(2004.11.20)

SIGMA ZOOM-κV75-210/3.5-4.5(FD) 修理記

ZOOM-κUの分解方法がわかったので、調子に乗って勢いで分解してしまった。

ZOOM-κVはZOOM-κUの後継機種で、F値が若干明るくなったのと、先端望遠(直進ズームを伸ばした状態で望遠端になる)になったのが特長。ZOOM-κUやTamoronの80-210、nFD 70-210/4などはすべて根元望遠で、望遠時の手への負担が大きい。そこで先端望遠の同クラスのレンズを探していた。で、オークションでκVの「美品」を500円(^^ゞで落札…でも、実物を見たらかなり酷いカビ。値段が値段なので文句も言えない。てんで、分解掃除に挑戦。

●分解方法

ZOOM-κUをバラした経験があるので、非常に簡単に分解できた。当然のことながら、構造にはかなりの共通性がある。
  1. ピントリングのゴムを先端1/3くらいまくる。
  2. アルミテープをはがす。
  3. ピントリングの外筒を外す。
  4. ピントリングの中筒を回転させて外す。これで、前玉は掃除できる。
  5. 鏡胴の斜めミゾの中のネジ3本を外す。
  6. ズームリングを一番先端まで移動する。これで中玉ユニットが取り出せる。
今回の分解はこれで終了。カビの生えている面はすべて掃除できた…が、@物凄い侵食の進んだ部分が1個所あり、すでにガラスに食い込んでいた、Aコーティングを食われてカビ跡になった部分があった、B埃の侵入と付着でガラスがクリアじゃなくなった。多分、写りへの影響云々で言えば、掃除前の方が良かっただろう。しかし、広くはないが強烈なカビで、これを放置しておくわけにはいかない。本格的に使うなら、きちんとした掃除をもう一度しようとも思うが……本当の「美品」を入手するほうが賢明でしょうな。

●中玉ユニット固定ネジのゆるみ

と、まあ、ここまでは快調だったんだが、組み立て直しの際にエライ目にあった。中玉ユニットは3本のネジで固定されていたんだが、なぜかこのネジがスカスカになってしまった。ネジ穴が広がった感じ。これは実害が非常に大きく誤魔化しが効かない。この状態で組み上げると、ズーム時にネジが外れて鏡胴の中に入りこんでえらいことになる。なんで穴が広がったのか理解できないのだが、ともかく手を打つ必要がある。

で、悩んだ末に、ねじ穴を瞬間接着剤で塞ぐという方法を考え付いた。結果的にこれは成功したが、中玉ユニットの外径はかなり精度が要求されるようで、瞬間接着剤のわずかな厚みでも、きつくて鏡胴に入らなくなってしまう。仕方ないので、カッターの刃で瞬間接着剤の表面を削って対処した。まあ、ゆるく作ると光軸がずれるから、ギリギリなのは仕方ないところか。なお、ネジ止めの際には、白リングをミゾにしっかりとはめ込んでから回すこと。

また、ピントリングの外筒は、ミゾにねじがはまるように取り付けること。さらに、例によってテープ止め部分は、ピント指環を更正してから固定すること。

ということで、とりあえず成功。今回はマウント部には手を付けなかったので、絞り制御機能は完全に保たれている。

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