の 日当・保険・支給装備など細部にわたり規定されている。許可峰は エクスペディション・ピークとトレッキング・ピークに大別され、前者は ネパール観光省登山局、後者はネパール山岳協会に申請し許可を得る。 メラピークは後者に属し、申請には面倒な手続きは必要ではなく許可は すぐに交付される。

 メラピークのノーマルルートには登攀要素がなく、比較的容易な山として 紹介されることが多い。しかし、ベースキャンプまでのアプローチに4600mの 峠があるため順応に失敗し、苦汁をなめるパーティーも多い。ここでの 体調維持が完遂の成否を決める。しかし、一度ベースキャンプに入れば、 初めてのヒマラヤを満喫できる抜群のロケーションを持ち、ピーク付近からは エベレストはもちろん数々の名峰、秀峰を眺めながらのスキー滑降ができる。