口語訳的ISOの読み方
文書の最新版管理や配付管理について定めた条項です。でもJIS訳の「必要
なときに、必要なところで使用可能な状態にある」ってどういうことでしょうか?
文書を使用する可能性がある部門には全て配付することかな?
もちろん、そうすれば審査対策は万全ですが、ISO9001はそんなことは求めて
いません。素直に読めばいいんです。本当に「必用な時に使えること」それだけ
です。
ISO9001は、規格が何を目的にルールを決めているのかを考えれば、だいた
いの落としどころが見つかります。「規格の意図」ってやつですね。文書管理の
目的は「仕事を間違わないこと」です。文書が見られないばかりに、うろ覚えで
仕事をしたり、こっそりコピーして引き出しに入れておくようでは、間違いが起こ
ります。だから、業務が滞らないレベルで文書が使えるようにします。
1.現場の日常業務で使う何かの「換算表」が、隣の建物の2階の課長のと
ころまで行かないと見られない。
これは、「使用可能」とは言わないですね。
2.工程の改善を検討している時に、製造設備の「詳細図面」が見たくなっ
たので、隣の建物の3階の生産管理課に見に行った。
これは「使用可能」ですね。めったに使わない文書なら、見るのに少々
時間がかかっても業務に差し支えません。
このように、「使用可能」の一律の基準なんてありません。文書は仕事に差し
支えない範囲で使える距離にあれば良いということです。
だったら、文書はどこか決まったところに1、2冊置いておけば、あっちこっち
に配る必要ななさそうですね。そうです、それが文書管理の秘訣です。
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