8月18日

  American League

MINNESOTA TWINS VS NEWYORK YANKEES

ミネソタ・ツインズ VS ニューヨーク・ヤンキース

Hubert H. Humphrey Metro Dome  Minneapolis ,MN(ミネソタ州 ミネアポリス)


 起きて時計を見ると7時36分。少し寝過してしまった。7時に目覚ましをセットしたのに鳴らなかったようだ。すぐに妻を起こし、顔だけ洗って食堂へ。

時間が遅いせいか誰もいない。壁際の台の上には、パン、マフィン、ドーナツの籠、コーヒーメーカーに、ジュースと牛乳のディスペンサー。それにトースターと、見慣れない凸凹したコンロのような物が置いてあった。麦入りパンを焼いてる間に、小さな甘食みたいなパンを食べ、コーンポタージュをゴクリと飲んで・・・「うわっペッ!」「なんだこりゃ!?」コーンスープだと思って持ってきたカップに入ったドロドロした液体は、あまっとろくてネットリしてて、とても飲める代物ではなかった。「えっスープじゃないの?」妻も一舐めして、匂いをかぎ、そのカップが置かれていた場所を見て「わかった。これで焼くんだよ」と、その隣りの凸凹コンロを指した。どうやら私が飲んだのはワッフルだったらしい。言われてみれば尤もな話なのだが、あれじゃ誰だってコーンポタージュだと思うんじゃないか?アメリカの朝では当たり前なのか?他のホテルでは見たことが無いが。まあ、カップに入れっぱなしの冷めたスープが何個も置かれているのを、変だと気付くべきなんだが・・・まだノドが気持悪い。

焼機に液体を流し込みスイッチを入れると、すぐに良い匂いがしてきた。トーストも焼けて、ワッフルとパンだけ食べて、ドーナツやマフィンは紙に包んで持っていくことにした。他にもジャム、マーガリン、スプーン、フォークなど、ちょっと多めに貰っていく。いつもの事だが、宿によっては無い場合もあるので、後々重宝するのだ。

 8時半にチェックアウト。昨日と同じインド系の女性に郵便局の場所を聞く。遠かったり、道順が難しかったら、時間が無いのでミネアポリスで投函しようと思っていたが、ホテルの近くにあるとの事だった。外は小振りだが雨。

16th Av SWを南に出て1つ目の交差点を左折。ワイリー通りWiley Blvdを300メートルほど進むと右側に小さなポスト・オフィスがあった。綺麗で新しそうだったが、お客は私達だけ。職員も窓口にはおらず、その後方で別の仕事をしていた。ハガキを見せて切手を買う。アイオワ州らしくトウモロコシ畑が描かれた切手だった。フィールド・オブ・ドリームスの絵葉書にはピッタリの切手だ。ミネソタまで持ち越さず、こっちで出して正解だった。

16 th Avは大きな通りなので、当然、ハイウェイの乗口もあると思い、戻って東に真っ直ぐ進んだ。しかし、151号との交差点を過ぎ、昨日下から仰いだ陸橋辺りまで来ると、いつのまにか交通量は減り、道も狭くなっていた。「あれ?嫌な予感・・・」と思っていると、やっぱりハイウェイを潜ってしまった。左折して住宅地の中を通り、なんとか1th Av SWへ出る。やはり無難なところから乗るべきだった。ようやくI-380で一路ミネソタへ。

高架の上から眺めるシダーラピッズは、やはりなかなかの街だったが、数分走ると都市部は過ぎて、道路も高架ではなくなった。小雨が降ったり止んだりだったが、強く降るような事はなかった。まあ、今夜はメトロ・ドームでの観戦なので、昨日ほど天気の心配はしてない。食堂から持ってきたパインのドーナツを食べる。見た目は砂糖でベタベタの感じなのだが、それほど甘くなく美味かった。運転してる妻が「私も食べたいよぉ」と言うが、ベトベトを溢すと危ないので、小さいマフィンを口に押し込んでやる。「ドーナツがいい」と催促されるが、「まだあるから」と我慢させる。景色はトウモロコシ畑一色になってきた。

 ウォータールーWaterlooで20号と合流して、インターステートはここで終わり。思ったよりも大規模な分岐と合流を経由し州道27号へ。単純な路線から急にインターチェンジの連続で面食らう。ウォータールーの街はよく見えなかったが、この辺では結構大きな街のようだ。昔はマイナーの本拠地だったらしい。地図だと27号と218号を交互に乗り継いで行くのかと思っていたが、標識は常に両方出ていて、ほとんど一本のハイウェイだった。多少アップダウンはあるがニ車線なので追い越しもスイスイ。雨も止んでる時間が長くなり、たまに晴れ間も出てきた。

 出発は出遅れたが、その後は順調で11時前にメイソン・シティーMason Cityに到着。給油の為、18号ハイウェイから65号を左折、ダウンタウンへ向かう。給油などどこでも良かったのだが、この町にはAAAの営業所がある筈なので、ついでに寄って行きたい。ロックフォード営業所ではアイオワの個別の地図は無かったので、アイオワにいる間に入手しておきたいのだ。

中心部を流れる川を越えた辺りで、道路標示が全く地図と合わなくなってしまった。小さなダウンタウンを少しグルグルして、古くて小さなガソリンスタンドへ入る。ポンプや他の機材もとても古くて「営業してるのか?」とも思ったが、これまた古い建物のドアをノックして中へ。奥の部屋では太った女性がデスクワーク中だった。「給油したいんだけど」と言うと、「OK心配ないわよ」と外に一緒に来てくれた。クレジットカードを渡すと、彼女は給油機のカード読み機に通し、給油機に付いた受話器で確認(こんなの初めて見た)。少しして「OK、給油できるわよ」と、やり方も教えてくれた。そして、車のナンバーを見て「イリノイから来たの?」と聞いてきたので「はい、これはレンタカーで、僕は日本人です」と答え、行先も聞かれたので「ミネアポリスです」と言うと「空港?そう、空港に行くのね」と大きな目でウンウン。親切な人なので、AAAの住所の紙を見せ、場所を尋ねると、「ちょっと待って」と敷地の隅で作業中(居たのを全く気が付かなかった)の髭モジャのちょっと汚いオジサンを呼んできた。オジサンは普通に道順を教えてくれたが、それを太った彼女が復唱し、親切に私に言い聞かせてくれた。「いい?いいわね。今、赤い車が曲がった方へ行くのよ。わかった?」と言った感じだ。

教わったように5th Stを西に向かう。「大丈夫かな?この道沿いと言ってたけど、住所は4th通りだからね」と少し心配だったが、暫く行くといつの間にか標識は4th Stになった。辺りは郊外に出る手前で大型店が並んでいる。「Kマートの向い辺りと言ってたよな」とその一角の店舗群のパーキングへ。CDショップへ入り、革ジャンに鎖ジャラジャラの太った店員に尋ねると、AAAの事は知らなかったが住所で「ここは1900だ。もっと東だろ」との事。少し戻り、次にあった集合店舗にAAAの看板を発見。Kマートからは大分離れている。とても綺麗なオフィスに上品そうな老婦人が2人いた。応対もとても優しく丁寧だった。実際にはもう使わないが、シダーラピッズ、ダビューク、メイソン・シティーの地図を貰った。11時30分。

ここからは私が運転で再び出発。4th St(州道122号)をそのまま西に進むと右手に滑走路が見えた。バディ・ホリーBuddy Hollyが最後に飛び立った地方空港Mason City Municipal Airportだ。彼らを乗せた4人乗りの小型機は、離陸してすぐに、空港から10キロほど離れたトウモロコシ畑に墜落したそうだ。それを過ぎると間もなくI-35号ハイウェイが出てきた。ここから真っ直ぐに北上。空も明るくなり、雨が降ってくる気配は無い。助手席の妻は早速ドーナツをパクつく。一本道なのでナビの役目は暫く無い。30分足らずで州境になり、いよいよミネソタ州へ入る。

少し行くと標識にオースチンAustinの名前が出てきた。ここから15マイル東の町だ。今日のドライブは、過去3回のアメリカ旅行を含めても、最長の移動距離だ。予定を立てた時はプレイリー・リーグPrairie Leagueと言う独立リーグの試合をオースチンで観戦するつもりだった。シダーラピッズからミネアポリスの大凡中間点で、ここで一泊すれば日程的にも丁度良かった。しかし、公式ページでスケジュールを調べ、航空券の手配をしてしまってから、そのスケジュール表は96年のもので、リーグは既に無くなっている事を知ったのだ。自分も、きちんと確認するべきだったが、消滅して久しいリーグのページを、そのままの状態でいつまでも公開してるのはどうかと思う。旅行者は兎も角、間違って出かけてしまうアメリカ人もいるのではないか?

アルバート・リーAlbert Leaで美しい湖の上を走る。ミネソタ州には1万5千個もの湖があるらしい。信じられない数だ。ミネソタ州に入ってからの景色は、トウモロコシ畑よりも森や野原の比率が徐々に多くなってきた。アイオワ側では65マイルだった制限速度は70マイルになり、速度計は時たま80マイルを越えてしまう事もあった。それでも徐々に交通量は増え、追い越しするのが大変になってきた。途中、何故こんな森の中で?ってところで、工事渋滞で10分近く止まってしまったりもしたが、なんとかツイン・シティーの手前までやってきた。

都市部に入る前に、35号は35Wと35Eに分かれるが、分岐の辺りで突然激しい雨が降ってきた。直進のまま35Wを進んで行くと、数キロでミネソタ・バレーMinnesota Valleyを越え、いよいよブルーミントンBloomingtonだ。この町には有名なモール・オブ・アメリカMall of Americaがあり、国際空港にも隣接しているのでホテルも多く、ガイド本などでもツイン・シティーの次に名前が出てくる。暫く進むとモール・オブ・アメリカの標識が出てきた。それに従いインターチェンジでI-494号(一部州道5号)を東に。Exit「2C」でハイウェイを下りた後も、案内表示がマメに出てきて、パーキングまでは何回も車を回されたが、無事モール・オブ・アメリカに到着した。午後1時30分。

まだ雨が降っていたので、巨大な立体駐車場は助かる。やはり迷わないようにエリア毎に「NewYork」「Miami」「LasVegas」など主要都市のイラストの目印があった。モール内への通路は、とても広くて各階に幾つかあるようだったが、平日だからか?扉が閉鎖されている通路もあり、私達も一度入り直した(他の客も何人も間違えてた)。

入ってすぐのイースト・ブロードウェイEast Broadwayの手前に立っていた案内版(4面表示でモニタや電話も付いてる大掛かりな物)を見る。細かい文字で何十もの店舗の名前が書かれている。私は以前に本で見たテーマ・レストラン『カフェ・オデッセイ』Caf Odysseyを探した。「無いねぇ・・・」案内板は探し易いように、カテゴリー区分されていたが、オデッセイは見付からなかった。仕方ないので、インフォメーション・ダイヤルを使う。男性オペレーターに「オデッセイに行きたいんです」と言うと、「はぁ?何ですか?スペルは?」「O・D・Y・・・」「ああ、オデッシーですね。それなら今は営業していません」ガーン!!やってないのか・・・SF的探検をイメージした店に是非行ってみたかったのだが・・・。

92年にオープンしたアメリカ最大級のこのモールを簡単に紹介すると、見取り図を見ると、ほとんど正方形に近い。四隅にシアーズやメイシーズなどの有名デパートが入り、それを結ぶ辺の部分は専門店街やフード・コートになっている。大部分は3〜4階だが、中央はテーマ・パークになっているので、接している部分も吹抜けが多く、遊園地越しに対面エリアを眺めると、まるで巨大な宇宙ステーションにいるかのよう。

モール街に通じる薄暗い通路にはフーターズやスポーツ・バーなど、アダルトっぽい店が並んでいた。エスカレーターで巨大なフード・コートへ下り、昼食はこちらで取る事にする。フード・コートの向うには、キャンプ・スヌーピーCamp Snoopyが広がっている。屋内テーマ・パークだが、高い天井はガラス張りでとても明るい。だから、フード・コートも殆どオープン・テラスの雰囲気だ。

20以上はあるファスト・フード店の中で、私はロング・ジョン・シルバーLong John Silverでナマズのコンボセットを買った。昔は私の住んでいた町にもあり、白身魚セットをよく食べた記憶があるが、他では見た事無かったので、てっきり地元の人が作った店だと思っていた。そしていつの間にか無くなってしまったので、とても懐かしかった。妻はマキ寿司オブジャパンMaki Sushi of Japanでハルマキ、チャーハン、辛肉プレートを買ってきた。他にのり巻や握りも売っていたそうだ。巨大アトラクションを見ながら楽しく食事できた。

その後は、エスカレーターで1階に下り、キャンプ・スヌーピー内を見学。見るだけなら入場券は特に必要無いようだ。勿論、お土産コーナーも利用できて、ピーナッツPEANUTS(スヌーピーが出てくる漫画、作者はミネソタ出身のチャールズ・シュルツ氏Charles M Schulz)のグッズばかり沢山売られていた。友人によっては野球グッズよりも、こっちの方が喜ばれそうだ。ペンや手帳など何点か購入した。

 モールは丸一日いても全部見て回るのは無理だろう。3時20分、妻の運転で出発。雨は止んでいた。駐車場出口には親切に方面案内とハイウェイ番号が表示されていた。494号経由で州道5号ハイウェイへ。車線が多く都市部のハイウェイと言った感じだ。交通量も多い。明後日は飛行機でシカゴへ戻るので、下見がてら空港の前を通りたい。地図によるとミネアポリス/セントポール国際空港Minneapolis/St.paul International Airportへは州道5号から入れる筈だ。しかし、この時の5号は大渋滞していて、ゆっくり通ったのだが、何故か侵入路は確認できず。55号との分岐を過ぎると、大きな橋でミシシッピ川を越えた。眺めは抜群だったが、またしても運転していたのは妻。

 セントポール市に入り、5号はそのまま一般道になった。道は両方向ともとても混んでいる。2キロほど進み五差路を左折してレキシントン通りLexington Pkyを北へ。緑が多く、とても落ち着いた住宅地を抜ける。交通量はほどほどで、ジョギングや犬の散歩をしてる人も目に付く。マーシャル通りMarshall Avを左折して、暫く行きクリーブランド通りCleveland Avを右折。縦も横もみんなアベニューだ。地図で見ると大分遠回りしてしまったようだ。ホテルのあるユニバーシティ通りUniversity Avを左折、賑やかな大通りだ。2キロほど行って見付からないので引き返す。結局、クリーブランド通りの300メートルほど東にあり、左折でなく右折していればすぐに見付かったのだ。

 デイズ・イン・ミッドウェイDays Inn Midwayには4時過ぎにチェックイン。2階建てでコの字型の建物。1階にはバーもあり宿泊者以外も利用出来るようだ。フロントの奥にはプールとジャグジー、面白い事に同じ室内に飲食物の販売機があり、テーブルが3〜4卓。ここで飲食しても良いようだが朝食サービスは無いとの事。私達の部屋は2階で、それほど広くはないが、落着いたタンスやテーブルが置かれていて、飾ってある港の絵が印象的だった。

 普段のツインズの試合は、満員になる事はそれほど無いが、今日はヤンキース戦なので早めに出発。チケットも当日券を買わなくてはなのだ。ユニバーシティ通りを、さっき間違えた方へ向かう。ホテルからメトロ・ドームまではとても近い。しかし、この時は地図を部屋に忘れてきてしまい、曲がるべきワシントン通りWashington Av(州道122号)を通り越してしまった。この辺りはミネソタ大学University of Minnesotaの敷地内なので一通が多く、間違いにはすぐに気付いたが、細くて変な道を通りなんとかワシントン通りへ。トンネルを潜りミシシッピ川を渡り(橋上からは外の景色が見える)ミネアポリス側へ。トンネルの出口はハイウェイの出入口があるので、みなスピードを出していて怖い。

 トンネルを出てくると、すぐ目の前に巨大なドームが飛び込んでくる。黒人のオジサンがパーキングの旗を振っているが、外側の車線にいたので入るのは無理だ。球場の回りはすでに人や車で混雑していた。メトロ・ドームに車で来る場合は、球場のパーキングは殆ど使えないので、周辺の民間パーキングや路上のコイン駐車を利用するように聞いていたが、球場の西側にある幾つかのそれらの施設はすでに満車状態だった。「さっきの旗振りのところへ行こう!」と、球場の前を通りシカゴ通りChicago Avから、来た方へ戻ろうとしたが、警察官が立って通行止めにしてるので、仕方なくもう一度トンネルを潜り川の東側へ戻る。行ったり来たりだが、大した距離ではない。大学内で引き返し、もう一度ドーム側へ。地上へ出てきたらすぐに左に入り、旗振りの誘導で駐車場入口へ。さっきの黒人のオジサンが「10ドルだよ」と言うので、窓を開けてチップも1ドル付けて渡す。奥へ誘導されるが、ギュウギュウ詰めで身動きの取れない車が沢山いた。手前はガラガラなのにオジサンの誘導が悪いのだ。なんとか停めて踏切を渡って球場へ。踏切は今年一部開通した路面電車ハイアワサ線Hiawatha lineのものだ。ガイド本にはツインシティーには電車は無いと書いてあったが、これが全線開通となると観光客にも便利になる。

 チケット売場はかなりの列になっていたが、それでも手際が良いのか15分ほどで窓口へ。残ってる席は2階だけのようだ。明日の分も買おうとしたが、後にも大勢待っているので「ゲーム終了後に」と言われる。ゲートBから入場。開門からそれほど経ってないはずだが、客の出足は良いようで場内はかなりの人込。私達の席は1塁側2階席の前から4列目。ほとんど1塁ベースを真下に見るような目線だ。グランドではヤンキースの選手数人がストレッチやダッシュを繰返していた。

 ここメトロ・ドームが、東京ドームのモデルと言うのは有名な話だが、オープンから20年ちょっとしか経ってないと言うのに、地元では新球場を望む声が高まっている。天候に左右されないドーム球場が持て囃されたのは、既に大昔の話で、人工的で味気の無い空間は、野球ファンが飽きるのも早かったようだ。今は機能と雰囲気を兼ね備えた開閉式で下は天然芝と言うのが主流なのだろう。ツインズは球団数削減(結論は06年まで凍結)の候補にされてしまった事もあり、今後もこの話題は出てくるだろう。

 それでもフェンス広告は少ないし、パケットKirby Puckett、キルブリューHarmon Killebrewら永久欠番の名選手の写真がデカデカと掲げられ、東京ドームに比べたら遥に雰囲気は良い。ただ、NFLのミネソタ・バイキングスMinnesota Vikingsと併用なので、観客席の一部が折り畳まれ剥き出しになっていたりもする。選手の写真もその目隠しとしての役割もあるようだ。

スタンドはほぼ満員となり、オバちゃん達のコーラスでの国歌斉唱。地味目だがなかなかの歌声で、国歌斉唱には煩いうちの妻も感動していた。プロ歌手がやたらアレンジして歌うよりもシンプルな方が私も好きだ。

 今日の先発はツインズがサンタナJohan Santana。ここ1〜2年で急成長のベネズエラ出身の左腕で、今シーズンは抜群の安定感だ。対するヤンキースはベテランのムッシーナMike Mussina。今シーズンはイマイチの調子だが、何年も安定した成績を残している大投手だ。松井秀喜は5番レフトで出場。私達は基本的には地元チームを応援する事が多いが、松井がコールされた時は、勿論大きな拍手を送った。

 ツインズはスチュワートShannon Stewartの先頭打者ホームランで先制。その後もムッシーナはランナーを出していたが、何とか1点で抑えていた。しかし、4回裏またもスチュワートに2塁打を打たれ3点を取られた。結局、ムッシーナはその回で降板してしまった。

 スタンドにはヤンキースファンもチラホラ見えるが、大半の客はツインズの帽子やTシャツを身に付けている。勝っているので皆気分良さそうだが、私達の席は列の真中辺なので、頻繁に買物に立つのは遠慮していた。それでも、1度だけ二人揃ってコンコース探検に出かけた。コンコースは東京ドームと同じように、スタンドとは壁で完全に遮られていて、買い物中に試合経過を見るには通路に設置されたモニタを見るしかないのだが、東京ドームと違うのは、コンコースをグルッと一周出来る事だ(1、2階とも)。一回りするとかなりの距離だが、壁沿いのグッズ店は、店によって商品が若干違うようで、見て回るのも楽しい。フード店もグッズ店と交互に設置されていて、私達はホットドッグ$3、ドームドッグ(ポテトチップ付き)$4、コーラ$4.5を買った。コーラはツインズ仕様のカップ(2種類)入りだ。店は夫々別経営(値段はどこも一緒)のようで、東洋人だけのブースもあった。

  途中、人込みの中で、ヤクルト・スワローズの上ユニ(ホーム用)を着た白人青年と擦れ違った。ビックリして妻に「見ろ、あれあれ」と言ってる間に通り過ぎてしまったが、後ろから「ヘイ!スワローズ!!」と声をかけると、彼は振り向いて「オーーーー!」と拳を突き上げ笑った。どこで手に入れたのか?

ツインズは6回裏もジョーンズJacque Jonesのホームランなどで3点を追加。ツインズ7−0ヤンキース。7回表は、ここまで2打席凡退の松井に3打席目が回ってきたが、サンタナに簡単に討ち取られセカンドゴロ。地元が元気な7thイニング・ストレッチが終って私達は席を立った。さっき目を付けておいたキャップを買って場外へ。

明日のチケットを買う為に、さっきとは違う一番大きなチケット売場へ行くと、1つだけ開いている窓口には、既に3〜4人の客が買いにきていた。自分の番になり「出来るだけ良い席」と言うと「パビリオン」と言われる、何だか分らなかったが購入した。どうやら席番が書いてないので自由席のようだ。座席票で確認すると外野席の一部のようだ。

車に乗る前に道路の向うのグッズ店を見に行く。古くてあまりパッとしない外観だが、店内は広く品数も多い。雰囲気としてはアメ横の洋品店に近い。やはりツインズやバイキングスの物が中心で、観戦帰りの客が10人くらい来ていた。店員(店長?)は1人だけで、ソワソワして素人っぽい。受け答えもオドオドした感じだ。球場内よりも若干安目だが、最新の物は無さそうなので、ペナントと鉛筆だけを買った。

 車に戻る頃には、試合が終って帰りの混雑が始まっていた。出難い所に停めたせいで、駐車場から出るのに少し時間がかかってしまった。来た時と同じようにミシシッピ川を渡ってユニバーシティ通りへ。さすがに10時を過ぎると大通りとは言え一部の店を除き真っ暗。ホテルへ戻る前に飲食物などを買物したかったが、時間的に開いてる店を見つけるのは無理か?そんな中で、明々と照明がついたビルがあり、ガラス張りの1階で柔道教室をやっていた。

 ホテルを通り越して1マイルほどの所にレインボーRainbowと言うスーパーを発見。パン、ハム、パック野菜、バナナ、惣菜を買う。レジで日本人女性2人組と並んだので、妻が話しかけた。1人はこちらで結婚してセント・ポール在住だそうだ。私達と同県の出身だそうで、駐車場まで歩く間も会話は続いた。外は風が冷たかったが、彼女達はとても薄着だ。正直言って「こんな時間にこんな格好で、女性だけなのに」と思ったが、逆にこの街の治安の良さを感じる一面でもあった。彼女達にはミシシッピ川沿いの公園の情報も教えてもらった。ホテルへ戻ったのは12時少し前。


試合結果 ツインズ7−2ヤンキース 勝ち投手サンタナ 負けムッシーナ スチュワート5打数3安打2打点 ジョーンズ5打数1安打1打点 グーズマンCristian Guzman4打数1安打2打点(以上ミネソタ) 松井4打数1安打 ジーターDerek Jeter4打数ノーヒット(以上ニューヨーク) 松井は私達が帰ってから2塁打を打ちました。


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