6月26日 

   American League 

BOSTON REDSOX VS TAMPA BAY DEVILRAYS

ボストン・レッドソックス           タンパベイ・デビルレイズ   

Fenway Park  Boston , MA


ベッドから落ちないかと心配だったが(さくは無い)、どうやら大丈夫だったようだ。時計は妻が持っていて、部屋にも無いので正確な時間は分からないが、もう外は明るい。部屋で一番に起きてタバコを吸いに表へ出る。玄関の前には鉄製の丸テーブルに椅子が二つと、バケツに砂を入れた灰皿が置いてある。昨日ギターの奴が歌っていた場所だ。涼しくてとても爽やかだ。景色も違って見えてくる。良く寝られたので気持ちにも余裕があり、はじめて「来たんだな〜」と実感できた。

フロントの時計で7時チョイ前なのを確認して妻の部屋へ。軽くノックをすると妻が出てきた。「あれ?早いねぇ。寝られたかい?」と妻。妻は6時過ぎには起きていたそうだ。昨日の中国系の二人組とも、後から来た白人女性とも仲良くなったそうだ。来る前は別々の部屋になるのを不安がっていたが、初のユースを楽しんでるようだ。私の方は同室の人とは挨拶するくらいなので、少し羨ましい。

朝食をとるためにマサチューセッツ通りのスターバックス・コーヒーStarbucks Coffeeへ行く。ハヴィランド通りから行けば5分とかからない距離だ。外から見ると2つの店鋪のように見えるが、左側で注文して、店で飲食する人は右側のスペースに行くようになっていた。時間が早いのでそれほど混んではいないが、出勤前のビジネスマン風の人や、くつろいだ格好でソファーで新聞を読む人がいた。私達は壁際の小さなテーブルに座った。反対側の壁にはスタバのトレ−ドマークの女神がジャズメンと一緒に描かれていた。ユースに戻り、まだ涼しいので妻の部屋の隣のミーティングスペース(3階と4階の通路の途中にあります)で、今日の予定を確認して、時間は早いが出発する事にした。

まずニューベリー通りから歩き始めた。疲れていないのと、涼しいのと、人通りがまだ少ないのとで、昨日とは全然違う通りのように思えた。分かっていた事だが、殆どの店はまだ閉まっていた。でも、古い建物をそのまま店鋪にしている店が殆どで、看板や飾りは控えめと言う事は無いのだが、決して派手過ぎず、バランスよく景色の一部になっていた。それでも全長1キロ程のこの通りの半分程まで来ると、少しずつ暑くなってきた。歩いたせいもあるのだろうが、今日も間違い無く厳しい暑さになりそうだ。一つ嫌な事を感じだすと他の事も気になってくる。いつの間にか車も人も増えてきた。少し足取りは重くなるが、他の建物とは見た感じ異質なホテルが左側に見えてきて、そこまででニューベリー通りはおしまいだ。

突き当たりを通るア−リントン通りArlington St.を渡るとパブリック・ガーデンPublic Gardenがある。ここはアメリカで初めて出来た植物園で、19世紀半ばに湿地帯から埋め立てて造られたそうだ。小さな入り口を入ると、美しい芝生が広がっていて、真ん中にクネっとした通路が向こうまで続いていた。丘の上まで両側に木は無いので、日射しを受けて緩やかな坂を上った。木陰に入り一休みすると、目の前の池には鴨が沢山いた。昨日見たリスも何匹かいたが、お互い恐がりもせず、かなりの所まで近寄ったりしていた。突然一斉に鴨が逃げたので何かと思ったら、また犬だった。しかし、今度は池の中までを泳いでいて、はじめは「あれ、何だろう?」と思ったが、飼い主が呼んだので池から上がり行ってしまった。それほど大きな池ではなくて、そこから少し行くと橋があって下にはスワンボートが停泊していた。このスワンボートはボストンの名物らしくて、ガイド本の表紙にもこの絵が描かれていた。まだ早い時間なので営業の準備をしているところだった。橋を渡ってそのまま行くと道路を一つ渡ってボストン・コモンBoston Commonになる。アメリカ最古の公園と言う事だが、色々な歴史の舞台となっている場所でもあるらしい。フリーダムトレイルの起点でもあり、観光案内所も充実しているそうだ。園内には野球のグランドもありました。

9時を過ぎたところだが、次の予定場所は10時にならないと開かないので、ここで暫く休む事にした。園内は人は疎らで、木も多いので比較的すごしやすい。屋台のTシャツ売りは大学のロゴが入った物が中心で、レッドソックスのは無かった。それからフロッグ池は水が抜かれていて、浅いプールの様だった。

9時40分になり、階段を上がってビーコン通りBeacon St.に出る。横断してウォルナット通りの坂道を上がり、有名なマウント・バーノン通りMt.Vernon St.を少しだけ通り、ジョイ通りJoy St.を北へ向かう。この辺は古い家が多く、歩道もレンガで造られている。道が狭く急坂なので大型車は通るのが大変そうだ。坂を下って少し行くと、壁に星条旗を掲げたアフリカン・ミーティング・ハウスAfrican Meeting Houseがあった。以前は黒人コミュニティの中枢的建物として教会、学校、住居としても使われてきたが、1971年からは博物館となっている。思っていたよりも小さいのと、看板(表札?)も目立たないので、気にしないで歩いていると見過ごされそうな建物だ。表のドアに書かれてるように裏に回ると、階段を降りて地下からが入り口になっていた。丁度時間になったので中に入ると、大きな黒人男性が迎えてくれた。入館は無料だ。左手のお土産屋はまだ閉まっていた。奥に進んで階段を上がり1階の展示室へ行く。写真などの展示物は思ったよりも少なく、タイトルだけで写真は外されてる物も何点かあった。2階に行くとこちらは教室のような感じで、黒板があり、演壇のように高くなっているスペースもあった。奴隷制度の経緯などを説明したタッチ画面式のモニタも3台あり、大きな円柱の壁の裏では、当時のミーティングハウスの様子を再現フィルムを交えてビデオで見る事が出来た。説明は字幕表示(英語)されてるので、ヒアリングが苦手な私にも良く分かった。館内はとても綺麗で冷房も効いてるので1時間以上居たのだが、その間の来館者は白人青年が一人だけだった。彼もすぐに出て行ってしまったが。入口に戻るとお土産屋が開いていたので少し見るが、ロゴ入りの商品はデザインがどれもイマイチで何も買わなかった。

ジョイ通りを少しだけ戻ってピンクニ−通りPinckney St.を西へ向かった。下り坂の両脇にはオシャレなレンガ造りの家が連なっている。古くて歴史を感じるが、今でもこの辺は高級住宅地だそうだ。この通りには「若草物語」の作者ルイザ・オルコットが以前住んでいた家があるらしいのだが、一般住居の為かそれらしき表示は無かった。坂の終わり頃まで歩行者も外に出ている住民にも会わなかった。場所を聞いて坂をまた上り返すのも嫌だったので、そのままチャールズ通りCharles St.を右に曲がった。この通りはニューベリーと並んで有名なショッピング街だ。短い所をチョッと通っただけだったが、店鋪や看板も個性的で綺麗だ。

少し行って歩道橋を渡るとレッドラインのチャールズ駅がある。この駅は地上駅で、歩道橋にも大きくTの表示があり分かりやすい。ここからoutboundで三つ目のハーバードスクエアHarvard Square駅で下車。利用者が多いので改札も周辺もとても広い。構内にも売店があり、立ったまま食事をしてる人も結構いた。外に出ると更に賑やかになり、スタンドの売店はお菓子やジュースの他に大学ロゴ入りのTシャツや絵ハガキ等を売っていた。ここからどちらの方向に向かって歩いても大部分はハーバード大学Harverd Universityの敷地内だが、キャンパスは主に東側で、駅周辺の西側は本屋などの商店が集中している。学校の敷地内も図書館なども出入りは自由だそうだ。私達は外歩きよりも主に冷房の効いた何軒かの本屋さんやレコード店で過ごした。ボストンでのお土産もこの辺で殆ど買い、ハーバードのTシャツも雑貨屋で9ドルで購入(一番安かった)。

再びレッドライン(inbound)に乗りケンドールスクエアKendall square駅で下車。こんどはマサチューセッツ工科大学Massachusetts Insttute Technologyだ。外に出ると近代的なビルに囲まれるが、ハーバードと違って騒がしさは殆どない。観光客も多くなさそう(実際は分かりません)だ。少し歩いてエイムス通りAmes St.に面した入口から中に入った。校舎を渡り歩いて東キャンパスを奥に入って行ったが、どのような事を中でやっているかは全く分からなかった。でも廊下の所々で物凄い束になったケーブルが剥き出しになっていて面白かった。途中方向が分からなくなったりもしたが、幾つかの校舎を通ってなんとかマサチューセッツ通りに出る事が出来た。道を渡って西キャンパスの学生センターへ。入ってすぐは食料品や生活用品の店と食堂だが、奥に土産物店もしっかりあった。しかしTシャツなどは種類は多いが、デザインが全然ダメで「着たい」とは思えなかった。それに値段も高かったので、ここでは絵ハガキだけを買った。

マサチューセッツ通りにはバックベイ行きのバスも出ていたが、私達は徒歩でハーバード橋を渡った。長さは約500メートルで日陰が無いので大変だったが、ダウンタウンの眺めはここが一番だった。南側に着くとチャールズ遊歩道では時間は早いがすでに走ってる人がいた。再びニューベリー通りヘ戻り、ガイド本でチェックしておいた店を見て回るが、実際に買い物をしたのはダ−トマス通りDartmouth St.との角にあるエルパソElPasoと言う革製品の店だけだった。名前のとおりブーツやベルトなどウェスタン調の物が中心だが、一点物が殆どでサイズなどは揃っていない。でも同じようなのを日本で買うよりも安い上に、かなり値引きしてくれた。

昼食の時間はとっくに過ぎていて、妻は「お腹すいた」と言っているが、私は暑さのせいであまり食べたくなかった。ヒアフォード通りHereford St.に漢字で「麺亭」と言う看板を発見。この店はガイド本にも載っていたが、冷し中華があったので入る事にした。店員は日本人女性だったので、水はポットでくれとか色々頼んでしまった。私は冷やし中華、妻はチャーシューメンを食べた。味はまあまあ(日本のと比べちゃいけません)だった。日本のラーメン屋みたいな感じなのでチップを渡すのを忘れそうになるが、ポケットにあった小銭を集めて「細かいのでゴメンネ」と言うと「良いんですよ。すいません」と店員。やはり日本女性は慎ましい。ユースに帰る前にボイルストン通り沿いで、マサチューセッツ通りとの交差点から2〜3軒目のバークリ−の学生御用達の店に寄る。文具の他に譜面など音楽関係の雑貨屋と言った感じの店だ。私達はロゴ入り商品を見るのが目的だが、衣類、鞄、時計など小さなスペースだが充実していた。Tシャツを買ってユースへ戻った。

時間は午後4時。試合開始までは少し時間があった。練習風景も見たい気もするが、まだ先も長いので体力を温存せねばと思い、開始ギリギリに行く事にして、冷房の効いた食堂で友人宛の絵ハガキなどを書いていた。食堂にはそれほど人は居なかったので、長テーブルの一つを占領して荷物もその上に放り出していた。そこへ入口から一人の女性が入ってきてニコニコしながら私達に「日本の方ですか?」。ボストンにはアジア系の他の国の人も沢山いるので、私達だって見た目だけでは日本人だとは確信出来ないはずなのだが、彼女の笑みは自信と喜びに溢れていた。それもそのはずテーブルの上にはヤクルト・スワローズと西武ライオンズの帽子が堂々と置かれていたのだ。「そうです」と言うと、「野球観に来たんですね。嬉しいなぁ」と益々目を輝かせた。彼女は神奈川県在住のmiki さんで、れっきとした主婦なのだが、御主人の単身赴任中を利用して、野茂英雄投手を見るためにボストンに滞在中だそうだ。フェンウェイ・パーク独特の雰囲気もすごく気に入ってるようで、連日通い詰めだそうだ。ユースでも日本人利用者は結構いるのだが、野球に興味がある人とは出会えなかったらしく、こちらに来ての事を色々話してくれた。やはりホテル、野球関連商品については他の都市よりもボストンは非常に高いと言う意見も一致した。それから球場ツアーも薦められたが、時間的に無理だと言うと「そうですか〜」と残念そうだった。グリーンモンスターを間近で見られるそのツアーはきっと素晴らしいのだろう。予定の立て方を少しだけ後悔した。自分達の事も勿論話したが、野球好きどうし話が弾んで、1時間くらい話してしまった。「もうこんな時間」と彼女は球場へ向かった。今日は外野席(人気が高い)だそうで、1人と言う条件なら当日券も結構手に入るそうだ。部屋に一度荷物を置に行き、私達もフェンウェイに出発した。

昨日下見に来てるので、球場までは10分ほどで到着した。看板を手にチケットを求めてる人が大声で叫んでいる。正面の通りは駐車場に入るための車で渋滞していた。駐車場入口から先は歩行者天国になっていて、こちらも大変な賑わいだ。買物をしようと思っていたスーベニアショップも凄い込み合っていたが、miki さんのアドバイスでは買い物は試合前にしといた方が良いとの事、決めておいた物をさっさと買う事に・・・。上ユニ、帽子、ペナントまでは順調だったが、背番号Tシャツで悩んだ末に決めたジェイソン・バリテックJason Varitek#33がMサイズは品切れだった。ここでまた悩む事になる。miki さん一押しのヒレ坊#29(シェイ・ヒレンブランドShea Hillenbrand )も引っ掛かったが、結局トロット・ニクソンTrot Nixon#7に決めた。勿論、野茂やラミレスの方が好きだが、日本で手に入る物は極力買わないのだ。

レンガの柱に挟まれた真っ赤な手すりのゲートから入ると、入場者全員にピンバッチを配っていた。バットに球団とコカコーラのロゴがあしらわれていて1901-2001と書かれていた。チームの前身はナショナル・リーグに所属してバファローを本拠としていたが、アメリカン・リーグ創設と共にボストンに移り今年100周年を迎えた。その年に観戦に来れた記念になるので嬉しかった。通路はスロープが張り巡らされているが、狭いのでそれほど複雑ではない。あっという間にコンコースに出た。上からさっきの道路を見ると人の波がずーっと続いていた。それほど広くない通路を進みグリーンモンスターと御対面だ。テレビや雑誌で何度も見てはいたが、やはり野球場としては変わっている。そばまで行って真横から見るとその大きさに更に圧倒される。ネット裏より少し1塁側、セクション18で階段を降りていくと、係の人が座席まで案内してくれた。チケットはインターネットで売出しの数日後に購入したのだが、座席数が少なく、しかも人気球団とあって一番良くてもこのレベルしかとれなかった。でもmikiさんも言っていたが、狭いので後ろの方でもグランドまでが近く感じられた。

国家斉唱が終わり試合が始まった。今日の先発は今やメジャーNo1 と言われているペドロ・マルチネスPedro Martinezだ。旅行直前には故障で登板を飛ばされたりもしたが、彼を見られるとはラッキーだ。「今日の試合時間は短いぞ」と妻と話していた。見たかった選手は他にノマー・ガルシアパーラNomar Garciaparraもいたが、今シーズンは開幕から怪我の為出場していない。旅行の頃には復帰してればと思っていたが、残念ながらまだまだ時間が掛かるようだ。デビルレイズの方では夫婦揃って応援しているビニー・カスティーヤVinny Castillaだったのだが、こちらは5月にアストロズにトレードされてしまった。1回の表が簡単に終わると、その裏レッドソックスはマニー・ラミレスManny Ramirezの右中間へのタイムリーツーベースで先制した。打った瞬間はホームランかと思ったが、ライトのベン・グリーブBen Grieveのグラブが叩き落としたように見えた。

周りの空いていた席も殆ど埋まり、一つ一つのプレーにも地元への声援は凄かった。印象的なのは元横浜ベイスターズのルー・メローニLou Merloniの打席の時で「ルーーー」と言うコールが球場全体から起こる。ブーイングのようにも聞こえるのだが、彼の名前を呼ぶ声援なのだ。今日はショートを守っていたが、ファインプレーもあり、その時もルー・コールは起こった。それにしても前に座ってる体の大きな男二人組は声がデカい。態度もデカくてちょっと恐そうな感じだ。彼等が来る前に隣の中学生位の子が背もたれに足を置いていたら暫く睨み付けていて、その子は小さくなってしまった。イニングの合間には飲食物を買いに行く人が多く、狭い座席の間を通るため列の皆が一度立ち上がって座る部分を起こしてあげる。一応一声掛けて通っていくが、毎回のように行く若い男がいて、しかもその男は反対側から出た方が明らかに近いのに、わざわざこちら側を通るのだ。何回目かの時に妻が立つ時に足元のジュースをこぼしてしまった。カップが前まで転がってしまったが、幸い前の奴らにはかからなかった「ふーっ良かった」。

マルチネスはランナーは出すものの得点を与えず5回まで進んだ。しかしこの回ランディー・ウィンRandy Winnにタイムリーを打たれ同点にされると、続くバッターにデッドボールを与え満塁にしてしまう。監督が出てマウンド付近で集まったが、まだ同点だし交代は無いなと思っていたのだが、なんとマルチネスはマウンドを降りてしまった。スタンドは「えー?ペドロなのに?」とざわついていたが、ざわめきが収まらないうちに代わったローランド・アローホRolando Arrojo がグレッグ・ヴォーンGreg Vaughnに満塁ホームランを浴びてしまった。場内は大ブーインが起きるがホームランにと言うよりも投手交代に対してだと感じた。ここで凄いのはこの瞬間に何人かの観客が帰ってしまった事だ。私の近くに居た5人家族もお父さんの「帰るぞ」という合図で席を立ってしまった。一番小さい子供は「なぜ?」と言う顔をしていたが、お母さんに促されて渋々後について出て行った。5回表ですよ、なんて家族なんだ。

残った観客も皆機嫌が悪いのか、その後の判定に対してブーイングが多くなってきた。前のデカいコンビもビールを相当飲んでるようで、ひっきりなしに「ぶーー」「ぶーーー」と大きな声でやるもんだから、その前に座っていた小さな女の子は泣き出してしまった。お母さんに抱きかかえられて暫く宥められていた。日は沈んだが空はまだ明るい。妻がmikiさんお薦めのクラムチャウダーを買いに行くが、どこで売ってるか見つからず(早い時間に売り切れると言っていた)代わりにホットドッグを買って戻って来た。かなり塩辛い。

7回表が終わり7th イニング・ストレッチだ。楽しみにしていたが、起立はするが歌わない人が多い。試合展開のせいかもしれないが、スリーコーラスもやるのはチョッと長い気がする。正直言って盛り上がりに欠けた。そんな事を思っていたら最大の盛り上がり場面がやって来た。ランナーが溜まってきてたのでラミレスまで回れば面白いなと思っていたら、その前のニクソンがやってしまった。センターの深い所に満塁ホームランを叩き込んで同点にしてしまったのだ。地響きのような歓声だ、拍手が鳴り止まない。Tシャツを買った甲斐があったーー。

次の8回デビルレイズはアゥブリー・ハフAubrey Huffがギリギリでグリーンモンスターを越えるホームランを打って勝ち越す。しかし観客はさっきの事もあるので、帰るような人はいなかった。前の奴らもブーイングはしていない。たぶんこれは空いた隣の席に知り合いの女性が座ったせいだと思う。ホントは意気地の無い奴らなのだ。その裏レッドソックスはブライアン・ドーバックBrian Daubachのタイムリーで同点にして、満塁からスコット・ハッティーバーグScott Hatteberg が押出しの四球を選び勝ち越し。こんな点の入り方でも皆立ち上がって大喜びだ。雰囲気ではもっと点が入るかなと思ったが結局この1点だけだった。9回はデレク・ロウDerek Loweが3人で抑えて試合終了。今シーズン好調とは言えないが、この人も見たかった一人だ。
レッドソックス7-6デビルレイズ 。勝ち投手ロッド・べックRod Beck 負け投手ビクター・ザンブラーノVictor Zambrano セーブ ロウ ラミレスは4打数1安打1打点、ホームランを2本損する。ニクソン4打数2安打4打点(以上ボストン)。ヴォーン4打数1安打4打点、グリーブ4打数ノーヒット、フレッド・マグリフFred Mcgriff4打数ノーヒット(以上タンパベイ)。

汗ビッショリだったのでユースに戻りシャワーを浴び、近くの店にビールを飲みに行く。しかしアルコール類は10時45分までだと言われ諦めて帰る。角の雑貨屋でフルーツとジュースを買い、食堂で食べようと思ったら、こちらは11時までしか使えないそうで鍵がしまっていた。仕方ないので3階の廊下にあるテーブルで手紙を書きながら食べた。もう一つのテーブルでは日本人男性二人が仕事の話をしていた。12時過ぎに部屋に戻る、今日は自分が最後のようだ。


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