†ぽんこつビデオ工房†

TOSHIBA Vardia RD-S304K

作成開始日 2022.09.23
最終更新日 2024.01.28

典型的な故障・トラブル

S304Kだけでなく、TOSHIBA Vardiaシリーズ(DVD)の典型的な故障をピックアップすると… チューナー故障以外はメンテナンスや汎用品への交換で対処可能だが、チューナーだけは純正の代替部品がないと修理不可能。接触不良が原因で、接点復活剤で修復可能との情報もあるが、ウチでは効果がなかった。症状から見て、コンデンサ系の故障の可能性の方が高いと思っている。

冷却ファン

経年劣化で物凄い音になる。交換は難しくないが、パーツの入手がちと困難。

型番DELTA AUB0612L同型番で2pのモデルもあるので注意
サイズ6cm×25mm一般的なPC用ファンと同じ規格らしい
コネクタ3ピン/2mmピッチコネクタの規格名は「JST PH」(検索時はこのワードで)

ファン自体はPC用のもので間に合うが、2mmピッチの3ピンとなると入手は困難。
RD-S304K/S1004K用の交換パーツ(互換品)が入手不可能ではないようだが割高。
PCファンのケーブルをぶった切って、2mmピッチのコードに半田付けするのが簡単。
が、むしろ、2mm→2.54mmの変換ケーブルを自作する方が良いのでは?
なお、PC用ファンとはピンの並びが異なるようだ(ケーブル色で判断)。
利用できそうなパーツ
型番パーツ構成価格ショップ
PH-3P-10コネクタ+ケーブル¥80千石電商
秋葉原本店1F
CAB-13685コネクタ+ケーブル+ピン¥250

使用中のファンのケーブルをちょん切ればPH-3P-10と同じ物になる(と思う)
CAB-13685を使えば、半田付けなしで直にPC用ファンに接続できる(と思う)。

互換品の入手 (2023.01.16)

NMB 2410EL-04W-M29(中古)をオークションにて¥599(〒コミ)で入手。寿命パーツの交換で中古ってのは微妙だが、延長ケーブル(CAB-13685同等?)も付いてくるのがミソ。

互換品への換装 (2023.03.28)

とうとうファンが御臨終。電源を入れても回転せず、ERT002エラーが表示され、起動不可能に。先日入手した互換品と換装。換装作業自体はごく簡単だったが、換装したファンが爆音タイプで頭を抱える。本来は22dBの静音ファンだが、少なくともこの個体は爆音。異音や振動音ではなく素直な風切り音。

近い内に静音タイプに再換装を予定。X-FAN RDM6025Sを注文した。なお、元のファンは手で回しても凄い抵抗感があり、こりゃ流石に無理だと言う感じ。まあ、2010年9月に購入以来、12年以上もほぼ無休で連続使用していたので、これは仕方ないか…

AUB0612L分解挑戦 (2023.03.29)

失敗。シールを剥がして軸のキャップ?を取ろうとしたが、ぼろぼろ崩れて全然取れない。素材の劣化なのか、分解方法が間違っているのか…?どのみち、グリスアップでどうにかなるレベルではないと思うが、分解できなかったのは心残り。

X-FANへの再換装 (2023.03.30)

X-FAN RDM6025Sに再換装。NMB 2410EL-04W-M29付属の変換ケーブルで接続。2410EL-04W-M29に比べれば大幅に静かになったが、それでもけっこう騒い。考えてみれば、以前静かだったのは、経年劣化で回転速度が落ちていたからではないかと…そう言えば、買ったばかりのときも、ファンが騒かった記憶が… ともあれ、換装は成功、今回はこれまで。

取り付けネジの直径が異なるため、AUB0612L用ネジを流用することはできない。また、X-FAN同梱の短ネジは太すぎてシャーシを通らない。ナット留めの長ネジが必要。ところが、今回入手したX-FANにはこれが同梱されていない…あれ?以前は必ず短ネジ・長ネジの両方が入っていたのだが…ま、在庫があるので問題はなかったけれど、これもコストカット…なのか?

⇒その後、取り付けネジが緩んだのか、ガタガタ言い出したので締め付け直した。(2023.04.09)
⇒数日でガタガタ再発。しょうがないので抵抗を噛ます。問題なく動作。本体側で回転数をチェックしている訳ではないようだ。静かにはなったが排熱能力は?(2023.04.14)

防振ゴムワッシャで静音化 (2023.11.21/27)

X-FAN用の防振ゴムワッシャ(ポロンワッシャ)を使用したところ、かなり静音化された。抵抗は噛ませたままだが、耳障りな音はほぼなくなった。なお、構造的にワッシャを入れてナットを留めるのはけっこう難しい(下側2本)。作業にはピンセット/ラジペン等が必須になる。
⇒むしろ、厚さが20mmや15mmのファンを使う方が良いかも知れない。

DVDのレーザー出力調整

経験的に数百枚〜1000枚くらい焼くと、DVDを認識しなくなる;これは、DVDドライブのレーザー出力が低下したのが原因。ドライブの内部に調整ネジがあるので、これを回せば正常に読み書きできるようになる。だいたい3年に一度くらいの頻度でこの調整が必要になる。

DVDドライブの外装を外して、レーザー出力調整ネジ(小さめのプラスネジ)を反時計方向に僅かに回す。具体的な手順はネットで紹介してくれている方がいるので、そちらを参照。効果は覿面だった。過去5〜6回試したことがあるが(複数台)、なかなか読み込まなかったDVDがスンナリ読めるようになった。

なお、この作業はDVDドライブを本体から取り出す必要がある。その際に非常に重要なのは;

@DVDトレイのベゼルは予め外しておく(上方向に引っ張れば簡単に外れる);ベゼルが付いたままだと、再組み立ての際に非常に苦労する。

ADVDに付いているフレキシブルケーブルの末端に注意すること;ウチでは導線が浮いて隣の線とショートして、DVD基板を焼くというおぞましい事態が発生したことがある。

Aの事故の際には、DVDドライブを落っことして電源基板を割るという、とんでもないオマケまでついた。流石にこの時は諦めかけたが、ドナー機から電源基板とDVDドライブを持ってきて、なんとか復活に漕ぎ着けた。HDDレコーダーの死亡はHDDの中身まで道連れなので恐い。

HDDの換装

HDDを認識しなくなった場合、近い年代の汎用的なHDD(Seagate/WD等)に交換すれば良い。もちろん、何でも動くというワケではないのだが…一応、ウチの換装実績;

本体元のHDD換装したHDD
RD-S304K WD WD3200AVVS 320GB WD WD500AADS 500GB
Seagate ST500DM009 500GB
RD-X9 HGST HDS722020ALA330 2TB Seagate ST31000333AS 1TB

ちなみに、RD-X9のHGST 2TBはかなりの頻度でトラブルが発生しているようだ。今回はSeagateの1TBで代用したが(手持ちに2TBがなかった)、普通に1TB HDDとして認識している。一方、S304Kを500GBのHDDに換装した場合は、320GB分しか使用できない。なお、RD-S303(320GB)は何かちょこっと弄ることで2TB化が可能なのだそうだ。

HDDが故障した場合、中身は諦めざるをえない。PCに持っていけば認識できるかと言うと、そう言うものでもないようだ。あくまでも経験論だが、どうもこのRDシリーズはかなりHDDを酷使する仕様になっているようで、4万時間(5年)程度でマジで死んでしまう事があるようだ。

HDD故障の原因はむしろ電源のON/OFF回数かも知れない。故障したS304KのHDDのSMART情報をPCでチェックしたところ、使用時間4万2000時間超に対して、電源投入回数は実に8万回を超えていた。5年間24時間昼夜を問わず、30分に1回電源を入れ直していた勘定になる。一般に、HDDは電源投入回数が10万回程度で寿命になるそうだ。無論、ユーザーがこんなに頻繁に電源を入れ直すわけはない。自動ON/OFFの結果だろうが…意図的に仕組んだ寿命か?(23.12.29)

同様に、故障したRD-X9のHDDのSMART情報ををチェックしたころ、こちらは使用時間5万5000時間超(6年4箇月)に対して、電源投入回数は95回。おそらく、購入時からずっと電源を点けっぱなしにしていたと思うが(使い方としては正解)、それでも6年程度で壊れたわけだ。したがって、電源投入回数だけが原因とは言えないだろう。一方、使い方次第では自動ON/OFFの回数を抑えられる事が判った。(23.12.29)

故障したHDDも、PCに接続することで一時的に認識可能になることがある。が、仮に認識可能でもファイルシステムが異なるし、暗号化されているしで、データを取り出すにはかなり高度な技術が必要。僅かでも不調を感じたら、早めに中身をUSB HDDやDVDに待避させることが肝要。

外付けUSB HDD

外付けUSB HDDの仕様

登録可能台数最大8台まで
最大容量2TBまで
タイトル数792までSPモード30分1本1GBでは800GB弱しか利用できない
チャプター数約3000まで一般的な番組は1本につき8カット、4チャプター構成

外付けHDDに空き容量があるのに録画不能になる謎の現象

おそらく、チャプター数上限に引っ掛かっているためだと思われる。ただし、ここで言う「チャプター数」は、普通の意味での《チャプター》の数ではなく、《チャプターマーク》の数のことだと思われる。たとえば、一般的な番組では次のような構成になっている。
元データ	[CM|オープニング|CM|Aパート|CM|Bパート|CM|クレジット|CM]
 ↓
CMカット後	[オープニング|Aパート|Bパート|クレジット]
元データに入れたチャプターマーク数は8つ、これによって元ファイルは9つのチャプターに分割される。そして、CM部分をカットすると、4つのチャプターからなるファイルになる。では、CMカット後のファイルのチャプター数は4かと言うと、実は8になる。

理由は、動画は原理的にIフレーム位置(概ね15フレームごとに出現)でしかカットできないから。RD-S304Kでは1フレーム単位の編集が可能だが、これはプレイリスト機能を使って編集しているからであって、元データが1フレーム単位で切れている訳ではない。つまり、[オープニング|Aパート]のように見えている部分も、実際は[オープニング|CMカス+CMカス|Aパート]という構造になっている。これは、編集したファイルをPCに吸い上げてみると確認できる。

実際の構造	[…|オープニング|…|Aパート|…|Bパート|…|クレジット|…]
このように、一見くっついたように見える継ぎ目にも、実は2つのチャプターマークが残っているのである。CM部分を取り除くことでチャプター数が減ったように見えるが、チャプターマーク数の方は減らない。そもそも、見えない形でCM残滓が残っているので、チャプター数が減っているように見えること自体、錯覚なわけだ。

以上のような推測が正しいとすれば、1ファイル=4チャプター=8チャプターマークの場合、400本足らずでチャプター(マーク)数上限に引っ掛かる。1本のファイルが24分800MBとすれば、容量の上限は300GB台となる。これは実際の状況によく一致する。

外付けUSB HDDのファイル保管方法

基本的に、外付けUSB HDDに保存するファイルは無編集(CMカットなし、チャプターマークなし)のものとする。ライブラリを構築しようと、こまめにCMをカットしていると、チャプター数上限に引っ掛かる。ライブラリ構築は別途PCベースで考える方が賢明(だからこそのDVD機)。USB HDDはあくまでも生ファイルの保管庫。

30分番組(SP/1GB)を単純に保存していくと、800本弱800GB弱で本数制限に引っ掛かる。1TBや2TBのHDDがあっても容量を使い切れない。しかし、本機では編集機能でバインドしたファイルは1本とカウントされる。したがって、30本×4=2時間4GB(DVD1枚分に相当)を単位に保管すれば、500ファイルで約2TBとなる。これならば、本数制限に引っ掛かることなく、2000本の番組を保管できる。

ちなみに、1クール12〜13本とすると、2000本は160タイトル程度。1シーズンで20タイトルくらい保存するとして、160タイトルは8シーズン分=2年分の容量。8台のHDDをフルに使えば8×2=16年分;寿命(私の/機械の/深夜アニメというコンテンツの)を考えると十分かな?

リモコンSE-R0357の接点復活

分解して、ゴム接点部にアルミホイルを貼るという古典的手法。つか、これ以外の修理方法は存在しないのでは?Amazonで接点復活用カーボンピルを見つけたが、原理的には同じ物だった。
@リモコン下部のスライド蓋を取り外す
A蓋の下にあるネジ2本外す
B側面の接合部にマイナスドライバを突っ込んで丁寧にこじ開ける
Cゴム接点シートを取り出す
D接触不良のボタンの裏側に両面テープでアルミホイルを貼り付ける
 (アルミホイルに両面テープを貼り付けてから、必要な大きさにカットすると良い)
E接点に埃・ゴミが付いてないことを確かめて、元に戻す
今回はSE-R0357の分解・修理をしたが、別の型番のリモコンでも同様。要するに、ネジを見つけて外し、あとは無理矢理こじ開ける。なお、本体を接合するツメは少し削っておくと良い。どの途この作業は何度も繰り返すことになるので、なるべく分解しやすくしておく方が良い。

【追記】SE-R0148でも同様にして11個のボタンを修理した。ネジは電池ボックス内にある。ちなみに、SE-R0148はアナログ時代のHDDレコーダーRD-XS34に付属していたものだが、S304Kでも(基本的に)使用可能。むしろ、こっちの方が使いやすい。液晶で接触不良ボタンが判別できる。まあ、当然ながら地デジからみの操作は不可能だが。


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