(2012.07.15)
2013.02.01 次のような手順でUSB HDDに移動すれば、正体不明のダビング不能現象は、かなりの程度抑えられる。
@内蔵HDDにTSモードで録画
※TSモードで録画するのは、レート変更ダビング時の劣化を少しでも防ぎたいため。 わざわざプレイリストを作成してダビングをするのは、以下で述べる《つなぎ目情報》の飽和によるダビング不能現象を避けるため。直接CMカットしたファイルをダビングするよりも、プレイリスト経由でダビングする方が、ダビング不能現象は起きにくいことが実証されている。しかし、完全に防ぐことができるというものではないようだ。実感として、「倍程度の本数はダビング可能になるかな?」くらい。 また、レート変更ダビングも同じ目的。原理的には、プレイリスト再生を再録画することになるので、ここで言う《つなぎ目情報》は消費しないはず。が、実際には、これも効果は限定的で、《つなぎ目情報》を全く消費しないわけではないようだ。しかし、それでもかなりの効果はあるので、この手順は必須。難点はダビングに時間が掛かること。 |
東芝のHDDレコーダ(RDシリーズ)でTV番組を録画していると、HDD容量は十分残っているのに、突如録画やダビングができなくなってしまうことがある。これには、次のような二つの原因が考えられる。
(1)タイトル数/チャプター数制限に引っ掛かった
(2)CMカットをしたファイルをため込み過ぎた
このうち(1)の問題は取扱説明書に明記されており、対処方法もはっきりしている。しかし、(2)の問題はメーカーに問い合わせても詳細不明で、詳しい原因や発症の条件がわからないらしい。ただし、故障や個別の機器の問題ではなく、システム自体の持っている制限である事は確実で、同様な事例の報告は枚挙にいとまがない。また、いくつかの実験とネット情報から、原因についてはある程度のメドがついた。ここでは、主に(2)の問題について説明する。と言っても、根本的な解決策はないので、過度な期待は御勘弁を。
ところで、この制限がどの程度のものかと言うと…我が家のHDDレコーダの内蔵HDDは340MB。これをLP2.2モードで使うと約260時間録画可能。この「LP2.2」というのがミソで、メーカー側はこんな低レートを常用するユーザーが沢山いるとは予想していなかったようだ。それはともかく、
しかし、この制限だけならば対処は難しくない。RDの編集機能でタイトル結合/チャプター結合を実行して、タイトル数やチャプター数を減らせばよい。また、そうした方が管理も楽になる。たとえば、全12話のシリーズのファイルをバラで12本保存するより、6話+6話の2本にバインドしておいた方が便利だ。無論、12話すべてを1本にバインドしてもよいが、それだとDVD1枚に収まり切らない可能性が高い。DVDへのダビングを考えると、これは好ましくない。また、1ファイルの時間制限もあったような気がする。
タイトル結合の際のコツは、先頭ファイルのタイトルサムネールをわかりやすくすること。たとえば、全12話のシリーズを6話+6話の2本のファイルにまとめる場合、第1話と第7話のタイトルサムネールをオープニングのタイトルロゴ等にする。こうすれば、どこまで連結すればよいか迷う事がなくなる。
また、結合する前に、各ファイル中のチャプタ情報はクリアする(全チャプタ結合)。こうすると、結合したタイトルは、元のファイルごとにチャプタ分割される。たとえば、6話を結合すれば、話数ごとの6つのチャプタが作成される。事前に全チャプタ結合をしないと、CMカットごとに非常に細かく分割されてしまう。
USB HDDの空き容量は十分にあり、タイトル数/チャプター数とも上限に達していないのに、以下のようなメッセージが表示されてダビング不可能になる。
原因は不明。東芝のサポートでもわからないとのこと。おそらく、管理領域の容量/総数オーバーなのだろうが、それだけでは腑に落ちない点もある。
先頭/末尾カットも途中CMカットほどではないにしろ、多少の悪影響はあるようだ。 生状態のファイルと同じというわけにはいかない。 さらに症状が進むと、カットなしの生状態のファイルでもダビング不可能になることがある。 |
これは何となく思い当たるフシがある。RD上のでカットと結合は、単純にファイルの一部分を削除して貼り付けているだけではないようなのだ。PCでMPEGファイルのカット&結合をしてみればわかるが、RDのように綺麗に繋がるものではない。PanasonicのHDDレコーダで編集したときも、つなぎ目には相当な誤差が出た。
以前、RDで録画したファイルをネットdeダビング経由でPCに吸い上げて編集したことがあるが、つなぎ目部分にけっこうCMの残滓が残っていた。したがって、そのまま再生すると繋ぎ目にゴミが出てしまうのだが、RD上で再生すると問題なくスムーズにつながって再生された。また、RD上でも、VRモードからVideoモード(DVD-R)に焼くと、同じように繋ぎ目ゴミが見えるようになる。
つまり、RDでは結合部に余分にノリシロを残しておいた上で、再生時にノリシロ部分をジャンプするようにしているのだろう。原理的にはプレイリストのようなもので、全チャプタ結合をしても、このジャンプ個所の情報は消えない。これを《つなぎ目情報》と呼ぶことにする。この「つなぎ目情報」の量が飽和するとダビング不能になるのだと思う。そう考えると、C.〜E.の現象は説明がつく。新規録画ファイルには「つなぎ目情報」がないし、逆にCMカットしたファイルはチャプター結合をしても「つなぎ目情報」が減らないからだ。
これを解決する方法は;
なお、「レート変更ダビング」の場合は、まず、TS等の高レートで録画して、CMカット用のチャプターマークを入れ、偶数チャプタープレイリストの作成などの機能を使って、本編部分のみのプレイリストを作成し、このプレイリストをレート変更ダビング(移動)すればよい。プロテクトは外れないが、アナログダビングよりはスマートだ。
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また、A.とB.の問題は、この原理では説明できない。特にB.の現象は不可解だ。発症したUSB HDDから内蔵HDDにデータを移動し、それを再度元のUSB HDDに戻そうとしているだけなので、移動の前後で状態は同じはず。しかし、それができない。逆に言うと、USB→内蔵→USBという操作では、元の状態には戻らないのである。単純な管理領域不足なら、こんな不可逆的な現象は起きない。
ひょっとすると、このデータ管理はブロック単位で行われているのかも知れない。新規データの登録には新規ブロックの作成が必要で、そのためには既存ブロックを丸ごと一つ消す必要があるとか。つまり、USB HDD上から相当数のファイルを移動しないと、新たなダビングが不可能になる−−当て推量の域を出ないが、試す価値はあると思う。
とりあず、内蔵HDDに空き容量を作って、USB HDDから数十時間分戻してみようと思っている。
なお、ダビング10になってからは、DVDの種類に拘らず(DVD-R/RW/RAM)、ダビングすると強制的にコピー禁止タイトルになる。しかも、DVD-RでもVideoモードは不可で、VRモードのみになる。以前のように「はみ出した分を一時的にDVD-RAMに待避」というような使い方はできないので注意。