11月4日

このところの政府の強引で露骨な世論操作が目立ちます。(安倍政権は表と裏の顔の乖離がひどくなっていくだろうと私は思っていますが。)

教育基本法を改正したい政府は、地方公聴会での学校の答弁を“内閣府が文章を作成し用意したもの”を読ませるという自作自演をさせたそうです。

また、進学高校の授業の偏りによる単位不足問題も、以前から判明していたものを世論操作のために“あえて今、政府がリークした”という説もあります。

NHKの短波放送に「拉致問題報道を優先せよ」と総務大臣が圧力をかけたのも、政府による情報統制であり、看過できません。

警察庁が「曽我さんを拉致した工作員の逮捕に踏み切った」のが、なぜ今、このタイミングなのか、裏を詮索されても仕方がない気がします。

(かつての戦争も、「やったもの勝ち」で軍部が戦闘を始め、死傷者をだしておいてから“英霊を無駄にするな”などという論理で反対派や世論を封殺して、

戦闘継続を押し通し、戦線をひたすら拡大していくことになったのですが、同じ世論操作の手法が用いられつつあるように思え、とても心配です。)

その一方で、靖国問題や政調会長の核武装発言など、風向きの悪そうなことには沈黙してやり過ごし、話題が再燃すると火消しに躍起です。

明らかに政治家や官僚は国民をなめきっていて、情報操作さえうまくやれば、いくらでもやりたいように権力を行使できる、と考えているとしか思えません。

(このところNHKのニュースの伝える内容も、“政府寄り”の立場から発言する傾向が強まっている、と感じ、懸念しています。)

 

それに、首相官邸の権力を強化するにつれ、首相周辺へのゴマスリが増えているようにみえます。大東亜戦争のときのように、参謀本部の周辺が

自己の地位確保だけに始終しているうちに現場との状況認識に大きな隔たりが生まれ、トンチンカンな指令がださるような中枢部に堕ちていく予兆がします。

まだ参議院選挙を来年にひかえているので、これでも控えめにやっているのでしょうが、万が一、参議院選挙で国民が自民党に圧勝なんてさせた暁には

政府はさらにメディアに対する圧力を高めて好き放題に振る舞い、国民の現状を省みない独裁国家か社会主義国家の様相を呈する危険があります。

そんな政府でも国民が(まんまと世論操作に操られて)熱烈に支持するようなら、日本は再び、地獄の一丁目からやり直しするしかないってことでしょうね。

 

〜ここからは前もって用意していた別の文章〜

精神的に不安定で生きる希望を見出せないでいた14歳頃の私に、絵の道への示唆を与えてくれたのは中学校の国語担当の I 先生でした。

教科書をあまり使わない独創的な授業や漫画の後半のストーリーを考えさせるようなテストを考案、実施して、私は大いに好奇心や創造力を啓発されました。

しかし受験戦争が過熱していた当時、 I 先生の方向性は、受験や一般的な価値を重視する父兄には評判が悪く、私の母もマイナスの評価をしていました。

今の「お国のため」の人材を育成さようとする偏狭な教育論議から生まれる評価基準では、 I 先生のような人は“ダメ教師扱い”されてしまうに違いありません。

(黒澤明の「赤ひげ」だって、お役人にたて突くために免許更新はダメでしょう。管理管理で教育がよくなるなんて、皆さんは本当に信じているのでしょうか?)

先生の免許の更新ウンヌンを問う前に、“お上や親のいうことばかりに忠実な”画一的で薄っぺらい先生ばかりになってしまっていいのか、私は懸念しています。

自主性を持ち、人間的に豊かな人材の成育に必要なのは、同じく個性的で魅力的な先生です。その人材が“管理ありき”の発想から集まることはありません。