■赤斑病?エラ病? (2001.10.01)

我が家では2000年12月と2001年9月の二度、稚魚が大量死する不幸に見舞われた。病名ははっきりしないが、症状からすると赤斑病かエラ病と思われる。以下、症状の経過と治療法をまとめておく。もう二度とこんなことがありませんように。

【経過】 1. 元気がなく水底に沈んでじっとしている。
2. 顔や体に内出血のような赤斑が発生する。
3. 背ビレを寝かせてダルそうにしている。
4. 呼吸ができず水面でパクパクし始める。
5. 衰弱死。
【特長】 伝染性の強い病気のようで、同じ水槽の中の金魚全てが感染する。
致死率が極めて高く、一度目は水槽1つ全滅に近い被害を受けた。
必ずしも赤斑が酷い者から順に死ぬわけではない。
成魚に比べ、稚魚の被害が特に甚大。
【原因】 濾過器のフィルターに付着した汚物の腐敗による細菌の繁殖。
気温(水温)の急変、急な冷え込みやヒーターの使用開始。
水槽の浄化能力不足による水質の悪化。
過密状態による酸欠・水質悪化。
【対策】 とりあえず水槽を丸洗いし、水も替える。
水の汚れが酷いようなら、ためらわず全て替える。
水温は10〜20℃に保つ。それ以上だと細菌が強烈に繁殖する。
ただし、温度の急変はさせない。徐々に変化させること。
濾過器のフィルターも水道水でしっかり洗う。
伝染を防ぐため、病気の子と元気な子を分ける。絶対に混ぜるな!
症状が出ていなくても、病気が発生した水槽の子を建康な子と混ぜない。
【治療】 0.5%塩水で塩水浴をさせる。水1リットルにつき塩5g(小さじ1杯)。
パラザンDかグリーンFゴールドで薬浴をさせる(ともに市販薬)。
神に祈る。

■経緯と原因の究明

基本的に、我が家の水槽は過密状態で浄化能力が低く、水が汚れがちである。家が狭いのに多数の稚魚が生まれてしまったので仕方ない面もあるが、水質悪化の原因のかなりの部分は餌の与えすぎかもしれない。といっても、食べ残しはほとんどない。物凄い旺盛な食欲ですべて食べてしまう。だが、「くれくれ踊り」を踊る度に餌をやっているので、多いときは一日五、六度やってしまうことになる。やらないと、「稚魚を食ってやる」と脅迫するので仕方ない(^_^; せめて、もう少しこまめに水槽掃除(水替えではなく)をしてやるべきだった。この環境では、油断すればまた同じ悲劇が起きるだろう。

しかし、今回の悲劇の直接原因は何なのだろう? 確かに、9月20日ころから気温が急降下し、23日の最低気温は13℃にまでなった。明らかに一季節飛び越した。しかし、中水槽の稚魚が全滅したのは、それ以前の18日で気温は25〜30℃。つまり、急激な冷え込みと中水槽の稚魚全滅とは無関係なのだ。直接の引き金は、やはり濾過器にあるのではないか? バクテリア濾過などという妄言を信じて1月以上洗わなかったから、この悲劇が起きたと考える方が正しいだろう。水も汚れてはいたが、一週間前に半分替えているから極端に汚かったとは思えない。

中水槽の悲劇後、生き延びた成魚は大水槽に、瀕死の稚魚は小水槽に避難させた。これが結果的にすべての水槽に病気を伝染させてしまった原因のようだ。基本的に、それまで大・小水槽の金魚たちは元気で、フィルター・水質などにも特段の問題点も見当たらなかった。病気が蔓延したのは、中水槽の金魚の避難後なのだ。

まとめると、(1)直接のトリガーは中水槽の濾過フィルターの腐敗、(2)小・大水槽への伝染は感染魚の移動による、……注意していれば防げたな。


2001.10.01/成魚はかなり回復してきた。塩水浴だけでも相当の効果があった。しかし、稚魚はかなり厳しい。塩水とグリーンFゴールドを併用しているが、まだ毎日1〜数匹が死んでいる。水面でパクパクするようになったら、回復の見込みはほとんどない感じ。犠牲者はまだまだ出るだろう。

2001.10.03/衰弱の酷い子たちを中水槽に集めてパラザンDを投与。塩も併用(0.3%)。経過を見る必要があるが、既に手遅れの子もかなりいそうな感じ。特に稚魚頭の小金魚がかなりバタバタと死んでいる。けっこう目立つ大きさ(3cmくらい)だけに、悲惨さもひとしお。まだ、30匹以上が極めて危険な状態にいる。

2001.10.05/その後も十数匹が死亡。ここに来て、衰弱期を経ずに突然死亡する例が増えているような気がする。パラザンDと塩を若干追加。パラザンDは定格よりも二割増し、塩分濃度は0.5%に。良いかどうかは判らないが、放っておけば全滅の可能性もある。

2001.10.07/中水槽の薬浴を中止。塩水浴のみに替える。パラザンDでも顕著な改善は見られないため。やはり、一日数匹ずつ死亡して、中水槽に残るは十数匹というありまさま。薬浴の中止が良いかどうかはわからないが、このままでは全滅を待つのみ。何か手を打たなくては。他の水槽は概ね改善に向かう。塩水の濃度を少しずつ下げている。しかし、これで生き延びた稚魚は30〜50匹くらいに。200匹くらいは生まれたから、かなり低い生存率になってしまった。

2001.10.11/その後も小金魚頭が二匹死亡。外見上は特に病気の様子はなく、乗り越えたかなと思っていたら、突然死。小金魚頭はこのパターンが多い。薬浴・塩水浴をしてこれだから、もう手の打ちようがない。しかし、全体的には山を越えた感じ。

2001.10.16/その後もさらに稚魚二匹が死亡。こちらは衰弱死。もう一匹危なそうな子がいる。フリンちゃんと名付けてミニ水槽に移す。塩分濃度を1%に上げ、エアレーションの他にO2ストーン(酸素発生剤)を投与。エラに細菌が入ったなら、酸素欠乏状態にあるだろうという判断。で、一時持ち直した感じだったが、また調子悪そう。特長は、短期間に異常に太ったこと。餌を食べてお腹が膨らんだのではなく、内蔵が横方向にむくんだ感じ。先日死んだブタキンちゃんも似た症状だった。現時点では経過を観察するしかない。塩水浴のさせすぎか?

2001.11.01/フリンちゃんは2日ほど絶食させたらむくみが取れた。数日で持ち直したので中水槽に戻す。だが別の稚魚が二匹死亡。いかにも弱っているという感じではあったが、理由が今ひとつはっきりしない。病気自体は完全に山を越してほぼ終息だと思うのだが。

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