J.Sバッハの作品は名曲揃いですが、他の作曲家と特に異なるのは、時代や国籍、ジャンルの境界線を越えて受け入れられる懐の深さを持ち、
様々な編曲・アレンジ、楽器の変更を許容してもなおバッハの魅力的な音楽であり続ける堅固な音楽的骨格を持っていることでしょうか。
例によってYoutubeでバッハの鍵盤楽器用の曲、平均律クラヴィーア第一巻の2曲目の前奏曲 (BWV847) の様々な演奏を聴いてみました。
原曲が作曲された当時は、チェンバロでの演奏が想定されていただろうと思います。(現代のようなピアノはまだ存在しませんでしたから)
Anthony Newman (Harpsichord)
それが次第に現代ピアノでも演奏されるようになったものの、チェンバロのような歯切れのいい音切れではない演奏が多く、
バッハならではのテンポと対位法的な音の対流の魅力が損なわれていました。
そこに現れたのがグレングールド。彼は現代ピアノで少し極端なスタッカートを多用し、歯切れの良さと対位法の効いたバッハを取り戻しました。
Glenn Gould
Youtubeならではの、この曲の楽譜を動的に視覚化し、アーティスティックでもある動画がこちら。目に美しく曲の構造が良くわかります。
ここまでがスタンダードなバッハ。
そして、 この絵日記を書こうと思った動機となった演奏がこれ。原曲の良さを壊さずに上手く曲を膨らませて展開させていると思います。
Sansar Sangidorj のアレンジによるBWV847 (出来ればそれなりに良いUSB-DACを通して聴いてほしいです。)
ピアノを弾いているのが編曲した Sansar Sangidorj ご本人(モンゴル出身)なのですね。
アンサンブル音楽三昧によるバロック・チェロ・ヴァージョン。
エレキギターによるRock version。
サックスカルテットによる。Saxophone version 。
ダンスだって踊っちゃいます。 Flying Steps バッハもビックリ、凄いですね。
追記 : しかし、私の一番好きなバッハの曲は、と問われれば、やはり 「BWV1004の終曲であるシャコンヌ」 でしょう。
五嶋みどりさんの素晴らしいシャコンヌの演奏がYoutubeにアップされていました。ブラボー!
追記2 : Polina Osetinskaya のピアノによるBWV1052 チェンバロ協奏曲も素晴らしく、何度も何度も観てしまう動画です。
特に第1・3楽章のテンポの刻み方が良いと思います。ブラボー!