きゅうりなどの野菜を描くときの私の頭には、 伊藤若冲の絵が浮かんできます。 江戸時代に八百屋の長男に生まれながら (結果的に)家業を継がず絵描きになった 若冲ではあっても、野菜は幼い頃から 慣れ親しんだモチーフだったと思われます。 彼の自由闊達な発想と視点、 (毛筆文化に裏打ちされた)筆さばきによって 絵のなかで生命を与えられる 野菜たちの表情は素晴らしいですね。
日本がこの百年、欧米世界に追いつこうと 急速に近代化を推し進めた過程で行った、 産業や教育における極端な合理化の 弊害として、私達の価値観や技術が ひどく単純化・均質化しているという現状を (少なくとも作家は)どうにかして打ち破って いかないとイケナイ、と感じています。 |
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