†DPFについてぐだぐだ考えたこと†

アイティプロテック IPT-DF70-W

作成開始日 2017.04.08
最終更新日 2018.01.11

2007年ころ発売。2017年4月、オークションにて10台1000円!で落札。送料が1200円も掛ったが、2GBのSDカードが8枚付いていた。買物としては非常にお得であった。店頭で長期間使用していたものらしく、使い込み・変色はかなり激しいが、動作は問題なさそうだ。 全体的にスペックは低いが、欠点が少なく実用性は高い。我が家の標準機的存在。難点は音質・音量。本気で使用するつもりなら、スピーカー周りの改造が大前提になる。

液晶○7"/480x234/TFT液晶、16:9ワイド画面。画素密度が低く、静止画表示は見劣りするが、動画再生は実用レベル。発色も視野角も合格点。ただし、デフォルトの発色は好ましくないので画質調整が必要。画質の調整は5パラメータ。バックライト輝度およびTFT明度の調整可能。TFT明度を低めに設定するとよい。
アスペクト比設定◎可能。16:9/4:3モード切り替え可能方式。元画像の縦横比とは無関係に強制的に16:9または4:3で表示する。ほとんどの動画ファイルが適切な縦横比で表示できる。「フィット/全画面」方式よりも便利。
メニュー◎4×3行列式(11アイコン)。オーソドックスで一番使いやすい。設定メニューはカテゴライズ方式。
リモコン○21ボタンタイプ。標準的だが、ボタン配置のセンス悪い。
ディレクトリ認識◎可能。非常に便利。
ファイル表示○停止でファイル一覧のカレント位置に戻ることができる。ファイル一覧のPageUp/PageDownができる。日本語ファイル名は化ける、日本語ディレクトリ名は通らない。
早送り/巻戻し○倍々プッシュ方式。実用レベルだがボタン配置は今ひとつ。経過時間表示もできない。
対応コーデック○実質的にavi(xvid+mp3)またはmpg(mpeg2+mp3)の二者択一。CPUパワーを考慮すると、mpeg2の方が安全だろう。なお、*.mp4拡張子は受け付けない。ffmpegのmpeg4videoやaac(libvo_accenc)も不可。
CPU性能△かなり低い部類だと思う。画像サイズが640×360だと苦しいレベル。480×270/mpeg2/1000kbps推奨。
内蔵スピーカー▲非常に悪い。内蔵スピーカーはφ2cm/8Ωで低音は全然出ないし、音量も全然足りない。AV-OUT端子に外部スピーカーをつないでも、ゲイン不足で十分な音量の確保困難。
その他8GB SDHDの動作を確認(スペック表では32GB対応を明記)。
AV-OUT端子あり。音声出力端子としても使用できるが、内蔵SPと同時出力式。

と言うわけで、音質・音量が最大の弱点。内蔵スピーカーをφ3cm/8Ω(\100)のものに交換してみたが、期待ほどの効果はなかった。むしろ、ファイル変換時に音量を2倍くらいにアップする方が効果的。音がデカくなると、低音不足も少し改善される気がする。なお、音楽ファイル(mp3)は、元のままでも十分な音量になる。この辺はレギュレーションの問題でもあるのだが、プレイヤー側にゲインの自動調節機能が欲しいところだ。

最終的には、スピーカー出力をそのまま外部に引き出せるように改造するとよい−−つまりイヤホン端子の増設。AV-OUT端子からの出力ではゲイン不足でも、流石にスピーカー直ならば、十分なゲインになるだろう。それに、内部はスカスカなので、改造はそれほど難しくない(ラジオ少年レベル)。

●動画ファイルフォーマットの変換例

ffmpeg -i inpfile.vob -vcodec libxvid -s 480x234 -aspect 16:9
-qmin 4 -qmax 8 -b 800k -acodec mp3 -ab 96k -af volume=2 outfile.avi
ビデオのコーデックをxvidとしたのはmpeg2よりも圧縮効率が高いため。 ビットレートに余裕があればmpeg2でも良いのだが、 このレベルの圧縮になると、圧縮効率の差がけっこうシビアに効いて来る。 ただし、xvidは展開負荷が大きく、動きの激しいシーンでは動きがもたつく事がある。 それを防ぐために、画像サイズ(解像度)はリアルサイズにまで落している。

が、480×234というのは、極めて特殊なサイズで、使っていて気持ちが悪い。 また、アスペクト比が自由に変更できるPCや汎用プレイヤーならば正常再生可能だが、16:9強制表示ができないDPFでは使用できない。 さらに、縦が16ドットの倍数でないのもやや気になるところ。480x240(2:1)や400x240(5:3=1.67)、432x240(9:5=1.8)、416×234(16:9=1.78)という選択肢も検討すべきか。

2GB SDに1クール=12本収めるには、1本157MB以下に収める必要がある。 上記の設定ならば、ほぼこの条件をクリアできる(計算上はほぼドンピシャ)。 しかし、特別に動きの激しい回が何回かあると、全体がオーバーする可能性もある。 その場合は、その回のみqmax値を大きくする(或は指定をやめて既定値31を使う)。

1クール=13本の場合は1本145MB以下に収める必要がある。ビデオのビットレートを700kbpsまで落とせばクリア可能だが、画像サイズが480x234のままでは少し厳しいかも知れない。400x240を試すと良いだろう。

xvidの場合、qmin/qmaxはかなり厳格に適用され、 この範囲内に収まらない場合はビットレートにしわ寄せが来る(mpeg2だとけっこう範囲外のq値になったりするのだが)。 つまり、動きの激しいシーンでは800kbpsをかなり大きく超えてしまう。 しかし、q値の上限を外しておけば(既定値qmax=31)、 しわ寄せは画質に来るので、ファイルサイズは膨張しない。 必然的に、動きの速いシーンの画質は劣化するワケだが、 メディアに収まり切らないよりはマシ。

『ば○おん!』は上記設定で全ての回が157MB以下に収まった(149.0〜156.1MB)。ちなみに、一番レートを食ったシーンは、実は、文字がびっしり書かれた書類を上下にスクロールする場面だった(^_^; 単純に見えてもパンの多用はヤバイのである。サン○ッド系はけっこう厳しそうな気がする。一方、『くま○こ』はぐっと圧縮できて、480×240サイズで平均130.6MB(119.1〜146.1MB)だった。まあ、圧縮しやすい作品なのは確かだが。

ちなみに、qminの指定も外せば(既定値qmin=2)800kbps固定レート変換になるが、 そうなると動きの少ないシーンで無駄にレートを食うことになる。 動きの少ないシーンをq=4に抑えてビットレートを節約し、 浮いた分を動きの速いシーン(800kbpsオーバー)に充てるという発想。

ビットレートの最適割り当てということであれば、2pass変換が思い浮かぶが、なぜかffmpegのxvidでは2pass変換はまともに機能しない。ビットレートの指定に拘らず、q=2固定になってしまう。これでは2pass変換の意味がない−−つか、何で2passでq値固定になるんだ? 私の知らない秘密のオプションでもあるのか?

音声のボリュームアップの指定は非常に重要。 上記変換では2倍指定をしているが、これで音声ファイルとほぼ同レベルになる。 AV-OUTに外部スピーカーをつなげば、まともな音量・音質になる。 なお、-af dynaudnormを指定すると、再生時に大きな負荷が掛るので、 少なくとも本機での再生には使えない


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