8月15日

  National League

CHICAGO CUBS VS LOS ANGELES DODGERS

シカゴ・カブス VS ロスアンゼルス・ドジャース

Wrigley Field    Chicago ,IL


 時差ボケの影響で4時半に一度起き、飛行機で夜食に出たカップラーメンを食べる。東○水産の「キツネラーメン」と書いてあり油揚げがのっている。日本では売っているのか?コーヒーポットのお湯で作ったので若干ぬるい。その後少しウトウトするが、よく寝られず、6時前にベッドから出てしまった。かなり寒い。妻も同じで「もう起きてしまおう」と言う事になる。エレベーターからは遠いが、角部屋なので外の眺めは良い。遠くに給水塔が見えたので、もう一度球場を見に行こうとなり、99年に通った道で行く事にする。

 昨日は慌しかったせいか気付きもしなかったが、部屋のすぐ横に階段があったので、フロントは通らずにそこから外へ。妻の運転で出発。ミーチャム通りMeacham Rdからシャンバーグ通りSchaumburg Rdを右折。道はガラガラだ。名前からしてこの辺が中心地なのだろう。小奇麗なお店が所々にあり、少し引っ込んで住宅があるが、決して密集はしていない。緑が多くとても綺麗な街だ。景色はなんとなく見覚えがあるなぁくらいだったが、暫く行って左手にサブウェイを発見すると、思わず「あっ、ここ寄ったぞ」と叫んでしまった。すぐに警察署Schaumburg Police Departmentsも見えてきた。「そうそう、あの池おぼえてるよ」運転しながら妻も言った。ドラマに出てきそうなくらい綺麗な警察署だ。それを過ぎると間もなくスプリンギンズガス通りになり左折した。

 商店などは殆ど無くなり、家と家の間隔も広く、更に高級住宅地と言った感じ。途中、道路工事の関係で砂利道になったが、徐行していたお陰で、前に寄ったコンビニも見落とさなかった。

球場の前を通りシャンバーグ駅も見に行った。当たり前だが全く変わっていない。球場前で写真を2〜3枚撮って、帰りはエルジン‐オヘア道で。給水塔の前で路肩に車を寄せ、これも写真に収める。

 7時半過ぎにホテルに戻り、下の販売機で買ったお菓子とコーヒーで質素な朝食。妻は自分のキツネラーメンを食べる。私の時よりも要領が良く、熱いお湯を使用出来たようだ(私のポットの使い方が悪かっただけ?)新聞はエレベーター前に何部も置いてあり、メジャーの他に地元のフライヤーズとケーンカウンティー・クーガーズの結果も載っていた。

 今日はリグレー・フィールドでの観戦を予定しているが、チケット予約などは全くしていない。旅行に行くと決まった6月末では、ネットでの購入は遅いと思ったので、最初からリグレーでは最終日の昼間に球場ツアー(試合が無い日の土日に実施)にでも参加すればイイと考えていた。だから、本来なら今日はマイナーのケーン・カウンティーかゲーリーを観戦するはずだった。しかし、妻が贔屓にしているガルシアパーラNomer Garciaparraのトレード(7/31カブス←レッドソックス)のせいで私達の計画も急遽変更せざるをえなくなった。思えば一度来ているシカゴを、こんなに早くまた訪れたのも、妻の「高津vsガルシアパーラが見たい」と言う希望からなのだ。それで、ホワイトソックスvsレッドソックスの試合を優先的に組み入れたのだが、思わぬ展開になってしまった(トレードの噂はあったが、ニュース等では否定派が大半だった)。妻に「カブスはただでさえ人気があるんだから入れるか分らないぞ。日曜日だし」と念を押し、ダメならそれからゲーリーまで行こうと決めて8時40分にホテルを出た。

 日曜なので朝のラッシュも全く無く90号でスムーズにダウンタウンへ。94号との合流を過ぎると間もなくアービングパーク通りIrving Park Rdで、一般道に下りる。この道は州道19号で地図にも太く書かれていたが、標識にも両方表示されていた。ここで下りる車は多い。しかし、出口付近で浮浪者のような男が、道の真中をフラフラ歩いていた。目が虚ろで今にも車の流れに飛び込むのでは?。みんな避けながら徐行していた。

 アービングパーク通りを東に向かうと、すぐに巨大なトンガリ屋根が見えた。それほど道は混んではいなかったが、見えてから真横に行くまでかなり時間がかかった。他に大きな建物が無い為、かなり手前から見えていたようだ。教会だろうか?古くて歴史的なものだと言う感じがした。周囲の街並もレンガ造りの建物が多い。ダウンタウンと言ってもかなり北の方なので、都会っぽさはあまり無い。

 下りてから2〜3マイル走り、クラーク通りの標識が出て来たので斜めに右折した。左手に墓地が見える。妻が地図で交差する通りを確認しながら指示してくれるので、とてもスムーズだった。思ったよりも早く9時過ぎにはリグレー前に着いてしまった。

まずは駐車場探しだ。観戦出来るか分らないので出来れば安い方が良いが。手前のウェーブランド通りWaveland Avを左折、右側に「parking$19」の看板、ちょっと高い。球場に沿ってシェフィールド通りを右折。有名なスポーツバー、マーフィーズMurphy’sの前だ。ハンドルを握っているので気を付けて走ってはいたが、もう駐車場探しなど忘れて、半分は景色に見惚れている。車内からもスコアボードが良く見える。アディソン側に出ると、急に人が多くなった。まだ、試合開始まで4時間もあると言うのに。やはり凄い人出が予想される。

 正面看板の前でチケットを買う人の列が見えた。「どこでも近いところに止めてしまおう」となり、最初の19ドルの看板のところから入った。看板には「Purple lot」と書いてある。すぐ隣りの(正面側)「Red lot」はリザーブ専用のようだ。すぐにエプロンをした黒人青年が近づいてきた。車を降りて現金で19ドル払い、チップに2ドル渡した。「君が動かしてくれるの?」と聞くと、「俺は運転出来ないから自分で動かして」と、敷地内にある洗車場みたいな建物を指した。その裏に持っていけ、と言う事らしい。言われた通り車を移動させ、彼に「良いか?」と聞くと、「試合終了2時間までだよ」と何回も言っていた。覇気が無く無愛想な奴だった。

 通りには露店のTシャツ屋が出ていたが、早くも#5Garciaparraが売られていた。「買って着て入る」と妻は言っているが、その前にチケットが先だ。正面に回り、係に当日券の列だと確認してから並ぶ。40〜50人は並んでいたろうか。数人の係が「はい、次はあの窓口、次は21番」と仕切っていたので、思ったよりも早く番になった。窓口で「出来るだけ良い席」と頼むと、すぐに係はPCをカチカチ。モニタを見て奥からきた他の係と何か話している。「なんだ?」一人40ドルとの事。思ったより高い。立見席ではないようだ。支払いをしてチケットを渡される。妻は満面の笑顔。私も「良かった。これで観戦できる」と喜んだ。すぐに「折角だから行列も写真に撮っておこう」と戻ったが、既に列は4〜5人を残すのみ。最後尾に係が付いて、買えない人はもう並ばせないようだ。なんたるラッキー。並んだ時間は15分くらいだったろう。あれより遅ければ買えなかったのだ(たぶん)

「金額からして1階だよ」と、ろくに座席番まで見ないでカバンにしまい、露店へ。妻が目を付けていたガルシアパーラの背番号Tシャツ($25)を買う。Lしか置いてなかったが、「Mが欲しい」と言うと、若い店員は取りに行ってくれた。近くに別店舗があるらしい。

次に正面向いのスポーツ・ワールドSports Worldへ入る。こちらでもガルシアパーラのグッズは沢山売っていた。露店のと似ているが、若干色や文字使いが違う。メーカーからして、こちらが日本でも良く売られているタイプだと思う。値段を聞くと「80ドル」との事。「高過ぎるよ」と言うと、店員は「高い?彼女が着てるのは幾らだい?」と、ソーサのTシャツを着ていた妻を指した。日本でセールで1000円くらいで買ったものだったので、「15ドルより安い」と言うと、「う〜ん、こっちなら15ドルだよ」と背番号以外のTシャツを指した。「なんで、これほど値段が違うのかな?」と思ったが、店員は紙に値段を書いて見せた。「やっぱり!」私の聞き間違いで、実際は18ドルだった。当然、妻としては買いだ。それ以外に縦縞の#5シャツ$30、リグレーTシャツ、サンバイザーも買って店を出る。

 まだ、時間はたっぷりあったので、食事をしようとクラーク通りを南へ歩く。シェフィールド通りとの斜めの交差点まで来ると、5年前にも寄った「Noodles」のネオン看板の店が見えた。「まだ、あったんだー」店の前まで行くと「Bibinbap」(ビビンバ)「Bibingosou」(ビビン麺?)の張り紙もあった。即入る。

 テーブルの配置など全く以前と同じだった。ほぼ満席状態だったが、カウンターが丁度2席だけ空いていたので、そこに座る。前にもいたアジア系の女性が、注文を聞いたり、コーヒーを注ぎに忙しく飛び回っていた。看板には何故か?「BurgerKing」とあるが、ハンバーガーを食べている人は誰もいない。私達はそれぞれビビンバとビビンゴッズを注文した。以前たくさんあったヤキソバは種類が少なくなったようだ。待っている間に買ったチケットをよく見てビックリ。「フィールドレベルで1と書いてあるよ!1番前って事じゃん」2枚に書かれている3つの数字をよーーく見る。違う番号は座席で、セクション番号はそのエリアの事だから、やっぱり1番前だ。「どうしよう!!」グランドのどの位置なのかは分らないが、とにかく一番前で見られるのだ。妻はガルシアパーラが間近に見られるかもしれないと興奮していたが、それ以上にあのリグレーでこんな良い席で観戦出来るとは・・・食事が来る間「もう明日から全部雨でもイイよ」「帰りに事故るかもな」などと話していた。

 間もなく食事も運ばれてきた。例の女性に「5年前にも来たけど、あなたはオーナーですか?」と聞いてみると、彼女は照れた表情で頷いた。自分の店だから一生懸命になるのだろうが偉いものだ。これだけ繁盛していればバイトくらい雇えそうだが。ビビンバは値段の割にはとても美味かった。ビビン麺はとても辛かったが、妻は余裕で食べていた。

 シェフィールド通りから球場の方へ戻ると、ハリー・ケリーの銅像前はかなりの人波になっていた。「あれ?中にもう人がいるよ」妻の言う通り、確かにもう入場させているようだ。今日も先着で帽子が貰える日なので、ギリギリの入場ではダメだ。セブンイレブンでフィルムを買って、向いのリグレービル・スポーツWrigleyvill Sportsに入る。もうちょっと場外散策出来ると思ったが、買物はここで最後にして、しかも急いで見なくては。5ドルのピンバッヂが10個以上買うと1個4ドルになるようなので、数ある中(30〜40)から12個を選んで購入。番号を紙に書いて店員に渡したが、後で開けたら1個間違えて入ってた。

 荷物になるので、買ったものを置きに一度車に戻る。他の車はライン外には停められていないので、この時「イージーパーキングだったのか」と理解する。なら19ドルでも高くはない。(クラークを挟んで向いはギュウギュウ詰め駐車)。妻は車内でTシャツを21から5に着替えてしまった。正面ゲートから入場。キャップは流行の丸帽で、背面に銀行の名前が入っていた。

 下の通路でセクションを確認しながら進む。グランドは見えないが、感覚的に3塁側をレフトへ向かって歩いているのは分った。108になったので階段でスタンドへ。すぐに案内のオジサンに座席に案内される。「えっ、ここ?」・・・一番前じゃなかった。ちょっとショックだったのでオジサンにチップを渡さなかった(義務はありません)。どうやら、フィールド・ボックスの前にクラブ・ボックス(約10列)のエリアがあったらしい。しかし、前は通路なので見やすいし、妻が目当てのショートのポジションにはとても近い位置なので、まあ良かった。

「ガッカリと言うよりホッとしたよ。これで運を使い果たさずに旅行が続けられる」などと言っていたが、ここの席でも当日券にしてはとても良い席なのだ。

少しの時間、座ってリグレーの景色を堪能していたが、その後、私は他のファンと同じように最前列で、サイン待ちをしていた。グランドではドジャースがフリーバッティングの最中だ。残念ながらマイナーで調整中の野茂はいないが、昨日ケリー・ウッドKerry Woodと投げ合った石井Kazuhisa Ishiiは球拾いをしていた。

 暫くするとカブスの選手も段々とグランドに姿を見せはじめた。ソーサSammy SosaやリーDerrek Leeらレギュラー陣が登場すると、その度にスタンドが騒がしくなったが、一際大きな声援を受けてガルシアパーラが登場すると、妻は係を振り切って、入れないところまで走って行ってしまった。すぐにつまみ出され戻って来たが、ガルシアパーラのストレッチに夢中で見入っていた。レッドソックスのユニホームやTシャツを着ている人も結構集まってきた。

次に大きな声援を浴びていたのは今日先発のプライヤーMark Priorだ。目の前のブルペンで投球練習をはじめたので、座席からでも良く見えた。

 開始までまだ時間はあったが、スタンドは早くも超満員になっていた。混まないうちにナチョスとビールを買いに行く。陽射しが強く、かなり暑いのでビールも美味い。それにしても、付け合せのピクルスが信じられないくらい辛かった。

試合の前に、今日はマダックスGreg madduxの300勝の表彰式が行われた。妻と子供、両親も一緒に並んで名前を呼ばれ、偉業を称えられていた。ウォームアップ中の選手たちもその場で拍手を送っていた。

国家斉唱も終わり試合開始となった。9時過ぎに着いてから4時間半が経過していたが、待った感じは全くしなかった。球場周辺を含めリグレーはやっぱり楽しい。360度どこを見ても歴史のある独特の風景。その中にいる幸せを感じっぱなしだった。

 試合は3回裏にマルチネスRamon MartinezのソロHRとガルシアパーラのタイムリーでカブスが2点を先制。ドジャースも4回にベルトレAdrian Beltreのソロで1点を返すが、5回裏にはパターソンCorey Pattersonの2ランが飛び出してカブスが4‐1とリード。この頃になると私達の座席は日陰になり、急に涼しくなってしまった。ホントに日向と日陰の体感温度は驚くほど違う。

いつもなら球場中を探検しに行く私だが、何故か席からあまり動かなかった。飲食も一番近い売店でサッと行って帰ってくる感じ。やはり居心地の良さがそうさせていたのだと思う。難点を言えば、場内係の爺さんが、客が出入する度に立ち上がって必要以上に厳しいチェックをしているので邪魔になる事。その爺さんの顰め面は今でも頭に浮かぶ。

 6回の表裏にグリーンShawn GreenとバレットMichael Barrettに夫々ソロが出て1点づつを追加して5‐2となった。7thイニング・ストレッチに備えて、私達は交代でトイレへ。しかし、ここの男子便所には参った。ステンレスの長い流しみたいのがあるだけで、一人一人のスペースは決まっておらず、並んでいる人みんな丸見えなのだ。日本でもたまに公園などに同じようなのがあるが、アメリカ人の中でするのは少々抵抗があった。つーか肩身が狭かった。

7thイニング・ストレッチは最高の気分で味わえた。やはり本場中の本場での儀式は一味違う。放送ブースのハリー・ケーリー氏の似顔絵もホントに笑っているようだった。

 8回表カブスはピンチをむかえ、投手を4人も使ったが結局逆転されてしまった。急な登板とはいえストライクが全く入らなかったファーンズワースKyle Farnsworthにはブーイングが浴びせられた。試合展開が早く感じていたので、まだ球場に居たい私は「同点で延長になった方が・・・」と少し考えていたが、それ以上に点が入り過ぎてしまった。

 3点を追う展開になってしまったカブスの奮起を期待したが、ドジャースは8回からガニエEric Gagneを送り込んできて、2イニングを危なげなく押さえ込んでしまった。あっさりと試合終了となった。ドジャース85カブス 勝ち投手サンチェスDuaner Sanchez セーブ ガニエ 負けファーンズワース ガルシアパーラ4打数3安打1打点 ソーサ 4打数1安打(以上カブス)イズトリスCesar Izturis 4打数2安打1打点 ブラッドリーMilton Bradle 5打数1安打3打点 グリーン5打数3安打1打点(以上LA)

 楽しい時間と言うのはアッと言う間に過ぎる。実際には3時間近くやっていたのだが、とても早く感じた。場内での買物は、最終回に入る前に一番近い売店でペナントを買っただけだった。退場時は、古い造りで出入口が少ないせいか、一番近いシェフィールド側の出口まで10分くらいかかった。こんな事なら、余韻に浸りながら座席で待ってから出るべきだった。

 荷物を車に置いてから、正面の看板だけ写真を撮りに行った。まだ周囲はすごい人だった。私達の車はすぐに出せるところにあったが、すぐ前の道路に団体客を乗せたバスが停まっていたので、それをよけて発車させたら段差があったようで「ガツン!」周りの人が一斉にこちらを見る。恥ずかしいし焦った。幸いシャーシだけが当たったようで、ボディーは傷ついていなかった。

 帰りの渋滞はハイウェイの乗口まで続いていて、シャンバーグまでは1時間くらいかかった。ホテルに戻る前に、ホテルのすぐ東側にあるウッドフィールド・モールWoodfield Mallへ寄っていく事に。デパートが幾つも入っている有名なショッピング・モールらしい。しかし、とても広い敷地に幾つもの駐車場で、どこに停めて良いのか迷った。なにせ建物にも駐車場にも「Woodfield Mall」と言う表示が全くないので、ここがホントにモールなのかも確信が無かった。外周道路を2周してから、一番それっぽい建物側から入る事に。実際は、夫々の建物(繋がっているが)は夫々のデパートの名前が書いてあったようだ。

 シアーズSearsの衣類売場を通り過ぎると、メイン・プロムナードらしき場所に出た。両脇には専門店が連なっていたが、閉店の準備をしている店が多い。プロムナードを歩いている人は、まだ沢山いたので、私達も大まかに店々を確認しながら歩いた。ノードストームNordstromの手前で2階に上がりUターン。ノアさんとの約束があるので、そろそろ出ようとシアーズ側へ戻ったが、シアーズの中で少し迷い、しかも出た所は別の駐車場だった。外を回ってなんとか車まで戻った。

 ホテルには6時半頃戻り、すぐにノアさんに電話をした。7時にロビーで待ち合わせ、ノアさんの車で出発。私はせっかくシカゴに来たのだから「ナマズ料理が食べたい」と思っていたので、我侭を聞いてもらい、エルジンElginのクラッカー・バレルと言う店へ行って貰った。予め印刷してきた地図を渡すと、90号を使って全く迷わずに目的地に付いた。さすがは地元住民だ。

 クラッカー・バレルCracker Barrelは一昔前のアメリカをイメージしたチェーン・レストランで、メニューや内装も凝っていて、変わった雑貨屋も併設されている。私はキャットフィッシュCatfish(なまず)があるって言う事だけで調べてきたが、地味めの外観もなんかレストランぽくなくて良い感じだった。ノアさんはエルジン店は初めてだが、以前に他の店には行った事があるそうだ。

 店に入ると、初老の店員がすぐに私達の服装(カブスのTシャツと帽子)に気付き、試合の結果を聞いてきた。逆転負けした事を教えてやると、彼は「オ〜〜↓」と暗い表情になった。席に案内してくれたが、とても不機嫌そうな顔で、メニューを配る時も暫くカブスの話をしていた。今日の試合も途中までテレビで見ていたらしい。

 ノアさんに「ビール飲んでもイイですよ」と言われたが、悪いのでやめる。と言うよりも、昼間と違ってかなり気温が低いので、あまり飲む気が起きなかった。念願のキャットフィッシュのプレートに、他にオカズを3点選べるそうなので、焼きリンゴとコールスロー、それとノアさんの奥さんに薦められてダンプリンDumplinsと言う物を頼んだ。妻はハーフポンド・バーガーHalf Pound Burgerを頼み、私以外にはナマズを注文した人はいなかった。ノアさん達は日本でもナマズを食べる事は殆ど無いそうだ。私はうなぎ屋などでテンプラとしてよく食べるが、地方によって食文化は随分違うようだ。

 徐々に食事が運ばれてきたが、さっきのオジサンの他に若い店員も何回かテーブルにやってきた。彼もカブスの敗戦を残念がってた。オジサンほど表情は変えなかったが、さり気無さから逆に熱い感じを受けた。

キャットフィッシュのフライは思ったよりも臭みが無くて、普通の白身魚のフライっぽかった。ダンプリンは、これがワンタンみたいなラザニアみたいなスイトンみたいな、それでちょっと甘くて、ドロドロしているのだが、なかなか美味かった。ナマズよりもこっちの方が、日本ではなかなか味わえないと思う。妻のバーガーにはポテトや野菜も付いていて、パンがカリカリで美味しかったそうだ。籠にマフィンも盛られてきたが、自分が頼んだ物だけで一杯で、食べられなかった。

ノアさんとは色々な話をしたが、一番盛り上がったのは、2日後に行くフィールド・オブ・ドリームスの事だった。ノアさんも大好きな映画だそうで、何回もビデオを見たそうだ。それと前に住んでたロチェスターではラクロス観戦にはまっていたそうで、シカゴに来て見る機会が無くなったと言っていた。MLL(メジャー・リーグ・ラクロス)は極々偶にESPNのスポセンでも取り上げられるが、私には余り馴染みの無いスポーツだ。MLLには、以前訪れたブリッジポートも所属している。マイナー観戦した時には一緒にラクロスの案内も付いてきた。MLLのチームがあるのは、みな東部の街だ。同じアメリカでも地域によってスポーツ環境は違うようだ。シャンバーグは近くにメジャーもマイナーもたくさんあって野球ファンには最高の環境だ。

帰りに雑貨コーナーも少し見て店を出た。シャンバーグに戻り、ホテルの近くのスーパーに寄って貰い、朝食用のパンとハムを買った。時間的に客はあまりいない。それからホテルまで送ってもらい、シカゴに戻ったら連絡する約束をしたが、その時の都合ではこれで最後になるかもしれないので、握手をしてサヨナラを言った。何故かうちの妻は泣いてしまった。別れがそんなに悲しかったのか。昨日初めてあったんだぞ。

明日は移動するので、部屋で荷物を整理していると、ノアさんから電話が入った。車に地図を忘れていたようで、他の場所も印刷してあるからと、わざわざ届けに戻ってくれたのだ。明日は仕事で早いだろうにホント申し訳ない。今度は私が泣きたい気分だ。

風呂に入って12時半就寝。


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