シカゴ市内観光

野球を観なかった日に何処へ行って何をしたか書いてあります。


8月31日

時差ボケのせいか夜中(3時頃)に目が覚めてしまい、2時間ほど寝られなかった。妻はグッスリだったので(彼女は違う時間に起きていたそうだ)テレビをつけるわけにもいかず、本を見たり、旅行のコースの予習をして時間を潰した。その後再び寝て、ちゃんとした起床時間は午前8時頃だった。シャワーを浴びて、出かける準備をした。ここの風呂はとても古いが、シャワーの出は良い方だと思う。残っているピザを見るとガチガチに固まっていたので捨てた(レンジがあれば食べれた)。部屋を出ると、隣の部屋の人も出かけるところだった。声を掛けようとしたが顔を見てドキッ。彼は日本人のようだったが、顔中バンソウコウだらけなのだ。見えているところも、腫れ上がっている。一緒にエレベーターに乗ったが話はしなかった。降りるとき私たちは係に1ドル渡したが、彼はチップを渡さなかった。ホテルを出て彼とは別方向になったので、すぐに「殴られたのかな?」「恐いね」と2人で勝手に想像してしまった。私たちが先ず向かったのは、マグニフィセントマイルMagnificent Mile沿いにあるポンプ局だ。街を歩いている感じは、大都市にも関わらず全くゴミゴミして無くて、落ちついているのだ。古い建物が多いせいもあるが、ガードレールや交通標識が少ない。路が広いのに一方通行が多い。なども理由ではないか。それにしても数百メートル先にはオフィス街があるとは思えない。シカゴ川で上手い具合に別れている。東京もこうなら良いのにと思った。

ミシガン通りMichigan Ave.に出ると、人も車も極端に多くなる。マグニフィセントマイルと呼ばれているのは、ミシガン通りの中の、北はオーク通りOak St.から南はシカゴ川までの間で、シカゴで最も華やかな通りで、様々な有名店や高級デパートが軒を並べている。ウォーター・タワーWaterTowerは目立つので直ぐに見つかったが、周りには人がいっぱいいて、中に在る観光案内所には行くのをやめ、隣りに在った本屋に絵ハガキを買うために入る。この本屋はボーダーズBordersと言って有名なチェーン店だ。店舗が大きく品揃えも多いのは当たり前だが、店内の喫茶コーナーで本を見ることが出来る。本屋と図書館と喫茶店が合わさったような店だ。絵ハガキは入って直ぐの処にあった。1枚75セントの物を10枚ほど買った。1階だけ(2、3階、地下1階もある)一回りして店を出て、向かいにあるウォーター・タワー・プレイスWater Tower Placeと言うデパートに入った。

回転ドアで中に入ると案内があったので、そこにいたカッコ良い黒人に、此処から上まで行けるのかと聞いたら、早口で何をいってるか分からなかったが、「反対側のエレベーター」と言ってるようなので、一度外へ出て建物の反対側にある入り口から入り直し、ガラス張りのエレベーターに乗る。中に入っている店舗は開く時間がバラバラで、この時間は店内も閑散としていた。最上階(8階位だったかな)で降り、下りはエスカレーターで観ながら降りる。しかし、観てみたい店はまだ開いてないので、4階(?くらい)にあった食堂で朝食をとる事にした。その店はガラスケースの中にあるパンやサラダ等を選んで、店員に調理(切って挟むだけだが)して貰い、支払いを済ませ、自分でテーブルに持って行くのだ。レジで「何処から来たの?」と聞かれたので「日本」と言ったら、その黒人のオネーちゃんは両手を合わせて合掌してくれた。つまらなかったが私達は愛想笑いをしてやった。飲み物は隣の店でオレンジと人参の生ジュース(まずい)を買った。テーブルの在る場所と通路は境目がないので、食べてるすぐ横を通行人が通る。客はまだ少なく、開店の準備をしている店員が殆どだ。食べながら先ほど買った絵ハガキに手紙を書く。2人で10枚ほど書いたので、書き終えた頃は、デパート内は賑やかになってきた。

私達はさっき見た中で気になっていた店へ行くことにした。先ず、野球のサインボールが中心の店へ入る。余り広くない店内には、壁一面に木の升目があって、そこに野球のボールが入っている。値段はコミスキーパークに在ったコーナーよりも高めだった(内容は分からないが)。その他にもサイン入りバットやポスター、NBAのモノも少しあった。次に入ったのは絵ハガキ専門の店。種類も豊富で変わったモノもあるが、本屋で買ったのと同じモノが此処では$1と高めだった。次はガイド本にも載っているアクセント・シカゴAccent Chicagoと言う店だ。この店は衣類、スッテカー、グラス等「CHICAGO」と入っている小物が沢山ある。シカゴにはお土産専門店は殆ど無く、この店でも「CHICAGO」と書いてあるだけのTシャツが$15以上する。どうせ買うなら、有名レストラン、ジャズ、ブルースの店、野球場などでもオリジナルのTシャツなどが、同じくらいの値段で買えるので、その方が記念になると思う。あと、試合がある日の球場の周りには出店(Tシャツ、グッズ)が何軒か開くので値段はそっちの方が安い。しかし、ダウンタウンから離れているので、野球を観ない人は、それだけのために時間を使うのはもったいないと思います。それに有名観光地のように、衣類(Tシャツ等)が超格安というのは皆無です。何も買わなかったが、どこの店でもソーサSammy Sosa とマイケル・ジョーダンMichael Jordan の関連商品が多かった。

ウォーター・タワー・プレイスを出てミシガン通りを南へ向かう。時間は10時半を過ぎたところで、人通りも多くなっていた。少し歩いて気が付いたのだが、牛の置き物が歩道の彼方此方に置いてあった。大きさは本物の牛と同じ位あり、ボディーには色とりどりの模様や絵が描かれている。中にはとても芸術的なモノまである。その牛と写真を撮ってる人が多く、アメリカ国内からも観光に来ているのだろう。また、観光客向けのバスもよく見かけた。すれ違う人の中には東洋系の人も結構いたが、話している言葉からして日本人は少ないようだった。

次に私たちが立ち寄ったのはギャレット・ポップコーン店Garrett Popcorn Shopだ。「Take me out to the ballgame」の歌詞にもあるキャラメルのかかったポップコーンが売っている有名な店で、ここ以外にも市内に数店鋪が在る。小さな店内は10人程の行列が出来ていて、私は行列の最後尾に並び、妻は外で待つ(店内が狭いので2人で入るのはマナー違反。そういう人もいたが皆から白い目)。待っている間、壁にある料金表を見る。種類はキャラメルとチーズの2種類だけで、袋や缶の大きさ別の料金が書いてあった。大きな袋詰めを何袋も買う人もいたが、目の前で作っているのを見たら(かなり甘そうなので)そんなには食べられないだろうと思い、小さくて2種類食べれるMinimix $3.50 を1つだけ頼んだ。店員の人は嫌な顔一つせず、出来たてを袋に入れてくれた。店を出ると行列は外にまで延びていた。さっそく歩きながら二人で食べてみた。焦げ茶色をしたキャラメル味は思った通りとても甘かった。濃い黄色をした(カールのような色)チーズ味は、持っただけで指が油で黄色くなり味も濃かった。2種類とも二口三口は旨かったが、胸焼けしそうなので残りはバックにしまった。

綺麗で品のある店先のショーウィンドウが続く。私たちは全く興味がないが、この通りは高級ブランド店も多いそうだ。歩道や植え込みには、相変わらず牛の置き物が次々と変化をつけて登場した。前方にシカゴ川に架かる橋が見えてきた。橋の手前で道路が緩やかな上り坂になっていて、左手(東側)には徐々にミシガン湖 Lake Michiganが見えてきた。橋の袂に立つリグレー・ビルWrigley Building(カブスの元親会社リグレー・チューイングガムの本社)は建築物としても有名で、市内見学ツアーのコースには必ず入っているそうだ。リグレービルの玄関の前の広場にも、10頭ほどの例の牛が置かれていた。その広場から下のシカゴ川を眺めると、数隻の小型の船が往来していた。殆どが観光ツアー用の船だ。私たちもミシガン湖に出るクルーズに参加しようと思っていたので、広場から石の階段を降りて船着き場へ向かった。階段の途中には「Wendella Sightseeing Boats」と書かれた小さな看板があった。下の乗り場から先ほどの広場は地上3〜4階と言ったところだ。ウェンデラ社の観光クルーズは、ガイド本にも紹介されていて、短時間コースが主流なのでお手軽だ。チケット売り場には、次の出航が12時15分で、1時間半コース$14と書かれていた。出航まで20分ほどあったので、自販機(奥に在るので分りずらい)でジュースを買い、さっきのポップコーンを食べながら待った。橋の上は賑やかだったが、この場所はとても静かで、川から吹いてくる風も爽やかだ。

出航時間の5分前くらいになり、係の指示があり私たちは他の人たちと共に、既に停泊していたWendella Queen 号に乗船した。遊覧船としては中型くらいだろうか?座席は前方と後方に別れていて。満席で40人乗り位だろう。しかし、この時の乗船客は後から駆け込んだ3人を含めても15人程だった。乗務員は2人で、海軍の様な制服を着てサングラスをかけた若い女性は、出航の準備で走り回っていた。対照的に同じ制服の年輩の男性はのんびりとしていた。二人の話をする様子は親子のようにも見えた。私たちは運転席のスグ前の屋根のある席に腰掛けた。年輩の乗務員(以下、船長と呼びます)が操縦室に入っていき、船内放送をして、直後に船がゆっくり動き出した。ミシガン通りの橋を潜り、ミシガン湖方面へ進んでいった。風が強くなり妻は帽子を飛ばされそうになる。船内放送は続いていたが、内容はほとんど理解できなかった。「危険なので、立たないで下さい」だけは分かったが、我々は外国人である。意味が分からない振りして、手すりに持たれて外を眺めていた。

しばらく進むと左手にネイビーピアNavy Pierが見えてきた。ネイビーピアは巨大なレクリエーション・エリアで、遊園地をはじめ様々な施設が、全長1キロもある桟橋の中に備わっている。私たちも時間があれば行きたかったが、船上から眺めるだけで我慢することにした。船はミシガン湖に出る手前で防波ゲートの開閉待ちをする。何隻かの船が待機していて、ゲートが開いたら順番に湖に出るのだ。数分待ってゲートを通り、いよいよミシガン湖だ。船長はサングラスの女性と運転を交代して表に出てきた。立っていた私たちを見てニヤッと笑うと椅子に腰掛けた。直後に船が揺れだして、私は転びそうになり手摺を掴んだ。妻や他の乗客も慌てて座席に戻る。揺れが凄くなったのは、川よりも波が高いからだと思うが、サングラスの彼女は待ってましたとばかりに張り切ってスピードをどんどん上げる。あっという間にネイビーピアも小さくなり、街全体が見渡せるようになった。沖の方は対岸など全く見えず、防波堤の向こうは海と同じだった。船長が運転席に向かって一声叫んだら、船は少しスピードを下げた。方向転換をして南を向くと、海岸線が南に行くほど緩やかにカーブしているのが分かった。私たちは手すりに掴まりながら船の後部座席の方に移動した。

後部の客は皆立ち上がって写真を撮っていた。乗客の人数が少ないうえ、前と後ろに別れているので、お互いに写真を撮って貰ったりしていた。私たちも撮って貰ったが、頼んだ以上に頼まれ、カメラの使い方を聞くのが大変だった。船は再びスピードを上げシカゴ川の方に戻ってきた。また水門の所で少し待たされ川に入った。ウェンデラ社の船着き場を通り過ぎ更に上流に向かう。

両脇は高層ビルが立ち並んでいるが、道路よりも下の、本当の川沿いには、お洒落なカフェテラスやレストランが何軒もあった。他の観光船の発着所や、小型ボートの置き場もあり、中には奇抜な絵が描かれた船もあった。橋を幾つも潜り、建物が低くなって来た辺りで、シカゴ川の南支流と北支流の分岐点(川から見たら合流だが)に来た。船は南支流の方に向かう。左手に見えるシビック・オペラハウスCivic Opera Houseや商品取引所Chicago Mercantile Exchange等のループ地区の建物は、どうも裏側を見ているようで、あまりきれいでは無かった。その少し先でUターンして発着所へ戻った。

船を降りた場所は、乗った所とは少し離れていて、裏路地と言ったような所だった。川沿いでは道路が立体になっていて、川と平行の東西の通りが1階なら、橋になっている南北の通りは3階の高さくらいあった。歩行者は、上の通りと下の通りを結ぶ階段で、行き来できるようになっていた。乗客は一度階段で上に行って、それぞれ解散した。私たちは別の階段で再び下に降りて、川沿いのマクドナルドで一休みした。このマックはオープンテラスもあり、それほど混んで無いので落ち着ける。

店を出て向かったのは、今日のメインとも言えるハリー・ケリ−の店Harry Caray's Restaurantだ。故ハリー・ケリ−氏は、メジャー数球団でアナウンサーとして活躍し、殿堂入りも果たしている。往年から晩年はカブスの専属として、選手以上に有名な存在だった。7th inning strech での彼のパフォーマンスは、連日リグレーフィールドを盛り上げた。残念ながら昨年(98年)2月に他界されたが、彼を偲んでカブスは、ユニホームの袖に彼の似顔絵のパッチを付け試合に臨んでいる。店の外壁にはマイクを持ったケリー氏が描かれていて、遠くからでも一目で場所が分かった。店内はレストランとバーが別の部屋になっていて、通路から階段にかけて、野球に関する写真、記事、看板などが沢山飾られていた。私達が入った時は、店の偉そうな人が団体のお客さん(皆スーツ姿で偉そう)を、壁の写真などを見ながら案内していた。その後ろに付いて行ったら、店員に呼び止められテーブルに案内されそうになった。でも食事をする気は無かったので「買い物だけです」と言って、少しだけあるグッズコーナーに逃げ込んだ。似顔絵のパッチだけは買うつもりでいたが、他のグッズも良い物があったので、Tシャツや帽子を被ったりしていたら、さっきの店員が「似合うよー」「完璧だよ」と言って、他の店員と近づいてきた(店も暇そうだった)。幾つか気に入った物を買ったが、最後まで店員達が離れないので、2階も見たかったが諦めて店を出た。

ディアボ−ン通りDearborn St.を北に向い、郵便局で手紙を出してしまおうと思った。早い内に出さないと私達が帰る方が早くなってしまう(実際届いたのは帰国日の2日前だそうだ)。ループ地区には観光名所にもなっている世界最大の郵便局があるが、私達が行ったのはグランド通り沿いにある普通の郵便局で、気軽に利用できた。切手は自販機で買えるが、料金が分らないので窓口で買った。それほど混んで無いので、職員も親切に対応してくれた。

リバーノース地区は、人通りも疎らだったが、殆どの店が開いていた。マグニフィセント・マイルほどの派手さは無いが、個性的な店構えのレストランやギャラリーが建ち並び、外国に来たと言う実感が湧いてくる。しかし、郵便局のすぐ裏のオンタリオ通りOntario St.の数ブロックは、ハデハデ地帯と呼ばせてもらおう。ハードロック・カフェ、ロックンロール・マクドナルド、プラネット・ハリウッドが隣接して建っていて、マイケル・ジョーダンズ・レストランとレインフォレスト・カフェも目と鼻の先にあった。各々のド派手な看板や建物は、そこの場所だけ、別の空間であるように感じさせた。ジョーダンの店を除けば、どこの大都市にでもある店で、滞在日数に限りがある我々としては当然パスである。

ハデハデ地帯を通り越すと、ラサール通りLaSalle St.との交差点の角にスポーツ・マートがある。7階建て(地下1階)のスポーツショップで、MLBグッズの品揃えも多い。やはりカブスとWソックスの物が中心だ。Tシャツは品数は多いが、他の店と同じ位の値段だ($12〜20)。しかし、上ユニは此処が1番安い(6日に行ったリグレー周辺を含めて)。生地がメッシュだったり、袖のパッチの有無で違ってくるが、$49〜99くらいだ。カブスの上ユニに、他店では売って無かった首から下げるキーホルダー(カブスのロゴ入り)を買った。MLB関係の物は1階に集まっていたが、その他の階でも様々なスポーツ用品が割と安い値段で売られていた。

時間は午後5時を少し回っていた。荷物が増えてきたので、食事をしてホテルに戻る事にした。来る時に目を付けておいた、オンタリオ通りのチョップ・ハウスChp Houseに入った。ガイド本によると全米でも5本の指に入るステーキ店だそうだが、シンプルで控えめな店構えは、気取って無くて入り安かった。店内はカウンターもテーブルや椅子も、濃い色の木目調で落ち着いた感じだ。時間が半端な事もあり、20卓ほどあるテーブル席は2〜3組の客がいるだけだった。上品で優しそうな中年女性のウェイトレスが席に案内してくれた。メニューを見て1人前では多いと思い「2人で1人前でいいか?」と訪ねると、「取り皿とサラダとパンは2つもって来ましょう」と言ってくれた。ビールを飲みながら待っていたが、サラダとパンはすぐに出て来たが、ステーキは時間がかかったので少々飲み過ぎた。ステーキは思った通り大きかったが味も旨かった。しかし、ビールで腹がパンパンで2人懸りでも全部食べるのは大変だった(妻は女性にしてはかなり食べる方)。なんとか食べきり、席で会計をしてもらう。ウェイトレスには良くしてもらった事もあるが、酔っていたのでチップを少し多めに渡してしまった。

店を出てホテルまでは近かったが、腹が苦しくて荷物を持ちながらの歩行はきつかった。ホテルの手前の通りでチョット汚い身なりの黒人のオッチャンが声をかけて来た。普段だったらまず相手にしないが、酔ってたので話を聞いてしまった。どうやらホームレス救済の絵ハガキを買って欲しいらしい。値段を聞くと「幾らでも良いが、寄付も入ってるので2ドル位だ」と彼。私は細かい手持ちが無くて、10ドル札を出して「これで5枚くれ」と言ったが、彼は勘違いして、5ドルの釣と絵ハガキ3枚をよこした。私は「違うよ、5枚買ってやるんだよ」と言い、彼に5ドル返し、残りの絵ハガキから2枚抜き取った。彼は一瞬驚いた様子だったが、「あなたは良い人だ」と言って握手をして、それから「サンキュー、サンキュー」と何度も言って、私達が見えなくなるまで手を振っていた。絵ハガキはおそらく企業等がただで配っているのを彼が集めて来たのだろう。寄付と言うのも怪しいものだが、この時の私はとても良い気分でホテルへ戻った。

明日からの野球観戦は殆どがナイターNight Game なので、野球を見ない日くらいは飲みながら音楽の聴ける店へ行こうと考えていた。しかし、いくらノース地区が安全な街だと言われていても、夜の外出は気を付けたかった。ガイド本で何軒かしらべ、ホテルから比較的近いジョー・シーゲルズ・ジャズ・ショーケースJoe Segal`s Jazz ShowcaseとアンディーズAndy`sに絞った。取り合えず行ってみて決めようとホテルを出た。昨日は日が暮れるのがとても遅い感じがしたが、外はもう真っ暗だった(午後8時頃)。ジョー・シーゲルズはグランド通りにあり歩いて5分位で着いた。中の様子(ガラス張りなので外から見える)はとても落ち着いていてスーツ姿の客が多く、ジーパンとTシャツの私達は入りずらかった。「もう一軒の方にしよう」と考える間も無く歩き出していた。

ハーバード通りのアンディーズも5分位で着いたが、こちらは店構えも質素な感じで、気軽に入れた。外から見るよりも店内は広くて、手前に楕円形の大きなカウンターが在り、奥はテーブル席が15卓ほど在った。テーブル席に案内されビールを頼んだ。目の前のスペースにはドラムセットが置かれていて、その後ろにはTシャツやレコードのジャケット、ポスターが壁いっぱいに貼られていた。各テーブルには演奏者リストが置かれてたので、始まるまでそれを見ていた。

周りは食事をしている人が多かったが、私達はそんなに腹は空いてなかったのでオツマミを頼んだ。しかし注文の仕方が悪かったのか、パンも一緒に付いてきてしまった。後から入ってきた客は飲み物だけしか頼んでなかったので、私達もそうすれば良かったのだが。逆に食事をしていた客は、演奏がはじまって2曲目くらいで席を立つ人が多かった。おそらくそうすればチャージが掛からないのだろう。演奏の方は超ベテランのトリオ(ピアノ、ドラム、コントラバス)だけの時はとても良かったが、若いサックス奏者が入ってチョット音を外すようになった。最後の方でやっと合いだしたが(耳が慣れてきたのかな)彼は先輩達に時折謝るような仕草を見せた。約1時間のライブだったが、全体的に落ち着いていてほのぼのした感じだった。テーブルで清算を済ませ、多めにチップを置いて(妻がビールをこぼし、クロスを汚したので)店を出た。帰り道は酔って騒いでる人達もいたが、無事にホテルへ帰れた。午後10時30分。


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