(2005.05.16)

Jupiter 8のオーバーホール

Zorki-3Cとセットで入手。格安だったが程度は良くない。入手時の問題点は以下の通り。特に問題だったのはヘリコイドが動かなくなってしまったこと。入手時点で非常に固かったので、ぐりぐりしていればマシになるだろうと思って、何度も左右に回していたら逆に症状が悪化、とうとう動かなくなった。これは修理に取り掛からなければしょうがない。

●とりあえず分解…

ということで、分解を始めたら何だかどんどん外れていく。こりゃ、光学系の掃除もそんなに難しくなさそうだ。ただ、問題は内部がサビとホコリ、グリスの劣化、オイル切れなどで全然スムーズに動かなくなっていること。ということで、光学系云々やヘリコイドの修理を考える前に、分解してシリコンオイル(CR-C556)をたっぷり掛けて、一日程度おいてサビを落とすことに決めた。そうしないと、何をやっても上手く行きそうにない。何はともあれ一日放置!……と思ったけど、つい我慢できずに手を出してしまう(^_^; 1〜2時間油漬けにしておいただけ。でもサビはそこそこ取れた。けっこう苦戦したけど、最終的にはヘリコイドの修理に成功した。ただし、現時点ではピント精度のチェックはできていない。

●分解の手順

非常に分解掃除しやすい構造のレンズで、基本的にネジを外していけば勝手に分解できる。ポイントとしては、「レンズ部とマウント部が明確に分離可能」なこと。まあ、マウントの異なるバージョンがいくつも存在するのだから、当然と言えば当然だが。絞りリングを反時計回りにぎゅっと回せば見事にマウント部とレンズ部が分離できる。

今回の最大の問題はヘリコイドが固まって動かなくなってしまったことだった。これは未だにはっきりとした理由が判らないが、古いグリスとゴミがネジミゾに入り込んだ…くらいしか思い付かない。とりあえず、一番後ろのネジを3本外して一番後ろのリングを外し、次のリングも外し、内側の鏡胴を止めているネジを外す。あ、外す前に、油性マジックで縦に一本線を入れておいて、組み立て直す時の目安とすること。で、最後のリングも外すんだけど…この部分が固着しちゃってたんだよね。無理に回して何とか外したけど。ちなみに、ここは逆ネジ。

ともかく、リングを全部を外して、古いグリスを拭き取って、ミゾを掃除したのち、新しいグリスを塗って組み立て直す。このとき重要なのは、ヘリコイドのリングの位置。案の定、複数の位置ではまるけど、正しい位置にしないと、ヘリコイドの動く範囲が狭くなる。上側の止めネジがミゾの中にうまく収まるような位置ではめること。ここは逆ネジだし、なぜかとてもはめにくいのだが、コンジョで頑張ること。あとは逆順で組み立てればよい。

●光学系は…

光学系は、後群は指で回すと取れちゃう。前群は絞り指環を外した後、止めネジを外せばごそっと取れて来る。まだ光学系の完全分解はしていないが、難しくはなさそうだ。

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