(2007.04〜05)

COSINA 35-70mm/F3.5-4.8の分解清掃

前玉がバラけた状態で入手。全体的に汚くて、動きもジャリジャリしている。当初は、前玉部の取り付けとグリスアップのみを予定していた。前玉ユニットをはめ込んで、ヘリコイドをネジ止めするだけの簡単なもので、無限遠出しを面倒臭がらなければ、ケガキも不要な猛烈に単純な構造。修理も極めて簡単にできたと思ったのだが、グリスを絞り羽根に垂らすという大失態をやらかした。全分解清掃が必要に(u_u;)

●絞り羽根の清掃

絞りのユニットも比較的に単純な構造で、マウント面から順に分解していけば、比較的簡単に絞りユニットを取り出せる。前玉ユニットも分解しておいた方が作業はやりやすいが、そのままでも絞りユニットの取り出しは可能。注意すべき点は、レンズ群を動かすためのネジ(白いポリワッシャの付いているもの)は、2本だけ外せばよいということ。余計なものまで外さないこと。

絞り羽根のユニットを取り出したら、分解・清掃・再組立をする。羽根の清掃にはベンジンを使う。作業自体はそれほど難しくはない。羽根は6枚しかないし、RF機の分解経験があれば、さして難しい部類ではない。……が、私はここで羽根を一枚なくしてしまった(>_<) ま、結局、信じられないようなところから見つけ出して(そういうもんだ)組み立てに成功したが、組立作業よりも遥かに多くの時間と労力を捜索に費やした(そういうもんだ)。

●再組み立て

組み立ての際の注意点は、まず、絞りを動かすバネを掛け忘れないこと。また、絞りユニットを組み込む際には、絞り連動用のツメの位置が悪いと、奥まで入らないので注意。あとは分解と逆手順で組み立てればOK。なお、各部の内側には砂埃と思われるものが大量に付着していた。これがジャリジャリ感の原因だった。おそらく、土木工事の現場で使用されていたものだろう。ざっと清掃したら、ずいぶんスムーズになった。そうそう、絞りのクリック感を出すベアリングは、F22の位置に置いておくと便利。

●無限遠出し

あとは無限遠出し。ヘリコイドを被せない状態で*istDLに装着し、遠くのビルのアンテナにピントを合わせた。無論MFだが、AFセンサーが合焦音を鳴らしてくれる。この状態でレンズを取り外し、ヘリコイドの指標を「∞」に合わせてネジ止めすればOK。無限遠が厳密に出ているかどうか、多少不安はあるが(少しオーバー目にすべきだったか?)、一応AF精度内でOK。

…と思ったら大間違い。望遠端で無限遠出しをしたら、広角端でまったく無限遠が出なかった(u_u;) 試写してみて初めて気がついた。しょうがないので再度分解して今度は広角端で無限遠を出したら、望遠端では2m強で無限遠に合ってしまう。まあ、実害はないが。通常、こういう症状が出たら、中のレンズの組み方が間違っている可能性があるんだが、記憶の糸をたどっていくと、このレンズは元々こういうレンズだったような気もしてきた…オイオイホントカヨ まあ、何にしてもあんまり深い入りするレンズじゃないのでここまで。

●光学系の清掃

最後の問題は光学系のくもり。結局、清掃方法がよくないのはわかっているし、どうすればクリアになるかも、見当は付いている(クリーニングペーパーをこまめに交換して、内から外に円を描くように拭く)。が、今回はここまで。そもそも、そこまでするレベルの玉じゃない。全く使えないかったものが、とりあえず撮影できるレベルになったのだから、そこで満足しておく。クリアにしたって、どうしても使いたいようなタマではないし(^_^;、同じタマをまだ何本か持ってるし…

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