新しき歌もて(詩篇第98編)

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詩篇第98編「新しき歌もて」聖頌
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 この譜面は別項「イェス君」の譜面に次いで古い楽譜である。1ページ曲名に次いで(混声)とある。つまりこの曲がグリークラブの定番曲であり、メンバーの男声部が全員グリーメンであったがために“男声版ではない”旨の注記をつけたのであろう。また4ページ下に下記の記載がある。

  D.U.M.C. 1947.9.2 copied by Y.Ban

 「イェス君」の3ヶ月後のもの。コピイストの伴さんは当時の部報「The Collegiate Choral Doshisha」も担当されており、団のガリ係を勤めておられたようだ。
 この譜面は恐らく原曲の姿ではない。ソプラノが最後のアーメン二唱で当譜面のテノールを歌うのが元の姿であろう。その理由は、@神戸組合基督教会聖歌隊の1923年版「Choir Book」には明らかにそう記譜されていることが一つ。Aまた、グリー50周年記念誌に同クラブ第3代指揮者・平田甫氏が「或る日平安教会で堀内清氏が横浜か何処かで手に入れられた謄写版刷の一曲。美しい曲で礼拝向きの混声曲。相当変化はあるし、讃美歌ばなれをして居る。勿論不相応なことは判って居るが(中略)丸で追われる様にして編曲したのが此の詩篇第九十八(中略)曲が礼拝向で実に美しいが演奏会には少し地味すぎる(中略)神戸の青年会で歌った時に試みに終りをオクターブ上げてフォルテシモにして見た。それまではピアノでアーメンを歌っていた。」と書いているように、下降旋律が原曲で上昇旋律は平田編曲だということ。よって当譜面は混声原曲の終止を平田編曲にならって変更したものであろう。

「聖頌」はボルトニアンスキー作曲。速度・表情記号からしてドイツ経由のものであろう。後年「合唱教程」に“合唱練習「三聖頌/Holy! Holy!」D.Bortniansky」”として掲載された曲。

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