6 月30日 

Eastern League (AA)

NORWICH NAVIGATORS VS PORTLAND SEA DOGS

ノーウィッチ・ナビゲーターズ VS ポートランド・シードッグス

Dodd Stadium Norwich , CT(コネティカット州 ノーウィッチ) 


旅行中で今日が一番移動距離が長い。朝食は部屋で昨日買ったパンで済ませ、フロントでチェックアウトの手続きをして出発する。色々あったが変わってて楽しいホテルだった。最後にケープコッドの海を見てから行こうと、ホテルからすぐの浜に行ってみた。早い時間なので人は居なかったが、海に浮かんでる何艘ものボートを見ることが出来た。今度訪れた時は海遊びも是非してみたいものだ。とは言っても、どうせ野球優先になるのだろうが・・・

州道132号から6号ハイウェイに乗り、サガモア・ブリッジを渡るまではあっという間だった。大きなロータリーを2回通り25号ハイウェイに進む。少し行くとすぐにワーハムの出口になるが、一度そちらに進み195号に乗る。この時、出口に進まないと495号に行ってしまうので「South」の看板を見逃さないように。195号は来た時も使った道路で、インターステートの大きなハイウェイだが、この辺りは上下線ともガラガラで快適に運転できる。

暫く行くとフォールリバーFall Riverと言う町があり、そこに24号との分岐がある。丁度プロビデンスまでの半分位の位置だ。そちらもハイウェイなのでインターチェンジでSouthへ進む。目的地のノーウィッチには、プロビデンスから行く方法もあるが、混んでるし、一度通ってるし、海沿いを走りたいなどの理由でこちらを選択した。すぐにロードアイランド州に入り、高架のままだが橋を二つ渡った。間もなくハイウェイは終わり、道は州道114号に変わる。ここはロードアイランド湾に浮かぶ一番大きな島の上だが、目線が低くなったので道路から海を眺める事は出来ない。一般道はそこそこの交通量だが、ここをどの位の時間で抜けられるかチョット心配だ。出発した時からガソリンの事が気になっていたので、道沿いにあったGSに入る。大抵中はコンビニのようになってるので、ここではお菓子とジュースも買った。

再び出発して暫く行くと結構混んで来た。この先の島の南端には有名なリゾート地ニューポートNewportがある。市街地に入る少し手前で右折すると、急に景色が変わり大きな橋の袂になった。ここからまた暫くハイウェイになりスピードを出せるようになる。しかし、橋の上の景色は美しく、小さな島の古い灯台や、入組んだ湾の町並みも見え、早く通り過ぎてしまうのは勿体無いくらいだった。橋を渡りきった所の料金所で2ドルを払う。旅行中初めての料金所だ。小さな島を通り過ぎ、再び海の上を渡って湾を渡り切った。

僅かな時間だったが、美しい風景がとても印象に残った。少しだけ内陸に向かうとU.S1号に突き当たり、立体交差で南に進む。この道は一応ハイウェイのようだが、高架ではないので、海は少ししか見えなかった。所々大きなインターがあり、その周辺では混んでいたが、大部分は自然の多い景色の中を快適に走れ、州境のウェストアーリーWesterlyに着いた。道路は一般道のようになり、市街地を貫けるので混雑してきた。しかも州道3号と78号が複雑に絡んできて、短い間に何度か二又の道が出てきた。それに市街地でもクネクネと見通しが悪いので、止まって確認する訳にもいかず、道なりに広い方へ進むしかなかった。それでもコネティカット側に入り暫く行くと、ミスティックまで3マイルの標識が出てきた。どうやら道は正しいようだ。まぐれ当たりだが「ホッ」とした。

木や建物の間から海が見えるのが多くなり、少しだけ道路沿いが賑やかになってきた。州道27号との分岐はY字路になっていて、右折するとミスティックの町だ。半マイルほど行くと、右側にミスティック・シーポートMystic Seaportの駐車場の看板が見えたので、右折して中に入った。大きくて綺麗な駐車場だ。11時5分。

道路を挟んで左側(西)にミスティック・シーポート博物館がある。私達は十数名の観光客と共に、横断歩道を渡って正門を入った。ミスティック・シーポートは1929年に設立されたアメリカ一の海洋博物館で、入植当時からニューイングランド地方で盛んだった捕鯨文化を復元披露したり、船舶、古器物、海洋美術の展示など、アメリカの海運河の歴史を学ぶ事が出来る場所だ。

入ってすぐ正面に大きな錨が置いてあり、その奥の柵の向こうにはミスティック・リバーに浮かんだ本物の帆掛船を見ることが出来た。北側の大きな建物に入ると、チケット売場と案内所があった。ここを通らないと博物館や各施設には行けないようだ。しかし入場料は17ドルと言う事もあって、すぐに出て行ってしまう人も多い。確かにそれだけの料金を払うのは、時間を掛けられない人には勿体無いと思う。私達もここでは市内のレストラン情報を見ただけで、南側の土産物の建物に移動した。こちらは土産物屋と言っても美術品や書籍類も豊富で、地上2階、地下1階のスペースを周るのは結構時間も掛かるし、内容も充実していた。大部分は売り物のようだが、捕鯨の様子を描いた絵画や、船の彫刻など数万ドルする物も展示していた。たぶん1〜2時間の滞在なら、ここのスペースだけで充分楽しめるだろう。私達はニューイングランド地方の写真集と、来年のカレンダーを買った。

私達は案内所で貰った地図を頼りに,オーク通りOak St.を貫けて、ベイ通りBay St.からホルメス通りHolmes St.の川沿いに車で出た。所々にある石製のガードレールの向こうに、行き交う小型船が幾つも見えたが、港の様子を近くで見たいので、路上に車を停めて見に行く事にした。レンタルスクーター店の敷地を通らせて貰い、木製の桟橋の上に出ることが出来た。ここから1マイルほど南で、ミスティック川はフィッシャーズ島湾Fishers Island Sd.に流れ出すのだが、その外側へ向けてホエール・ウォッチングに出発する船や、家族単位で小型ボートに乗り込む人達もいた。

周辺にある幾つかのレストランは、閉まってる店もあったが、店頭の黒板にメニューを書いてる店が多く、それを見て判断し、ホルメス通りの州道1号にぶつかる手前にあったS&Pオイスター・カンパニーに入った。駐車場も広く、真っ赤な壁の綺麗なレストランだった。博物館からも歩いて来れる距離だったが、地図には周辺1〜2マイルの情報が載っていて、急いで決めるつもりは無かったのだが、チョット腹が減ってきたので、この店に入る事にした。

案内された席はミスティック川に掛かる開閉橋が良く見えた。店内も綺麗だが、気取った感じは無く、客の明るい会話が飛び交っていた。私達が注文したのはシュリンプと牡蠣の盛り合わせと、クラブフライサンドのコンボ、それからクラムチャウダーはニューイングランド風とロードアイランド風の二種類あったので店員に違いを尋ねて、両方頼んでみる事にした。違いと言うのはニューイングランド風の方はお馴染みのクリームベースの物だが、ロードアイランド風は魚のダシがベースのアッサリした物だ。パンとコーヒーも付いて29ドルと料金も手頃だった。テーブルを担当した男性店員も、親切で礼儀正しかった。食事を終え外に出ると、結構暑い陽気になっていた。27号を北へ向かいミスティックの町を後にした。1時20分。

1マイルも行かないうちに95号ハイウェイの乗口が出てきたので、Southへ向かった。今までの一般道に比べたら交通量は多いが、スピードは結構出てるので、すぐにニューロンドンNewLondonに着いた。ここで州道32に乗り換え北へ向かう。一応ハイウェイだ。目的地のノーウィッチに向かうには95号を更に南に進み、直接395に出る方法もあるが、32号ハイウェイを経由した方が近道だ。思った通りすぐに395号の乗口になりNorthへ向かう。道はすいてきた。3マイルほどで79Aの出口になり、「早いかな?」と思ったがハイウェイを降りる。ミスティックを発って30分位だ。目的地のノーウィッチの球場があるのはExitではまだ2〜3つ先なのだが、地図でも他の情報でも球場周辺は辺鄙な所らしいのだ。今日の宿は決めてないので、手前で降りたのはホテル探しの為なのだ。

2Aと言う短いハイウェイをチョコッとだけ経由して降りると、出口には州道32号が交差していたが、こちらは先程とは違って一般道の田舎道だ。その道を北に向かうと右手にすぐベスト・ウェスタンBest Westernの看板が見えた。建物も立派だ。ここは有名なモーテル・チェーンだが、前に調べてた記憶では、比較的値段が高かったようなので、「他に無かったら、ここにしよう」と言う事で、更に北に向かった。景色は山の中と言った感じで、道路は広くて空いてるが、舗装状態は悪い。道沿いには偶に中古車屋や修理屋、それに古い商店が偶に出てくるだけで、大部分は林だ。途中、ホテルの看板があり、林の奥に立派な建物があったが、どう見ても高そうなので素通りした。10分ほど走ると、右手の林が無くなって谷間になり、そこに古い町並みが見えてきた。地図によるとここがノーウィッチの町らしい。突き当たりのメイン通りMain St.を左折すると、大きな橋の上から町全体が見渡せる。谷の下はやはり大きな川が流れていた。橋を渡るとすぐに突き当たり、右に行けば街だが、見た感じではホテルはありそうもない。左折してワシントン通りWashington St.の坂を登って行くと、両脇は静かな住宅地になり、暫くそれが続いた。大き目の交差点で州道2号の標識が出てきたので、左折してハイウェイに乗る。すぐに395号と交差するので、変更レーンが多く出てくるが、そのまま直進。またすぐにExit27が出てくる。しかもその標識には「Dodd Stadium」とまで書かれていた。

降りてすぐの一般道にカムフォート・スイーツComfort Suitesを発見。中に入りフロントで「空き部屋ありますか?」と聞くと、「いいえ今夜は満室です」とアッサリ断られる。残念・・・。このホテルは1階のバーには「baseball」のネオン看板、バット型の装飾品もあった。たぶん観戦目的の旅行者がよく利用するのだろう。入口には野球のボールが書かれた立て看板も置いてあった。ホテル探しは苦戦しそうだが、取り合えず球場まで行く事にした。

道はハイウェイの下を潜ったりクネクネしたりするが、一般道の曲がり角にも「Dodd Stadium」の標識はあって、目印のスバルの営業所までは迷わずに行く事が出来た。その脇を通るニューパーク通りNewPark Av.へ進むと、両脇は木と野原しかない一本道になってしまった。緩やかな上り坂が続いていて、暫く行くと大きな会社(工場?)が幾つも道沿いに在った。標識の支持に従ってウィスコンシン通りWisconsin Av.、ストット通りStott Av.へと進み、山の中の球場に辿り付いた。広い砂利の駐車場はスキー場の駐車場みたいだった。それでも球場の外観は新しくて綺麗な感じだった。車は15台ほど停まっていて、チケット窓口も開いていたので、私達は今夜のチケットを買ってしまった。

少しだけ中を見たが、準備の仕事をしている人の他に、地域活動のような団体が来ていた。入口付近にも地元っぽい人が数人いたので、安いホテルはないかと尋ねると、中心にいた中年男性が「安いってどの位だい?」と聞いてきた。「100ドルまで」と答えると。カムフォート・スイーツを教えてくれたが、「そこは行ったけど、空いてないんだ」と言うと、暫く考えて「100ドルを超えても良いのなら」と言う事で、マリオットの行き方を丁寧に教えてくれた。

再び車に乗って、来た道とは反対に進むとすぐに突き当たった。教わった通り右折してプレインヒル通りPlainHill Rd.を下っていく。この道は球場のある丘の裏側を通ってるらしい。そしてボストン行きの飛行機の中で見た球場は、周囲の様子からしてもこの球場に間違い無さそうだ。道は狭くて起伏も激しかったが、森の中には所々に民家もあった。ようやく森を抜け切って、比較的広いウェストタウン通りWestTown Streetに出られた。教えて貰ったマリオット・コートヤードMarriott Courtyardは左側にあったが、ここも既に満室だった。「こんな田舎なのに、何で?」と思ったが、流石に少し焦ってきた。すぐ近くに395号の乗り口があったので、そこから南へ向かった。「もう、高くても良いからベスト・ウェスタンに行こう」と思ったが、もしかしたらそこもイッパイかもしれない・・・。

走り出してそれほど行かないうちにラマダ・インRamada Innの案内看板があったので、標識をたよりに次の出口で降りた。ここも有名なホテル・チェーンだが、ハイウェイに近い事もあり、やはり空いてなかった。再度ハイウェイで南に向かい、始めに降りた79Aで再び降り、ベスト・ウェスタンに向かった。ここがダメなら、もっと遠くまで行くか、野宿でもするしかない。それまで断られ続けていたので半分諦めていたが、フロントで聞いてみると、空き部屋はあると言われた。予想通り165ドルと少々高めだが即決した。フロント係の若い女性は、手続の際いろいろ聞いてくるが、車の車種を私が「ネオン」と言った発音が可笑しかったのか、その後も仕事をしながら笑い続けた。日本では客の前では堪えるのが普通だと思うが、屈託の無い笑顔で気持ち良く笑ってもらうと、不思議と腹も立たないものだ。フロントには引切り無しに予約の電話が掛かってきていた。もう少し遅かったらアウトだったかもしれない。一安心して4階の部屋へ向かった。高いだけあって広くて良い部屋だった。3時半。

少しだけ休憩して4時過ぎに買い物に出かけた。と言っても周囲は殆ど山の中なので、ロビーにいたリムジンの運転手(頼むと周辺を送り迎えしてくれる)に、一番近いスーパーを聞いてみると、32号を南に3〜4マイル行けばあると言う事なので、思っていたよりも近い。実際には2.5マイル位でブラザーズBrothersと言う小さなスーパーに着いたが、途中の道は驚くほど何も無かった。それでも駐車場には20台ほどの車が停まり、店内も客は程々に居た。皆、どこから来ているのだろう?。ホテルの部屋には電子レンジも備えてあった(旅行中ココだけ)ので、ご飯物とサラダを買いホテルへ戻った。テレビでメッツ対ブレ-ブス戦をやってたので、それを見ながら軽めに食事をした。マダックスが投げていて、偶にベンチの新庄も映った。

6時丁度に球場に出発した。最初の時と同じく山道から2号ハイウェイを使った。ニューパーク通りの途中で渋滞に捕まった。大部分の車が球場に向かっているようだ。そこから駐車場に着いたのは20分程かかったろうか、係に第2駐車場へ誘導される。入口付近は人で溢れていた。こんな辺鄙な場所なのに凄い人気だ。チケットを昼間買っておいて良かった。

中に入るとコンコースが左右に広がり、真っ直ぐ下りた所がネット裏になっている。ネット裏を中心に、内野席の半分位まで2階席の建物が取り囲んでいる。レフトのファールグランド後方にピクニックエリアがあり、外野よりのファールグランドの前は芝の席になっていた。マイナーではお馴染みの外野フェンスの広告は、なんと2段重ねで、センター付近は3段のところもある。地元だけではこれほどの数の企業は無いのではないか?と思ってしまうが、カムフォート・スイ-ツは両方のポール下の目立つ所にしっかりとあった。「オー、やはり随分恩恵を受けてるのだな」と思ってしまった。それからミスティック・シーポートの広告もあった。フェンス後方は全方向に森が見える。

グランドでは両チームの選手達が準備運動やダッシュを繰り返していたが、個々にベンチに引き上げてくる選手を、ファンが待ち構えてサインを求めていた。ここトーマスJドッド・スタジアムThomas J Dodd Stadiumを本拠にするノーウィッチ・ナビゲーターズは、ヤンキ-ス傘下のダブルAのチームで、入団当初の伊良部秀樹も短い間だが在籍し、登板もしている。ニューヨークからも日帰りで来れる位置にあるので、未来のヤンキ-スのスターを見ようと、小旅行を兼ねて出かけてくる人も多い。スタンドにはナビゲーターズの帽子やTシャツの人が沢山居るが、メジャーの帽子を被ってる人を数えると、ヤンキ-スとレッドソックスで半々と言った感じか。

一塁側に陣取るナビゲーターズは、白地に紫の縦縞の上下。帽子やストッキングも紫だ。対するポートランド・シードッグスは上下グレーで、袖とズボンのラインが明るい青緑色だ。このチームの本拠地はメーン州の南西部で、アメリカのプロ野球では一番東にあるチームだ。私はこのチームにサインを貰いたい選手が居るので、三塁側ダッグアウト横に行った。ビジターチームと言う事もあって、そのスペースはそれ程混んでなかった。背番号を調べてきたのでグランドをよーく見ていると、丁度その背番号15が外野方向からベンチに歩いて来た。一番前にいた私が声を掛けると、彼はすぐに気が付き近くに来てくれた。彼はデレク・ワッタンDerek Wathanと言う内野手だが、彼の父ジョン・ワッタンJohn Wathanは以前カンザスシティー・ロイヤルズで主に捕手として活躍し、その後監督まで務めた。しかもシードッグスにはデレクの兄のダスティーDustyまでが捕手として在籍している。私がボールを差し出すと、ワッタン弟は私の被っていた帽子を指して「これブリュ-スター・ホワイトキャップスだろ、見てきたの?」と聞いてきた。私が「昨日見てきた」と言うと、サインを書きながら大きく頷いていた。私が「あなたのお兄さんのサインも欲しい」と言うと、彼は嬉しそうに「OK」と言ったが、チョット周りを見回してから「彼はキャッチャーだから試合前は忙しいんだ。試合後の方が良いよ」と言った。確かに33番の姿は近くには無かった。

自分の席に戻って間もなく、子供合唱隊がホームプレート付近で国家斉唱をして、試合開始となった。私達の席は、正面から少し三塁側の前から4列目だ。ワッタン兄弟は揃ってスタメンで、弟が2番ショート、兄が9番キャッチャーだった。

球場は殆ど満席となった。大部分はノーウィッチのファンなのだろうが、多く入ってる割には声援等は大人しめだ。ノーウィッチは2回裏に、ポートランドのライトがエラーしてボールを後逸する間に2点を先制。3点目はなんとスクイズで取った。私達は通路側に座っていたが、隣には5〜7歳の女の子と父親が座っていて、席を立つ時に通路まで退いてあげると、父親の方が何回も深々とお辞儀をしていた。私達が日本人だから意識してやってるのだろうか?。ノーウィッチは3回裏にも1点追加した。マスコットのワニのテーター君がダッグアウトの屋根の上で盛り上げていたが、観客は拍手をするくらいだ。それにしてもテーター君の服は?なんだか可愛く無い。

5回頃から雨が降り出した。しばらくは我慢して見ていたが、徐々に大粒になって来た。半分以上の人は傘をさして試合を観ていたが、私達はコンコースに避難した。この時を利用してグッズ売場を見る事にする。コンコース上にもワゴンを使って仮設の売り場があったが、この球場には入口の近くに綺麗で大きなグッズ売場があった。品数は豊富だったが、このチームは紫と緑が基調なので、デザインがどうしても派手な物が多かった。キャラクターがワニなのも輪を掛けて趣味の悪い物にしている。勿論、私の個人的な意見だが・・・なかなか気に入った物は無かったが、チームの物は帽子とペナントだけを買って、Tシャツはイースタン・リーグのにした。背中にリーグの全チームのロゴが入ってて、なかなかカッコ良い。それからここの店には他のマイナー・チームの帽子も10種類くらい売られていたが、その中に明日観戦する予定のニューヘブンの対戦相手、ニューブリテン・ロックキャッツの帽子もあった。明日買える保証は全く無いので、それも買った。でも残念ながらポートランドの帽子は無かった。

店を出るとコンコースは行列が出来ていた。「なんだろう?」と思ったが、無料でアイスクリームを配っているらしい。雨は上がっていたので席に戻ると、隣の父娘もアイスクリームを食べていた。試合は6回が終わり5-0でノーウィッチがリード。グランドではアトラクションが行われていた。空は結構暗くなった。

7th イニング・ストレッチはライト後方のブルペンから、30〜40人の子供達が入場してきて、ライトのポジションのライン寄りで大合唱を始めた。スタンドの方はそれを見て喜んだり、カメラで撮ったりする人が多くて、一緒に歌ってる人は少なかった。

少し腹が減ったのでピザとビールを買って食べた。ピザは結構美味かった。上品で?大人しい感じのこの球場でも飲み食いをしてる人は多い。隣りの父親もまた何かを買いに行くようだ。3〜4回目だろうか?また何度もお辞儀をして出て行った。礼儀正しい人だ。ナビゲーターズは8回裏にも1点を追加して6−0で勝った。勝ち投手ランディ・フローレスRandy Flores 負けマイケル・テジーラMichael Tejera ワッタン兄2打数1安打、ワッタン弟4打数1安打(以上ポートランド)

試合が終了しても、殆どの人が席に座ったままだった。全く帰る様子は無い。私はワッタン兄にサインを貰う事ばかり考えていたので、ベンチの横に早く移動しようと思っていたが、チョットその雰囲気ではなかった。「何やってるんだ?」と、妻と二人で不思議がっていたが、少しして照明が消え、球場全体が暗くなった。「あ〜っ花火じゃん?」と言った直後に一発目が打ち上がった。「オーーーッ」この日一番の歓声が起きた。皆、花火を見るために残っていたのだ。入口のどこかに書いてあったのだろうが、私達は全く気が付かなかった。花火はその後15分くらい続いた。

「もう選手は帰ってしまうだろうな〜」とサインは半ば諦めていた。しかしコンコースに、ユニホーム姿のままのシードッグスの選手を発見。その選手は、手摺にもたれ掛かってボーっと花火を見ていた。周りを見回すと他にも数人の選手が花火を見に出てきていた。そのお陰で選手控え室の鍵が開いていたので、ドアを開けて中へ入ってみると、選手が着替えたり寛いだりしていた。「ワッタンは居ますか?」と尋ねると、「ダスティーかい?それともデレク?」と聞かれた。私が「?どっちだっけな〜」と考えていると、奥から弟が出てきた。彼は帽子を脱いでいたので、人相が随分違っていた。勘違いして「サインして」とボールを見せると「僕のは書いてあるよ」と、既にあるサインを指した。「そっか、こいつは弟か、それにしてもその頭で23か?」と失礼な事を思ってしまったが、彼は「ダスティーは、もう着替えて外に居るよ」と教えてくれた。花火を見ていた妻を呼びに行くと「あまり綺麗じゃないね」。妻は花火にはチョットうるさい。

球場の外に出て、テーターの人形の前で写真を撮ってから、三塁側の裏の辺りに行くと、選手の乗るバスが停まっていた。選手用出口には10人ほどのファンが待ち構えていた。バスの横で二人の大男が話をしていたので、確信は無かったが「ワッタンさんですか?」と聞いてみた。「そうです」と黒いポロシャツのガッチリした彼が言った。私服だからか?弟よりも若く見える。「サインして下さい」とボールを渡すと、「オッ!弟のもあるね」とニコニコした。兄弟のサインの真中に「PORTLAND SEADOGS」と、チーム名も書いて貰った。

球場からは一斉に人が出てきて、あっという間に駐車場は混雑してきた。道路は帰りの渋滞も始まっているようだ。私達が停めた第2駐車場は比較的すぐに道路に出られたが、一本道の渋滞は避けられそうに無い。「No Right Turn」と言う標識があったが、無視して、昼間通った右方向に進んだ。しかし、プレインヒル通りに出るT字路には、通行止めの鉄柵がしてあった(昼間は無かった)。柵の手前には2台の車が停まっていたが、1台はパトカーだった。警官ともう1台の車の運転手が話をしていたが、警官が柵をどけてくれた。もう一台の後に続いて、私達が通過すると警官は再び柵を閉めた。後続車は居ないようだ。昼間とは違い、真っ暗なプレインヒル通りはチョット怖かった。山道を下って昼間と同じように395号に乗り、79Aで降りてホテルへ帰った。11時30分。


2002年9月  ダスティー・ワッタン(兄)はカンザスシティー・ロイヤルズでメジャーデビューしました。

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