イタリア・ミラノ続編
Italia Millano 2000/06/07



 でも、僕の師匠であるFさんが言っていた「スイスに行くなら、フランスのパリとイタリアのミラノもぜひとも行っておきなさい」という言葉を、実際に実行してしまうだなんて、夢にも思わなかったことです。でも、現実的に、気がつけば言われたとおりの旅行をしているのですから、驚きです。仕事も、結局日本に帰ってきてから代理店と話し合うことになっているし、具体的な話も出てきているし、ほんとうに世の中は不思議ですね。

 で、
「旅行に行くことによって、君の仕事に必ずプラスになる」といわれていた言葉は、ほんとうにそのとおりになってきています。それは、精神的なものが大きいのかわかりませんが、現実にたくさんのアイデアが浮かんできたり、不思議な感じです。ミラノからまたスイスに戻ったときに、かなりおおきなこころの変化がありました。それは後においておくとして、今のところはまずミラノの話ですね。


街角で見つけた、トムとジェリーがペイントされた車 これはオリジナルペイントカーのようでしたが、かわいい車ですねぇ!

 ホテルに戻って料金の支払いを済ませたあと、残された時間(日程)がないのでミラノの観光はどうでもよくて、一番にぎやかな繁華街のある場所をホテルで聞きました。なんといっても、イタリアという国を短い期間に出来る限り理解するには、生活の基本である消費者がどういうものを見て買うのか、それを知りたいと思ったからです。それには、手っ取り早いのがスーパーや百貨店などをまわるのが一番です。人が集まるところに情報が集まり、消費経済も集まるのです。また一概には言えないものの、売っているものを見ることで、どんな文化風習・生活習慣、考え方や行動様式をしているのかも理解することが出来るのです。また、うわべだけでなく、本質を知るためには裏通りの小さなお店やスーパーもチェック入れないといけないです。ビルの空室状態やアパートの入居状態もチェック入れておくとおもしろいものです。

 ミラノはファッションの本場というだけあって、いいものがたくさんありました。けれども、
売れ筋はやっぱり日本と同じく低価格帯です。バーゲン品に群がる人たちも、たくさんいました。また、やっぱり男のおしゃれな服は日本と同じく、女性のおしゃれな服に較べて相対的に少なく、僕にとってあまり気に入った服はありませんでした。歩いている人も、全体的に見れば、さほどおしゃれさは感じませんでした。ファッションの本場といっても、そんなものでしょう。でも、裏通りに行けば、やっぱりユニークなデザインの服などがたくさんありました。思わず僕もまじまじ見てしまいました。やっぱし表通りだけで判断するのはよくないっすね。

 また、売っているものはさほど安く感じませんでした。一等地の三つ星ホテルが5000円くらいとすると、日本で考えると物価が半額くらいの感覚ですが、消費財は日本とおなじくらいの価格でした。でも、やっぱり
「買い」のものがあって、めちゃめちゃ品質もデザインもいいカバンなどは、とても安く手に入ります。サムソナイトのカバンも、ここではけっこう安かったです。財布、カバン類は、日本のボロボロのものを持ってきて、ここで買って古いものを捨ててしまいましょう。(僕も思わず財布を衝動買い) また、オモチャなどは、あんまりおもしろそうなものは売っていませんでした。でも、ポケモンのオモチャやキャラクター製品がたくさん売られていました。イタリアでもかなりの人気アニメのようです。いろいろと見て回ると、本当におもしろいものです。


ミラノ駅前 見えないけれどピンクの枠の真ん中に人がたくさんいて、白昼堂々とバクチをしていた

 上の写真はミラノ駅前です。人通りが多く、サッカーをしている少年たちもたくさんいました。ピンクの枠の中に、認識できないけれど人がたくさん集まっています。これは、ここで白昼堂々とバクチをしていたのです。この写真を撮ったあと、近づいてみて、はじめてバクチをしているとわかったのです。で、これぞシャッターチャンスだ!!と思ってカメラを向けると、中の一人がずっと僕を見て(監視して)いて、カメラを向けると指をふって「撮ってはいけないよ」というゼスチャーをしていたのです。思わず苦笑いをして、遠くからズームで撮ればいいやと思ったのですが、それでも、ずーとチェックを入れられていて、結局、写真を撮ることが出来ませんでした。もちろん、イタリアでもギャンブルは違法行為です。なんとか僕は、お金をやりとりしている決定的瞬間をぜひ撮りたかったのですが、かなり離れてからも監視されていたので、望遠でも撮ることが出来ませんでした。

 ちなみに、
ミラノもけっこう犯罪の多い町ですから、充分ご用心を!! 例えば銀行なんかは、一人ずつ、金属探知器を通らないと中に入ってゆけない仕組みになっているくらいですから。また不審な動きをしたら、僕みたいにすぐに警察が飛んできますよ。またマフィアも多い町ですので、行くとすれば危険なところの情報は、最低限だけでも押さえておいた方がいいです。

 ミラノで一番想い出に残っているのは、ピザがおいしかったこと! スイスのピザが今ひとつおいしくなかったのに対して、イタリアで食べたピザはめちゃめちゃうまかった!! 街角のピザやさんで買ったものを食べたのですが、ほんとうにおいしかったものです。やっぱり、本場イタリアのピザという感じでした。ビールを片手に、大きくピザをほおばりながら「うまいっ!うまいっっ!!を連発しながら食べていました(笑) いまでも忘れられない味ですね^^


バッテリーが上がった車にケーブルをつなげているところ ここは駅前の一方通行ではない、かなり交通量の多いところ
でも、当事者たちは平然とした様子 また、誰も怒るということもなく、けっこうおおらかな感じでした (写真の日付はズレています)

 ミラノの滞在は、着いたその日だけにして、翌日にはスイスにとんぼ返りすることにしました。たった一つ、グリンデルワルドの高山列車に乗るという予定を残していたのです。そのため、着いたその日一日だけミラノに滞在する事にして、翌日は朝一番にスイスに戻って、高山列車に乗ることにしました。実は、翌日のグリンデルワルドのその翌日は、もう帰国の予定日になってたのです。そうです、もうすでに、今回の旅の終わりが見えてきていました。いろいろなものを見て回ることが出来るのは、もうあとたったの二日だけになってしまっていたのです。

 この旅行が終わると、またせまくるしく喧噪に満ちた街での、毎日に追いたてられるような生活が待っています。僕は、残された時間を感じるようになってからというものは、足は疲れてボロボロでも、一瞬一秒が惜しくて、いろいろな街にあふれかえっているものを見て、ひたすら歩き続けていました。肉体的にはすでに、朝早く起きてツェルマットから移動してきてからの疲れがかなりひどく残っていました。でも、過ぎゆく時間が惜しくて惜しくて、本当に動けなくなるまで、ひたすら歩き続けていました。

 そして、ようやく疲れ果てた身体を引きずってホテルに戻って一息ついたあと、今度は夕暮れのミラノ(午後9時半頃)を楽しむために、また出かけてゆきました。昼間の街のざわめきがすっかりなくなったミラノの街は、うってかわったように、夕暮れ時の街の風がすずしく、とても気持ちよくて、こころの向くままふらふらと街を歩き続けました。また、街の水銀灯の光がなぜかとても優しくこころをも照らしてくれているように感じて、ゆっくりとゆっくりと歩いていました。そして、夜が街全体をおおいつくしてしまう頃、最後は、僕はとあるカフェテリアに立ち寄り、別に飲みたくも食べたくもなかったけれど、とりあえずビールとチーズやサラミのオーダーを入れました。そして、一人カフェテリアで、静かにミラノの夜の風景を心で楽しんでいました。あと二日となってしまった残されている時間を想い、流れ去ってゆく時の流れを感じつつ。。。

 

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2000年8月15日アップ