6 月27日 

International League(AAA)

PAWTUCKET REDSOX VS CHARLOTTE KNIGHTS

ポータケット・レッドソックス VS シャーロット・ナイツ

McCoy Stadium Pawtucket , RI(ロードアイランド州 ポータケット) 


今日も一番に起きる。部屋の人達はまだ寝ている。暑いからか、これが普通なのか分からないが、皆上半身は裸だ。外まで行ってタバコを吸っていたが、時間が早いので暫くその場所にいると、何人かがタバコを吸いに出て来た。椅子は二つしかないので、皆玄関の階段に座っている。朝はこんなに気持ち良いのに、また今日も暑くなるのだろうか。椅子を独占していても悪いので中に入った。時間はまだ早いので、3階のテーブルのある所にいる事にした。部屋は寝ている人がいるので居づらいのだ。7時に妻が呼びに来る事になっていたが、まだ1時間くらいある。「退屈だ」と思っていたら6時15分に妻がやって来た。同室の人の目覚ましが5時に鳴って、一緒に起きてしまったそうだ。それでもシャワーに行ったり、部屋で話をしたりしていたそうだ。

二人で近くを散歩した後、荷物を整理して7時半過ぎにチェックアウトした。土産やらで荷物が増えて来たので、私はバッグを大きいものに変えた。来る時は気が付かなかったが、ハヴィランド通り沿いの公園の奥の建物の壁一面に見事な壁画があった。沢山の子供達の中に所々に主要人物と思われる何人かがいる絵だが、その中に野球のユニホーム姿の人物が描かれていた。顔と体系からしてべーブ・ルースに間違いないようだが、帽子のマークは「B」でボストンのものだった。彼がレッドソックスに所属していた話は有名だが、ヤンキースへ金銭トレードされて以来現在までレッドソックスは80年以上も世界一になっていない。この事は「バンビーノ(ルースのあだ名)の呪い」と言われ、ファンや関係者は結構気にしているようだ。最近のプレーオフでもヤンキース戦の前にルースの娘を始球式に招待して因縁を払拭しようとしているし、パンフレット等にも往年のレッドソックスのスターに混ぜてルースの写真を起用したりもしている。そしてこんな所にも・・・これを描いた人にはどんな考えがあったのだろう。そういえばユニホームは縦縞でヤンキースのようにも見える。レッドソックスは縞の時代もあったのだろうか?それとも引退時に在籍したボストン・ブレーブスか?興味深い絵だった。

昨日も行ったスタバで朝食をすませ、ユースのフロントで聞いた郵便局(9:00営業開始)に行くために、マサチューセッツ通りを南に向かった。何メートルも行かないうちに景色が全く変わってきた。通りの左側に巨大な建造物、周辺の駐車場、歩道共とても広々としている。後で確認したらクリスチャン・サイエンス・センターChristian Science Centerと言うキリスト教の一派の総本山らしい。人通りは少ない訳ではないが、ボイルストンとの交差点付近と比べると歩道がゆったりしていて歩きやすかった。右側には何店鋪か入ったビルが1ブロックを占めていた。郵便局はそのビルの1階に入っていた。時間が早いせいか中はすいていて男性職員が親切に対応してくれた。ハガキは1枚だけ大きいのが80セント、それ以外は70セントだった。

郵便局の先の変則の交差点を右に曲がり、ウェストランド通りWestLand Av.を少し行くとエイビス・レンタカーAvisの赤い看板が見えた。9時10分なので、ほぼ予定通りだ。営業所の前には白い乗用車が停まっていた。中に入ると男性社員が一人だけいた。日本で予約したバウチャーを見せると、待っていたように保険の説明をはじめた。説明のプレートには日本語でも書かれていたので分かりやすかった。クレジットカードと国際免許証(二人分)を見せて、契約書や伝票と注意書きなどを作成してもらう。サインをすると、「これを向こうの営業所(ニューヨーク)で見せて」と言われた。そして「車はそれです」と表にあるさっきの乗用車を指してキーを渡してくれた。「これからどこに行くのですか?」と尋ねられたので「ポータケット」と言うと、「非常に近いです」と行き方を説明してくれた。私も地図で確認はしていたが、ハイウェイの乗り口を勘違いしていたので、教えてもらって良かった。エイビスでくれる地図はとても分かりやすい。「何をしに行くの?」と聞かれたので「野球です、その後はケープコッドでも野球見るんですよ」と言うと「すごいね」と彼。「ここにも野球見に来たんだよ」と昨日買ったTシャツの胸のロゴを指して、更に背番号7を見せたが、あまり受けなかったので野球好きではなかったのかも・・・表に出て車を確認する。ダッヂのネオンDodge Neonと言う車種だ。建物以外に敷地は無く駐車場も立体式なので、運転の練習は出来ないようだ。一応念入りに計器類や各レバーを確認して発進した。ウェストランド通りの交通量はそれ程でもないので、前の時に比べたら楽勝でした。

すぐにマサチューセッツ通りにぶつかるので、右折して南に向かう。途中道路工事をしていてガタガタ道になったが、道は広いので慣らし運転としては丁度良かった。7〜8マイル行くと大きな病院Boston City Hospitalがあり、道路もその下を潜るようになっていた。それを過ぎるとI-93(インターステート93号)の標識が左折レーンの上に大きく表示されていた。エイビスで教わった通りだ。左折をするとハイウェイ乗り口専用道路だが、NorthとSouthに分かれている。私達は右レーンから93号に乗り南を目指した。

93号は交通量が非常に多い。前回の旅行の経験からか「料金所の用意は出来てるよ」と妻。しかし最初の料金所を通るのは何日も後だった。「Cape Cod」の標識が出て来て州道3号線との分岐になる。93号の方が本線でしかもインターステートだが、3号方面へ行く車もとても多い。私達は試合日程の関係でボストン→ポータケット→ケープという順番だが、ボストン→ケープ→ポータケットと廻っても距離はそれ程変わらないし、ポータケットを後にした方がコネティカット方面へ行くにも本当は楽だと思う。ホッとする間も無く次のI-95の分岐がやってくる。93号はここで終わりで95号のNorthとSouthに分かれる。95号は今回の旅行で最も主要なハイウェイだ。ここでも南方面を目指す。道路は大分すいてきた。道の両側は高い木で囲まれ、緑の中を走っている感じだが、そのせいで外の景色はよく見えない。出発して20分くらいだと思うが、もう半分近くまで来てしまった。

I-495との分岐を過ぎるとノース・アトルボロNorth Attleboroughだ。明日は495号を使ってケープ・コッドに行こうと思っていたので、今夜泊まる場所は出来ればこの辺が良い。ポータケットも目と鼻の先だ。Exit5で降りると交差している一般道を左折した(右折するとノース・アトルボロ)。田舎道のようだが交通量は結構ある。陸橋で95号を渡ると州道152号に突き当たる。この道は95号と平行して走っている。右折して南に行きアトルボロAttleboroのダウンタウンを目指す事に・・・。152号を走っているとそのまま北メイン通りN Main St.になった。徐々に家や店鋪が増えてきて賑やかになってきた。ホテルの手配にはAAA(トリプルエーAmerican Automobile Association)を利用しようと思っていたので、コンビニでジュースとヒマワリの種を買い、AAAの場所を聞いた。しかし「この町には無いと思うよ」という返事だ。もしかしたら知らないのかもと思い、車の事に詳しいガソリンスタンドと車のパーツショップでも聞いたが「故障かい?この辺には無いから会員証の電話番号にかけろよ」というので、「自分のは日本の会員証なんです、それにホテルの手配と、地図も欲しいんです」と説明すると、「じゃあ警察で聞いた方が良いよ」と言われた。メイン通りにある警察署では入口に居た婦警さんに聞いたが分からなくて、丁度近くを通った黒人の警官が「サウス・アトルボロにあるよ」と行き方を教えてくれた。

サウス・アトルボロSouth Attleboroは、アトルボロの一部(ノース・アトルボロは独立した町)だが、中心部からは離れポータケットに隣接している。アトルボロの中心を通る州道123号を西に向かって95号も通り越し、真直ぐ4マイルほど行くと州道1A(地図によってはU.S1A)、U.S1号と相次いで交差する。教わった通り1Aを左折して南へ向かった。しかし、行けども行けどもAAAの看板は見えてこなかった。暫くすると大きな通り(114号)と合流してしまった。その手前に「NEWYORKER INN」と言う看板のモーテルがあったので道を聞いた。見た感じ手頃そうだったので、空室があればここでも良かったが、今夜の空きは無いそうだ。しかも、ここはロードアイランド州のラムフォードRumfordと言う町でポータケットも通り越してしまったようだ。

引き返すとすぐに「マッコイ・スタジアムの標識があるよ」と妻。早く見たいが順序は大切だ。大して距離は走ってないと思ったが、この道は両脇にG.Sやカーディーラー、大型店鋪などが立ち並び、町境が殆ど分からない。また通り越すのではと思い、途中スタンドとコンビニで2回道を聞く。聞いた場所はどちらもポータケットだったが、AAAの事は知らないと言われた・・・本当にあるのだろうか。すぐに123号との交差点になってしまった。通り越してすぐの所にあった中古車屋で聞くと、「ここはサウス・アトルボロだよ。AAAはあのマーケットの少し先だよ」と教えてくれた。またUターンをして少しだけ南に行き、教わった付近まで行くが見付からない。自動車修理工場の前に人が何人か居たので聞いてみると、「そこだよ」と隣の建物を指して教えてくれた。やっと見付けることが出来た。建物は立派だが看板は小さくて見えにくい、近くでも知らない人が多いはずだ。

オフィスの中に入ると待ち合いスペースも広く、とても綺麗な事務所だった。カウンターの中からお婆さんの係の人が優しそうに声をかけてくれた。働いてる人は10人くらいだが、年輩の人が多い。JAF(AAAと同等)の会員証を見せ用件を言うと、ニコニコしながらお婆さんは周りの人に聞きはじめた。とても動きがゆっくりだ。1件電話をかけてくれたが空き部屋は無いようで、今度は本を見て調べている。「アトルボロの近くでも良いかしら?」と聞いてきたので、「ポータケットで野球を見るので、そっち方面なら」と言うと、店内でポスター貼りをしていた男性(こちらも年輩)が「それなら○○が良い」と言う感じで彼女に話し掛けた。彼女はよく知らなかったようで、彼によく聞いてから電話をかけた。「99ドルだけど良いかしら?」と聞かれ「はい」と答えると、私らに待ってるように言い奥の部屋へ行ってしまった。結構待たされたが彼女が予約票みたいのを作って戻ってきた。ゆっくりとした口調で説明してくれたが「場所は彼に聞いて」と、またポスター貼りをしている男性を呼んだ。彼が説明してる間も隣でお婆さんはニコニコしていた。それから地図が欲しいと次の目的地を何ケ所か言うと、そこでのホテルは大丈夫かとか、そこでのAAAの場所や営業時間など、色々と世話を焼いてくれ結局1時間以上そこにいた。

紹介してもらったカムフォート・インComefort Innはホテルが何軒か密集している95号のExit27のすぐそばにあった。AAA発行の地図は、自分で持ってきた地図よりも詳しく載ってるので簡単に行く事が出来た。後の方の目的地の地図は無かったが、分厚い旅行ガイド本やマサチューセッツ州やロードアイランド州の地図も沢山くれた。結局1Aから95号に乗ったのだが、さっきはハイウェイの乗り口も通り越していたのに気が付かなかったのだ。やはり良い地図が無いとダメだと思い知った。ボストンのような都市部でAAAには早く寄っておくべきだった。

チェックインして4階の部屋に荷物を置いて、すぐにフロントで聞いたスーパーに買物に行く。ポータケット通りPawtucket Av.からメイン通りMain St.に出るとショーズ・マーケットShaw'sの大きな看板はすぐに分かった。ホテルからは2マイル程の距離だ。専用道に入ると急な下り坂で、スーパーの敷地はかなり低い所にあった。食料品以外にも衣類、レジャー用品、薬局などが数棟の建物に入っている。外は今日もとても暑く、食品を車に置いておきたくなかったので、球場に行ってからもう一度来る事にして、取り合えず一食分のパンと飲み物を買ってマッコイ・スタジアムに向かった。

ポータケット通りの五差路からディビジョン通りDivision St.に入り東に向かう。この交差点は95号の乗り口もありチョッと複雑だ。橋を渡ると町外れと言った感じになる。小さな商店も両脇にあったが、道はあまり良くない。少し行くと急に視界が開けて右側に野球場が見えてきた。右折して敷地内に入り、そのまま車で正面入口の方へ・・・(コロンバス通りColumbus Av.側が正面)。改装したのか?インターネットで見た写真よりも新しそうで綺麗だ。時間は2時半だがチケット窓口は開いていたので、ネット裏の2番目に高いレベルの席を買った(一番高いのは売り切れ)。ここを本拠地にするポータケット・レッドソックスは、ボストン傘下のAAAのチームで、インターナショナル・リーグの北地区に所属している。創設は1973年で、日本に来た助っ人外国人でもこのチーム出身の選手はとても多い。AAAクラスの他の都市と比べるとポータケットは小さな町だが、隣には大都市プロビデンスProvidenceがあり、ボストンからも近く、とても人気のあるチームだ。以前観戦に訪れた日本人の方の情報で、試合直前のチケット入手は困難だと聞いてたので、私達は前売りをインターネットで予約しようしたのだが、何回やっても上手くいかなかった。プラカードを首から下げてチケット乞いをしなくてはとも思ってたので、一安心して遅い昼食を食べた。

正面ゲートの隣にある大きなスーベニア・ショップも開いていたので入ってみた。客は私達だけだったのでゆっくり見られた。ユニホームやTシャツなどには「Pawsox」と入っている物も多く、デザインなどを見てもRedsoxとは独立した個性を感じる。ロースター全員のカードセットでは、全て大家友和投手が表紙になっていた。彼は去年この球場で完全試合を達成している。リーグ史上3人目の快挙で、日本でも大ニュースになった。店員の女性に聞いたら「彼は人気No1よ」だそうだ。それとガルシアパーラのグッズも目に付いた。所属していたのは何年も前だろうが、この辺はRedsoxつながりの強みだろうか。あと目立ったのは1981年にこの球場で行われた史上最長の試合The Longest game in Baseball Historyに関するグッズだ。その試合には若き日のリプケンCal Ripken Jr.(ロチェスター・レッドウィングスRochester Redwings)とボッグスWade Boggs(ポータケット)も出場していたようだ。

試合には出来るだけ身軽でいたいので、帽子、Tシャツ、マスコットの白熊、ペナントを買ってしまった。チケット売り場には仕事の合間に抜け出してきたような人達が後から後からやって来て、チケットを買って急いで帰って行く。私達はゲートが開いてたので階段を上って、グランドが見える所まで入ってしまった。強い日射しを受けて、選手達が芝に寝転んで柔軟体操をしていた。何組かに分かれてダッシュをしだすと、その中に見た事のある風貌があった。元中日ドラゴンズのサムソン・リーSung Leeだ。思わず「サムソーン、頑張れよー、頑張れよー」と大声で叫んでしまった。彼は面倒そうに振り向くと、控えめに手を振ってくれた。

コンコースにはラインナップが書かれたボードが貼ってあった。ピッチャーのところには「Tomo Ohka」と書かれている。日付けは今日のものだ。大家が見られるとはラッキーだ。

帰りにさっきのスーパーに寄って、ハムや惣菜を買ってホテルに戻った。飲み物は殆どが大きいサイズなので困るのだが、200ccの8本入りの水が売ってたので助かった。ガイド本にも載ってない町では、やたらなレストランに入るよりも、スーパーを利用した方が堅い選択なのだ。これで食費が大分切り詰められる。試合開始までは時間があるので、部屋でしばらく休む。ベランダからは95号とさっき渡ったポータケット川Pawtucket Riverが良く見えた。真下のホテルのプールでは家族連れが楽しそうだった。この部屋は禁煙室なのだが、ベランダには吸い殻の入ったコップが置いてあった。

6時になり今度は妻の運転で球場へ出発した。球場には15分程で着いたが、さっきとは違い周辺道路も大変混雑している。正面から入ったが球場横の駐車場は満車になっていて、ディビジョン通りを渡った第二駐車場へ誘導される。一番奥の方に駐車出来たが、車は後からどんどん入ってくる。全部入りきるのだろうか?ピクニックエリアの大きなボールの横を通って正面入口に皆向かう。家族連れが多い。

ボストンの帽子やTシャツの人も結構いるようだ。お揃いのガルシアパーラのTシャツのお父さんと子供達を発見。微笑ましいので思わず写真を撮ってしまった。正面の木彫りの熊の前でも写真を撮ったのだが、やはり同じ目的の家族が「撮ってくれ」と言うので、うちの妻も一緒に入って何枚か撮らせてもらった。

入場ゲートと階段は混雑していたが、時間がまだ早いのか座席の周りはそれ程でもない。私達の席はネット裏のやや1塁側で、低い通路を挟んで前から3列目だ。隣どうしだが私の席からはマウンドはネット越し、妻の席からはネットにかからないで見える。メンバー紹介と同時にポーソックスの選手がグランドに散らばって行く。大家もマウンドで投球練習を始めた。私達の席からは良く見えるが、強い西日をもろに受けてるので、写真を撮ると完全に逆光になる。試合開始から暫くは私はカメラを持って3塁側の通路をうろついていた(立ち止まってると注意される)。そして背番号18が美しいフォームで第一球を投じた。

インターナショナル・リーグは東海岸を中心に、北はカナダのオタワから、南はノース・カロライナと広い地域に北、西、南の3地区に分けられ分布している。今日の対戦相手のシャーロット・ナイツは一番南のチームで、ホワイトソックスの傘下だ。そして去年大家に完全試合をやられたチームでもある。上は黒、下はグレーのユニホームは結構カッコいい。ポータケットはボストンと全く同じデザインの上下白のユニホームで、胸にもREDSOXの文字。写真を見るとPAWSOXと言うのもあるようだが・・・。大家は今年メジャーで開幕を向かえ、先発ローテにも入り好調なスタートだったが、故障や調整遅れのベテランの復帰もあって、現在はマイナーと行ったり来たりの状態だ。他に行けばメジャーに定着出来そうなチームも沢山ありそうだが、彼の希望は「強いチームで」なんだそうだ。それにレッドソックスも彼を高く評価している。他に注目は2番でサードのジョン・バレンティンJhon Valentinだ。メンバー表には彼の名前はなかったが、ボストン一筋のベテラン選手への声援は一段と大きい。旅行前にメジャー復帰したと思ったが、背番号14でこの試合に出ていた(ボストンでは13)。

大家持ち前の打たせて取るピッチングもあり、試合序盤は3-1で地元がリード。座席も徐々に埋まってきた。私達の周りは子供連れが非常に多いが、殆どがお父さんが面倒を見ている。すぐ前の席の女の子はアイスを食べていたが、暑いのでドロドロに溶けて、服や足についてしまった。妻がティッシュをあげたのだが、それからその子は後ろを向いてずーっと私達の顔を見ている。東洋人が珍しいのだろうが、すこし慣れてくると、スポンジ製の熊手(子供達が皆持ってるグッズ)でお父さんを引っ掻いたりして、私達の注意を引いているようだ。私達が笑ってあげると、嬉しそうに尚も面白い事をやるのだ。試合は全く見ていない。この球場の特徴として三塁側に大きな三角屋根の階段室があるのだが、これがあるお陰で、日没よりもかなり早く日射しは遮られる。それでも暑いのでビールを結構飲んでいたが、カップにもマッコイ・スタジアムのイラストが描かれていて、これにも三角屋根がアピールされている。ジュースのカップはThe Longest gameの得点表が描いてあり、33イニングでカップを一周させていてデザインも大変面白い。飲みたくなかったが、カップ欲しさにペプシを買う。こちらのコーラは氷ばかりでどうも気が抜けてるように感じる。妻に「飲めよー」と言うが、返事は「ビール飲んでるから、やだよー」

8時半を過ぎても空はまだ明るかった。「レッツゴー、レッツゴー、ポーソックス」チャンスには、エレクトーンの伴奏にあわせて子供達が連呼する。このクラスになるとイニングの合間にはアトラクションは殆ど行われないようだ。時おり音楽を流して踊っている観客を大型モニタに写すくらいだ。7回の表にシャーロットは大家に4安打1本塁打を浴びせ4点を取り逆転する。7th イニング・ストレッチでは、ボストンと全く同じテープがやはり3コーラス流れるが、逆転された直後でも皆元気よく歌っていた。白熊のマスコットが近くに来ると子供達は大騒ぎだ。

まだ2点差なので勝負はわからないのだが、7回終了頃からボストンの途中経過が入り、皆そっちが気になる様子だ。ピッチャー交代などの時間も利用して大型モニタではボストンの試合中継までしている。どうやら野茂が序盤に打たれたようだったが、6点差を追い付いて攻撃中らしい。ポータケットの投手は大家から変わったが9回にも1点取られ、3-6でシャーロットに敗れた。大家は負け投手だ。でもこちらの試合よりも、皆ボストンが気になってる様子で、モニタを見て拍手したり、溜め息を漏らしたりの人が大半だ。勿論チームには独自性も沢山感じられたが、ボストンの2軍と言うイメージも強く感じてしまった。

どうせ駐車場からはすぐに出られないだろうから、スタンドに暫くいる事にした。大家やサムソンに一声かけたかったが、ポータケットの選手はベンチから皆引き上げてしまったようだ。シャーロットの選手は何人かがサインに応じていた。

駐車場に戻ると渋滞は殆ど掃けていて、それほど混まないでディビジョン通りに出れた。地元以外からも沢山来ていたようで、95号から北に向かう人が殆どだった。レッドソックスと同時に(レッドソックスの代わりに)ポーソックスを応援する。これも正しいファン人生だろう。ホテルに帰って食事をしようとしたが、妻がシャワーを浴びてる間に私は寝てしまったようだ。


ノマー・ガルシアパーラ選手が調整の為、7月24日〜27日の4試合、1番ショート(又はDH)でポータケットの試合(場所はインディアナポリス)に出場しました。

大家友和投手は7月31日モントリオール・エクスポズにトレードされました。

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