4月30日

California League (A)

LANCASTER JET HOWKS VS HIGH DESERT MAVERICKS

ランカスター・ジェットホークス VS ハイデザート・マーべリクス

The Hangar Lancaster , CA(カリフォルニア州 ランカスター) 


8時ちょい前に起床。妻はすでに起きて化粧をしていた。今日は陽射しの強いところへ行くので、ガードも念入りだ。気温は高くないが、車に乗っていても日焼けはする。私は男なので何もしてないが、鏡をみると随分黒くなった気がした。昨夜買ったケロッグに牛乳をかけた朝食。ホテルはコーヒーのサービスだけ。

夜まで戻らないので、忘れ物が無いようにチェックして、9時半頃に私の運転で出発。今日は日帰りで100キロほど北の町ランカスターまで行くのだが、その前に、明日、明後日のドジャースのチケットを購入する為にドジャースタジアムへ寄って行く。ハリウッド大通りから101号ハイウェイで南下。10分ほどで110号とのインターになるので、それを東に向かうと、すぐにドジャースタジアムの標識が出て来た。高速を下りると大きなT字路になり、球場の丘に面してる道路を右折した。一番近いゲートはすぐにあったが、門が閉まっていた。ここからは入れないらしい。この時間に訪れるのはチケット購入などの少数なので、正面以外は閉まってるのは当然だった。すぐに引き返し最初のT字を通り越すと「Ticket」の標識があった。それに従い狭い坂道を下ると、住宅地のような所を少し通り、今度は上り坂になった。道は広く綺麗になって、両脇に高いパームツリーが並ぶようになった。

交通量も少ないので気分も上々。大きな交差点も通り越して更に進む。案内標識は出て来ないので不安になるが、なるべく球場のある右へ、右へ、と進んでいくと、次のゲートにぶつかった。しかし、ここも最初のゲートと同じように、ネットの門は閉まっていた。「おかしいなぁ?」と思いながらも、元の道を進むと、住宅地のような場所に出た。並んでいる家は、あまり綺麗ではなかったが、危険な感じはしなかったので、車を停めて地図を見る。標識にある「Solano Av.」を探すと、なんと球場を一回りしてしまっている。少し進むと漢字の看板がたくさんあった。チャイナタウンの近くまで来てしまったらしい。更に進んでハイウェイを下りた場所に戻る。

気を取り直してもう一度挑戦。何の事は無い、途中の大きな交差点でエリジアン・パーク通りElysian Park Av.を右折すれば、すぐに正面入口だったのだ。信号機の表示も見逃していたようだ。車で来る人が殆どなので、入口はまるで高速道路の料金所のような感じだが、時間が時間なので開いてるのは1つだけ。係に、チケット購入が目的だと告げると、「青いラインを進んでください」と言われる。地面を見ると、アスファルトに青いラインが引かれている。青ラインにそって球場の周りをグルグル進んでいくと、最初は大回りだったが、徐々に建物に近くなり、最後の急坂を上がりきると、比較的小さな駐車場スペースになった。ここが終点のようだ。

駐車場には15台ほどの車が停まっていて、平べったい建物の中央にある売場では、チケットを買い求める人が並んでいた。窓口は3〜4ヶ所開いてるので、全く混雑はしていない。2〜3人待っただけで、すぐに私の順番になった。真面目そうな中年男性の係は「今夜のゲームですか?」と聞いてきたので、「明日と明後日のチケットが欲しい」と答えた。彼はパソコンを操作して発券し、それを見せながら「とても良い席です」と言った。日付を確認しカードで支払う。チケットは両日とも2階席だったが、ホームプレートのほぼ真後ろ辺りだ。専用の封筒にチケットと一緒に、ドジャースのシールを数枚入れて渡してくれた。

すぐ横の門が開いていたので「少し見ていこうか」と中へ入る。そこは5階席のコンコースで、2〜3歩進むと、迫力ある球場全体を見下ろす事が出来た。最初の出会いが、こんな高い所からだったせいもあるかもしれないが、「これほど太陽の下が似合う球場があるだろうか」と思うくらい、初対面のドジャー・スタジアムは美しかった。清掃係のオジサン達が休んでいる、すぐ横の最上段の椅子に座り暫しボーっとする。レフト後方の丘には「THINK BLUE」の文字が輝いていた。その後、5階にあるグッズショップを少し見て車に戻った。チョコチョコと訪れるチケット購入者の中には日本人グループもいた。

帰りも一般道で迷う。無難に来た道を戻れば良いのに、直接5号ハイウェイに乗ろうと反対方向へ出たせいだが、後で地図を確認するとエコパークEcho Parkと言う地区辺りをグルグル回っていたようだ。近道しようと思ったのに、すごい遠回りと時間の無駄をしてしまった。それでも、なんとか2号の入口を発見し、そこを経由して5号に乗る事が出来た。後は北を目指せば良いだけだ。

5号は西海岸では最も主要なハイウェイなので、ロスを離れるにつれ、他のハイウェイがどんどん合流してくる。10マイルも走るとサンフェルナンド・バレーで、ロスのハイウェイは1本になる。それでも、とても広く車線も多いので渋滞はしていない。標識には「↑North Sakurament」と書かれている。すぐに州道14号との分岐になり、本線から比べたら極小さな集団はランカスター方面へ。交通量も、車線も少なくなり、なんとなく落ち着いて走れるようになった。

ハゲ山の景色が続き、道はかなりの登り勾配だ。車線も2車線になったり3車線になったり。最終日にドジャー・スタジアムで再会する約束のKさんに、チケットが取れたら連絡する事になっていたが、途中の出口で出てくるのは、山沿いの小さな町ばかり。電話を探すのにも苦労しそうだ。それよりもガソリンがちょっとヤバそうだ。しかし、そんな心配をよそに妻は「花が綺麗だねー」ハゲ山には大きな木は無いが、所々に背の低い花が咲いている。確かに色も濃くて、種類もたくさんあるようだ。牧場なのか?放し飼いの馬がいたところもあった。

なんとか山道を抜けて、地図だと割と大きなビンセントVincentの町を過ぎると、とても綺麗なパームデール湖Lake Palmdaleが見えてきた。高架道路から見ると、緑の中に街があるような美しい景色。それを過ぎるといよいよランカスターだ。さすがにマイナー・リーグがある町だけあって、出口もたくさんある。暫く行くと左手に球場の照明塔が見え、その先のI通りAvenue Iで下りた。ロスから約1時間半。

I通りからバレー・セントラル通りValley Central Wayに入ると、すぐ左手が球場で、そのまま駐車場に。球場正面には真上を向いたジェット機が飾られて、今にも飛び出しそう。駐車場には3台ほど車が停まっていて、私達もその近くに停める。すぐ横の車の窓には何故か?漢字の「弟」と言うステッカーが貼ってあった。横の扉が開いていたので中へ入ると、ショップに女性店員が一人いたので、「トイレを貸してください」と言ってグランド方面へ。ショップや事務所がある建物と、スタンドの間の通路をカートに乗ったオジサンがいたので、トイレの場所を聞いた。1つしか開いてないトイレで妻と順番に用を足して、スタンドへ出ると選手が一人だけノックを受けていた。

チケット窓口はまだ開いてなかったので、来た道を引き返し、高速も越えてI通りを東に進んだ。少し行くとガソリンスタンドが2軒並んでいた。手前の店に入ると、カードは使えないと言われたので隣りの店に行く。カード不可の店は結構あるようだ。給油を済ませ、店内でパンとお菓子を買って、I通りを再び西へ向かった。

球場の向いの映画館を過ぎると、大きな建物はほとんど無くなり、車線も上下1車線づつになる。交差する道は40th St. 、50th St.、60th St.と10刻みの名前だったが、間にあるはずの一桁の道は、45や55で舗装されてない農道があるだけで、それ以外は全く確認できない(たぶん無い)。遠くまで草原の景色が続き、道路から少し引っ込んだ所に、映画で見るような古い農家?がポツラポツラとあるだけ。木の電柱が更に田舎の風景を感じさせてくれた。80th St.を過ぎた辺りから草原に少しづつオレンジ色が目立つようになってきた。ランカスターに来たもう1つの目的、野生のカリフォルニア・ポピーだ。前にも後にも他の車は全く見えない。

途中大きなカーブがあったが、そのまま道なりに進み、両脇は低い岩山になった。オレンジの占める割合はどんどん大きくなっていく。岩山を過ぎると視界が広がり、ほとんどオレンジ一色の景色が飛び込んできた。間もなく右側に石の門が見えてきた。門と言っても周りには塀や囲いは一切無く、入口の目印の為だけにあるようなもの。そこから入って緩やかな丘をクネクネと登り、料金所で4ドル払うと、園内パンフレットをくれた。アンテロープ・バレー・カリフォルニア・ポピー・リザーブAntelope Valley California Poppy Reserveは、名前のとおり州の花でもあるカリフォルニア・ポピー(ゴールデン・ポピー)の保護区となっている州立公園。

料金所から少し上った駐車場には30台ほどの車が停まっていて、ポピーを見に来た人達が出入りしていた。場所的なこともあり、人数の割に駐車場はとても静か。そこから階段を上がった所にセンターハウスと言う施設建物がある。それほど大きな建物ではないが、周りの景色のせいで一層ポツンとしているように見える。そこから先は、なだらかな丘陵が広がっており、遠くまでオレンジの絨毯が敷かれているよう。丘には幅1〜2メートルの散策トレイルが景観を損ねない程度に続いていて、それなりの人が歩いていた。高い木は全く無いので遠くまで見渡せたが、全てのコースを回るのは大変そうだ。まず、西側の丘を上っていくと、ここが一番観光客が多く、狭い道をすれ違う時も挨拶をしたり、カメラを持っていると「撮りましょうか」と声をかけてくれるし、とても気持が良かった。綺麗な花に囲まれていると自然と優しい気持になれるのか?花好きには優しい人が多いのか?

センターの裏側は、奥の方まで幾つも丘が連なっていて、こちらは西側の丘よりも人が少なかった。案内標識もトレイルの距離が書いてあるので、お年寄りとかはこちらには登らないようだ。傾斜もきつい場所がかなりある。人が通れるようになってるといっても、足元は乾いた砂地なので歩き難い。誰も見えなくなった所で、石のベンチに座ってG.S.で買ってきたパンを食べる。虫が寄ってきたが、ここの虫は払っても払っても全然逃げない。その後はもう1つ奥の丘にも登ってみた。頂上には小さな石塔があり、四方の眺めが何なのかを示していた(SanGabriel Rangeなど)。後から登ってきた女性2人は日本人だったので「こんにちは」と挨拶した。暫くそこにいたが他には誰も登ってこなかった。帰り道は草の間からトカゲが何回か飛び出してきて、その度に妻が「キャー!」と悲鳴をあげていた。私はトカゲよりもその声に驚かされた。トカゲは見た事もない種類で、緑やオレンジの綺麗な色をしていた。

センターハウスの中は、小さなお土産コーナーと、ポピー・リザーブの絵や写真が展示されていた。周辺の動植物の生態系も写真や標本で紹介されていて、ウサギ、カンガルーラット、シカ、コヨーテやBobcatと言う大山猫も生息しているらしい。Badgerはアライグマに似ているがあまり可愛くない。鳥や蛇、トカゲも数種類紹介されていた。ポピー以外の花も紹介されていて、今日ポピーの合間にチラホラ見えた青い花はBlueSageと言うらしい。たぶん。季節によって眺めも大きく変わるようだが、見頃はやはり3月〜5月。でも、年によって当たり年、外れ年あるようだ。家でも楽しみたいのでポピーの種を買って車に戻った。

そろそろセンターも閉まる時間なので、駐車場も出て行く車が多い。石の門を出た所でも、道路の両脇に車を停めて写真を撮ったりしている。道沿いは丘ではないが、やはり一面ポピーが咲いている。駐車料金を払いたくなければ、中に入らなくてもポピーは楽しめるのだ。 どこから見てもスゴイ眺めだった。花が大好きな妻もトカゲの事を除いて大喜びだった。

帰り道もしばらく花を眺めながらゆっくり走っていたが、後の車が急いでそうだったので路肩によけて止まったら、その車も追い越して100メートル先くらいで停車した。「なんだよ?」と思ったが、ちょっと気味が悪いので暫く停まっていたが、なかなか発車しない。通りは少ないのでちょっと不安だ。後から来た車の後に続いて発車したが、さっきの車は少し離れて付いて来る。町に近づいて車も増えてきたので忘れかけていたら、球場の手前でさっきの車が猛接近で煽って来た。球場のところで右折するはずが、焦って一本先のハイウェイ入口で曲がってしまった。その車は真っ直ぐ行ってしまった。なんだったんだ!?仕方ないのでハイウェイで1つ先の出口まで行く。

下りた道路はJ通りAvenue Jで、さっきの道とは違い、スーパーなどの大型店が隣接する比較的賑やかな場所だった。中央にはバレー・セントラル通りがクネッと通っていて、ここを真っ直ぐ行けば球場にも戻れそうだ。まだ試合開始までは2時間くらいあったので、ここで暫く買物ついでに休んでいく事に。公衆電話もあったのでKさんに電話するが、あいにく留守だった。

店の前に警察官が常駐しているウォル・マートに入り、衣料品売場でドジャーズの帽子を発見。何種類もあって安かったので、ちょっと変わったデザインの物を購入。妻もサンバイザーを買った。食料品も買おうと思ったが、他には日曜大工と園芸用品の売場(デカイ)しか見付からず、隣りのFood4Lessと言うスーパーマーケットへ。とても広い売場に商品もたくさん置かれていた。パンとスパム缶、バラ売りのトマト、リンゴ、バナナを買った。レジはとても混んでいた。

まだ時間があったので、同じ並びのパンダ・エクスプレスへ入った。オンタリオ・ミルズの時と違い一軒家で、マックやミスドくらいの大きさ。まずお盆を持ってカウンターで注文すると、店員がその場で盛付けてくれ、清算して各自テーブルへ。待ち時間はほとんど無い。私はオカズが3種類選べるプレートでチャーハン、焼そば、あんかけ唐揚げ、鶏肉の炒め物、妻はマンダリン・ボウルという焼鳥丼みたいのを食べた。壁にはパンダの写真が飾られてた。時間帯の割にお客はそこそこ入っていた。隣りのテーブルには、どうみても買物途中のオバサン2人が座っていたが、この時間にこんなに食べて、家でも夕食を食べるのだろうか?

そのままバレー・セントラル通りを北へ向かうと、2〜3分で球場に着いた。さっきとは違い駐車場入口には係が立っていた。手持ちの現金が少なくなってきていたので、道路の反対側の砂利の無料駐車場に停めようかとも思ったが、一台も停まってないし、もし盗難にでも遇ったら厄介なので、2ドル払って球場の正面に駐車した。すでに開門になっていて、入場者もボチボチ来ていたが、外は日が落ちて寒くなってきていたので、私達はギリギリまで車の中にいた。隣りに停めた老夫婦も同じ考えのようだ。彼らは厚手のジャンバーまで着ている。

6時50分になりチケットを買って入場。マイナーの球場ではたいてい一番良い席を買うのだが、財布が寂しくなってきていたので芝生席の次に安いReserved(6ドル)にした。1塁側でファースト・ベースのやや後あたり。人気が無いのか?一応最前列だった。でも、満席にはなりそうもないので、空いてればどこに座っても大丈夫そうだ。フィールドではジェットホークスの選手達が夕日を浴びながら軽く練習していた。

ランカスター・ジェットホークスはアリゾナ・ダイヤモンドバックス傘下のシングルA球団で、初日、5日目と見てきたストームやクエークスと同じくカリフォルニア・リーグに所属している。チーム名の由来は近くに空軍基地がある事から。入口にあったジェット機が象徴的だが、レフト後方の電光掲示板にはスペースシャトルとステルス爆撃機まで描かれていた。ユニホームはノースリーブの縦縞だが、黒と黄色の基調だ。

対するハイデザート・マーベリクスは上が黒、下がグレー、文字が赤のユニホーム。本拠地のアデラントAdelantは、ここから100キロほど東の高地砂漠地帯(ハイデザート)にあり、地域名もそれを名乗っている。マーベリクスと言うのは一匹狼、異端者、はぐれ者と言う意味。ミルウォーキー・ブルワーズの傘下だ。

間もなく国家斉唱となり試合開始。観客はネット裏でも疎らで、外野方面(内野席だが)には殆どいない。場所柄かもしれないが今日が一番寒そうだ。これまでの試合では何人か見かけた半袖の強者は一人もいない。それどころか毛布を持参して頭から被って観戦という人までいた。少し離れた売店までコーヒーを頻繁に買いに行く。ジっとしてると凍えそうだ。

3回までにコーヒー(2ドル)を2杯づつ飲んだが、それも効かなくなりグッズショップに一時非難する。広くて品数も多いが、なによりこの時は暖かさが有り難かった。少し時間をかけて見ていたが、トラベラーズチェックを上手く使って現金を増やす事も計算していた。 いつも通りの帽子とペナントの他には、ピンバッヂと長袖Tシャツを買った。店員のオバサン2人はとてもフレンドリーで「楽しんでる?」「いつまでいるの?」と何かしら話し掛けてくる。それからこの球場には警備員が常駐していて、ショップ内にも黒い制服のガッチリした黒人男性が休めの姿勢で隅に立っていた。店を出るとき彼にも挨拶すると、帽子に手をやりニッコリした。

席に戻ると、周りに観客が増えていた。7〜8人のグループの若者が来たようだ。グループの中には東洋系の人も3人くらいいた。試合も動きがあったようで4回裏にジェットホークスが2点を先制していた。フィールドではイニング間のアトラクションが行われており、どうやら夫々が作った紙飛行機を飛ばして、15メートルほど先に置かれたフラフープに入れるゲームらしい。5回が終わり2−0でランカスターがリード。

6回表マーベリクスは4番バッターのジョンソンKade Johnsonがライトオーバーの2ランホームランで同点に追いついた。と言うのも束の間、その裏ジェットホークスはサンタナMayo Santana、リッカーDanny Richarのタイムリーなどで大量5点をあげ試合をほぼ決めた。人数は少ないがスタンドが一番盛り上がった瞬間だった。私達の周りにいた若者達も大きな声を出していた。イニングの合間に係が投げ入れるピーナツの袋をキャッチした時も、彼らは大騒ぎしていた。彼らが盛り上げてくれてたので、ガラガラでもそれなりに楽しんで観戦できたが、寒さだけはどうにもならなかった。6回を終わり7−2でランカスターがリード。

コーヒーは5杯くらい飲んだろうか?7回表が終わりセブンス・イニング・ストレッチとなった。みな起立すると、まずはゴッド・ブレス・アメリカのテープが流れた。私はスタンドの様子を写真に撮ろうとしていたが、回りの若者達は起立はしてるが、歌ってる人は少なかった。ポケットに手を突っ込んだまま隣の人と話をしている者もいた。「照れてる人が多いのかなぁ?」と思ったが、Take me out to the Ball gameになった途端、みな元気に大声で、振りまで付けて歌いだした。私のカメラの方に向かって手を振る者までいた。「う〜ん?」確信は無いが、愛国心丸出しの歌にうんざりした気分を、本来の野球を楽しむ歌で振り払っているようにも感じた。「日本人旅行者よ勘違いしないでくれ。こっちが俺たちの歌なんだ〜」と言っているようだった。

時刻は9時半を過ぎたところで、ここで私達は席を立った。観客席の後の芝生では子供達が野球をやって遊んでいた。今回の旅行では、マイナーは3試合とも試合終了まで観ることが出来なかった。そのくらい寒かったのだ。帰りは妻の運転ですぐにハイウェイへ。乗口からは球場内の様子がよく見えた。試合はまだ続いている。ようやく車内の暖房が効いてきた。

夜の14号ハイウェイはパームデールの夜景がとても綺麗だったが、それを過ぎて山道に入ると、道路がとても暗くて怖かった。日本の高速道路と比べると信じられない暗さだ。しかもかなり下り坂が続いていたので、スピードがどんどん出てしまう感じ。妻に「大丈夫かよ?」と聞いたが、「えっ?大丈夫だよ。眠くないよ」と言う答え。運転している方はそれほど怖さはないようだ。交通量は思ったよりも多くて、5号に合流する頃はあまり車間距離もとれないくらいになっていた。

5号に乗ってようやく道路が明るくなったが、たくさんの車線を競争するように走る車群の中で「こっちの方が何倍も怖いよ」と妻。運転を代わってやりたいが、ここからはナビの方も大変なのだ。行きは合流、合流と簡単だったが、帰りは何回か分岐してハリウッド方面まで行かなくてはならないのだ。地図と前方の看板も互いに確認して170号へと進む。車線が多いので指示が遅れると間に合わなくなる。なんとか間違わずに101号までやってきたが、最後の出口を1つ手前の「Hollywood Bowl」で下りてしまった。「Hollywood Blvd.」とよく似ているので見間違えたのだ。すぐに気が付いたが「近いから、まあ良いや」とそのまま走っていくと、ハリウッド・ボウル辺りで50台くらいのオートバイの集団に出くわす。「暴走族!?」まるでそんな感じだった。周りを囲まれたまま暫く一緒に走る事になる。悪さはしなそうだが、接触しそうなくらい近くを走り抜けていくので、妻は「ぶつかるー!怖いよ〜」を連発してた。道はそのままハイランド通りになり、ハリウッド大通りへ出ると、族は反対方面に行ってしまった。ランカスターから約1時間で無事ホテルに帰ってきた。

妻が風呂に入ってる間に、フロントにテレビのリモコンを借りに行くと、フロント係と客の黒人の大男が揉めていた。ちょっと怖かった。リモコンは忘れていた訳ではなく、デポジットを5ドル払って借りるシステムだったらしい。私も風呂に入って午前2時ごろ寝た。


試合結果 ランカスター8−4ハイデザート 勝ち投手Scott Barberバーバー 負けレイKen Ray ホームラン ジョンソン(ハイデザート)、ディローサMike DiRosa(ランカスター)

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