7月15日

どうしてアメリカにそう頼るかときいたら、小泉さんは、アメリカに護ってもらわなければならないと、国連には護ってもらえないではありませんか、と

言ったけれど、どう思いますか」って、ある新聞記者の方にきかれたことがあります。

ほんとうに小泉さんがそんなことをいったかどうか知りませんが、「そんな発想は単純すぎますね」と私は言ったのです。

そもそも軍事的にいきなり攻めてくるなんてことは、めったにないことないことなのです。

そういうものに対応するのは、ただの軍事力だけではないのです。発想の力であり、外交の力であり、経済の力であり、そういうものがいろいろ複雑に。

脅威というものの実態に対する分析も弱いと思います。

いまの世界における脅威は何かという、このあいだの国連改革パネルは、脅威の実態から分析をはじめました。

6つの脅威の部分をつくって、開発の遅れとか、テロ、大量破壊兵器ですよね。それから感染症、人身売買、麻薬取引、

そういういくつかの実態を出したのです。そういうものを総体的に見ないと、安全というものは言えないわけです。 (緒方貞子 2005年1月