†貧乏カメラ館・でじたる別館†

単三FEシリーズ

作成開始日 2014.02.24
最終更新日 2024.04.10

X三桁シリーズ後継のエントリーモデル。全てNO-OVF機で、電源は単三とLi-ionが混在しているが、ここでは単三モデルのみを取り上げる。FE-110系(100/110/115とおそらく120も)はXシリーズと同系統だが、それ以降はUIもスペック大きく改悪されている。特に、ストロボ設定保持が不可能になったのが致命的。ぐにゃコロのFE-110系以外は選択の対象にならない。

【ぐにゃコロモデル一覧】
型番画素数レンズ感度速度
X-450 3M38-114mm/F2.9-5.0ISO 64-250 (128)2-1/2000"
FE-1004M38-106mm/F3.0-5.0ISO ?-400 (???)?-1/2000"
FE-1105M38-106mm/F3.0-5.0ISO 64-320 (125)2-1/2000"
FE-1155M38-106mm/F3.0-5.0ISO 64-400 (125/400)2-1/2000"
※感度の括弧の数字は実質上限感度(スロー限界時の感度)
※シャッター速度の下限が2"なのは夜景モードのみ(他は1")
※海外モデルのISO感度情報は錯綜していて確実なデータがない

FE-100

未チェック。海外モデル。FE-110と同時に発表されたFE-110の低画素モデル。画素数以外はほぼ同じ物と考えてよいだろう。取扱説明書も共通。ISO感度上限が微妙に違うのだが、これもあまりアテになる情報ではない。多分、このシリーズの実質上限はすべてISO 125前後だと思う。ちなみに、FE-100/110/115はすべて海外モデルと呼んで良いが、FE-110とベースモデルであるX-450は国内でも正式販売されている。そのせいか、このシリーズは割合に丁寧な造りになっている。

FE-110

使い勝手の良いビギナー機。X-450のマイナーチェンジ版。画素数の増加に応じてCCDサイズがやや大きくなったため、ズーム倍率がわずかに下がった。望遠端は素直に広角側にずれた一方、広角端は(おそらくイメージサークルの問題で)38mmのまま変更されなかった。それ以外は外観も含めてX-450と殆ど変わっていない。感度上限が多少変わったが、実質上限はほぼ同じISO 125。このFE-110に「ぶれ軽減モード」を追加したのが次のFE-115なので、中身に関してはそちらを参照。なお、FE-115のSQ1は300万画素だが、FE-110のSQ1は200万画素。

FE-115

FE-110に高感度モード(ぶれ軽減)を追加したモデル。X-450/FE-110系の最大の欠点を克服できた、極めて魅力的な機種。十分なマクロ性能、小さくて鮮明な液晶、手ぶれの起きない高感度、接続の楽なmini-B USBと、簡易ブツ撮り機としての要件をほぼ完全に満たしている。まあ、XGAサイズがなく、VGAの次が300万画素というのは流石に辛いけれど、VGAの画質は意外に良い。メモ撮り程度ならVGAで充分かも。また、このシリーズは設定および日時が不揮発メモリに保存されるので、キャパシタの生き死にをほとんど意識しないで済む。無論、キャパシタが死ねば、電池を抜いた途端に時計は動かなくなるが、日付が初期化されるわけではないので修正が楽。

画素数:500万/300万/VGA(VGAはけっこう高画質)
マクロ:Nマクロ:20cm(38mm/F3.0)/Sマクロ:2cm(38mm/F3.0)
感 度:ぶれ軽減モードあり(実質上限ISO 400)
電 池:単三×2
USB:mini-B(OS/2では要ドライバ・アップデート)
LCD:1.5"/13万画素
設 定:保持可能(日時も含めて不揮発メモリに書き込まれる)
表 示:不可(露出情報は一切表示されない)
キャパシタ:?不明(即死型でも意識する必要がない)

【結論】総じて非常に良い。画像サイズとか露出情報非表示とか不満な点もあるが、キャパシタのパンクにびくつかないで済む点が大きい。ようやくOptio30に対抗しうる機種を見つけた。

FE-120

未チェック。海外モデル。外観からすると、おそらくX-550と同じ物。

FE-130【設定保持不可】 (2014.02.24)

地雷機種:スペック的には外していない感じだが、海外モデルだけあって随所に手抜きが見られる。特に、この時期の製品でモード設定の保持が不可能なのはいくら何でも酷すぎる。また、画像サイズが馬鹿デカく、転送速度はクソ遅い。現実的には実用は困難。FE-110系などとは異なり、企画段階からの生っ粋の海外モデルなのだろう。 画素数:500万/300万/VGA(VGAは非常に汚い)
マクロ:Nマクロ:10cm(38mm/F3.1)/Sマクロ:5cm(45mm/F3.5)
感 度:ぶれ軽減モードあり(実質上限ISO 400)
電 池:単三×2
USB:特殊仕様(USB6)
LCD:2"/画素数不明(室内使用ならば十分)
設 定:保持不可(ストロボもシーンモードも初期化される)
表 示:不可(露出情報は一切表示されない)
キャパシタ:即死型(しかも電池&メディア同一スロット)

【結論】モード保持不能がすべてを台無しにしている。それさえ可能ならば、あとは何とか我慢できないでもないのだが…。もちろん、Optio30に対するアドバンテージは皆無で、こいつを積極的に使用する理由はまったくないので、どの途使わないけれど。

FE-140【設定保持不可】

未チェック。FE-130の多画素数版。国内では見たことがない。液晶は2.5"(FE-130は2")。

FE-170【設定保持不可】 (2014.07.15)

海外モデル。FE-180と同時発売の下位モデルのようだが、光学系も画素数(600万)もLCDサイズ(2.5")も同じで、単純なバリエーションモデルではないようだ。また、筐体もFE-180に良く似ているが、ストロボ配置をはじめ、けっこう違っている。下位モデルと言うより、同じターゲットを狙った、別の素性のモデルなのではないかと思う。目に付く違いは、動画性能とUSBコネクタ(FE-180はAV統合型の特殊形状だが、FE-170は汎用mini-B)。また、LCDの画素数はFE-170の方が上だが、リフレッシュレートはFE-180の方が上らしい。ともあれ、FE-180のmini-B版ということで、けっこう期待していたのだが、実際に手にしてみると、まったくの期待外れだった。
  • まず、ストロボモード保持が不可能。マニュアルに「このカメラは、電源を切っても変更した設定を保持しています」(p.59)と明記してあるのに。完全な詐欺。
  • 次に、シャッター音がしない。消音モードはもちろん、通常モードでもしない。耳障りな操作音と合焦音は出るが、FE-115のような機械音すらしない。レリーズタイミングはLCDを見ていれば判る、ということか? とても使いにくい。
  • メニュー構成はFE-130と同タイプ。DiMAGE X20に似た3×3のパネル配置。使用頻度の高い項目が十字状に配置されているので、X20に比べれば大分マシだが、やはり感心しない。
  • シーンモードは一度設定してしまうと、再度ダイヤルを合わせ直すまで変更できない。信じられない仕様なのでマニュアルで確認したが、ちゃんと明記してある!
  • そして、モードが切り替わる度に表示される初心者向けガイドが恐ろしく欝陶しい。
この段階で、もう、残りの項目をチェックする気はなくなった。 総体として、細部への気配りが恐ろしく雑で、とても日本人が設計したとは思えない。 FE-130と同じく、海外市場をメインにした、お座なりモデルのようだ。 ちなみに、国内正式モデルのFE-180もストロボオート初期化は同じらしい。 FEシリーズはFE-115で終わりだな…。 しかし、この時期のオリンパスの凋落をはっきりと認識させるなぁ… メーカーがユーザーをバカにし始めたら、もう終わりだよな。 以下、スペック。
  • USBコネクタは汎用のmini-Bタイプ。
  • USBはMSクラスで、OS/2の標準ドライバでも読み込み可能。
  • Nマクロ10cm(広角)/Sマクロ5cm(45mm/F3.5)
  • ぶれ軽減モードあり(実質的にISO400モード)
  • SQ1モードは300万画素
  • キャパシタは不揮発型で、時計設定も不揮発メモリに保持される。
  • 電池はオキシライド対応、CR-V3は不可(単三リチウムは?)
厳密に言えば、シーンモードは保持されるので、発光禁止のモード(例えば「ガラス越し」)を選んでおけば、ストロボのオート初期化は防ぐことができる。ただし、シーンモードで電源オンをすると、初心者ガイドが実に欝陶しい。何にしても、使う価値のない機種であることは確定。

FE-180【設定保持不可】

未チェック。これはきちんとした国内モデルらしい。極めて凡庸な外観になったが、ホールディングは良さそうに見える。ただし、ストロボ設定は保持不可。FE-170同様、マニュアルには設定保持可能と明記してあるのだが、実際にはオートに初期化される。

画素数:600万画素/300万画素/VGA
マクロ:Nマクロ10cm(W)/Sマクロ5cm
感 度:ぶれ軽減モードあり(〜ISO 1000:公称)
電 池:単三×2
USB:特殊仕様(USB7)
LCD:2.5"/11万画素

XGAがなくてSQ1で300万画素というのは何とも…どうやら、オリンパスは《HQがフルサイズ、SQ1がハーフサイズ、SQ2がVGA》と決めてしまったようだ。USBが特殊仕様なのも欠点だが、ケーブルは複数本所有しているので致命的とまでは言えない。液晶の画素数は少ない。これなら1.8"くらいにして欲しいなぁ。デキはかなり良いモデルらしいが、スペック的に特別魅力的な点は見当たらない。ああ、電池が長持ちというのはウリの一つのようだ。

FE-210【設定保持不可】

未チェック。国内モデル。スペックは悪くない。特筆すべきは、USBがmini-Bに戻ってくれたこと。また、Nマクロが10cmなのも非常に良い(Sマクロは5cmだが焦点距離不明)。ぶれ軽減モードもあり(スペック上限はISO 640、実質は400かな?)、ブツ撮りにはけっこう便利そうだ。液晶が2.5"という無駄サイズなのが気に入らないが、15万画素あるそうだから、PowerShot A560のような惨めな映りではないだろう。……と思ったら、設定保持不可と判明(日本語取扱説明書p.56に明記)。ただし、シーンモードは保持されるようなので、それ次第では何とかなるかもだが−−そういう運用を考えなければならない時点で完全にアウト。
  • ぶれ軽減モードはある
  • Sマクロは恐らく45mm/F3.5くらい(FE-130からの類推)
  • SQ1モードは300万(16:9の200万モードはあるようだが)
  • USBはminiBのようだ
  • 液晶は2.5"/15万画素
  • キャパシタは不明
  • 設定保持不可、電源オフでリセットされる(画質とシーンモードは保持)
設定リセットで完全にアウト。それ以外も、FE-115に対する特段のアドバンテージはない。

FE-270【設定保持不可】

未チェック。海外モデル。FE-210とほぼ同じものらしいが、いろいろ手抜きが酷いようだ。両方とも持っていないので、具体的な違いはよく判らないが。設定保持不可と判明(日本語取扱説明書p.56に明記)。完全にアウト。

FE-310

未チェック。たぶん海外モデル(確証はないが情報がほとんどない)。5倍ズーム機なので、FE-320の単三版ではないかと…。私の用途では5倍ズームは無意味なので興味の対象外−−そもそも室内で180mmなんて使わないし、ズーム比が大きくなれば必ずレンズは暗くなる。手持ちブツ撮りにはまったく不向きと予想される。それに、海外モデル特有の手抜き機種ではないかという危惧も大きい。


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