スイス・クール 編
Switzerland  Part 4



 クール(Chur)の町は、何だかとてもクールでした(笑) というお寒いジョークはさておき、クールの町は駅をはさんで、一方はとても閑静な住宅地で、もう一方は百貨店や商店街などがある少し開けた市街地となっていました。駅に降りてすぐにホテルを探して、ここにも駅前にあったホテル案内表示板とにらめっこ。なんとかホテルを確保し、さっそくホテルへ。ホテルはかなり古くからあるホテルのようで、歴史的な感じのとてもいいホテルでした。(Hotel Drei Koenige 6月5-6日 1泊 65スイスフラン=約4500円)


クール(Chur)駅 早朝に起きて写真を撮りました 朝の空気のおいしいこと! 早朝の町を歩くのも楽しいですよ

 ホテルに着くやいなや、がおさまらないまま、さっそくあたりを探索に出かけることにしました。クール(Chur)の町は、なぜだかとても落ち着くような気がする町でした。僕は、カジュアル服を売っているお店に入って、スイスのファッション感覚がどんなものであるかを見て歩いていたのですが、やっぱり日本と違ったきらりと光る個性的なデザインの服があり、思わずゲットしてしまいました。異国の地の買い物って、結構楽しかったりしますね。買わなくても、見ているだけでこころがワクワクしてきます。店員さんに話しかけられたときは、「I'm just looking.」と言うと、つきまとわれてしまうということがなかったので、結構のんびり見て回ることが出来ました。

クールの町でぶらぶらしていたときの話

 クール(Chur)にある、とある教会の大きな時計を写真に納めようと、アングルを選ぶのに大変苦労していたところ、おばさん二人組がやってきました。はじめ、「何かこれは売りつけられるか、ものを盗まれるかか」と思って用心していたのですが、持っていたカバンから聖書を取り出したので、どうやら、その教会の布教活動をしている人たちみたいでした。

 僕は、もし宗教を聞かれたら「I'm a Buddhist.(仏教徒です)」といって逃れようと思ったけれど、そんなことはあまり関係がないようだった。そして、にこにこしたとてもいい笑顔で聖書を見せられ、「あい きゃん すぴーく いんぐりっしゅ おんりー あ りとる(英語がちょっとだけ分かります)」というとほがらかな笑顔を見せられて、聖書のページを繰っていた。そして見せられたページは中国語で書かれた聖書の文字だった。「あいむ のっと ちゃいにーず(中国人じゃないよ)」というと、さらにさもありなんという笑顔を見せて、日本語のページを見せられたのである。どうも二人は、布教活動をしている方たちのようだった。

 あまりの二人の笑顔のよさに負けてしまって、日本語のパンフレットをしっかりともらってしまった僕は、「I'm a Buddhist , but thank you.」と言ってしまった。そしたら、さらにまぶしいくらいの笑顔を見せて、二人はようやく去っていったのでした。。。 ほんとに旅っておもしろいものですね!

 話がそれますが、まぁ、日本に住んでいる人はあまりわからないことですが、日本以外の国はたいがい無宗教というと信じられない顔をされることが多いのですね。「この人はいったいどんな精神構造をして生きているのだろうか」って(笑) 諸外国の人には、まず理解されないようですし、時には狂人とおもわれてしまうことも多いものです。

 日本以外の国はたいがい、宗教が文化であり生活の一部であり考え方や行動の基本となるようですね。だから、生まれてからずっと、まわりの人たちがすべてそういう宗教を日常生活の基本とした社会で生きていると、宗教を持つことが当たり前となるのですね。だから、無宗教というと理解することが出来ないのです。「この人の倫理観や道徳観は、いったいどんなもので、今までどうやって確立されてきたんだろうか」って。宗教が当たり前の社会で育った人から見れば、そうなってしまうんでしょう。

 日本はその点、めちゃめちゃですね(笑) 神社に行ってお参りしたと思えば、クリスマスを楽しんだり。中には教会に行って手を合わせる人もいるとか(笑) インドの神様が日本版の神様となっていたり、日本古来の神様がいたり、歴史上の有名人が神様としてまつられていたり、不思議な国です。まさしく、八百万(やおよろず)の神ですね。

 けど、海外に行って無用な誤解を避けるためにも、宗教を聞かれたら「I have no releigion.(無宗教です)」といわずに「I'm a Buddhist.(仏教徒です)」といっておく方が無難でしょう。また、もし何か海外の企業と商談などをしていて、どうしても行き詰まったときに、「そろそろお祈りをしないといけない時間だから、今日の所は引き上げて欲しい。」などと言うと、「そうですか」とわりとすんなり受け入れてくれたりするようです。宗教が生活の基本となっている国で生きている人には、しごく当然の成り行きだそうです。日本じゃ「何ネゴトいってんだ!」ですが(笑)

 

 クールの町では、そんな感じでひたすら散歩をしていました。めちゃめちゃ痛いも関係なしです。着いてすぐに散策に出かけて、夕食のあとまた散歩に出かけて、ホテルで寝て起きて、早朝6時頃からまた散歩に出かけて、朝食をとってホテルをチェックアウトしてまたすぐに駅に荷物を預けて、ショッピングセンターなどをひたすら見て歩いていました。体力は、好奇心の次の問題ですね

 


クール(Chur)の町並み とてもいい町でした 人通りがないのは早朝だからです 日中はけっこう人がたくさんいますよ

 

 見るものがすべてめずらしいわけじゃないけれど、そこにはたくさんの好奇心をくすぐるものがたくさんありました。食品売り場に行けば、大きな鏡餅みたいなものが売っていると見に行ったら、それは実は大きなチーズで、アルプスの少女「ハイジ」を思い出してしまいました。また、そのおいているチーズの種類の多いこと多いこと。やわらかいチーズから固いチーズ、白っぽいチーズやオレンジ色のチーズ、大きなチーズから一口サイズのチーズまで、たくさんの種類がありました。また、チーズのにおいがとてもクサくてクサくて、鼻が曲がりそうでした。そういえば、日本でも副食物としてよく食べられている漬け物って、けっこうクサイのですが、そういったものが好んで食べられることを考えると、臭みのある食べ物って、なぜかおいしいと感じるのかもしれないなと、ひとり納得していました。

 また、いろいろな文具や衣料品や雑貨なども、スイスにあるものは、けっこう遊び心がくすぐられるようなものがたくさんで、見ていて本当に飽きなかったものです。スポーツ用品コーナーでは、必ずといっていいほどインラインがおいてあり、日本よりも結構安い価格で売られていました。

 また、特に書いておきたいのはチョコレート屋さんです。スイスのチョコレートやさんは、パン屋さんとくっついていることが多く、たくさんの動物や昆虫などの形をしたかわいいチョコレートがおいてあり、見ているだけでとても楽しくなってしまいました。食べるのが本当にもったいないような、そんなチョコレートでした。写真では、光の乱反射であまりきれいに写せなかったのですが、なんとなくわかるかな?

 

 
本当はもっと写真を撮ったんだけれど、残念ながら偏光レンズじゃないためきれいに写らなかった 残念!

 そんな感じで、クールの町中をひたすら歩き回っていたのですが、そろそろ氷河急行の話に移ろうかと思います。絶景が楽しめる氷河急行に乗るというのに、天気はあいにく雨。いったいどうなるんだろうかと少し不安に思いながら、氷河急行に乗り込むことになりました。。。

 

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2000年7月18日アップ