らくらくISO9001講座


言いたい放題Q&A
4章 品質マネジメントシステム 編

トップへ
戻る


4.1 品質マネジメントシステム 一般

 アウトソースの管理は何処までやれば良いの?

 アウトソースの管理は何処までやれば良いのでしょうか。外注先の方が当社より技術
が高く、実質的な管理ができません。


 こうしなければならないという基準はありません。しかし、あえて言うならば、自分で安心できる範囲までです

 ISO9001の目的は顧客に自社の実力を示し信頼してもらうことですが、自分で心配なものを、顧客に信頼させるのは絶対に不可能です。製造工程の大部分を外注するのであれば、相応する外注管理をしていなければ顧客(+審査機関)は納得しないでしょう。

 ただし、業界トップメーカーに外注するのと、無名の会社に外注するのでは、顧客に納得してもらえるレベルが変わります。トップメーカーであれば、その技術レベルを評価・確認し、責任分担を明確にした上で、任せてしまうことでも、顧客は不安を感じないでしょう。


目次へ ページ頭へ

 アウトソースと購買は違うの?

アウトソースと購買の違いが分かりません(建設会社)


いそいそフォーラムでも、2種類の考え方があって
 1.「アウトソースは購買を超えた別の要求事項」派
    一般の購買より厳重な管理を要求しているので、わざわざ別に書いてあるのだ
 2.「アウトソースは購買の一部を念押ししたもの」派
    購買の一部だが、不当に適用外にしないように、あえて強調しているのだ
があります(私は後者)

 ISO9001に具体的な定義はありませんから、企業の立場として、どちらの解釈をとっても問題はないでしょう。アウトソーシングをしっかり管理していることを説明できれば良いのです。

 購買で求められている業者の評価選定、受入検査はもちろんのこと、(建設会社の場合であれば)設計図書の説明、現場の組織、業務指示方法、出来形確認、日常管理など、実際にやっている内容を上手にアピールしましょう


目次へ ページ頭へ

4.2 文書化に関する要求事項

  品質マニュアルをコピーし、配付するのが大変です

 品質マニュアルを改訂するたびに、大量のコピーを作り、配付するのが大変です。何と
かなりませんか?


 文書をむやみに配っちゃいけません(おいおい)

 ISO9001は必要な人が使えるようにとは言ってますが、みんなに配れなんて言ってません
各事務所に1冊、みんなが使いやすいところに置いてあれば十分です。

 個人に配ったり、部署ごとに配ったりすれば、事務局の仕事が増えるだけです。教育用なら、一番最初だけ「非管理版」を配ればいいんです。

 管理版が5部以下であれば、「私が責任を持って差し替えてきます」と言えば、文書管理台帳なんてのもいらないし、楽なものです(原本だけなら配付なし)。
 文書管理は、事務局に取って重要な仕事じゃないんだから(他に大事なことがある)、おもいっきり手を抜こう。




<付録> 文書管理を楽に管理する極意(取り扱い注意)

   ・文書は個人に配らない
   ・文書は部門ごとに配らない
   ・文書を配っても、結局は少数の必要な人しか見ない
   ・文書は1事務所1冊が原則
   ・文書はいつも使う場所にしか配らない
     (たまにしか見ないのなら、使う時にある場所に見に来い)
   ・原本1冊で配付しなければ、配付管理はない
   ・要するに、文書はなるべく配らない
   ・仕事のやり方は、様式を見ればわかるようにする
   ・教育は管理外コピーで行う
   ・管理外コピーを作らないことより、仕事に使わないことを徹底する
   ・社内LANで文書管理する時は、手でも維持できるような楽なシステ
    ムにしてから乗せる


目次へ ページ頭へ

  ISOの文書は文書番号、ページ、日付が必要か?

 ISOで用いる文書は、全てのページに文書番号、ページ、日付がついていなければいけ
ないのでしょうか。また、鉛筆書きは認められないのでしょうか?(ISO9001、ISO14001
両方)


 ISO9001、ISO14001書いていること以外に、決まりはありません

  文書番号     : 要求でない。管理方法の一つ。
  ページ      : ISOに関係なく、便利で間違いがないようにやる
  日付       : 14001では要求事項。9001では要求事項でなく、間違い防止
             や識別のために常識として実施。
  全てのページに記入: 根拠なし
  鉛筆書禁止    : ISOでは根拠なし。でも9001で重要な文書が鉛筆書きだと、
             顧客の信用を損なう

 結局、本当の要求事項は、ISO14001の日付だけでした

 まあ、やるに越したことはないけど、自社の事情に合わないのに、ISO要求事項と信じて形式的にやるようなことは避けましょう

 

目次へ ページ頭へ

  記録を正しく作成してもらうには

 記録をきちんと記入してもらえず、後追いで抜けた部分を補充するのが大変です。どう
すれば、ISOが定着するでしょうか。


 現場に人に、「ISOで必要」とか「審査の際に困ると」いう理由だけで記録を書いてもらおうというのが、そもそもの間違い。

 現場の人が記録を書いてくれるのは、本当に必要性を納得した時だけ。例えば、宅急便の伝票なら、ISOがなくてもちゃんと書くでしょう。これは、ちゃんと記入しないと、後でひどい目に会うと思っているからです。それが定着ということです。

 記録を正しくつけてもらうためには、まずルールや記録の無駄な部分を削り、会社または作業者が本音で必要と感じる部分だけに絞ることが肝心です。

 

目次へ ページ頭へ

トップへ
戻る