4月25日

    American League 

ANAHEIM ANGELS VS BOSTON REDSOX

アナハイム・エンジェルス           ボストン・レッドソックス  

Edison International Field  Anaheim , CA


やはり時差ぼけの影響で夜中に何度か目が覚めた。禁煙部屋なので駐車場に出てタバコを吸う。キャンピングカーの横を通ったとき、防犯装置のホーンが鳴って焦った。6時15分に目覚ましが鳴ってちゃんと起きる。出かける仕度と、今日の予定を話して7時少し前にチェックアウト。空はどんより曇っている。今日は目的地のアナハイムの前に、ニューポート・ビーチへ行こうと思っていたが、昨日のAAAでそこだけ地図を貰い忘れてしまった。だから、まずAAAへ寄っていく事にするが、すぐにハイウェイに乗ってしまうのも面白くないので、湖沿いのレイクショア・ドライブLakeshore Dr.を通っていく事に。

交通量は多くはないが、通勤の車がそこそこ走っているので、景色を見ながらゆっくり走るのは少し気が引ける。途中グラハム通りGraham Av.と言う名前になるが、店舗や教会が集中しており、この辺が街の中心か。眺めの良さそうな場所で車を停め、湖畔近くまで歩いてみた。天気のせいか対岸は霞んでいてよく見えない。

州道74号との交差点を右折すると車が急に多くなった。みな15号に乗るようだ。まだ早い時間だが通勤ラッシュなのだろうか、ハイウェイは凄い交通量だ。それでもスピードはそこそこ出てるので、コロナには8時前に到着した。しかし、AAAのオフィスはまだ閉まっていた。「朝早く事故したりする車もあるのだから開いてるよ」などと思って来てみたが、ドアには「OPEN am9:00‐」と書いてある。1時間も待つのも馬鹿らしいので、地図は諦めて再び出発。ビーチまではエイビスの大雑把な地図でもなんとか行けるだろう。

すぐに15号から91号のインターチェンジとなる。来る時は車線の関係で使わなかったが、巨大な立体交差には圧倒される。それほど都心部ではないのにこの設備。さすが車社会と言われるだけの事はある。91号も交通量は多く、みな飛ばしている。いくつかの分岐と合流を過ぎ自分達が向かう55号線が近づく。分岐は「外側車線から」と決め付けるのは危険だ。比較的大きな道路へ分かれる場合は「内側から」の分岐も結構あった。レーン指示の標識が出てくるまでは真中くらいの車線にいた方が良い。6〜7つもある車線を端から端まで車線変更するのでは間に合わなくなるから。

空は朝から曇っていたが、55号に乗ってから更に暗くなり、フロントガラスにポツポツと雨粒が落ちてきた。雨は徐々に激しさを増してくる。ラジオは常に音楽しか鳴らしてなかったが、天気が心配なので天気予報を探す。妻が何回か選局すると、日本語の放送が流れてきた。いきなり天気の話にはならなかったが暫くこの局を聞く事に。5号との合流ポイントの手前から渋滞になった。5号は主要道路なので混むようだ。ここで初めてカー・プールCar Poolと言うものを使う事に。カー・プールとは二人以上乗った車だけが走れる車線で、「相乗りレーン」とも呼ばれている。多くのカリフォルニアのフリーウェイに設置され、たいていは一番内側の車線(追い越し車線)の路面に「CAR POOL ONLY」と白く書かれている。場所によっては進入禁止線(黄色ライン)やポールで仕切られ、途中からは入れなくなっている。渋滞しているレーンを横目にスイスイ走れるのは気分がイイ。しかし、暫く行くとカー・プール車線も渋滞となった。

5号線を超えると一気に走れるようになった。天気もこのあと回復してくるようだ。405号、73号と突っ切り、まもなく55号のハイウェイ区間は終点となり、そのままニューポート大通りNewport Blvd.となる。両脇にレストランやショップが建ち並ぶ賑やかな通りだ。1マイル程で州道1号との交差点になったので右折する。ここからはエイビスの地図では役に立たない。もうビーチの近くまで来ているはずなので、左折して側道のような道を1号線に沿ってゆっくり走る。左手の家と家の間からは砂浜が見える。突当りの広くなってる所で、前を走っていたゴミ収集車が停まったので、隣りに停めて道を聞く。運転手の髭のオジサンは「2ブロック戻ったバルボア通りを行きなさい」「貸し自転車屋もあるよ」と教えてくれた。私が「日本の旅行者です」と言ったので、「ようこそUSAへ」と別れ際に手を振ってくれた。

途中一通になるので1号に一度出てからバルボア大通りBalboa Blvd.へ。上下2車線づつの狭い道(実際は全然狭くない)はなんとなく落ち着く。道沿いの商店もリゾート地っぽくなってきた。ニューポート・ビーチNewport Beachはロス近郊の有名なビーチの一つで、庶民的で若者にも人気がある。バルボア半島Balboa Pen.を中心に内海、外海と独特な美しさを持ち、またショッピング、レストラン、アクティビティ施設(ボート、サーフィン、サイクリングなど)も充実している。

半島の付け根から少し奥に進み、道沿いにあったアルバート・サンズAlbert Sonsと言うスーパーマーケットに入った。敷地内にレンタサイクルの店を見つけた為だが、腹もペコペコだった。スーパーの一角にはスターバックスStarbucks Coffeeがあり、パンとドーナツを買って車内で食べる。時刻は9時半。自転車屋が開くのは10時と書いてある。雨は降ったり止んだりだったが、時おり陽も射してきていた。駐車場にはカモメが餌を求めて飛んで来てた。パンをちぎって投げると、飛びついて更に寄って来る。

10時を過ぎ自転車屋が開いたので、車を店のすぐ前に移動した。Let It Roll Bike Shopと言う店で、レンタルだけでなく販売、修理もやってるようだ。店内には数十台の自転車がきちんと並べられていて、ハンガーに水着が何着もかかっていた。これもレンタルのようだ。入口横の小さなカウンターにDバックスのカウンセル似の青年がいたので、幾らか尋ねると1時間5ドルとの事。2台借りる手続(デポジットの代わりに、カードのコピーを取られる)をすると、青年が赤と黒の自転車を出してきた。新しくて綺麗でカッコ良い形をしている。ビーチ・クルーザーと言う種類らしい。テーブルにビーチの地図が敷いてあったので、今いる場所と主要ポイントへの所要時間を教わって出発。

大通りをビーチの方へ向かって行くと、途中の内海側にはいくつもヨットが停泊していた。晴れてきて、歩道にも人が多く歩くようになった。みな遊びにきてる人っぽい。私も気分はウキウキなのだが、自転車になかなか慣れない。ビーチクルと言う奴はハンド・ブレーキが付いておらず、ペタルを逆回転させて停まるのだが、初めて乗ったのでとっさの停止が出来ない。交差点では転びそうになり、車に引かれそうにもなる。妻は以前乗った事があるそうで、すぐに慣れたようだが、私は車が通るとすぐにチャリから降りてしまい、まるで田舎のオバちゃん状態だった。街中を走っているバスはエンジェルス仕様にペイントされている。そう言えばチームの主砲トロイ・グロースTroy Glausはこの町の出身らしい。

18th通り(と言っても路地みたいな道)から砂浜側に出た。右手にニューポート・ピアNewport Pierと言う桟橋が見える。それを後に遊歩道を南に進む。右手に砂浜、その向こうに海。左手にオシャレな家が建並び、パームツリーがたくさん見える景色。とても気持ち良かった。幅3メートルほどの遊歩道には中央線と進行表示が書かれ、すれ違う人がいてもぶつからないし、交差点も車も無いので、快適なサイクリングになってきた。庭でバーベキューしてる家族や、日光浴してる人、大工さんが改築作業をしている家もあった。どの家も奥行きはそこそこあるが、浜に面してる側は広くはない。大豪邸と言う感じの家も無かったと思う。海までは150〜200メートルくらいだろうか、浜にいる人は少ない。

20分ほど走りバルボア・ピアBalboa Pierの袂へ着いた。工事している駐車場のせいで、遊歩道は途切れている。周りにはたくさんのパームツリー。桟橋は自転車やローラースケートの乗入れは禁止なので、降りてチャリを押しながら歩いた。幅10メートル、長さは200メートルくらいか。往来する人は多いが、皆のんびりした雰囲気。

再び遊歩道を南へ。しかし、数百メートル進んだところで道は途切れていた。半島の先端までは残り1キロ程なのだが・・・。この辺は半島の幅が一番狭いところで、海までも数十メートル。砂地でも植物が生えていて、花もたくさん咲いていた。ビーチバレーのコートには誰もいない。「別の道を探そう」と路地からバルボア通りへ出た。こちら側も道沿いの家のすぐ裏は内海だ。すこし北に戻ると、店が集中して賑やかな通りになった。交差してるメイン通りを左折すると、さっきのピアの入口に戻ってしまった。交差点の土産物屋のウィンドーに地図が貼ってあったので、近くを歩いていたビーチ・ガールに「ここはどの辺りですか?」と尋ねると、「私も詳しくないの」と言う答え。やはり旅行者が多いのか。交差点から見回すと、メイン通りの突当りに変わった建物があった。トンガリ屋根の下に「BALBOA PAVILLION」と書いてある。バルボア・パビリオンはビーチのシンボル的存在で、内海のどこからも見える観光ポイントの一つ。小さな遊園地があり、バルボア島行きのフェリーもここから出航する。現在地が分かったので、地図を確認して再び大通りを南へ。住宅街の中のパームツリーは、手入れがマチマチで、葉っぱも髭も伸び放題。中には恐ろしくデカイのもあった。家と家の間の狭い道を抜けて、半島先端の公園の入口に着いた。

ここからは舗装はされてないが、わりと硬い砂地なのでチャリのまま入れそうだ。チャリを押して少し行くと砂浜が開けていて、歩いたり、日光浴したり、波打ち際で遊んだりと、大勢の人が来ていた。海辺には何艘ものヨットが浮かんでいる。内海側は石の断崖になっていて、高さはそうでもないが、けっこう急だ。入江の入口の幅は2〜300メートル?対岸は小高い丘で、急勾配の斜面には別荘っぽい家が、適度な間隔で建っている。とても気持ちの良い場所だった。晴れて良かった。

帰りはバルボア通りをしばらく行き、小さな商店街をぬけてから遊歩道に出た。浜辺には行きよりも多くの人が出ていた。バレーやバスケ(砂浜にゴールが立っている)をやってる子供の団体もいた。ニューポート・ピアを通り越すと、マリン・ショップやブティックが建並ぶメイン駐車場になる。日帰りで来てる人の多くは、ここか路上にコイン駐車(15分¢25)している。

路地から大通りに出て、自転車屋に戻った。約2時間だ。カウンセルが「楽しかった?」と聞いてきたので、私も妻も「イェー!」。レンタル料を支払うと、彼はカードのコピーを破った。隣りのスーパーで食材を多めに買って車へ。3時間以上停めていた訳だが、スーパーなので当然タダ。もう一度ビーチへ向かい、絵葉書が安かったレコード屋へ。駐車違反の取締りが厳しく、パトカーが常にうろうろしているので、私は車内で待つ事に。妻がダッシュで、美しい絵葉書を数枚買ってきた。

来た時とは逆に1号からニューポート大通りへ。ハイウェイに乗るまで何回か右左折したが、55号の標識が常に出ているので迷う事はなかった。一般道の部分は多少混んでたが、乗ってしまえば早い早い。10分ほどで5号との分岐へ。巨大なインターチェンジは外側からも内側(カープール)からも、5号サンタアナSantaAnaへ乗る事が出来るようだ。5号は西海岸全域を縦断している主要道路だけあって、とても広かった。空いていたので57号との分岐にはあっという間に来た。エジソン・フィールドにはどちらからでも行けるが、そのまま5号を直進。サンタアナ川SantaAna Riverを越え、ステート・カレッジ大通りState College Blvd.へ降りる。少し行くと右手にエジソン・フィールドが見えてきた。巨大な赤い二つの帽子はやはり目立つ。

球場の前あたりまで来て道路の反対側に、今夜泊まる「Angel Inn」の看板が見えた。住所ではカテーラ通りKatella Av.となっていたが、ステート・カレッジにも面してるようだ。交差点を左折してカテーラからホテルの駐車場に。敷地はL字型をしていて、2階建ての長細い建物が2棟。Lの角の部分にはプールがあった。カテーラ側の棟の道沿いにガラス張りのフロント室があり、東洋系の中年男性が笑顔で迎えてくれた。予約してる事を告げると、リストを確認して「○○さんデスネ」と日本語で応答してくれた。「ニホンのナマエとてもナガイネ」と言ってるので、日系人ではなさそう。3泊分を前払いしてキーを貰う。フロント横の階段を上がって205号室へ。室内もベランダの通路も昨日のホテルよりは綺麗そうだ。日当たりも良く、窓からエジソン・フィールドも見える。午後1時50分。

買ってきた食材でサンドイッチを作り昼食。その後は、妻は友人宛ての絵葉書を書いていたが、私はドジなことに住所を書いたメモを忘れてきたので、テレビを見ながら休憩。「もうじき書きあがるよ」と妻が言うので、フロントに郵便局の場所を聞きに行く。係は東洋系の女性に代わっていたが、彼女は日本語は話せないようだった。「明日で良ければ、配達人が集配もしてくれるので、フロントで預かりますよ」と言ってくれたが、切手を貼ってないと駄目らしい。ポストもすぐ近くにあるらしいが、こちらも切手が無いので駄目だ。彼女は郵便局の住所を調べてくれ、私が持っていた地図を見始めたが、目が悪いらしく、細かい地図に苦戦していた。「私が見ますよ」と地図をもらうと「Ball Av.」はすぐに見付かった。部屋に戻ると、ちょうど妻は書き終えたところで、車で郵便局へ。ステート・カレッジ通りから踏切を渡って、2本目のボール通りを左折。両脇は店舗が並んでいるが、道路と同様にゆったりしたスペース。陸橋で5号ハイウェイを越えると、左手にはディズニーランドが。ポスト・オフィスはそこから少し先の左側にあった。Uターン出来そうもないので、一度右折して住宅地の中で方向転換。信号待ちをしてると、横の家の庭に、紫色の花をたくさんつけた大きな木があるのを発見。「Kさんが言っていたのはこれかぁー?!」。ボール通りに戻り郵便局へ。3人の窓口係はみなアジア系だった。

帰りは、明日行くディズニーランドを下見して行こうと、ディズニーランド通りDisneyland Dr.で右折。地図だと、この道は敷地の中を通り、カテーラ通りに繋がっている。しかし、曲がるとすぐに4〜5車線に分かれ、中央のスロープの車線が高速入口のように見えたので、「マズイ!」と思い、右側の立体駐車場の方に行ってしまう。「こっちもマズイよなぁ」と思ったが、一方通行を逆走する訳にもいかず、そのまま係のいるゲートへ。「間違いました」と言うと、係のオネーさんはワイパーにピンクの紙を挟んでくれ、指で「グルッと回って行きなさい」と指示した。「ごめんなさい」と言うと、笑顔で「いいのよ」。言われたように左の方から回って元の場所へ。ボール通りに戻れたが、ピンクの紙は特に必要なかった。ちょっと失敗したが、下見の役目はまあ果たした。ピンクの紙をピラピラさせながら、アナハイム大通りAnaheim Blvd.からカテーラへ。5号の乗口の花壇がとても色鮮やかだった。

ホテルに戻ると、フロントの女性が身を乗り出して、OKサインで聞いてきたので、ドア越しにOKと返した。時刻は4時半で、少し早いが球場へ向かう事に。ホテルの駐車場を貫け、ステート・カレッジ通りを歩いて正面の駐車場入口に。信号待ちをしていると、ダフ屋が話し掛けてきた。「必要無いよ」と断ったが、彼が話しつづけてるので、適当に相手をした。旅行者だと言うと「俺も旅行好きだ」「ラスベガスはイイぞ、俺は4回行った」「お前らは行かないのか?」と言った感じだった。信号が変わったので大通りを渡った。ダフ屋の彼は、信号待ちの車に声を掛け始めた。

まずは道路沿いに建てられた巨大な「A」が入場者をお出迎え。正面ゲートに続く道は、大きな街路樹が一直線に植えられていて、広い駐車場を引き締めていた。エジソン・インターナショナル・フィールドEdison International Field of Anaheimは1966年築のメジャーでも比較的古い球場だが、98年に大改築され、明るくてアートな外観は、観戦前の気持ちを更に楽しくさせてくれる。

巨大帽子の下には、すでに多くの人が集まっていて、20〜30人の入場を待つ列も出来ていた。チケットを求める人も売場窓口に詰め掛けていたが、「WILL CALL」の窓口はまだ閉まっていた。「何時から?」と聞くと5時半だと言う。まだ、かなりあるので、私達は球場の周りを歩いてくる事に。広〜い駐車場はグルッと360度球場を取り囲んでいる。各ゲートには熱心なファンがすでに並んでいた。裏手にはハイウェイが通り、それを潜って鉄道も通ってるようだ。巨大な「A」は裏側にもあった。鳥の声がしたので探してみると、敷地内のヤシの木にヒヨドリのような鳥が留まっていた。カメラを向けると「ピタ」っと鳴きやんだが、離れるとまた良い声で鳴きはじめた。

正面に戻ると、ウィルコール窓口も10人くらいの列が出来ていた。レッドソックスのグッズを見に付けている人が多い(うちの妻もだが)。最後尾に並ぶと、すぐ前のお爺さんが「私はマサチューセッツから来た」と言い、その前のオバサンも「私もよ、どこの町?」などとやっている。5分ほど並んでから、窓口に「A〜G」「H〜N」などと書かれた紙が貼られている事に気付く。「あの意味は何ですか?」と後の人に尋ねると、「ファーストネームだよ」と教えてくれた。私達は違うところに並んでいたようだ。でも、自分の苗字のイニシャルの方が列は短かったので助かった。5時半よりかなり前に窓口は開いた。番になったのでチケットを受け取ったが、当日分しか発券してくれないようだ。交渉しても「No」と言う答え。転売防止の為か?厳しい規則だ。お陰でウィルコールの人は入場列に並ぶのは不利になってしまうようだ。

比較的人の少ない3番ゲート(正面の右側)から入場。今日は全員にサンダー・スティック(パンパン叩いて応援する棒状の風船)が配られている。他の人と同じように走って場内へ。試合前の選手を出来るだけ近くで見ようと、内野のフェンス越しは陣取り競争となる。私達もダッグアウトに近いところに、なんとかスペースを確保。妻はガルシアパーラNomar Garciaparraを目の前にして早くも興奮状態。初めは赤い練習着でノックを受けていたが、ビジター用のユニホームに着替えてからは、ほとんど1塁側のフェンス前で柔軟体操やダッシュなどをしていた。彼はアナハイム近郊の出身で、しかもレッドソックス戦は年に1回しか組まれていない。地元出身のスターを一目見ようと、詰め掛けるファンは当然多い。それに加えて遠方からも彼(チームも)のファンは足を運んで来てるようだ。

ガルシアパーラはサインには1度も応じてなかったようだ。それとは対照的にペドロ・マルチネスPedro Martinezは芝の上に座り込み、係員に指示してボールや帽子などを持ってこさせ、長い時間サインを書いていた。あとの選手はフェンス際を通って気が向けば書くと言った感じ。オルティーズDavid Ortizとリトル監督Grady Littleが、知り合いと話すために長くいたので、貰えたファンも多かったのでは。私も貰えたのは監督のサインだけだった。

開始時間が近づき、係員が入ってきて、フェンス際のファンに、自分の席に戻るように注意しだした。私達も階段を上がり本当の席へ。1階の内野席だが、ライトポールに近い所で、しかも後から2列目なので、だいぶグランドから遠くなった感じがした。国家斉唱をして、まもなくプレーボール。私は、今日のエンジェルスの先発投手ウォッシュバーンJarrod Washburnを、ファンタジー・ベースボール(現実の成績が反映されるネットでのゲーム)で持っている。直接応援できる機会は滅多に無いので、妻には悪いが私はエンジェルスを応援する事に。他に持ってる選手はサーモンTim Salmonと、旅行に合わせて獲得したスピージオScott Spiezio、ドネリーBrendan Donnelly、ウェバーBen Weber(以上アナハイム)、ティムリンMike Timlin(ボストン)。それにしても周りにはレッドソックスファンが意外に多い。1塁側に限れば3割くらいはいるのではないか?

試合はレッドソックスが3回に犠牲フライで先制し、次の回も2点を追加。エンジェルスは毎回のようにランナーを出すものの得点には至らず。5回を終わって0−3でボストンがリード。配られたサンダースティックもボストンファンが使うことの方が多かった。エンジェルス側で目立ったのは、エクスタインDavid Ecksteinの打席の時にスティックをクロスさせて「X」とやるくらいか。

ウォッシュバーンは6回にもヒレンブランドShea Hillenbrandに2点本塁打を浴び、結局7回を投げ被安打6与四死球3奪三振1の5失点と、うちのチームには貢献できなかった。彼が降板すると、私の試合への興味は薄れ、隣の妻の事が気になってきた。ガルシアパーラはここまでの3打席は全て凡退。試合は勝ってるが、妻の機嫌は決して良くない。この回に回ってきた第4打席も平凡なセンターフライ。妻も周りのボストンファンも一瞬湧いたが、すぐに溜息へ。7thイニング・ストレッチは私の周りでは「ホームチーム」のところを「レーーソックス」と歌っている声がよく聞こえた。勿論、妻も。でも、8回にエンジェルスの反撃がはじまると、大型スクリーンにラリー・モンキーが映し出され、妻も喜んで拍手していた。ビデオの作り方も凝っていて笑えた。この日一番の「パン!パン!」の大合唱の中、エンジェルスは2点を返した。

エンジェルスは9回裏もランナーを2人出したが無得点。試合は2−5でボストンの勝利となった。最後にガルシアパーラの良い守備があったので、妻も「まだ2日あるから」と元気になった。勝ち投手フォッサムCasey Fossum 負けウォッシュバーン セーブ フォックスChad Fox ガルシアパーラ4打数ノーヒット、ラミレスManny Ramirez2打数1安打、ヒレンブランド4打数2安打3打点1本塁打(以上ボストン) エクスタイン4打数2安打、サーモン4打数2安打1打点、スピージオ4打数1安打(以上アナハイム)

金曜日限定の花火を見ながら、駐車場を横切りホテルへ戻った。球場では飲物しか買わなかったので、昼食と同じようにサンドイッチを作っていたら、部屋にK氏から電話があり、10分ほどで来るという。日本から訪問中のご両親と、近くで食事をしていたらしい。2階の通路に出て待っていると、まもなく車が入ってきた。駐車場が満車だったので、車を通路の端に寄せ、真っ赤なエンジェルスのジャンパーが降りてきた。メールのやり取りは頻繁にしていたが、実際に会うのはこれが初めてだ。挨拶も手短に、今日のゲームの話や、ストームの話をした。それから野球関係の個展に行く事を勧められていたのだが、日曜日に一緒に案内してもらう事になった。その日は御宅訪問もさせてもらうので、彼の紹介はその頁で詳しく。エンジンをかけたまま、車に奥さんを待たせているので、10分ほどで彼は帰っていった。

軽い食事をして、風呂に入り、ガイド本とホテルで貰ったパンフを見て寝た。午前0時30分。


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