(2009.04.02)

東芝製HDDレコーダ RD-XS34のDVDドライブ換装

●欠陥ドライブ

DVDドライブを数時間連続使用していたらぶっ壊れた。ディスクの認識に失敗してシステムフリーズし、イジェクトすら不可能。電源を引っこ抜いてしばらく放置したら、イジェクトだけは可能になったが、正常使用はできなくなった。どうやら、熱がこもって壊れたらしい。購入当初から、追記をするとディスクを丸ごとぶっ壊すとんでもないドライブだったが、流石にこれでは実用に耐えない。ネットで調べると同様のトラブルが頻発していて、DVDドライブの換装は東芝ユーザーの常識になっていた。どうも東芝製のDVDドライブに根本的な欠陥があるらしい。

●互換ドライブ

てんで、ネット情報を元に、オークションにてパナソニックのLF-M721JD(SW-9573搭載)を入手、換装を試みた。ちなみに、DVDレコーダの中身はほとんどLinux PCみたいなものらしいが、DVDドライブには激しい相性があって、何でも使える訳ではない。SW-9573が安牌らしい。換装自体はそんなに難しくない。まず、東芝製のドライブを外し、前の方に接着剤付けされているゴムパッドを剥がす。パナ製のベアドライブのフロントベゼルを外して、ゴムパッドを同じ位置に両面テープで貼り付ける。あとは、パナ製ドライブをはめ込んでネジ止めするだけ。途中でうっかりフィルム配線のコネクタを引き抜いてしまったが、差し直しで解決。

●ダブルクリック

ただし、これで完全に互換になるわけではない。けっこういろいろ制限があるらしい。中でも大きな問題点は、普通にディスクをローディングしただけでは、正常に認識しないこと。ローディングして「CLOSE」表示が消えたら3秒くらい待って、さらに[取り出し]ボタンをダブルクリックして、再度「CLOSE」表示をさせないといけない。あるいは、ディスク挿入状態で電源の入れ直しでも認識させることができる。慣れれば何でもないが、けっこう面倒臭い。

ちなみに、この「ダブルクリック」は、マウスの所謂「ダブルクリック」のように素早く二度押してはいけない。少し間を開けるのがコツ(感覚としては0.5秒くらい)。ディスクをローディングした後、@[取り出し]ボタンを押して「OPEN」を表示させ、A実際にディスクが出てくる前にもう一度[取り出し]ボタンを押して「CLOSE」を表示させる。押す回数ではなく、「CLOSE」を表示させることが重要。

●ファームウエア

なお、ファームウエアのアップデートが必要との情報もあったが、少なくともウチの機体ではそのまま使用可能だった。また、つい最近(2009年3月に)ファームウエアの最新版が出ていて、「ドライブの修理交換のための対応ソフトウェアに更新」された。しかし、これを当ててもパナ製ドライブのダブルクリック問題は解決しないという報告があったので、当面試みるつもりはない。

【追記】…と思ったら、大間違い。なんと、DVD-RWは正常に読み書きできるのに、DVD-Rは認識すらしない。しょうがないので、ネットdeナビでZW10→ZW11にアップデート。けっこう面倒臭かった(東芝のHPからID登録が必要だし、ネットdeナビはDHCPじゃないと上手く動かなかったし…いや、ゲートウェイとDNSのアドレスが間違っていただけ、という説もあるが)。ともかく、アップデートしたら、DVD-Rも正常認識した。書き込み/読み込みとも良好。特に書き込み速度はかなり速くなった印象。もっとも、ダブルクリック問題はそのままだが。

●リコールしろよ!?

ネットで調べる限り、この時期の東芝製HDD/DVDレコーダには、この種のドライブ不良が頻発している。メーカーでは個別の問題としているようだが、設計ミス/製造ミスがない限り、こんな頻度では起きない。東芝に限らず、最近は日本製品の品質の劣化が著しい。私が実際に被害を受けた物だけでも、ソニー製CCDの不良、富士通のHDD集団死、シャープのMP3レコーダのメモリ不良、富士フィルムのデジカメのキャパシタ抜け、それに今回の東芝製ドライブ不良(ついでに言っておくと、テレビ東京の経済番組のフリップ/テロップの誤字の多さ)と、ちょっと従来になかった頻度になっている。

すべて、私の持っている機体がたまたまハズレだったのではなく、多くの同機種ユーザーが同じような症状を訴えて、ネットに大量の書き込みをしている。製品に構造的な欠陥があると言われても仕方のない事例だ。当然、私がもっていない機種でも、同じような問題が頻発しているだろうことは想像に難くない。しかも、その大半の問題に、メーカーは頬被りをしている。ソニー製CCDや富士通製HDDのように、リコールにつながったのは例外的な事例だろう。

こうした品質低下の原因は、端的に言って競争の激化。目先の利益につながらない部分を徹底的に削った結果だろう。今回のDVDドライブ問題だって、100時間程度のロードテストをしていれば、出荷前に十分発見できる問題だ。それすらできないくらい、コストの切り詰めを要求されていたのだろう。また、そうでもしなければ、こんな低価格になるはずがない。結局、私も含めてユーザーはバカだから、品質よりも目先の割安感に動かされる。現在の日本製品の品質劣化は、ユーザーの作ったものとも言える。ただ、心配なのは、こんなことが続くと、こういう製品しか作れなくってしまうことだ。

●防衛策

個人ユーザーのレベルで、工業製品の品質劣化を防ぐことはできない。でも、自衛策はないでもない。 そして、一番重要なことは、現在の日本製品の品質レベルはそういうもんだと認識すること。中国製品が壊れても文句をいうユーザーは多くないだろう。ならば、日本製品が壊れても文句を言うべきではい。経済の支配原理は同じなのだから。

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