†貧乏カメラ館・でじたる別館†
CAMEDIA C-100 |
★★☆発売年月 2001.06/標準価格 ¥3.2000 ストロボさえもう少し何とかなっていれば… |
この時期には珍しいパンフォーカス機。個人的にはパンフォーカス機は大好きだが、こいつはいろいろと問題が多い。実は総じて評判の良い機種のようなのだが、私の評価は極めて厳しいものになった。欠点をざっと列挙すれば、起動や動作が遅く、操作性もイマイチ、設定保持は不完全、ストロボ撮影が汚い、室内マクロ撮影はボロボロ、高感度時の画質が酷い、彩度が低い、白とびが顕著、単焦点のくせに重い。
ただし、画質に関しては、あくまでも私の所有している機体に限定したハナシ。メーカーのサンプル画像や、他ユーザーの作例を見ると、私のテスト結果ほどは酷くない。私の機体は調子が悪いのか、はたまたウデが悪いのか…(^_^;
もちろん、電池寿命の長さ、機能の豊富さなどは十分評価するが、やはりパンフォーカス機の最大のメリットであるはずの速写性に致命的な欠点を抱えているのが、この機種の存在理由そのものに疑問を抱かせる。
マクロモード(F8)にしても、Exif情報はF4のままのようだ。困ったもんだ。感度、速度でF4かF8かを推測するしかない。
露出制御は速度とISO感度で行っていると思われる。それでいて、スポット測光や露出補正が付いている(^^ゞ 感度はISO 100〜400のオートのみ。ストロボは発光量とISO感度で調光しているようだ。ストロボ補正も効く。無駄に多機能な感じもするが。ストロボモードはオート/強制/禁止/赤目/夜景など豊富だが設定保持はできない(オートに初期化)。WBのマニュアル設定も可能だが、これもモード保持はできない。デジタルズームはx1.6/x2、VGAモードの時はx3.2/x4も可能。これはそれなりに使える。設定表示用の上部液晶はなく、すべて背面液晶モニタに表示される(マクロはスライドスイッチなので直接目視も可能)。
本体重量190g、電源は単三4本、撮影重量300g弱。正直言ってこれは重い。AFが当たり前の時期の固定焦点機なんだから、単三2本の軽量スナップ機にすべきだったと思う。尤も、単三2本機が実用レベル(アルカリで100枚程度)に達するのは、三か月後のC-2やFinepix A101あたりから。C-100の三か月前に出たC-1の電池寿命の悲惨さを考えると、同じ轍は踏めなかったのだろう。タイミング的には非常に不幸だった。しかし、流石はこの時期の4本機で、アルカリ電池で最大1万枚撮影可能(標準200枚)。凄し。4本機と2本機の間には、相当本質的な差があったようだ。
「1万枚」という撮影可能枚数については、真実味が薄いような気はするが、少なくとも、家に転がっている使い掛けの電池で動く、数少ないデジカメであることは確か。枚数は同一メーカー製品の相対的な指標ぐらいに考えておく方が賢明。
兄弟機自体は珍しくはないようだ。たとえば、DSC-X1とC-820L、DSC-SX1ZとC-900Zなど。しかし、C-100とDSC-R1のように、基幹スペックが大きく変更されている兄弟機となると、ちょっと思い付かない。
また、C-100の後継機種としては、画素数を200万画素にアップしたC-120がある。外観はC-100と完全に同じで、単純な画素数アップ機と思われがちだが、画質や操作系が大幅に改良されており、後述するC-100の数々の欠点をほぼ克服したモデルと言って良い。異様な電池の持ちの良さと相まって、こちらは実用性が極めて高いモデルに仕上がっている。なお、C-120は主に海外で販売されていたモデルで、日本ではジャパネットたかたのTV通販と、一部量販店でのみ売られていたようだ。日本のオリンパスのHPには製品情報が掲載されていない。
ただし、実際には、この無駄チャージはそれほど気にならないかも知れない。確かに、最初に電源を入れた段階ではかなり待たされるが、以後、数分〜二、三〇分置きくらいに撮影するのであれば、チャージは即座に終るのでストレスはない。問題になるのは、突然、滅多に見ることのできない被写体に出くわしたときだろう。鞄からカメラを取り出して、スイッチオン…で、7秒待たされたら、完全にシャッターチャンスを逃す。なお、ピーカンでも本当に強制チャージを始めるのか否かは、実ははっきりしない。曇りの日には確実にチャージし始めた記憶があるが。
また、ストロボチャージがない場合でも、液晶の点灯までに1秒近く掛かったり、再生が遅かったり、ストレス感がかなりある。ストロボ設定やマクロ設定を変更するときでさえ、1ウェイト掛かる感じだ。同時発売のC-200Zが割合にサクサク動くので、C-100の鈍さが余計に目立ってしまう。
液晶表示の設定は保持される。液晶オフで電源を切れば、次回起動時も液晶オフで起動する。この点は高評価(って、強制液晶オン起動の初期Finepixの方がどうかしてるんだが)。ただし、モード表示のために、2、3秒間だけ設定アイコンが表示される。これは、設定表示用の上部液晶がないので仕方ないだろう。
操作の中で最も不便に感じるのは画像の削除。 メニューの奥にあって、1枚削除するのに物凄い手間が掛かる。 しかも、メニュー画面で画像が隠れるから、連続削除は困難。 変だな〜〜、と思っていたら、やっぱり隠し設定があった…隠してないけど(^^; [▽]ボタンの長押しで直接削除メニューが表示される。 これなら簡単で便利だけど、ボタンに削除マークでも書いておけよ! ちなみに、[△]の長押しはプロテクト。
電源スイッチはスライドバリア兼用。エントリーモデルでスライドバリアを採用すると悲惨なことになることが多いのだが、これは安っぽく作ったのが逆に功を奏したみたいで、たよんないくらいスムーズに動く。乾燥した時期にはバリアを開けられないC-200とはえらい違いである。質感は△だけど、実用性は◎。
@手ぶれ限界である1/30"から感度が上がり始めるのは高評価!
Aしかし、ISO 200までしか上がらないのは少々物足りない。
Bただし、高感度時の画質の劣化はかなり激しいので、これはこれで納得。
ということで、プログラムライン自体は概ね高評価だが、実質的な感度上限はISO 400ではなく、ISO 200だと思っていた方がよい。
中には固定焦点機でも芯の立った鮮やかな描写をする機種もあるが、そこに拘泥なら、むしろ高機能AF機を選ぶべきだろう。高機能機でも少し前の機種なら捨て値で入手できる。C-3030Zなどはかなり高画質だが1000円以下で落札されている。とんでもない時代である。
傾向として気が付いたのは、露出がオーバー目に出やすく、それがコントラストの低い、色乗りの悪い印象を作っているであろうこと。レタッチソフトでガンマ補正を掛けるだけで、印象はかなり異なる。下記サンプルは2010年4月6日(晴天)の上野不忍の池で撮影したもの。オーバー目に出がちなシチュエーションだが、それにしてもオーバーすぎる印象。
![]() | HQモード/EPS測光/多分F8で撮影したものを50%縮小。 非常に浅い印象。 | |
![]() | 上の画像のガンマ値を0.65に変更。 こちらの方が実際のイメージに近い。 | |
![]() | ガンマは変更せずにImageMagickでnormalizeを掛けた。 更にvivid。 |
オリンパスのデジカメなら、デフォルトで三番目の画像くらいは期待するよな〜〜的なところはあるけれど、まあ、露出補正かレタッチをすれば、それなりに見られる画像にはなる。しかし、マクロ撮影となると…
![]() | VGA/デジタル4倍/マクロモード/ストロボオン。なんじゃこりゃ〜〜(^_^; |
![]() | ImageMagickでconvert -normalizeを掛けたら、かなり絵が締まったが…使い物にはならん。 |
![]() | ちなみに、FinePix A101ではこんなカンジ。同じパンフォーカス機なのに… |
デジタルズームで倍率だけはそこそこ確保できるが、このマクロ性能ではメモカメには適さない。なお、マクロ撮影時は-1EVくらいにしておくと白飛びが多少改善されるが、それでもFinePix A101やKodak DC215 ZOOMの固定焦点マクロのレベルには遠く及ばない。
しかし、対処法方はある。「夜景モード」を使えば良い。「夜景モード」は「ストロボ発光+スローシャッター」という設定。いわゆるスローシンクロである。元来は「夜景+人物」を撮影するためのモードだが、スローシャッターで背景の光(室内灯)を十分に取り込むことができるので、室内撮影に使っても非常に自然な感じになる。ただし、問題は手ぶれ。夜景ならばストロボ発光時以外、人物はほとんど写らない(瑞柏逡ェの1秒でシャッターを切ったのと同じ効果がある)が、室内には一定の明るさがあるために、スローシャッターによる手ぶれのリスクが出てくる。それに、そもそも、そんならノンストロボのスローシャッター撮影と変わんないだろう、というハナシになる。
で、検証しました。結論は、手ぶれに関してはノンストロボでもスローシンクロでも同じ。ウチの室内では両方とも1/6"で切れていた。でも、スローシンクロの方が画面が明るい。露出は同じでストロボが発光したんだから、その分は明るくて当然ではあるが。で、アルゴリズムを推察すると、まず、ノンストロボを前提として測光をして、その段階で露出を決めてしまう。で、レリーズ時に発光させ、自動調光で被写体に当てる光量を変化させる。夜景以外でこの方法を使うと、必然的に若干ながらも露出オーバーになる。フムフム…実写結果と一致する。
まあ、被写体に陰が掛からないという意味では、室内のスローシンクロも無意味ではないかも知れないが、手ぶれ対策には全然ならないことがわかった。それにしても、1/6"でもISO 200。上限の400にはならないんだ…。確かに400の画質は酷いから、スローシャッターでカバーできるうちは増感しないのかも知れない。
PCとのインターフェースはUSBを採用。しかも、コネクタは汎用のBタイプでOK。FinePix A101はUSBケーブルで随分苦労したので、この点は高く評価したい。また、ストレージクラスなので、WinMe以降ならドライバも不要。OS/2でも問題なく認識した。スマメは出し入れ時にデータ損傷を起こしやすいので、USBの汎用性が高いことは非常にありがたい。
ライバル機種は富士のFinepix A101(130万画素/パンフォーカス/単三2本)。用途を考えると、大きさと撮影重量の差、およびストロボ設定クリアはC-100の致命傷のような気がする。キャパシタ抜けさえなければ、フジ嫌いの私だってA101を選ぶよ(A101はひょっとするとキャパシタ抜けしないかも知れないし⇒そんな事はなさそうだ)。
主要諸元 | |
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発売年月 | 2001年6月/3万2000円 |
クラス | パンフォーカス超廉価機 |
撮像素子 | 1/3.2" CCD 130万画素 |
レンズ | 35mm/F4(35mm換算) |
ピント | パンフォーカス |
絞り | F4/F8 二段切替?(おそらく通常/マクロに相当) |
感度 | ISO 100-400 AUTO |
シャッター | 1〜1/2000" |
最短撮影距離 | 0.6m(通常)/0.25m(マクロ)(マクロモードでも無限遠まで撮影可能) |
測光方式 | EPS測光/スポット測光 |
測光連動範囲 | ? |
露出補正 | ±2EV(0.5EV) |
フラッシュ | オート/強制発光/発光禁止/赤目/夜景/赤目夜景 |
ファインダー | ?% x0.? |
記録メディア | SmartMedia |
内蔵メモリ | 1MB(VGAで7枚、XGAで4枚) |
外観 | 123×65×44.5mm |
重量 | 190g(撮影重量約300g) |
電池 | 単三電池4本(アルカリ電池で標準200枚/最大1万枚) |
その他 | USBストレージクラス(B-type) |
仕様出典 | 取扱説明書 |