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私の一番大好きな曲はJ.Sバッハのシャコンヌです。

聴き比べというほどのものではなく、それぞれの印象を。

※他の演奏を聴いて評価を書き変えることがあります。

私のお気に入り

Chaconne

無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルテイータ

第2番 ニ短調 BWV1004 第5楽章 Chaconne

ここでは、私の独断と偏見をもとに、

いろいろなシャコンヌ演奏についてつらつらと書きます。

と、思ったら、すでに素晴らしいHPがありました・・・。

 

ヴァイオリン版(Nomal)

 

◎ ヴァイオリン : ヘンリク・シェリング

テンポ・音色ともに落ち着きと深みがあり、

豊かな抑揚と、心地よい緊張感をもって演奏されます。

人間的な温かさが感じられる演奏だと思います。

愛聴盤です。

Szeryng

14:24

 

◎ ヴァイオリン : ナタン・ミルシュテイン

力強い厚みと切れの良い滑らかさを両立した音で

構築性の高い表現を朗々と奏でる。またメリハリや

タメを伴いながら歌う。ただ、感性よりも構築性が

優先するように感じられる点に、少し距離を感じる。

Milstein

13:56

 

◎ ヴァイオリン : ヒラリー・ハーン

かなりゆったりと独特のテンポで弾いているが、

朗々とヴァイオリンを鳴らし、魅力的に聴かせる。

この超有名な曲から、新たな魅力を引き出している

ように感じる素晴らしい演奏。ホントに18歳?

Hahn

17:48

 

◎ ヴァイオリン : ラファエル・ポッジャー

繊細ながら柔らかく温かみのある豊かな音色。

等身大のスケールの中に、細部の表情を魅力的に

描いていて、質の高さと聴き易さを両立させている。

空間に響く余韻は、どこか中世の品格を思わせる。

Rachel Podger

13:36

 

◎ ヴァイオリン : 加藤 知子

一音一音の響きの艶ややかな(倍音効果抜群の)

美しさと共に、旋律同士太い線でポリフォニーを

構築していく。各フレーズ毎にヴァイオリンから

様々な音色を引き出しつつ、説得力ある見事な演奏

加藤知子

14:30

 

◎ ヴァイオリン : 川畠 成道

丁寧に、艶やかに変化してゆく音色の美しい演奏。

音の立ち上がりと余韻の響きが印象的です。また、

一つ一つのフレーズに気持ちがこもっている感じです。

後半の反復の繰り返しが、やや単調なのが惜しい。

川畠成道

14:54

 

◎ ヴァイオリン : 二村 英仁

気持で曲を引っ張っていくタイプの良さが光る演奏。

曲を良く消化し、初めから最後まで一本筋の通った

集中力ある演奏がとても心地良いです。

ヴァイオリンの音がやや単調に感じられるのが惜しい。

nimura

15:09

 

○ ヴァイオリン : 久保田 巧

反響音をほとんど拾わない非常にシンプルな音色。

音・テンポ共に装飾を排して、変奏に集中した演奏。

ある意味、独特で貴重な演奏だが、私はもう少し

表現としての音楽的な装飾がほしいと感じてしまう。

久保田 巧

16:56

 

○ ヴァイオリン : 天満 敦子

こちらも気持ちで曲を引っ張っていくタイプ。曲の

初めから最後まで、のめり込む緊張感が伝わって

きます。私もこの曲では熱演型の演奏が好きですね。

粗を探せば言えますが、素直に魅力が勝っています。

天満敦子

15:55

 

○ ヴァイオリン : ルドルフ・ギュラー

曲弓での演奏の効果で柔らかく豊かな響きが

印象的。特に最初と最後の重音のところで顕著

演奏はそれなりだが、独特な音の響きを楽しみ

ながら最後まで快く聴ける

Rudolf Gahler

14:39

 

○ ヴァイオリン : 塩川 悠子

全体の構成・進行は音色を大切にしながら

展開していて好感が持てます。(特に後半)。

ただ、出だしの音の所在なさや、前半のリズムの

とり方に機械的な単調さを感じる点が惜しいです。

塩川悠子

14:26

 

○ ヴァイオリン : ギドン・クレーメル

映画「無伴奏シャコンヌ」のサントラ盤。

地下道での演奏の設定ゆえに反響音の多い録音。

通常の演奏ではできないような“遊び”が所々にあり

興味深い。全体はやや散漫だが部分は魅力的

14:29

 

○ ヴァイオリン : ヴィヴィアン・ハグナー

演奏は抑揚のニュアンスなどなかなか良いと思う。

しかし音色が気に入らない。高域寄りの軽い音。

ボウイングが浅すぎるんじゃないかと疑いたくなる。

もっと、しっとりじっくりと楽器を鳴らしてほしい。

Hagner

14;10

 

△ ヴァイオリン : 寺神戸 亮

アルバム全体でシャコンヌの成立の歴史的背景となる

曲を紹介してくれている研究姿勢が素晴らしいです。

ただ演奏は、後半のテンポが速すぎに感じます。

ドライブ感があることと、速く弾くことは別と感じます。

Terakado

12:19

 

△ ヴァイオリン : ヤッシャ・ハイフェッツ

1959年の録音でMONO.

スタッカートの切り方が極端すぎて、魅力的な部分も

台無しにしていると思うのは、私だけでしょうか。

 

ハイフェッツ

12:53

オリジナルと声楽入り

ヴィオラによる演奏

 

 

○ヴァイオリン+声楽 : ヒリヤード・アンサンブル

声楽とバイオリンの組合わせに編曲。

独特な雰囲気が、なかなか良いです。

録音環境が少しエコー過多のように感じますが、

解像度の高い再生環境で聴けると、甘さは消えます。

Hilliard

 

 

○ ヴィオラ : 金丸 葉子

今井盤に比べ、ホールの残響を利用して音を

長く響かせる音つくりの工夫が感じられる。

また、弦を弾く力の強弱を巧みに使い分けて、

独特の音色の幅をつくりだし、聴き易い。

金丸 葉子

※今井信子さんの教え子だそうです。

 

○ ヴィオラ : 今井 信子

リズムを工夫し、自然な流れを生みだしている演奏

だが、ヴィオラは音が伸びない楽器だなぁ。と思う。

弦が太く硬いのだろう。低く太く短い音の“良さ”を

どう生かしたらより魅力が出るだろうか。

今井信子

 

バッハ自身によるリュート編曲版

 

 

 

◎ バロック・リュート : 菊池 雅樹

リュートの音色と強い思い入れを感じる演奏が魅力的。

この曲を日常的に弾きなれているように感じられ、

良く曲が消化されていると思います。愛聴盤。

しかし、このジャケットはいかがなものでしょうか・・。

Kikuchi

 

 

◎ ギター : 福田 進一

テンポ運びや旋律の歌い方が好きです。

ギターはここまで表現可能なのか、と思うほど

各パートが見事に描き分けられて、

曲が構築されていく演奏が素晴らしい。

Fukuda

 

 

チェロ編曲版

 

その他の弦楽器版

 

○ チェロ : 岩崎 洸  (編曲:岩崎 洸)

この曲をチェロで弾くことの技術的な難しさはわかり

せんが、オリジナルとは違った独特の魅力を

聴くことができます。ただ、ヴァイオリン以上の、

艶やかさやキレをチェロに求めるのは酷なのかも。。

岩崎洸

 

 

○ 4台のチェロ : ラ・クァルティーナ

(編曲:ラースロー・ヴァルガ)

4台のチェロの厚みのある音色が魅力的です。

ただ、ところどころに見え隠れするソロのパートが

歌いきれていない感じがするのが少し残念です。

LaQuartina

 

 

○ ダブル・ハープ : アンドルー・ローレンス・キング

珍しい、クロマティック・ダブル・ハープという

楽器による演奏。ハープの響きを大切にするように

ゆっくりと(17:33秒)弾きながらも、対位法を的確に

生かして、音楽を作り上げた演奏が魅力的です。

Lawrence

 

 

鍵盤楽器版(主にプゾーニ編曲)

 

 

◎ ピアノ : ヘレン・グリモー

時にしっとりと、時に力強く、旋律のツボを

ひとつも逃すことなく、情緒的ながらも感情に溺れる

こともなく、とても豊かで魅力的な歌を聴かせて

くれる。私にとってはピアノ版のベスト演奏。

Grimaud

 

 

◎ ピアノ : アルトゥーロ・ミケランジェリ

歌わせるところは朗々と、

締めるところは音色や速さを変えてグッっと。

その多彩な音色やニュアンスの絶妙なこと!

ピアノ編曲版がこれほど魅力的とは、と感じます。

 

 

◎ ピアノ : 杉谷 昭子

ピアノの音色の幅が厚く豊か。

演奏も小さくまとまらず、(失敗を恐れずに)

大胆な変奏表現にチャレンジしていて魅力的。

ただ、曲全体の構築感は少し弱い。

杉谷昭子

 

 

 ○ ピアノ : 高橋 悠治

クールに、ピアノとチェンバロの

中間のようなタッチと、軽快な

テンポで多声変奏曲の魅力を描きだしています。

 

Takahashi

 

 

○ ピアノ : ミハエル・プレトニョフ

柔らかいタッチは好きですが、ややロマン派的な

演奏で、バッハ向きではないかもしれません。

私はもう少しテンポを安定させ、

音色も濁らせない演奏のほうが好きです。

Pletnev

 

 

△ オルガン : オリヴィエ・ラトリー

珍しいオルガン編曲版(編曲:アンリ・メセレ)

もともとオルガン用に作られたパッサカリアとは違い、

音の重層性によるオルガンの生かし所がなく、

シャコンヌは旋律が歌う要素が多いことを再認識。

Latry

 

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