MP3ラジオレコーダー
作成開始日 2010.07.22
最終更新日 2014.01.08
ラジオ放送のエアチェックのニーズは根強い。数的にはマイノリティだが、語学講座をはじめ一定のニーズがあるので、各メーカーともひっそりながらレコーダを出している。私も放送大学の録音がしたくていろいろ物色した。しかし、そこから判ったことは、この種の製品にはまともな物が少ない、ということだった。また、用途から言うと、据え置タイプが好ましいのだが、そうなるとますます選択肢が狭くなる。
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2014年1月現在の現実的な選択肢は《SONY ICZ-R51》と《Panasonic RF-DR100》の二択のみ。他は廃番か、機能不足か、用途違いか、低品質かのいずれか。あとは価格とポータブル型/据置型の違いをどう考えるか、だけの問題だろう。
●シャープ ミュージックキャリー QT-MPA10
メモリ不良が原因と思われる故障が頻発する。地雷機種。絶対に買ってはいけない。私は2台買って、2台とも同じ症状で使い物にならなくなった。しかも、ちょうど保証が切れた頃に症状が極端に悪化した。この症状は他でも頻発しているようで、ネットにも書き込みが多数ある。偶然とか不運とかは言わせない。ちなみに、私は同じシャープ製のポータブルMP3プレイヤーでも似た症状を経験している。まあ、今後シャープ製品を買うことはないと思う。
●ベセト ラジオバンク DRS-100
聞いたことがないメーカーの製品だが、価格は2万前後で、ケンウッドのCR-A7USBと変わらない。それでいて、操作性が極端に悪く、故障も非常に多いそうだ(故障というより、そもそも設計ミスなのでは?)。オークションで安く入手できれば、ちょっと試してみようかな、と思っていたが、あまりの評判の悪さに手を引っ込めた。一般に、無名メーカーの製品は、ユーザーインターフェース、感度、音質などカタログスペックでは判らない部分で手抜きが出やすいのだが、このラジオバンクもUIの酷さは特筆物らしい。
●オリンパス ラジオサーバーVJ-10
ある意味、私のニーズに一番近い機種だが、いかんせん3万5000円は高い。発売から3年経っているが、限定販売のせいか全然安くならないし。また、記憶装置はHDDで、SDカードは使えない。USBメモリは……よくわからない。USB Aポートが付いていて、ホスト機能があるそうだから、データ転送できるのかな? 一番気に入らないのは、WMAしかサポートしていない点。ファームのアップデートでMP3対応になるそうだが、そんならアップデートした上で販売しろよ(してんのかな?)。ともかく、いろんな点で微妙なのである。後継機出せ!
【追記:2014.01.07】ビックのアウトレットで新同の再調整品(但しメーカー保証なし)が1万で出ていたので、2台もゲットしてしまった。ファームのアップデート済みで、即MP3録音可。造りは非常に良い。たとえば、自動時刻合わせが一日4回も実行されるし、レジュームが付いているので電源を落としても途中から再生することが可能。さらに、途中から再生するときに、中断時から何秒戻るかまで設定できる。FMアンテナはF型コネクタにロッドアンテナを取り付けるタイプで、同軸ケーブルへの付け替えも簡単。USBメモリには正式対応していないが、USB Aポート(本来はオリンパスのICレコーダ専用)に差したらファイルがコピーできた。ただし、USBメモリとの相性はかなりシビアで、何でも簡単に認識してくれる訳ではないようだが。不便に感じるのは、液晶が正面で操作部が台座に付いているため、本体を目の高さに設置しないと、操作が非常にやりにくいこと。リモコンを付けるか、液晶を上方から見易くする工夫が欲しかったところだ。また、[戻る]キーがBSとEnterの両方の役割をする感じで、感覚的に戸惑うことがあった。Enter/BS/ESCというPCの標準的なUIを採用してほしかったところだ。あと、AMアンテナがループアンテナのみというのも、ちょっとどうかと思う。据え置専用とは言え、時刻合わせのためだけにAMが必要なユーザーには、とりあえず時報が受信可能で、場所を取らないバーアンテナ方式の方が便利だ。個々には不満な点もあるが、元々高価なものだけあって、細部への配慮が感じられて好印象。
【追記:2014.02.11】一月使ってみて、リモコンがないのを不便に感じるようになった。PCの側に設置したのだが、AM放送はノイズをガンガン拾ってしまう。PCから離れた場所に設置するとノイズはなくなるが、今度は操作が面倒になる。そもそも、PCを使いながら聞くために買ったのだから。やはりリモコンは欲しい。RD-M1を売却する予定だったのだが、こうなると暫くは併用せざるをえない。FM(放送大学:保存)はこのVJ-10で、AM(森本毅郎スタンバイ:聞き捨て)はRD-M1で録音することにした。
●オリンパス ラジオサーバーポケット PJ-10
…と言う声が多かったのどうかしらないが、出てきたのはポータブルタイプのレコーダ。これがけっこう売れたらしいのだが、初期不良が物凄く多い。なんか、シャレにならない量の書き込みがある。電池の持ちも悪いようだし、そもそもポータブルタイプでは私のニーズに合わない。まあ、手を出すにしても、バグ取りが済んだロットの製品が出回るようになってからだな。しかし、オリンパスでこの種の初期不良の嵐なんて、今まではなかったと思うのだが。
●ケンウッド CR-A7USB
たぶん、この分野の定番機になってるんじゃないかな? 初期ロットにはかなり動作不良が出たようだが、最近はそんな書き込みも見ないから、改善されたのだろう(たぶん)。発売から2年半以上経っているのに、未だに現行機種だもんね。まあ、不備な点はいろいろあるようだが、とりあえず私のニーズ(放送大学の録音)には使えそうだ。アタリマエの事のようだが、QT-MPA10やDRS-100やPJ-10のユーザーは、その当たり前のことができなくて泣いているようなので、まともに動くというだけでも貴重(どういうレベルの話だよ)。ちなみに、三洋のOEM製品で、良品計画のDTR-N5も兄弟機のようだ。
●ビクター Memory COMPO RD-M1/M2
基本的にCR-A7USBと同じようなコンセプトの製品だが、こちらの方が造りが良さそうな気がする。詳しくは調べてないが、故障も多くはなさそうだし、CR-A7USBなんかよりも様々な面で行き届いている感じがする。以前から気に掛けていた機種だが、価格が高く、選択肢から除外していた。しかし、最近ではこれも1万円台まで降りてきたんだ。展示品で1万切っているのもある。そうなると、十分ターゲットになる。ちなみに、M2はMDが付いた代わりに、内蔵メモリが半分(512MB)になった。
⇒その後、RD-M1の展示品を1万円ほどで購入したが、総じて満足している。問題点は、操作が直感的でない点と、無駄にでかい点(CDいらない)、さらに、データの転送に目茶苦茶時間が掛かる点。しかし、音質は良いし、必要な仕事をきちんとこなしてくれ、少なくとも2年経っても壊れない優れモノである。
⇒この機種の最大の欠点は、時計の誤差が非常に大きく、しかも自動調整機能がない点。公称誤差は月1分だが(それでも十分大きすぎるのだが)、実際は一週間で30秒近く遅れてしまう。放送大学は1科目15週だから、10分くらい早めに録音を始めるように設定しておかないと、後半の講義は頭が切れてしまう。酷い話である。
⇒3年半使ってみた感想は、ギリギリ実用にはなったが、とても日本メーカーの製品とは思えないお座なりな造りというのが実感。ツメも配慮も甘すぎる。それでも、箸にも棒にも掛からなかったSHARP QT-MPA10よりは遥かにマシで、こいつで放送大学の講義をいくつも録音出来たのは嬉しかった。恐ろしく使いにくくて不便だったが、3年半壊れもせずに頑張ってくれた事には感謝する。自分の忍耐力にも感謝する。が、ラジオサーバーVJ-10も手に入ったし、そろそろお役御免かな…(2014.01.08)
⇒2014年1月現在の後継機種はRD-M8。内蔵メモリが1GB→8GBとなったが、外観も機能も、そして欠点も見事に引き継いだマイナーバージョンアップ版のようだ。時計は狂うし、USBは遅いし、デフォルト再生順もトラック順ではなくタイトル順のようだ。流石にちょっといらないな…。多くのユーザーに指摘されている欠点を直そうともしない態度は、メーカーの姿勢を疑わせる(まあ、プログラムを開発した下請け会社が潰れてしまったので、今更修正できないとか、そう言う間抜けな話はありそうだが…)。
●SONY ポータブルラジオレコーダーICZ-R50【2012.06.07追記】
ある意味、私が求めているものに最も近い。要するに、MP3版のラジカセである。小さくて使いにくいiPodモドキでもなく、無駄にスペースを取るCDラジカセでもない、《ラジオ+レコーダ》と言うシンプルな構成に非常に好感が持てる。すぐに飛び付こうと思ったのだが、ネットの書き込みを見て二の足を踏んだ。問題は《感度・音質・操作性》。いずれもかなりの数の不満が書き込まれている。海外製品には、それらの点で手抜きをする物がしばしばある。ポイントは、そうした欠点はカタログスペックからは判断できず、買ってみて初めて失敗だったと気が付くということ。安物買いの銭失いの典型的パターンである。しかし、日本製品、就中ソニーのような一流企業の製品ならば、そうしたことは絶対にない、確認するまでもなく安牌である……と思っていたんだが、何だ、この悪評は? 私が愛用しているソニーの一昔前のアナログラジオは感度も音質も操作性も非常に良い。これにタイマーとレコーダ機能が付けば、本当にホイホイ買うんだが。日本企業の落日を実感するなぁ…
●SONY ポータブルラジオレコーダーICZ-R51【2013.01追記】
2013年早々、後継機のICZ-R51が登場。基本的スペックはそのままで、自動時刻合わせ機能の追加とメモリの容量増加が主な変更点。他にも細部が若干いじられているようだが、要するにマイナーチェンジですな。外観はほとんど変わってないから、たぶん操作性に関する不満は解消されていないだろう。アンテナに関しては、FMがF型コネクタ対応になったのが大きいようだが、さて、感度自体が上がっているのかどうか…。いずれにしろ、後継機が出るということは、そこそこ商売になっている証拠だろう。これでかつてのスカイセンサーのようなデザインだったら、バカ売れすると思うのだが。
●Panasonic ラジオレコーダーRF-DR100【2012.12.28追記】
いよいよ真打登場か? 流石にPanasonicだけあって、細部のツメがかなり良さそうな感じ。たとえば、AMはジャイロアンテナ+ループアンテナというツィンアンテナシステムで高感度だし(自称「高感度」だけではなく、実際に高感度らしい)、自動で時刻合わせをしてくれるようだし、音量や選局はダイヤル式のようだし、USBは2.0 hi-speedだし(アタリマエか/RD-M1の方がおかしいだけ)、スピーカーが大きめなので音質もキープできているようだし…。ただし、ポータブルタイプではなく、完全な据え置き型。電池駆動も可能だが、単二×6本だからね、現実的ではない。価格.comの口コミでは、最小音量が大きすぎるというような書き込みがあったが、これは私の用途では殆ど問題にならないだろう。対処方法もあるしね。現在使用しているRD-M1の欠点は、ガタイが大きすぎることと転送速度を含めた操作性が悪いこと。また、一時候補に挙げていたICZ-R50の問題点は、細部に手抜きが目立つこと。このRF-DR100は、これらの欠点を克服できているような気がする。思い切って買ってみようか? ただし、デザインは今風でイマイチですな。やはり、黒い直方体の側面に大きなチューニングダイヤルとボリュームダイヤルを配置し、上部に録音/再生系の操作ボタンを並べた、昔ながらラジカセデザインにして欲しい。変に優しいデザインは嫌いだ。
●TEAC ラジレコ R-6【2014.01.07追記】
ICZ-R51やRF-DR100と並ぶ代表的なラジオレコーダーだが、情報がほとんどない。しかも、2014年1月現在すでに生産終了品で、直接の後継モデルもないようだ。デザイン的には一番シャレているんだが、そして音質もかなり良いのではないかと思うのだが、さらにユーザーの評判も悪くないのだが、どうも売れなかったようだ。予約録音は10プログラム、自動時刻合わせも可能と、それなりに充実したスペックなのだが…。しかも、電池駆動も可能(実用的とは思えないが)。2014年1月現在、Amazonで1万4800円になっているが、それなら殆どのユーザーはICZ-R51を選ぶだろう。2013年には何度か在庫処分品を見たことがあるが、たいてい9000円〜10000円くらいで、これまたRF-DR100と大差がない。パナの現行品とティアックの廃番品、同じ値段ならどちらを選ぶ? ちょいとターゲットと価格帯を間違えたんではないかと思う(当初は2万円超だったらしい)。個人的にはかなり興味津々なのだが、マイナーすぎてこの価格を出す勇気が出なかった。まあ、ご縁があれば入手したい。
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この他、ポータブル本体+ドックで据え置型になる三洋ICR-XRS120MFも注目しているが、こういうギミックの製品は、変なところに落とし穴があるのが普通なので、ちと手を出しかねている。ま、当面のターゲットはRD-M1かな。
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