4月24日

California League (A)

LAKE ELSINORE STORM VS SAN JOSE GIANTS

レイクエルシノア・ストーム VS サンノゼ・ジャイアンツ

The Diamond Lake Elsinore , CA(カリフォルニア州 レイクエルシノア) 


 雲が切れて下の景色が見え出したのは、かなり高度が下がった頃で、すぐに道路や車がはっきり確認できた。湾岸沿いを走る一本道がとても印象的だった。その後また海側を飛ぶようになり、今度は島が3〜4つ連なって見えてきた。たぶんチャンネル島Channel Islandsだろう。岩肌が剥き出しで植物は殆ど見られない。雲の境目がくっきりと分かれていて、大陸側は晴れているのに、海側は薄い雲が遠くまで覆っている面白い天気。大きく旋回するとロスの街が見えてきた。低い建物が向うの方まで続いている。近くに山も見えるが、霞んでいて視界はあまり良くない。ハリウッドサインを見ようと思っていたが、どの方向にあるのかも検討が付かないまま着陸態勢に。近くで見るとマッチ箱を並べたような街並。着陸間際にドーム型の施設が見えた。「○○Dome」と書いてあった。あれは何だったのか。

 ロスアンゼルスは朝の8時。日本との時差は−16時間(夏時間)だが、1日遅れで8時間早いと考えた方が、体も計算も楽だ。機内ではTVゲームも無かったし、映画も大したのをやってなかったので、寝る事に専念できた。すぐに運転が待っているので、ビールも控えめにしておいた。時差ぼけも無く体調も良い。しかし、入国審査でかなり待たされる事に。 ロスアンゼルス国際空港Los Angeles International Airportは西海岸最大の空港で、通称ラックスLAXと呼ばれている。空港中央に位置するトム・ブラッドレー国際線ターミナルTom Bradley International Terminalには日本からも多くの直行便が乗り入れてる。

 開いている6〜7つの審査の窓口はどこも長蛇の列だが、グリーンカードを持っている人の列だけは進みが速い。やがてそこも一般に開放されるが、混雑は解消されない。結局自分の番になったのは到着から約1時間後。戦争やテロ事件の影響で、一人一人の審査に時間をかけてるのかと思ったが、マスク(SARS予防の為)を取れとも言われなかった。ガイド本によると、便が集中する時間帯はいつも混んでいるようだ。

 預けている荷物は無いのでそのまま出口へ、ガイド本の通り左手から出ると、すぐ前の道路にはレンタカー会社のシャトルが何台も発着していた。私達が予約しているエイビスAvisのバスも出たすぐ後だった。次の便を待っている間にも何社ものシャトルがやってくる。中には日本語で「さくらレンタカー」と書いてあるマイクロバスもあった。タバコを吸っている間に次のエイビスがやって来た。さすがに大手なので、荷物を載せやすい車高の低い真四角のシャトルだ。既に他のターミナルからの客が2〜3人乗っていた。私達が真中の扉から乗り込むと、運転手の黒人女性が何か言ってきたので、予約票を見せようとバッグから取り出すと、AVISの封筒を見ただけで「OK」と言われる。車内には「ご自由に」の地図も用意されていた。10分ほど揺られてエイビスの営業所に到着。

 事務所は敷地の割に小さな建物で、カウンターもすいていた。保険と追加運転手の手続を済ませると、係の若い黒人女性は「231よ」と外を指差した。必要以上の事は話さない無愛想な人だった。駐車場には何十台も車があったが、彼女が指した方角に歩いていくと、地面に番号が書いてあり「231」のスペースにベージュの車が停まっていた。一番下のクラスを予約したのだが、思っていたよりも大きい。ポンティアックPontiacのグランダムと言う車種だ。過去の経験では配車係が確認してチップを渡すのだが、近くには誰もいない。キーはついてるので「いいのかな?」と思いながら荷物を載せる。装置類を確認してエンジンをかける。配車点検係らしきオッチャンらは、離れた所でタバコを吸っていて近寄っても来ない。空港をバックに写真でも撮ろうかと、良い位置を探して車を移動させる。敷地内をゆっくり走らせていると、ゲートの看守が「こっちこっち」と手招きする。「えー、まだ出たくないのにぃ」と思いつつ、指示に従ってそっちに行ってしまう。看守に言われるまま契約書と国際免許証を見せる。「OK、いい旅を!」と看守が微笑む。流れのまま「サンキュー」と言ってしまい外の道へ。「まあ、その辺に停めて写真を撮ろう」と考えたが、探しているうちに陸橋を上ってターミナル沿いの道路に。ここまで来ると一時停止どころではない。それでもお目当てのUFOのような建物が見えてきたので、車内から妻に写真を撮らせる。元いた場所に戻ろうと思っていたが、ハイウェイの入口があったので勢いに任せ乗ってしまう。

 さすがに凄い交通量だ。はじめは何号線をどの方角に向かっているのかも分からずに、事故だけを起こさないように走っていたが、標識とエイビスで貰った地図で、妻が現在地を特定した。405号でロングビーチの手前まで来てしまったようだ。当初のルートとは若干異なるが、710号を経由して91号Eastに乗る。これで暫くは一直線だ。とりあえずホッとする。体調は悪くはないが、やはり飛行機での移動の後なので、早く目的地に着いて一休みしたい。

 片側6〜7車線の道が続く。ロスからどんどん離れていく訳だが、交通量は全く減らない。日本の高速道路と比較して、こちらでは車間距離をあまりとらないので、いつも初めは恐怖が先に立つが、慣れてしまえばドライブは快適だ。マナー面でもむしろ日本より良いくらいだと思う。ただ、舗装の状態があまり良くないので、騒音や振動は比較的大きめだ。

 15号との分岐になりサンディエゴSouth方面へ。すぐに一つ目のExitでマグノリア通りMagnolia Av.へ降りる。AAA(トリプルエー、全米自動車協会)で地図を貰うためだが、場所は予め調べてきた。コロナCoronaと言う町の営業所だ。しかし、看板が見当たらない。インターからすぐの筈なのに。集合店舗の一角にあったドラッグストアでヒマワリの種(食用)を買ってAAAの場所を聞くが、レジのオバさんは「知らない」と言う答え。車をそこに停めたまま向いのG.Sに走って聞きに行くと、大通りの向こう側の大きなスーパーの中だと教えてくれた。広い敷地の片隅にあるのでマグノリア通りからは見えなかったようだ。交差するリンプー通りRimpau Av.から入ると目の前なのですぐ分かった。事務所はそれほど大きくなく、客も私らの前には1人だけ。旅行のパンフの棚に目をやると、「Japan」が一番上に置いてあった。番になったのでJAFの会員証(AAA会員と同等の資格)を見せ、これからの行先の町を全て言うと、ヒスパニック系の美人職員は手際よく4〜5部の地図を取り出した。礼を言うと、にっこり微笑んで「いい旅を」と言ってくれた。

 同じ敷地内には飲食店も結構あるようだ。時刻は11時をまわったところで、ちょうど腹も減ってきた。その前に公衆電話があったので、旅行中に会う事になっているK氏に電話をかける事に。フリーダイヤルのオフィスの電話番号にかけると、繋がった途端に¢25は戻ってきた。着いた報告と、今後の打ち合わせをする。彼はアナハイム近郊に住んでいるが、昨日もエンジェルス対ヤンキース戦を観戦してきたそうで、このところ夜は冷え込む日が続いているので、防寒についてのアドバイスもしてくれた。

 すぐ隣りの棟に「寿司」と言う文字を発見。その下には「ALL YOU CAN EAT」と書いてある。中に入るとポッチャリしたウェイトレスが日本語で接客してくれた。思ったよりも広い店内は、カウンターもあり、奥には座敷もあるようだ。メニューを見せられ「食べ放題にしますか?」と聞かれる。寿司は大好きだが、こんなところでどんな物が出てくるか分からないし、まだ目的地にも着いてないので、満腹になり過ぎるのも考えものだ。普通のメニューもアメリカでは量がとても多いので、取りあえずカリフォルニア・ロールを1人前と単品の巻物を2〜3注文する。待ってる間、お茶と一緒に枝豆が出てきた。運んできた少し年輩の女性(この人だけ和服、でも襟元からTシャツが見えてる)に聞くと「サービスよ」。3人のウェイトレスは全て日本語を話すが、発音からして最初のポッチャリの子以外は日系の人のようだ。次に出て来たのは茎ワカメの胡麻和えのようだったが、これもサービスだそうだ。しかし、人工的な濃い緑色(スライムのような)をしていて、あまり食べる気はしなかった。隣りのテーブルの4〜5人の日本人グループも人数分だけサービス品が出ていた。カウンターでは板さんが「日本人にはどんどんサービスしてやりなよ」と言ったので、さっきの年輩女性が「はいはい、10パーセント、ディスカウントにしますよ」「日本人だけよ」と大声で答える。アメリカ人の客も座っていたが、「ふふふ、日本語なら分からないから」とウェイトレス。「10パーセント、ディスカウント」は分かるんじゃないか?怪訝そうな顔してたぞ。カリフォルニア・ロールは予想どおり2人でも十分な量だった。中身はアボガドとレタスとトビッコで、なかなか美味かった。味噌汁も二人分付けてくれた。それから食後にはアイスクリームまで出してくれた。しかも山盛りで。勘定は宣言どおり値引きしてあって、全部で19ドルだった。あれだけサービスしちゃ採算が取れんだろう。テーブルにチップを多めに置いてきてやった。店の名はMoMo’sです。

 運転は妻に変わり、再び15号線を南下。交通量は少なくはないが、徐々にゆったり走れるようになってきた。連なった低いハゲ山の景色が続く。遠くに見える住宅地のパームツリー以外は、背の高い植物はほとんど見られない。20分ほどでレイク・エルシノーアLake Elsinoreに着いた。Exitを降りる手前ではエルシノア湖もよく見えた。下を交差するダイアモンド通りDiamond Dr.を右折。インター周辺の店舗が集中してる辺りだけ、少し混雑していたが、2〜3百メートル走ると何も無くなり、私達の車だけになった。右手には今晩観戦する野球場の全体が見えてきた。場所のせいか、屋根の色のせいか、最初は農場の建物のように見えたが、正面側にまわると、やはり評判に違わぬ美しい顔をしていた。駐車場にはスタッフの車が4〜5台停まっていた。門は開いてるようだ。

 ここザ・ダイアモンドThe Diamond(球場名)を本拠とするレイクエルシノア・ストームはサンディエゴ・パドレス傘下のチームで、シングルAのカリフォルニア・リーグCalifornia Leagueに所属している。名前の通りカリフォルニア州内に10チームが分布しており、このチームは一番南に位置している。球場の西側には町の名前と同じ湖が広がっていて、ロケーションも抜群だが、球場自体もマイナー屈指の美しさを誇っている。町の人口の割に観客動員も好調が続いており、誕生から今年で10年目を迎えた。

 正面入口からコンコースに2〜3歩足を踏み入れると、すぐにグランド全体が見渡せた。二箇所で水撒きをしている最中で、明るい陽射しの下、天然芝が輝いている。「また来たんだなぁ〜」移動の疲れも一気に吹き飛ぶ。外野フェンスの後方には全方向に山が見える。芝は複雑な模様に刈り込まれていて、バックネットの前には独特なチームロゴが描かれていた。これはベンチの壁にも描かれていて、グランドをギョロっと睨んでいる。

 グッズ店も開いていたので入ってみた。大きさはマイナーとしては普通だが、品数はやや大目か。やはり個性的なロゴが強調された物が目に付く。STORM(嵐、騒動)と言う文字は台風の目を思わせるし、何と言っても二つの鋭い目がイイ。Tシャツなどは街で着てても野球チームの物だとは誰も思わないだろう。それほど斬新だ。1人しかいないオバサンの店員が「どこから?」と聞いてきたので「日本です」と言うと、「あっ、ヤンキース戦を見てきたんでしょ」と言うので、「いいえ、今日着いて最初にここに来ました。アナハイムには明日行きます」と答えた。それから「ここのチームに日本人のピッチャーがいるでしょ?」と聞いてみると、「あ〜、26番の左投手ね、彼なら昨日ダウンしたわよ」とオバサン。その選手とは、吉田修章投手(21歳)で、仙台工業から99年末にパドレスと契約した渡米4年目になる大型左腕だ。今シーズンは過去最高位のこのチームでスタートしたが、3試合登板しただけで昨年までプレーしていたフォートウェーン・ウィザーズFortWayne Wizards(ミッドウェスト・リーグ)に降格となったようだ。ミッドウェストもシングルAだが、カリフォルニア・リーグの方がA-Advanceと言う事で格上のようだ。「昨日まではいたのにねぇ」と更にオバサンが言うので、私が「ショック、ショック」と言うと、オバサンと他のお客さん(大きなオジサン1人)は笑っていた。帽子とTシャツとペナントを買って店を出た。トラベラーズ・チェックT/Cも問題なく使える店だった。

 窓口でチケットを購入して、ダイアモンド通りを引き返した。インターの手前のカジノ通りCasino Dr.を右折。数百メートル走り、本日泊まるレイク・ビュー・インLakeview Innに到着。道はガラガラで建物も疎なのですぐに看板は見付かった。道路に沿った2階建ての長い建物で、中央に小さなフロントがあった。太った黒人青年がカウンターに1人いて、予約している事を告げると、パスポートとクレジット・カードの提示を要求される。前払いのようだ。伝票にサインをすると、部屋のキーとテレビのリモコンをくれた。青年の着ていたTシャツに描かれたアメフト選手のイラストが、彼にとても似ていたので、「ユー?」と聞くと、「違うよ○○○だよ、俺じゃないよ」とデカイ図体を小さくして、照れながら笑った。名前は聞き取れなかったが、きっと有名選手なのだろう。

 ドアの番号を確認しながら、外の通路を歩いていくと「・・・118、119、120」「あれ?121が無いぞ」一番端が120号室だった。掃除をしていた女性に尋ねると、裏の通路に連れていってくれ「ここの一番向こうよ」と反対側の奥を指差した。部屋は裏側にも同じ数だけあるようだ。高台を切り開いて建てられた為か、敷地の裏手は高さ2メートルくらいの壁が覆っている。その壁と建物に挟まれているので通路は昼間なのに薄暗い。しかも、自販機コーナーの周りはハエがたくさん飛んでいた。部屋に入ってカーテンを開けたが、やはり壁のせいで暗い。電気を付け、やっと室内の様子が分かった。思っていたよりも古い感じだ。ネットの写真とはだいぶ違う。せめて道路側の部屋なら1階でも湖や球場が見えるのに・・・

 仮眠をとって起きると、妻は野球中継を見ていた。ケビン・ブラウンが投げている。「えっ!ナイター?」「いま何時?」と聞くと5時半だった。ドジャースは東部へ遠征中なので、もう試合が始まっていたのだ。ちょっと焦った。でも、ほんの少しのつもりが3時間も寝てしまったようだ。本当は湖や、ハイウェイから見えたモールにでも行こうと思っていたのだが時間が無くなってしまった。「先は長いんだから、初日から無理しないほうがいいよ」「だから起こさなかったんだよ」と妻。たしかにそれは正しい判断だ。ハエを払いながら買ってきたジュースを飲んで車へ。駐車場からも眺めは良い。湖を見ながら一服して出発。

 5分で球場に到着。今度は曲がり角のところで駐車代3ドルを取られる。駐車券にもギョロ目のロゴが印刷されていて「違反は見逃さないぞ」の効果が?。車はそこそこ来ていたが、割と近いところに停められた。さっきと同じ正面ゲートから入場。手荷物検査は当然ある。中に入るとグランドでは両チームが左右に分れて練習していた。まず、3塁側のスタンドに座り、ホームのストームの近くで見ることに。上が黒、下が白のユニホームの胸には、あのロゴがそのまま描いてある。グッズとしてはカッコ良いが、野球のユニホームとして見るとチョット変な感じ。しかも帽子にはなんとあのギョロ目だけが光っている。

 数人の選手がばらけてウォームアップ中だが、その中に背番号12を発見。吉田の次に要チェックだったジョシュ・バーフィールドJosh Barfieldだ。彼の父親のジェシー・バーフィールドJesse Barfieldはブルージェイズやヤンキースで活躍し、ホームラン王にも輝いたほどの名選手だが、90年代前半には読売ジャイアンツにも在籍し、日本でも強肩・攻守を披露してくれた。ジョシュは01年にドラフト4順目でパドレスに指名されたプロ3年目の20才。フェンス際で声をかけ、昼間買った帽子にサインをしてもらった。「どこから来た?」と聞かれたので「日本だよ。君のお父さんのプレーも見たよ」と言うと、「オー!トーキョーか?」と聞いてきた。「東京の近くだよ」(埼玉)と答えると「ロッポンギ?六本木?」と可笑しな事を言うので笑ってしまった。父親が日本にいた頃、彼は10歳くらいだろうから、街の名前を憶えていたのだろう。でも、なかなかの男前で、性格も明るそうなので人気出るのではないか?

 ホームプレート付近ではマスコットのサンダーThunderが、試合前のセレモニーに参加する子供達を相手に笑いをとっていた。きっとリラックスさせようとしているのだろう。大変な仕事だ。

1塁側の選手達もダッグアウトの近くに段々と引き上げてくる。今日のビジター・チームはサンノゼ・ジャイアンツSanJose Giants。本拠地サンノゼはサンフランシスコのすぐ南にある有名な都市。名前の通りジャイアンツ傘下だが、ユニホームはヤンキースのビジターそっくりだった。最後までフェンス沿いをランニングしていた組も戻ってきた。この球場の外野フェンスは、ライトのポールから左中間くらいまで、グリーンモンスターばりに高くなっている。この部分にはスコアボードも組込まれ、広告も3段重ねだ。

 7時を過ぎ、ストームの選手と子供達がそれぞれ守備位置に走っていき国家斉唱となった。スタンドはまだ2〜3分の入り。私達の席はネット裏の10列目くらい(Box、7ドル)だったが、空いてるところに適当に座ってもほとんど問題無い。ガラガラの3塁側スタンドで試合開始を迎えた。ホットドッグで腹ごしらえをしてゴミを下へおく時に、椅子の下に落ちていたボールを発見。カリフォルニア・リーグのロゴが印刷され、マジックで「LE」と書かれていた。レイクエルシノアのイニシャルだと思うが、練習ボールが他チームと混ざらない為か?

 試合は初回にストームがバーフィールドの二塁打などで先制し、その後も得点を重ねリードしていたが、4回にジャイアンツが4−5と逆転した。バーフィールドは3番セカンドで出場していたが、攻守に目立つ存在だった。二塁打、三塁打と打ちまくり、足もかなり早そうだ。右打ちだが、小柄なのでスイッチにも挑戦させたくなるタイプ。上に行った時にも良いアピールになると思うのだが。

 日が落ちると急に寒く感じてきた。比較的人が多くいるバックネット裏へ移動。私達は2人とも厚手の長袖シャツとフリースを着ていたが、足元がスースーする。グッズは昼間買ったので十分なのだが、妻は急遽トレーナーを買って膝に掛けて観戦。熱いコーヒーで暖をとる。息がとても白い。しかし、中には半袖でビールを飲んでる奴もいる。この球場にはコンコースのレフト端に「ダイアモンドクラブ」というガラス張りの素晴らしいレストラン&バーがある。試合を見ながら飲食でき、寒さ(暑さも)も凌げるのだが、残念ながら今日は閉まってるようだ。この観客数ではそれも仕方ない。オープンテラスの座席も人っ子一人いなかったが、一段低いフェンス際のエリアでは数人の若者がビリヤードをしていた。

中盤を過ぎて5−5の同点。それにしても試合展開が遅く感じる。エラーやフォアボールが多く、押し出しまで出ているのもあるが、やはり寒さのせいだろう。「早く投げろ」「凡退しろ」と思って見ている時間が多くなってきた。「7thイニング・ストレッチが終わったら帰ろう」と妻に告げる。7回表が終わり、人数は少ないがネット裏の人たちは、みな大きな声で合唱した。それが終わるとかなりの人が出口へ。私達も座席には着かず階段を上がる。しかし、帰る前にトイレによって出て来ると、ストームの猛攻が始まっていた。出口から引き返して来る人もいた。私達もコンコースで足踏みしながら暫し観戦。コンコース上には飲食コーナーの店員や、清掃係、グッズ屋のオバさんまでが、出て来て応援していた。3〜4点とったようだが、攻撃が終わらないので球場を出た。入った時はまだ明るかったので、それほどは思わなかったが、ライトアップされた正面入口はちょっと幻想的な感じ。ボール型の石の置物や、針金で出来たピッチャーやバッターのオブジェもイイ味を出していた。

インター付近のレストランで夕食をと思ったが、ほとんどの店がもう閉まった後のようだ。灯りが点いてる店も、覗き込むとバッテンサインを出される。仕方なく入ったカールズ・ジュニア・バーガーも、客は私達だけ。食べてる横で店員は清掃をしていた。悪いのでハンバーガーだけ食べて、ポテトは持ち帰ることに。そこからホテルまでは暗い夜道を2〜3分。他に車は全く通らず。ホテルの駐車場は出かける時よりも大分車が増えていた。球場の方へ目をやると、まだ明々と照明が灯っていた。午後10時30分。


試合結果 レイクエルシノア 13−8 サンノゼ 勝ち投手コゾルAnthony Kozol 負けパボンJulio Pavon  バーフィールド5打数3安打4打点。

ホーム 次の日