らくらくISO9001講座



QMS省令 ISO訳
令和3年版



これは、QMS省令の法令の文体を、ISO13485(JIS Q 13485)の文体に翻訳した
(元に戻した)ものです。
◆ ISO13485との相違点を、明らかにしています。
◆ クラスT医療機器 (一般医療機器) に関わる注釈を整理して読みやすくしました。

赤字・・・・ISO13485を変更・追加している部分

≪限定クラスT製品 適用なし≫
 ・・・・一般医療機器(クラスT)のうちリスクが低いもの (限定一般医療機器
    ついて適用が免除されている項目。

≪限定クラスT組織 適用なし≫
 ・・・・上記の、限定一般医療機器のみを扱う製造販売業(第3種 製造販売業)に
    ついて適用が免除されている項目。

一般医療機器(クラスT)のうち、QMS省令第2章が全て適用されるリスクの高い
医療機器は、厚生労働省告示316号に定められています(滅菌医療機器、特定
保守管理医療機器などが該当します)。
それ以外の医療機器が、限定一般医療機器です。

法令への適合性は必ず原文で判断して下さい


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第2章 品質マネジメントシステムの一般要求事項

 第1節 通則
第4条 適用 【1.2】

 第2節 品質マネジメントシステム
第5条 品質マネジメントシステムに関する要求事項 【4.1.1】
第5条の2 品質マネジメントシステムの確立 【4.1.2】
第5条の3 品質マネジメントシステムの業務 【4.1.3】
第5条の4 品質マネジメントシステムの管理 【4.1.4】
第5条の5 アウトソース 【4.1.5】
第5条の6 品質マネジメントシステムで使用する
ソフトウェアのバリデーション 【4.1.1】
第6条 品質マネジメントシステムの文書化 【4.2.1】
第7条 品質管理監督システム基準書(品質マニュアル) 【4.2.2】
第7条の2 製品標準書(医療機器ファイル) 【4.2.3】
第8条 品質マネジメントシステムの文書の管理 【4.2.4】
第9条 記録の管理 【4.2.5】


改訂 2022.08.16



第2章 品質マネジメントシステムの一般要求事項

第1節 通則



 第4条 適用  【1.2】

   承認対象品(薬機法 第23条の2の5第1項)あるいは認証対象品(薬機法 第23条
の2の23第1項)ではない医療機器及び体外診断用医薬品(届出対象品)については、
第30〜36の2条(設計・開発)の規定を適用しない。

  2 その品質マネジメントシステムが適用される医療機器の性質のため、この省令の第4節から
    第6節の要求事項のいずれかが適用できない場合、組織は自己の品質マネジメントシステム
     に、そのような要求事項を含める必要はない。

   組織は、上記2項による不適用がある場合には、その詳細について、品質マニュアルに記
載すること。



第2節 品質マネジメントシステム



 第5条 品質マネジメントシステムに関する要求事項  【4.1.1】 

   組織は、このQMS省令の第二章の要求事項に従って、品質マネジメントシステムを確立し、
    文書化する。また、品質マネジメントシステムの有効性を維持する。
    
  2 組織は、このQMS省令で文書化することを要求している全ての要求事項、手順、活動又は取
    決めを、確立し、実施し、維持する。

  3 組織は、以下の業に該当する場合は、その業種名を、品質マネジメントシステム文書の
    いずれかに記載する。
− 製造販売業 (薬機法第 23 条の 2 の 3 第 1 項に基づく許可)
− 製造業 (薬機法第 23 条の 2 の 3 第 1 項基づく登録)
− 医療機器等外国製造業者 (薬機法第 23 条の 2 の 4 第 1 項に基づく登録)
− 医薬品の販売業 (薬機法第 24 条第 1 項1に基づく許可)
− 高度管理医療機器等の販売業または賃貸業 (薬機法第 39 条第 1 項基づく許可)
− 管理医療機器等の販売業または賃貸業 (薬機法第 39 条の 3 第 1 項基づく届出)
− 医療機器の修理業 (薬機法第 40 条の 2 第 1 項基づく許可)




 第5条の2 品質マネジメントシステムの確立  【4.1.2】 

   組織は、品質マネジメントシステムを確立に際して、次の事項を明確にする。
(1) 品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織(事業所及び部門)への
  適用
(2) 製品の機能、性能及び安全性に関する、リスクに基づくアプローチ(リスク及びそのリスク
  に応じた管理の程度)
(3) これらのプロセスの順序及び相互関係。




 第5条の3 品質マネジメントシステムの業務  【4.1.3】 

   それぞれの品質マネジメントシステムプロセスにおいて、組織は次を行う。
(1) これらのプロセスの運用及び管理のいずれもが効果的であることを確実にするために
  必要な判断基準及び方法を定める。
(2) これらのプロセスの運用及び監視の支援をするために必要な資源及び情報を利用でき
  ることを確実にする。
(3) これらのプロセスについて、計画どおりの結果が得られるように、かつ、それらのプロセス
  の有効性を維持するために必要な処置をとる。
(4) これらのプロセスを監視し、定量的に把握する必要がある場合には測定し、分析する。
(5) この規格への適合及び適用される規制要求事項への適合を立証するために、必要な
  記録を確立し、維持する。




 第5条の4 品質マネジメントシステムの管理  【4.1.4】 

  1 組織は、これらのプロセスを、このQMS省令第2章に従って運営管理する。

  2 組織は、これらのプロセスを変更する場合は、次による。
(1) 品質マネジメントシステムへの影響度を評価する。
(2) この品質マネジメントシステムで製造する医療機器の、機能、性能及び安全性への影響度
  を評価する。。

  3 変更に伴って、規制要求事項で規定された、申請、届出、報告、提出その他の手続を実施する。




 第5条の5 アウトソース  【4.1.5】 

   要求事項に対する製品の適合性に影響を与えるプロセスを、アウトソースすることを組織が決め
た場合には、組織はアウトソースしたプロセスが、その供給者によって管理されることを確実に
する。

   【組織は,アウトソースしたプロセスに関して,この規格並びに顧客の要求事項及び適用される
    規制要求事項への適合に対する責任をもつ。<削除>】

   管理の程度は、製品に関連するリスク及び外部パーティの能力に見合ったものとする。

   管理する事項を、供給者との文書化した品質上の合意に含める。 
    ≪限定クラスT製品 適用なし≫




 第5条の6 品質マネジメントシステムで使用するソフトウェアのバリデーション 
        【4.1.6】 
                               ≪限定クラスT組織 適用なし≫

   組織は、品質マネジメントシステムで使用するコンピュータソフトウェアの適用のバリデー
    ションの手順を文書化する。
   このようなソフトウェアの適用に際して、初回の使用前にバリデーションを行う。 また、その
ソフトウェア又は適用の変更の前に(適切な場合には変更後に)、行うことができる。
  3 組織は、ソフトウェアのバリデーションに関する活動を、製品の機能、性能及び安全性への
    影響を含む、ソフトウェアの使用に伴うリスクに見合ったものとする。
  4 組織は、この活動の記録を維持する。




  第6条 品質マネジメントシステムの文書化 【4.2.1】

    組織は、品質マネジメントシステムの文書には、次の事項を含める。

(1) 文書化した、品質方針及び品質目標の表明  ≪限定クラスT組織 適用なし≫ 
(2) 品質マニュアル(品質管理監督システム基準書)
(3) このQMS省令2章が要求する文書化した手順及び記録
(4) 各事業所における、プロセスの効果的な計画、運用及び管理を確実にするために必要で
  あると組織が決めた記録を含む文書
(5) 薬事関係法例で規定されているその他の文書

 



 第7条 品質管理監督システム基準書(品質マニュアル) 【4.2.2】

   組織は、次の事項を含む品質管理監督システム基準書(品質マニュアル)を作成し、維持すること。

(1) 品質マネジメントシステムの適用範囲。除外及び/又は不適用がある場合には、その詳細
   とそれを正当とする理由。
(2) 品質マネジメントシステムについて確立された"文書化された手順"、又は文書番号などの
   それらを参照できる情報
(3) 品質マネジメントシステムのプロセス間の相互関係に関する記述

   品質マニュアルは、品質マネジメントシステムで使用されている文書体系の概要を示すこと。
    ≪限定クラスT組織 適用なし≫




 第7条の2 製品標準書(医療機器ファイル) 【4.2.3】

  1 組織は、それぞれの医療機器の型式又は医療機器ファミリに対して、次の内容を含む製品
    標準書を確立し、維持する。

(1) 医療機器の一般的名称及び販売名またはファミリの総称、意図する用途・目的及び
   全ての使用説明を含むラベリング
(2) 製品仕様
(3) 製造、保管、取扱い及び配送の仕様又は手順
(4) 測定及び監視手順
(5) 適切な場合、据付けに対する要求事項
(6) 適切な場合、サービス手順に対する要求事項




 第8条 品質マネジメントシステム文書の管理 【4.2.3】

   組織は、品質マネジメントシステムで必要とする文書を管理する。

   文書化した手順は、次の活動に必要な管理を規定する。

(1) 発行前に、適切かどうかの観点から文書をレビューし承認する。
(2) 文書をレビューする。また、必要に応じて更新し、再承認する。
(3) 文書の現在の改訂版の識別及び変更内容の識別を確実にする。
(4) 文書を改訂した場合は、その改訂版が使用可能な状態にあることを確実にする。
(5) 文書が読みやすく、容易に識別可能な状態であることを確実にする。
(6) 外部で作成され、組織が品質マネジメントシステムの計画及び運営に必要と判断した
   文書を明確にし、その配付の管理を確実にする。
(7) 文書の劣化又は紛失を防ぐ。
(8) 廃止文書が意図に反して使用されないようにする。また、廃止文書を保管する場合には、
   その目的に関わらず、適切な識別をする。

   組織は、その決定の基礎となる関連する背景情報を入手できる立場にいる、最初に承認した
部署又はその他の指名された部署が、文書の変更をレビューし承認することを確実にする。  
≪限定クラスT組織 適用なし≫ 

  4 組織は、廃止した管理文書またはそのコピーを、第67条で定める期間、保管する。




 第9条 記録の管理 【4.2.4】

   記録は、要求事項への適合及び品質マネジメントシステムの効果的運用の証拠を示すために、
    作成し、維持する。記録は、読みやすく、容易に識別可能で、検索可能であること。

   組織は、記録の識別、保管、セキュリティ(漏洩、紛失、破損)及び完全性(改編の防止)
    維持、検索、並びに保管期間及び廃棄に関して必要な管理を規定するために、手順を
    文書化する。

   組織は、医療機器の使用によって得られた個人情報を保護するための方法を規定し、実施
    する。

   記録は、読みやすく、容易に識別可能で、検索可能する。
    記録の変更は、識別可能とする。

   組織は、第68条で定める期間、記録を保管する。



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