†貧乏カメラ館・でじたる別館†

廉価X三桁シリーズ (X250系統)

作成開始日 2014.04.19
最終更新日 2024.04.10

C-2 Zoom後継のエントリーモデル。一応中級機のX一桁シリーズとは別物。最初は単三&光学ファインダーというコンセプトだったが、途中でOVFが消え、電池も単三とは限らなくなった。旧型μの流用と思われるモデルもあり、必ずしもシリーズコンセプトが統一されていたわけではない。

X-100

型番は一番小さいが、実はシリーズ初号機ではない。たぶん、X-350と同世代ではないかと。海外および廉価ルート専用のモデルで、正式には国内発売されていない(ニュースリリースも出なかったし、メーカーHPの製品一覧にも掲載されなかった)。手抜きの酷い超チープモデルだが、画質自体は悪くないし、液晶もまあまあだし(1.8"/8.5万画素)、全体的な使い勝手も決して悪くはない。電池が全然持たなくて、ファインダーがお粗末で、レリーズタイムラグが長くて、電源スイッチが3点スライドで、すぐにパーツがぽろぽろ取れてしまうだけ(^^; Sマクロ搭載モデルで、広角端(38mm/F2.9)で2cmまで寄れる。実質的にISO 100固定なので、室内だと1/10"程度だが、電気スタンド等の補助光源などを使えばギリギリ使えないことも…ないかな? 一般的な用途には全く不向きだが、特定用途ならそれなりに使い途はあるかも(ほぼ使い捨てに近い現場用とか)。だからこそ、上位機種の市場を荒らされるのを恐れて国内では正式販売しなかったんだろうな。

X-200/X-250

こちらが廉価Xシリーズ初号機。スライドバリア方式。バリアが硬くて使いにくかった。全体的に玩具っぽくて、それまでのオリンパスのコンデジと比較すると、異和感が物凄かった。スペック的にはそれなりだったが、キャパシタ不良が頻発して、とても使う気にはならなかった。と言うか、これ以前は、まだメーカーも良心的でキャパシタに時限爆弾を仕掛けていなかったので、この時点でのパンクの頻発はかなりショッキングな出来事だった。これ以後、不良キャパシタの搭載は一般化し、殆どのメーカーのあらゆるコンデジが同じ症状を示すようになった(ボタン電池式のキャノンは例外、また、ペンタックスのようにクラスによって差を付けるメーカーもあった)。慣れてしまえば避ける理由にはならないのだが、最初にやられた怨みとショックは大きい。Sマクロはなく、最短20cmのNマクロのみ。しかも、旧型機と違って正味20cm(旧型機は公称値よりもかなり寄れた)。広角端では倍率が全然足りない。望遠側だと暗くなるし、手ぶれ限界が上がるから、手持ちノンストロボは不可能。いろんな意味でダメダメな機種であった。なお、200と250は実質的に同じもの(違いはPictBridge対応だったかな)。

【追記】キャパシタを交換すれば、そんなに悪い機種でもないと思えてくる。スナップ限定なら使えないこともない。ブツ撮りに使おうとするのが間違い。

X-350

X-200/250の後継モデル。スライドバリア方式。望遠端Sマクロで実質ISO 100固定と言うとんでもないスペックの機種。室内でブツ撮りを試してみたが、手ぶれ頻発で使い物にならなかった。最初は原因が判らず、レリーズタイムラグや形状の問題など、様々に検討してみたが、どうもどれも的外れな感じ。で、最近ようやく思い当たったのが、Sマクロが望遠端固定であること。105mm/F5.2-ISO100でノンストロボですぞ。望遠端だと手ぶれ限界は上がるし、開放F値は暗くなるしで、広角端Sマクロよりも3〜4段は不利な条件になる。広角端だって、ISO 100では1段は足りないのだから、望遠端では4〜5段不足ということになる。そりゃ、手ぶれも出るわけだ。これで「アンチバイブレーション」を標榜していたのだから、まったく(以下5文字削除)。ちなみに、Nマクロは広角端でも正味20cmで倍率が全然足りないので、Sマクロに頼らざるを得ない。望遠端は倍率稼ぐのには良いが、ストロボも使用不可なので、晴天屋外の花や虫のアップくらいしか撮れない。不幸なことに、この時期のオリンパス機は殆ど望遠端Sマクロであった。しかし、その多くはISO感度を上げることができた。X-500はパーティーモードでISO 250まで上がるし、μ-40はISO 400固定が可能。それでも実用は厳しいと言うのに、実質上限感度がISO 100で、Sマクロが望遠端固定で、しかもストロボすら不可なんていうのはX-350だけだろう。まあ、私の知る限り、オリンパス史上最悪機種ですな。これなら、Sマクロなんてない方が良かった。

X-450

X-350からデザイン&機能とも、大幅に変更された。シェル型のスライドバリアではなく、単純な電源スイッチ方式になった。使い勝手はかなり良い。このモデルから光学ファインダーがなくなった。個人的にはNo-OVF機には全く興味がなかったのだが、入手してみると意外にデキが良いのに驚いた。独特のコロコロぐにゃり形状でホールディング感が素晴らしいのと、液晶が小さいながら鮮明である事に驚いた。つか、小さいからこそ鮮明なのであった。1.5"で13万画素以上ある。大型液晶の廉価モデル(2.5"/11万画素)と比べると、画素密度が約3倍である。初心者を意識した操作系には正直ゲンナリだが、十字キーとセンターボタン、それに独立ボタンの多用というオリンパスらしい構成で、使い勝手自体はかなり良い。感度はオートのみで実質的にISO 128が上限だが、Sマクロが広角端(F2.9)なので、マクロも意外に手ぶれはしにくい(室内で1/10"くらい;ギリギリ)。FE-110系の母型モデルになった。

X-500

恐らく、中身はμ-30と同じ物。廉価Xシリーズでは珍しく専用電池モデル。μ-30のシェル型スライドバリアを無理矢理スイッチ方式に替えたような構造なので、電源スイッチが前面にあって、しかも固い。また、初期μシリーズのUIを踏襲しているため、十字キーのセンターにOKボタンがなく、使い勝手はあまり良くない−−と言うより戸惑う。流石にボタンの質は初期μシリーズよりもマシではあるが。感度はオートのみだが、パーティーモードでは実質的にISO 250まで上がる。Sマクロはあるがテレ端固定でなので使い物にならない、Nマクロは正味20cmで倍率不足。その点ではX-350と大差はない(ISO 250に上がる分はマシだが)。

X-550

単三モデルに復帰。電源スイッチも通常タイプになった。が、それまで汎用mini-BだったUSBが特殊仕様に変更されてしまった。xDというマイナーメディアでこれは痛い。感度はオートのみで実質上限はISO 100だが、パーティーモードならばISO 200まで上がる。Nマクロは正味20cmだが、Sマクロは広角端で2cm。つまり、38mm/F2.8/ISO200が可能なので、手持ちでのブツ撮りも可能なレベル。スペック的には良好。なお、明るくなると、速度を上げるよりも先に、感度を下げるようなプログラムラインになっている(閾値はおそらく1/30")。したがって、補助光などで明るくしたからと言って、高速で切れるようになるとは限らない。筐体は横長の独特なデザインだが、これまたホールド感は悪くない。画質も廉価機にしては良好。けっこう隠れ名機である。こうなると、USBのコネクタ変更と、XGAサイズがないのが痛い(VGAの次は200万画素)。ただし、VGAの画質はFE-130よりもかなりマシ(それでも実用は厳しいが)。また、FE-130と違ってメディアと電池が別スロットなので、カードリーダーの使用にも支障はない。FE-130では全く表示されない露出情報も表示可能(再生時のみ/感度は不可)。スペック的には大差のない両機種だが、こうして見ると、細かい点への配慮には雲泥の差があるのが判る。なお、X-450とは異なりWBの変更が可能になったが、シーンモードではAWBオンリーなので、この点はあまり改善されているとは言えない。

画素数:400万/200万/VGA
マクロ:Sマクロ:2cm(38mm/F2.8)
感 度:パーティーモードあり(実質上限ISO 200)
電 池:単三×2
USB:特殊仕様(USB6)
LCD:1.8"/8.5万画素
設 定:保持可
表 示:再生時のみ(感度情報は表示されない)
キャパシタ:即死型(メディアと電池が別スロットなのが救い)

【結論】これしかなければ満足できる内容だが、Optio30があれば敢えて使うメリットはない。Optio30はX-550のメリットを全て備えている上に、XGAサイズがあり、ISO400固定が可能で、USBは汎用mini-B、しかも露出情報は撮影時・再生時ともフル表示である。

X-600

未チェック。SマクロはないがNマクロで10cmまで可。しかも感度固定可能(X三桁機としては唯一?)。つまり、35mm/F2.8/ISO320が可能。液晶も2"/11万画素と大きすぎず好印象。惜しむらくは電池が専用のLI-40Bということ。LI-10B/12Bならば、我が家では比較的汎用性があるのだが…。また、ISO感度が80の倍数(80/160/320)というのも、詐欺的低感度だったX-2を連想させて不吉な感じがする。これも、X-500同様μシリーズの流用モデル臭いが、確証はない。


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