(2007.10.30)

ボールペンの修理

古いボールペンは、しばしばインクが残っていても書けなくなることある。よくあるのは、ペン先のインクが固まってボールが回らなくなるという症状だ。この場合、ガスライターなどの火でペン先をちょいとあぶって、冷たい水に入れれば直る。要するに、インクがボールに固着しているのが原因だから、それを加熱して溶かしてやればよい。ただし、加熱後には必ず水で冷やすこと。ペン先が熱いまま使用すると、ボールがめり込んだり外れたりして、修復不可能になる。

…というのが、一般的な話だが、実はこれでは直らないペン先も多い。特に、ゼブラのボールペンに顕著なのだが、インクがペン先の筒の部分の内部で固まってしまい、先だけあぶっても一時的にしか直らない。この場合、何度も加熱・冷却を繰り返したり、強い力で書いたりしても無意味…というか、逆に壊してしまう可能性が高い。たいてい、ペン先は正常だが、インクが固まっているためにペン先まで出てこないのである。

で、そういう場合だが、要するにペン先の内部を完全洗浄すればよいわけだ。ラジペンなどでペン先をインクの筒から取り外して(割合簡単に引き抜ける)、シンナーなどの中に沈めておくか、あるいはラジペンでつまんだまま、ペン先全体をライターなどで加熱するとよい。インクが溶けて膨張して外に流れ出してくる。無論、加熱後には冷却が必須。

こうしてペン先を洗浄したら、インクの筒に取り付けて軸に戻し、軸のお尻にひも(数十センチ)を付けて振り回す。つまり、遠心力でインクをペン先に送り込むのである。これをやらないと、ペン先部分にはインクがないのだから、やはりインクは出て来ない。で…それで直るのか? まあ、直った経験はあるが、万能ではないだろうなぁ。

ちなみに、あまり加熱しすぎると、インクが炭化してインクの通り道を塞いでしまう。膨張したインクがすぐに流れ出るように、ペン先を縦にして、少し遠くから炙ること。また、インクの通り道が確保できているか、針などを通してみると良いのだが、あまり力を入れてつつくと、先端のボールが外れてしまうので注意。

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