らくらくISO9001講座


口語訳的ISOの読み方


第1回 文書管理の巻  


    d) 該当する文書の適切な版が、必要なときに、必要なところで
       使用可能な状態にあることを確実にする

JIS Q 9001:2008 4.2.3 文書管理 より)



口語訳ISO9001:2008

4.2.3 文書の管理
d)文書の配付
それぞれの文書を使う人が、最新版の文書を使えるように、文書を配置
(配付)してください。特別な事情で、旧版を使うように指定される時は、
指定されている版が使えるようにしてください。



口語訳的ISOの読み方

 文書の最新版管理や配付管理について定めた条項です。でもJIS訳の「必要
なときに、必要なところで使用可能な状態にある」ってどういうことでしょうか?
文書を使用する可能性がある部門には全て配付することかな?
 もちろん、そうすれば審査対策は万全ですが、ISO9001はそんなことは求めて
いません。素直に読めばいいんです。本当に「必用な時に使えること」それだけ
です。

 ISO9001は、規格が何を目的にルールを決めているのかを考えれば、だいた
いの落としどころが見つかります。「規格の意図」ってやつですね。文書管理の
目的は「仕事を間違わないこと」です。文書が見られないばかりに、うろ覚えで
仕事をしたり、こっそりコピーして引き出しに入れておくようでは、間違いが起こ
ります。だから、業務が滞らないレベルで文書が使えるようにします。

 1.現場の日常業務で使う何かの「換算表」が、隣の建物の2階の課長のと
   ころまで行かないと見られない。
   これは、「使用可能」とは言わないですね。

 2.工程の改善を検討している時に、製造設備の「詳細図面」が見たくなっ
   たので、隣の建物の3階の生産管理課に見に行った。
   これは「使用可能」ですね。めったに使わない文書なら、見るのに少々
   時間がかかっても業務に差し支えません。

 このように、「使用可能」の一律の基準なんてありません。文書は仕事に差し
支えない範囲で使える距離にあれば良いということです。
 だったら、文書はどこか決まったところに1、2冊置いておけば、あっちこっち
に配る必要ななさそうですね。そうです、それが文書管理の秘訣です。



中小企業のためのワンポイントアドバイス

それでは、中小企業の文書管理の必殺技は・・・・。
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