(2002.11.08/2003.05.28 update)

療養水槽のすすめ

金魚の病気に備えて、隔離・療養用の水槽を予め用意しておくことを勧める。大きさは5〜10リットル程度の小さなもので、エアレーションは必須だが、濾過器は必ずしも必要ではない。というのは、治療には塩水浴・薬浴を行うため、どのみちバクテリアの繁殖が難しいため。透明水槽の方が病状が観察できて便利だが、バケツのような不透明なものの方が金魚は落ち着く。また、温度や明るさの管理もできるようにする方が望ましい。

重要ポイント
隔離 伝染性の有無にかかわらず隔離、集団生活自体が病気の原因のことも多い
バケツ ガラス水槽よりもバケツの方が落着く、もちろん静暗所に置く
浄水 水槽の水を使わず、必ずすべて新しい水にする
5lバケツなら小さじ3〜5杯、ただし転覆してしまうときは入れない
エア 塩水ではバクテリア濾過が効かないのでエアだけでよいが、エアは必須

外からの病原菌・原虫の侵入がない場合、病気の原因は大きく分けて二つに限定される。一つは水質の悪化、二つめは生存競争からの脱落。水質の悪化に対する感度は個体差も大きく、他の金魚ならば問題なくても、特定の虚弱体質の金魚だけが病気になることがある。したがって、特定の個体だけ様子がおかしかったら、まずは新しい水を入れた療養水槽に隔離して様子を見るとよい。

前述のとおり、療養水槽では塩や治療薬を投与する可能性がある上、サイズが小さいので、こまめに水替えをしてやる必要がある(逆に言うと、水替えがしやすいように水槽サイズを小さくする)。また、餌も少な目(投薬時は絶食)にするのが原則。餌をやる場合は二日に一度くらいは水替えが必要。

また、生存競争からの脱落や、他の金魚からのイジメなども決して看過できない。ともかく、特定の個体だけ痩せている、動きが悪い、ヒレや体に白カビが着く、ヒレの先が溶ける、赤斑が出る、などの症状が出たら即座に療養水槽に隔離すること。隔離が早いと生存確率がぐんと上がる、というのが実感。


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