†貧乏カメラ館・でじたる別館†

Pentax Optio M20

作成開始日 2014.03.23
最終更新日 2014.03.23

●ファースト・インプレッション

●感度と画質

一般に、このM20の画質の評判は頗る良くない。入手前は俄には信じ難かったのだが、実際に使ってみて何となく納得した。尤も、いわゆる「低画質」と言うよりも、コントラスト、彩度、WBのチューニングに失敗して、締まりのない「冴えない」絵になってしまっているのだと思う。実際、カメラのコントラストや彩度の設定を上げるとけっこう改善されるし、PCに吸い上げて画像ソフトでちょいといじると、かなり良い絵に変わる。まあ、そんな余分な作業が必要な時点で「ダメじゃん」と言うことになるのだが。なお、液晶の質が低く、カメラで再生したときの印象が悪くなるのも不評の一因だろう。

ただし、高感度時に関しては本当に画質が悪い。特にISO 1600の画質は実用レベルにない。室内ノンストロボで撮るとザラザラである。後継機(?)のOptio E60よりは多少マシかも知れないが、実用にならないという点では同じ。せいぜいISO 400が実用限界なので、高感度をアテにして入手するとガッカリすることになる。ただ、感度が手動で固定できるのは大きなメリット。画質と手ぶれを天秤に掛けて、自分で妥協ポイントを選択できる。このクラスだと、それが当たり前ではないんだよね。

●マクロ性能

このM20で一番期待したのは、Nマクロで10cmまで寄れること。Sマクロの方が倍率は高くなるが、制限が多くて使い勝手は今一つ。Nマクロで10cmまで寄れれば、ほとんどのニーズをこなせるので便利この上ない、しかもSマクロが一般化して以来、Nマクロでここまで寄れるのは貴重だ、と思ったのだが…な〜んかピントを外すんだよね(^_^; 慣れとかコツとかはあるのかも知れないが、ピントが合う率はSマクロの方がずっと上。う〜ん…

一方、Sマクロは45mm/F3.5という実に微妙な位置に設定されてる。これ、決して悪い選び方じゃない。私個人は広角端Sマクロの信奉者だが、ラジオやカメラの全体写真を撮るときは、広角端ではパースがキツすぎて不便なのだ。その場合はデジタルズームを併用するとか、一回り広く撮って切り抜くとか、まあ、それなりに対処法方はあるのだが、初めから標準域で撮る方が正当的。望遠端と違って、開放F値はそれほど落ちないし、手ぶれ限界もそれほど上がらない。まあ、一般に言われている手ぶれ限界(1/f)が、室内のマクロ撮影でどれほどの意味を持つかは別として。

ところで、PentaxのSマクロの目安って、ひょっとするとF3.5なのかな? Optio S40のSマクロは10.2mm/F3.5(67mm相当)。

●液晶モニタ

デカいだけで画素が粗くてみすぼらしい。小サイズ・高画素密度にした方が明らかに実用性は高いけれど、素人相手ではサイズが全て…という判断なんだろうなぁ。と言っても、これはメーカーの責任ではなく、消費者の問題なんだろうな。画質が悪くてもデカい液晶に飛び付くんだから。何か腹が立ってきた。

●Optio30に対するアドバンテージは?

Optio30の弱点は画質とキャパシタだったんだが、そんなワケで画質はむしろ悪くなっている印象−−画質で最廉価機に負けるか(^^; ま、マクロ限定の話だが。キャパシタ寿命は不明だが、少なくとも2分は持った。この点はアドバンテージ。45mm/F3.5というSマクロは悪くないが、Nマクロは少々期待外れだった。判断は微妙。液晶は大きすぎて粗くて見にくい。Optio30のような小サイズの方が遥かに実用的。USBの接続性は良いが、ケーブルがminiBでないのは不便。と言うことで、明確なアドバンテージはキャパシタだけ。後はむしろ最廉価機であるOptio30に負けている。

実は入手前はかなり期待していた機種なので、この結論は非常に意外である。


【でじたる別館目次】 【ホーム】