†貧乏カメラ館・でじたる別館†

OLYMPUS Camedia C-700UZシリーズ

作成開始日 2014.04.04
最終更新日 2024.04.11

コンパクト10倍ズーム機。電源は単三4本(C-760/770は専用電池なので除外)。光学式手ぶれ補正は付いていないが、意外に手ぶれはしにくい。ただし、EVF機なので望遠での動体の撮影(運動会など)は極めて困難。また、EVF像は極めて不鮮明で、花見写真のように明るい方向を写すのにも適していない(特に眼鏡の場合)。メリットと限界を弁えて使う機種。

モデル名発売年月画素数焦点距離最大固定ISO感度EVF画素数メディア
C-700UZ 2001/04 2M 38-380mmISO80011.4万画素スマメ
C-720UZ 2002/05 3M 40-320mmISO400画素数不明スマメ
C-730UZ 2002/10 3M 38-380mmISO40018万画素xD/スマメ両対応
筐体変更(両吊ストラップ)
C-740UZ 2003/05 3M 38-380mmISO40018万画素xD
C-750UZ 2003/06 4M
C-745UZ 2003/10 3M 38-380mmISO40018万画素xD
C-755UZ 4M
※CCDサイズは、700/730が1/2.7"、740/760が1/2.5"
※740/750と745/755は基本的に同じ機種。違いはPictBridge対応のみ(だと思う)

C-700UZ

光学手ぶれ補正なしの10倍ズーム機。手ぶれ補正の代わりにISO 800が可能だが、画質劣化は強烈。室内ノンストロボではISO 200でも厳しい。全般的に画質は良くないし(晴天屋外ではけっこう奇麗)、EVFの見えも良くないし、UIの洗練もイマイチ。後継機と比べて完成度が低いのはアタリマエとしても、造り込みにおいて同時期のC四桁機に負けているのが何とも残念(C四桁機の光学系とファインダーを換装するだけで良かったのに…)。晴天屋外での静止被写体に限れば実用的な機種だと思うが、このシリーズで敢えてこのモデルを選ぶ理由はない。

【結論】高感度時の画質劣化がすべて

C-720UZ

未チェック。C-700UZ後継の8倍ズーム機。多分、1/2.7"の300万画素CCDの調達が出来なかったために、こんな中途半端なスペックになったのではないかと思う。つまり、C-700(1/2.7")の光学系に1/2.5"CCDを組み込んだために望遠端が広角側にずれ、なおかつ広角端ではイメージサークルがCCD全体をカバーできず望遠側にずらさざるを得なかったのではないか。そうまでして画素数を増やさなきゃいかんのか? いずれにしろ、300万画素1/2.7"CCDの10倍ズーム機であるC-730UZが出るまでのツナギという感じ。

C-730UZ

本当の意味でC-700UZの後継モデル。随所に改善が見られ、ようやく実用レベルに近づいて来たかな、という感じ。で、使ってみて気が付いた点; 初代のC-700UZはISO 800まで増感可能で、しかも感度を早めに上げるプログラムラインだったが、高感度時の画質劣化が極端で不評だった。その反省からか、このC-730UZでは感度を最高ISO 400に抑え、感度オートのプログラムラインも実質的にISO 64固定と言うとんでもないものに変更されている。必然的に手ぶれが頻発する。状況に合わせてマニュアルで感度を変更することを強く推奨。ただし、ISO 400時(室内で1/20"程度)の画質劣化はやはり酷いレベル。ISO 200(同1/10"程度)ならば何とか許容範囲内だが、ノンストロボでホテルの食事風景などを撮影するにはけっこう厳しい条件だ。また、このタイプでストラップが片吊というのも意味不明。C四桁機はちゃんと両吊なのに…実害があったかと言われると微妙だが、少なくともとても不快だった。

なお、メディアはxDとスマメのダブルスロット(排他使用)。いずれもマイナーメディアなのが不便だが、USBが汎用mini-Bのストレージクラスなので、画像の吸い出しには困らない。

【結論】C-700UZに比べると大幅に改善されているが、まだ実用レベルとは言い難い

C-740UZ

C-750UZの低画素版。ただし、日本での発売は僅かながらこのC-740UZの方が早い。目立つ違いは画素数とホットシューの有無だが、それ以外にも細部のスペックが微妙に貧乏臭く変えられている。特にシャッター音に関する設定は貧弱。屋外での使用がメインなので、けっこう不便に感じるレベル。まあ、これ単体で見れば決して悪い機種ではないが、比較で言えばC-750UZの方がかなり上。また、C-730UZまでと比べると、筐体デザインが一新され、ストラップが両吊になったのが大きい。高感度時の画質もかなり改善されている。700UZシリーズは740UZに至ってようやく実用レベルという感じがする。

【結論】実用レベルだが、C-750UZを使いなさい

C-750UZ

単三の700UZ系としては実質的に最終モデル。そして、この最終モデルにおいて、ようやく完成形に致ったという感じ。730までと比較すると、ストラップが両吊になったのと、高感度時の画質が改善されたのが大きな違い。この二点は本当に大きな違い。また、740と比較すると、ホットシューとシャッター音が追加されたのが主な変更点。まあ、10倍ズーム機でホットシューに(と言うよりもストロボに)どれだけ意味があるのか判らないが、シャッター音の追加の方は物凄く大きなメリット。と言うか、ショボいビープ音しかしない740の方がおかしいのだが。何にしても、この750で光学手ぶれ補正なしの10倍ズームEVF機としては、ほぼ理想的なスペックとなった。無論、スペックからくる限界はある。例えば、望遠端で不規則動体を追いかけるのはほぼ不可能だし、ピーカン以外は手ぶれの不安が付きまとう。しかし、これらの問題は原理的なものなので、使う方が工夫するなり、諦めるなりしないとどうしようもない。そこを弁えた上で使うなら、これはこれでけっこう便利な道具である。

【結論】デジイチの代わりにはならないが、用途限定ならば十分使い途はある。


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