運動音痴のスキー


あなたは運動音痴ですか? 僕は運動音痴です
運動音痴でも、スキーができる!!そんな僕のお話をしますね。

僕は生まれてこのかた、運動がだいっきらいな運動音痴の男でした。小学生から、どんくさいとよく言われていました。中学生の時、体育の授業がやっぱきらいでした。どうして勉強するための学校に、体育の授業があるのか、理解に苦しんでいる時代でした。勉強も嫌いでしたが・・・。高校の時、水泳部に入りました。理由は、泳ぐ事ができるという理由でした。でも、後輩に抜かれてばっかりの、さみしげなクラブ生活でした。大学では、大学の体育の授業で、卓球を選択をしました。授業中、卓球クラスで総当たり戦をしました。60試合をしました。結果は1勝59敗でした。悲惨な話です。おもしろいのは、僕が、貴重な1勝をあげた相手は、2勝58敗でした。どうも、低レベルの試合だったようです。これでも、僕は中学生の時、一時期、卓球部に在籍していたんですが・・・。

僕は、エッセイの初めてのスキーを見てもわかるように、ほんとうにどんくさい男です。今まで、運動というものがきらいで、避けて通れるものは、避けて通ってきました。体育の評価で、5段階で3以上はありませんでした。思い出したけど、高校の時、サッカーの授業で、いつも相手のゴール前に一人で行っては、オフサイドを取られ、意味がわからず、みんなから激怒を買って、ゴールキーパーにされた事もあります。もちろん、ボールが来たら逃げていましたまた、ボールのせりあいをして、運悪く、先生の足をおもっきり蹴ってしまい、目の前で、四角い顔をした先生が、顔を真っ赤にしてのたうちまわっていたという、そんな想い出もあります。後で、かなりこっぴどく怒られました。いま思えば、四角い顔をした先生がのたうちまわっていたあの時、なぜトドメを刺しておかなかったのか、今でも、くやまれるところです。


運動嫌いの僕が、初めてスキーをしたときには、もう二度と来るもんか!!っと思ったはずなんですが、スキースクールで
「ボーゲンで止まる」のを学んでからは変わりました。スキーの楽しさを知ったのは、止まる事ができるようになったときからです。今でこそ、スキーを上達するためにはなんて、理論めいた能書きを垂れるようになりましたけれど、スキーなんて、上達なんて問題ないんですよね、ほんとうは。たのしけりゃいいんですよね。おもしろけりゃいいんですよね。素晴らしい景色を楽しんで、滑ることができればいいんですよね。べつに、小回りで降りてこようが、直滑降で降りてこようが、スキーで降りてこようが、スノーブレードで降りてこようが、スキーじゃなくてスノーボードで降りてこようが、何だっていいはずですよね。雪の上で遊んで、満足できれば。別にSAJ1級だろうが、資格を持っていようが、何にもそんな肩書きがなくても、楽しかったらいいんですね。なんにも、こだわる必要はないんですね。

朝一番の整地された斜面は、ほんとうにぜいたくでおいしい斜面ですよね?あの滑っている瞬間は、ほんとうに人生の至福を感じさせてくれる瞬間ですね。 でも、僕はガリガリで、エッジのまったく引っかからないような斜面でも、楽しい気分になってしまいます。そんな気分を感じないですか? コブ斜面で、板を折ってしまうくらい、猛然と突っ込んでゆくしあわせにつつまれたりもします。 湿雪で転倒する、そんな光栄な気分にもなってしまいますし、 ガケのような急斜面で、へっぴり腰のまま突っ込んでゆく、自分の勇気に感動することもあります。 いきなりの大雪に、身もこころもまわりの景色も、自分の人生さえも真っ白になって、すべてが真っ白な世界へとけてこんでゆく状態を体験したこともあります。 あぁ、雪って、ほんとうにいいものですよね。Crazy for snow!僕の気持ちのまんまです。


運動音痴がスキーを上達するには、いったいどうすればいいのか? 答は簡単! スキーを死ぬほど好きになると、上達しますよね。はじめは、みんな上達なんて考えないものですね。雪の感触を楽しんだり、直滑降でもいいし、止まれなくて、こけてもいいんですよね。ゆるい斜面でもコブ斜面でも、悪雪でも、粉雪でも、いろいろな状況ですべってみるのが一番たのしいのかもしれません。僕はいつも、疲れはてるまで、滑りまくるのです。滑って、滑って、滑りまくって、コケて、コケて、コケまくってしまいます。でも、気がついたら、めちゃめちゃな格好だけど、滑れるようになっていました。体力もついてきたし、スキーに必要な筋肉も、自然とついてきました。うまくなるためには、たのしけりゃいいのかもしれないですね。滑れるようになったら、そこから、本格的にのめり込む状況になってゆくみたいです。スキーは奥深いですね。かなーり奥深ーいですねー。運動音痴の人がスキーをうまくなりたいと思うなら、滑りまくることでしょうか。