7月8日

「孫子」は「戦わずして勝つ」ことを最良とした。

「百戦百勝は善の善なるものに非ず。

戦わずして人の兵を屈するは善の善なり。」

力づくで相手を屈服させるとなれば、

どんなに上手く戦っても、

こちらもかなりの損害を免れ得ない。

「戦わずして勝つ」ためには

外交交渉によって相手を封じ込めてしまう、か

謀略や知略を駆使して相手を骨抜きにするか。

また「孫子」は、

包囲した敵には逃げ道を与えておけ、ともいう。

なんとか生きのびられそうだとなれば、

常軌を逸した死に物狂いの反撃をしてはこない。

敵を厄介な存在にすることを防ぐことができる。

(参照 :「中国古典の人間学」 守屋 洋: 著)