5月23日(号外)

中国の副首相が小泉首相との会談をキャンセルして帰国しました。

その一方で、経済界の重要な催しには参加し、日本語で挨拶までして、愛知万博会場では日本の工業力を讃えました。実に痛快です。

明らかに中国は、小泉首相と外務省の親米・対中国強硬派を飛び越して、日本の実業家や国民と直接国交を結ぶ、というメッセージでしょう。

中国の政治家は、さすがに馬鹿ではありません。いまや日本と中国の国交正常化において、最大の障害物は日本政府の高官達そのものです。

中国は日本の世論が首相の靖国参拝に過半数が反対、という報道などから、今回のキャンセルが日本国民を敵にまわすことはないと読んでいるのでしょう。

結局、外圧によってしか日本の中枢は変わらないのか、と思うといささか残念ですが、変わらないよりは日本の未来にはるかに希望がもてます。

これで日本政府が、国民からもアジアからも宙に浮いていることを自覚できないとするなら、速やかに重要職を退いていただくしかありません。

問題はこれからの外務省と首相周辺の言動です。おそらく今回のことが中国によって「日本が愚弄されたのだ!」ということを盛んに発言して

日本の世論の感情面をあおり、「悪いのは(首相・外務省ではなく)中国の態度だ、けしからん!」という方向へ誘導しようとすることでしょう。

果たして各メディアがどのような報道をしてくるのか、そして日本の世論がただ流されていくのか、自ら考える力がついてきているのか注目しています。

各メディアの社質、日本国民の意思力が問われます。私も日本の人々を信頼し、頼もしく思える結果を期待したいと思っています。