9月1日

California League (A)

SAN JOSE GIANTS VS MODESTO NUTS

サンノゼ・ジャイアンツ VS モデスト・ナッツ

Municipal Stadium San Jose , CA(カリフォルニア州 サンノゼ)


 ストックトンは涼しいので、エアコン無しでも良く寝られた。5時半に起きて出発の準備をして、6時からの朝食の為フロントのある棟へ。フロント横の食事スペースでは、インド系のガッチリした男性が、ジュースの機械とかを準備していた。マフィン、シナモンロール、パンも数種類あり、リンゴやバナナの果物も。食べてる時も、その係は色々と話し掛けてくる。パンの焼き方や、紅茶の入れ方などを親切に教えてくれるが…そんなの誰でも知ってるだろうにw

 今日の予定は、太平洋を臨む絶景ポイント「17マイル・ドライブ」のあるモントレーMontereyと言う街を目指す。地図だと半島が飛び出しているのでよく分かる。ここからだとかなり南下する感じで、その後は少し北上しサンノゼで野球と宿泊の予定だが、長い移動のうえ、土曜日と言う事もあってゲーム開始が17時と早めなので、けっこう忙しいスケージュールになりそうだ。

 6時半にチェックアウト。フロントはさっきのインド系男性だった。車のフロントガラスにはなんと霜のような夜露が。昨日まで8月だったのに…私の運転で出発。すぐにI−5号ハイウェイで南を目指す。時間が早いのと土曜日と言うこともあり交通量は少なく快適なドライブ。はげ山の単調な景色が続き、変電所も随所にあった。しかし、所々で植林も行われているようだ。

 予定よりも大分早く、出発から30分ほどで423Exitまで来てしまった。街らしい街は周囲には無い場所で、地図での目印はサンルイス貯水池San Luis Reservoirと言う湖くらいだ。死ぬほど退屈と覚悟していたI−5号とも、こんなに早くお別れとは……152号のジャンクションまでもアッという間で、7時半には山道を走るハイウェイに乗っていた。しかし、快調なドライブとは裏腹に、西の空には真っ黒な雲が張り出してきた。急に強風も出てきて、油断しているとハンドルを取られる。景色は禿山の所々に木が生えてる感じ。湖のせいか?気候のせいか?

 「SanLuis Reservoir State」の標識を過ぎた辺りから真上に雲、フロントガラスにもポツポツと雨が落ち始める。そう言う気候なのか?…だからなのか?内陸のハゲハゲの土地と違い、周辺の景色は緑の大きい木が増えてきている。8時前には156号へ進みホリスターHollisterと言う町に入った。通り沿いの畑はキャベツなのかレタスなのか…葉物野菜やコーンの畑も続いていた。雨も降るのだろうが、散水車やスプリンクラーでの水撒きも行われていた。

 カリフォルニアから北のワシントン州まで、西海岸の西の端を結んでいる主要ハイウェイ101号には8時10分に着いてしまった。予定よりも大分早い。しかし、山道を飛ばしてきたせいか、燃料計がEタンのサインを点灯させている。「やばい!」時間も早いので、モントレーの前にサリナスSalinasに寄って行く事にする。Exit330で下りると、すぐ右側にシェブロンGSがあった。掃除をしていた男性店員が親切に対応してくれ満タンに。やはりヨセミテよりだいぶ安い。せっかくサリナスで下りたのだから、市の球場を見るために市街地へ向かう。サリナスには数年前までサリナス・スパーズSalinas Spursと言う独立系のプロ野球チームが存在した。マック鈴木や大越基(元ダイエー)も在籍し、一時期はあのダン野村がオーナーを務めたチームだ。

 時間があったら寄ろうと思っていたので、球場の場所はだいたい分かる。地図を見ても小さな町だ。ローレル通りLaurel Dr.を東に向かうと数分でスポーツ・コンプレックスに着いた。東側から入り駐車場へ…しかし、球場があったと思われる場所は工事中で、柵が張り巡らされ地面が深く掘り起こされていた。「ここではないのかな?」散歩中の人に尋ねるが、よく分からない感じ…しかも、その人は、私と話した後にゴミを漁っていた…w

 塀の向こうに野球場があったが、ちょっと小さい「少年用?」直接は行けなそうなので、大回りをして逆側の道路から入ってみる。こちらは駐車場も整備されていて人もそこそこ来場している。近くでグランドを見たら、どうやらソフトボール専用のようだ。しかも、観覧席まで設置されてるグランドが4面もある。小さな大会なら開けそうだ。

そこへ、ソフトの出で立ちの若い女性が次々と車でやってきた。そのうちの一人に声を掛けた。「サリナス・スパーズの本拠地球場は壊されてしまったのですか?」と尋ねると、そうだと言って工事中の辺りを指した。残念だが仕方ない。ソフトボール場の写真を撮るために一回りすると、彼女たちの練習が始まった。ボールを触る前に、柔軟やら変わったダッシュやら、かなりスポ根的だ。みな年齢的に大人だと思うが…運転してたし。

 9時過ぎに妻の運転で再び出発。市街地を抜けてモントレーを目指すことにする。サリナスと言えばジェームス・ディーン主演の「エデンの東」の舞台なのだが、その原作者のジョン・スタインベックの生まれ故郷でもある。そして、ジェームス・ディーンが亡くなったのも自動車レースに出場する為にサリナスに向かっていた際の交通事故での事だ。なお、事故現場はサリナスよりも100キロ以上も南のなにも無い道路だ。寂れた感じのサリナスの市街地は気持ち程度で通り過ぎてしまい、すぐにレタス畑の景色に。それも過ぎて、すぐに軽い山道になる。辺鄙な場所だが、なぜか?お洒落なカフェが所々に出てくる。

 州道68号線はどちらかと言うとハイウェイと言うよりは山道を通る国道って感じだった。1号ハイウェイとの立体交差を過ぎると、いよいよ半島内のフレモント通りになる。もう、一般道なのでそれなりに店とかも出てきたが、最初の目的地オールド・フィッシャーマンズ・ワーフOld Fisherman’s Whorfを通り過ぎてしまうので、アルバラード通りを右折。両脇にお洒落な店が立ち並び、ここが街の中心と言った感じだ。道路頭上には横断幕も出ていて「お祭り?」が開催されているような雰囲気。まあ、まだ時間が早いからスイスイと通れるが…

 そのまま先に進むと住宅地の中に入ってしまった。地図だとそこからワーフの駐車場は目と鼻の先で、道もあるようなのだが…パトカーが道を塞ぎ、オバサン婦警が、そこを通ろうとする車を追い返してる。我々も「駐車場に行きたい」と言うと、小さなメモ紙を渡される。「Left Pacific→Franklin→Washington」と書かれている。しかし、これが勘違いの元に… 

 お祭りで駐車場がいっぱいだと勘違いした私達は、そのメモの通りワシントン通りまで行って、角にあった3階建ての立体駐車場に車を停めた。料金は一律で1日7ドルだった。一日なんて必要無いのだが仕方ない。しかし、そこからフィッシャーマンズ・ワーフの方へ歩いていくと、ワーフの駐車場は余裕がある…つーか、まだガラガラだった。「えっ?」さっきのオバサンは、単に「住宅地を抜けて駐車場に入る車」を防いでいただけで、民間の駐車場を案内してた訳ではなかったのだ。メモだって、最後のワシントン通りを越えれば、確かにワーフ駐車場だし……それにしても、紛らわしい所に立体駐車場があったもんだ。ワーフなら1時間2ドルなので、せいぜい2時間程度しか停めないだろうから、ちょっと損した
気分だ。

 オールド・フィッシャーマンズ・ワーフは、モントレー湾に突き出した桟橋に、シーフード・レストランや土産物店などが軒を連ねている。サンフランシスコのフィッシャーマンズ・ワーフよりも小規模だが、長閑な雰囲気がとても良い観光地だ。実際に、数日後にサンフランシスコの方も訪れているが、断然モントレーの方が良かった!

 駐車場から歩いていくと、すぐにヨットハーバーのあるデッキに出る。その向こうの湾にも小型ボートやヨットが何艘も浮かんでいる。湾沿いに少し歩いて行くと、カラフルな店舗が並ぶ通りに。名物のクラムチャウダーをぜひ賞味したいところだが、ガイド本では「夫々の店舗で味見させてもらえるので、気に入った店で」…との事だが、時間が早いせいか味見をやってたのは1軒だけ。屋台風で気楽な感じでクラムチャウダーを買い、みな歩きながら食べている。私達も、丸いパンの器に入ったクラムチャウダーを1つだけ買った。1つでもかなりの量だ。蓋のパンをちぎってスープに漬けて食べる。パンは酸味があって、しっとりしている。独特の風味だ。チャウダーは具沢山でとても美味しかった。

 ちょっと勿体無いが、腹いっぱいになり皿の部分のパンを捨てる。まあ、その辺に置いておけばカモメが食べてしまうが…桟橋の建物の基礎部分の足場にはアシカや海鳥が住み着いている。湾の眺めも最高で、もう少しゆっくりしたかったが、混まないうちに離れる事にした。

 駐車場に直接戻らずに、西側の通りから町の中心部へ。さっき車で通った時よりは人が出ていたが、まだ本格的な人出と言う感じではない。改めてゆっくり歩くと、落ち着いた綺麗な街並みだ。

 車に戻り、お隣のキャナリー・ロウCannery Rowを目指す。1キロ強の距離なので、時間が有ればワーフから海沿いを歩いて行った方が風情を感じられるのだろうが、そうゆっくりもしてられないので。道路は車や人が増えてきた。フォウム通りFoam St沿いのパーキングメーターのある駐車場に停めるが、金を入れる代わりに、さっきの駐車場のレシートをダッシュボードに置く。どっちも市営なので、大目に見てくれるのでは?と願いながら歩いてキャナリー・ロウへ。しかし、メイン通りの両サイドは路駐でいっぱい。駐車場に停めるだけでもマシな方だ。

 キャナリー・ロウは、以前はイワシの缶詰工場があった事が名前の由来だが、現在はレストランやギャラリーが立ち並ぶお洒落な観光スポットだ。大通りよりも、坂や階段の多い路地裏を出たり入ったり、時々は海を臨みながら歩いた。30分ほどだったが気持ちの良い散歩だった。車に戻ると、特になにも貼られてないので、そのまま出発。

 海沿いのオーシャン・ビュー通りOcean View Blvd.を更に西に進む。太平洋を臨む道路の反対側の丘には、お洒落な家々が立ち並ぶ。左折して丘を上がっていくと、17マイル・ドライブの基点(地図では、ここが基点かと思っていたが、入口が複数あるので、そうとも言えないようです)には正午に到着。驚くほど平凡な住宅地。でも、民家の窓にも「ここから17マイル・ドライブ」って感じの紙が貼ってあった。

 妻の運転で出発。最初は「どこが?」と言うくらい普通の住宅地が続く。ゴルフ場や野球のグランドを過ぎると、ようやく料金所(Pacific Grove Gate、ゲートは5つある)が出てきて、10ドル払うとパンフレットをくれた。

 松林の中を走りぬけて行くと、木々の間から海が見えてきた。丘を下ると、一気に景色が広がった。17マイルズ・ドライブは、モントレー半島のほぼ半分の海岸線沿いを走り、言葉の通り約17マイル(27キロ)の全行程に21の絶景ポイントがある。まあ、全部のポイントで停まるのも大変なので、予め調べてきた情報を元に、パンフレットの4つのポイントに赤丸でチェックした。

 海沿いに出てすぐに一度停車して運転を交代。景色は綺麗と言うよりは“ワイルド”って感じwチェックした最初のポイント「バードロックBird Rock」に停車。陸地側にはもう一つのポイント「バードロック・ハント・コースBird Rock Hunt Course」も在ったので、小さな丘に車を乗り上げてみたが、そのポイント自体がゴルフコースの一部のようで「なにを見るんだ?」って感じだった。バードロックの方は言葉の通り海鳥が群れてる岩場があり、そのすぐ隣りには、次のポイント「シールロック・ピクニックエリアSeal Rock Picnic Area」が並んでいる。海鳥にアシカ…でも、「かわいい動物を見る」って感じは全く無く、なんとなく殺伐としてる感じ…家族連れも結構いるが、子供は楽しいのだろうか?

 再び出発、次のポイントは離れているので、純粋にドライブを楽しむ。一つ一つのポイントをじっくり見るよりは、むしろ素晴らしい海岸線での運転を味わう方が、ここでの醍醐味なのではと感じる…景色も大雑把に流れていく方がダイナミックで楽しい。私も、もし時間があれば、立ち寄るポイントを増やすよりも何往復もする方を選ぶだろう。

 あっと言う間に「ローン・サイプレスThe Lone Cypress」に到着。名前の通り“一人ぼっちの松“ なのだが…寂しい感じはするが、わざわざ眺めていたいってほどではない。駐車場は広く余裕があった。人気の景観ポイントのようだが…

 そこからは少しの間、両サイドに松林や建物があり海は見えなくなる。そこを過ぎると「ゴースト・ツリーThe Ghost Tree」駐車場は広いが、けっこう埋まってる。崖に生えている木が波や潮風で、クネクネと変形し白化している。不思議な形のものも多数あり、前後のポイントとも近く、遊歩道が整備されているので、観光客も崖のいたる所にいる。

 そこを過ぎると、割と大きなレストエリアが出てきた。ショッピングも出来るようで車も人も多い。ちょっとウンザリって感じだ。地図で確認すると、17マイル・ドライブもだいたい終了である。

 それを過ぎてから分岐、ハイウェイ方面とカーメル方面に行く車と半々。私達はカーメルCarmelへの脇道に。サンアントニオ通りを少し行くと、右手にビーチが広がった。海岸沿いでは路駐も延々と続いてる。「停めれないよなぁ〜」と思っていると、ネイビーのオープンカーの主が戻ってきた。粋な格好の爺さんだ。車を出すのを梃子摺っているが、私は助手席から降りると、すぐにそのスペースに張り付いた。私の誘導のお陰でw爺さんは無事に車を出して走り去っていった。そこにうちのラブ4を入れる。左ハンドルでの縦列駐車は超難しいが、妻は爺さんよりも上手に停めた。

 道路から数歩あるけばビーチ、有名な「カーメルの白い砂浜」だ。一歩踏み入れると靴が埋まる。どうせ汚れるならと、裸足になってしまう。超気持ち良いwこうなったら、当然海にも入る。風は肌寒いが、遠浅の砂浜はほどよく日光で温められて、水の温度も丁度気持ち良い感じだ。そう言えば海沿いに入ってから、どんよりした空模様だったが、こちらの砂浜に来た途端、空が急に明るくなった気がした。白い砂浜すごく綺麗だ。

 砂浜を後にしたのは1時半過ぎ。陽射のせいか少し暑くなってきた。高級住宅地の丘を越えて、1号ハイウェイへ。時間が早いのでスイスイ行けるが、方やモントレー行き方面は大渋滞になっている。アップダウンのあるハイウェイだが、丘を超える時に見える太平洋はとても綺麗で、海岸線もよく見える。101号に入っても、反対車線は所彼処で渋滞になっていた。こちらはガラガラとまでは言わないがスイスイ走れ、はげ山を幾つも越えて、サンノゼには2時半過ぎに着いた。

 いままでの街と比較しても、さすがに大都市で、高速道路も幾つも通っていて流れも早い。今日の宿は市街地よりも南の郊外なので、早めに一般道に入ろうと思っていたが、アッと言う間に通り過ぎI−280号との合流になってしまった。仕方なく、そのままインターステートに入る。早く対処しないと、すぐに次の合流になる。Exit1で下りて、側道を進む。数字の通り名を横切って行き7th通りを左折した。地図を見ると一番広い。そこからゴチャゴチャと1st通りまで行き、ホテルに行く前に調べてきたネットカフェに立ち寄る。まあ、使えるかどうかを確認するだけで、実際に利用するのは試合が終わってからにしようと思っていたが…しかし、雑貨屋の片隅にあった同じ名前の会社は、ネットカフェなどではなく、ネットを使って単に配送手配を女性が一人でやってるだけだった。アメリカの検索サイトはいい加減なのが多い…

 仕方なく、そのままホテルへ。ちょっと早いが昨日の事もあるので、早めの行動だ。それに今日は土曜日で試合開始が午後5時なのだ。アメリカズ・ベスト・バリュー・イン・サンノゼ・コンベンションセンターAmericas Best Value Inn San Jose Convention
Centerすごく長い名前…サイトでの写真も、道路側から見る外観も、とても綺麗なのだが、フロントは狭くまた呼んでもすぐに出てこない。ちょっと嫌な予感はしたが、予約は通っていた。一安心…チェックイン2時50分。朝食サービスは?と尋ねると、無愛想なフロントの女性は「ノー」とだけ言って奥に消えた。まあ、泊れるだけで十分だ。部屋は今回の旅行では初めて2階だ。(それまではずっと1階)しかし、言われた部屋はルームメイクされてなかった。5〜6部屋隣りでドアを開けて掃除機を掛けていたので、こっちの番になるのは、もう少し掛かりそうだ。鍵まで渡しといて、なんていい加減な…

 まあ、気を取り直して買物に行くことに。待っていても時間の無駄だ。101号のインターがある手前に店舗が集中しているが、そこへ行く途中に球場の前を通ったら、すでにけっこうな人が集まっていた。さっさと買物を済ませて野球、野球…。ストーリー通りStory Rd沿いの複合ショッピング施設に入ったが、スーパーマーケットらしき建物は閉まっている。見た感じ潰れたらしい…仕方ないので、同じ並びのセブンイレブンに。まあ、1食2食なら量的にはこっちの方が丁度良い。それでも、日本のと比べると量は多い。サンドイッチ、ブリトー、ホットスナック、水、ジュースを買ってホテルに戻った。しかし、着いた時にはうちの部屋を掃除していて、駐車場で5分ほど待つ。駐車場にはとても大きな木があり木陰を作ってくれていた。部屋に入れたのは3時50分、チェックインから1時間後だ…

 荷物を置いて、早々に球場へ…歩いても行ける距離なのだが、開始時間も迫ってるし、治安を考えても帰りは車の方が良いだろうと言う事で…駐車場はいっぱいだったが、意外にすんなり入れた。しかし、クラスAで駐車料金10ドルとは…まあ、都市の規模からしたら、もうちょっと上のクラスでもやって行けるだろうが…

 チケットはジェネラルアドミッション(自由席)10ドル。それしか売ってない。妻が水のペットボトルを持って入場しようとしたら、飲食は持ち込み禁止だと断られる。中はとても混雑している。1942年開場の古い球場なので、作りは最近の地方球場に比べても簡素で、ネット裏の僅かな部分を除けば、内野席はアルミ製だ。コンコースも無く、球場を柵で囲んだ内側にグッズやフードの売店が並んでいる

 1塁側に行くと、ここのマスコットのゴリラと、モデストのマスコットのウォーリーが、子供たちに取り囲まれていた。フェンス越しにサインする選手もいたので、妻が何人かの選手にサインを貰っていたら、そこへサンノゼの投手コーチのスティーブ・クラインSteve Clineがやってきた。数年前までカージナルスなどで活躍したリリーフ投手で、3年連続「リーグ最多登板」を記録している鉄腕だ。選手としての活躍もよく覚えているが、それ以上に変わったキャラで、帽子に唾を大量に付着させ、とても不潔。ロッカーでも他の選手から避けられてるとの事で、日本のテレビでも特集されていた。その時のコメントでは「俺は、故郷ではブタ兄弟と呼ばれてたんだ!」と不潔自慢を語っていた。当然サインは貰ったが、握手をするのを躊躇してしまったw

 観客席はかなり埋まっているが、1塁側にスペースを見つけて開始直前に座席確保。鳥の糞が散乱しているアルミ席だが、みな平気で腰掛けてる。満杯なのでとても暑い。3塁側に行けば、もっと空いてる感じだが、西日をまともに受けるので、もう少し陽が落ちたら移動したい。

 サンノゼ・ジャイアンツは白地に白いロゴ。名前の通りサンフランシスコ・ジャイアンツ傘下のチームだが、ユニホームは若干だが独自性も感じられる。サンノゼは大都市なので、大昔からマイナーリーグのチームは存在したが、2年ほどクラスAAAがあっただけで、それ以外はシングルAが多い。チーム名は1988年からジャイアンツを名乗る以前は、ビーズBees、ミッションズMissionsなど、数十年で10個前後のチーム名を使っていたようだ。中でも20世紀初頭のプルーンピッカーズPrune Pickers(プルーン摘み)は、この辺が農業地帯だった事を感じさせる。

 程なくして国歌斉唱となり試合開始になると、いきなりモデストはクラークJared Clarkのツーランで2点を先制した。客の入りも、スタンドの活気も、旅行中では1番だが、来場者のキャップやユニをよく見ると、”GIANTS”とは書いてあるものの、サンフランシスコの物が殆どだ。

アトラクションも大盛り上がりで、3回裏のYMCAでは、すぐ前の家族が狭い中踊っていた。妻が一緒に踊ったら、Cのポーズはアメリカと日本では逆だと知った。日本では他人から見て正しいCの向きが、アメリカでは自分が見てと言う事。それにしてもマスコットのゴリラ(Gigante)は全然可愛くない。まあ、チームの愛称からはピッタリのキャラではあるが…どっかの変なウサギよりは遥かにマシかもw

 早いペースで開始1時間でもう5回だ。3塁側を含めほぼ満員になる。通路にまで座る人が増えてきたので、全く動けずケツが痛くなる。6回過ぎに、座席の権利は放棄して場内を色々と見る事に。数箇所のピクニックエリアを含め超満員だ。売店の数も多いが、どこも行列が出来ていた。球場ではコンクリート部分に幾つもの壁画が描かれている。カリフォルニア・リーグの本拠地地図やロゴの他に、メジャーの名選手、名場面も多数。ジャイアンツの選手が多いが、ジョージ・ブレッド(ロイヤルズ)、マーク・マグワイア(カージナルス)などもあった。
でも、看板は規則性が無くベタベタ張られたり描かれたりしてる印象。とにかく隙間が無いくらい壁やフェンスにはなにかしら描かれている。サンノゼは7回裏にパーカーJarrett Parkerのヒット、盗塁のあと、内野ゴロの間に1点を返した。7回終了でモデスト2―1サンノゼ。

グッズ売場は、3塁側奥の店と正面に露天で仮設された2箇所だ。残り少ないペナントの値段を聞くと、なんと14ドル。「メジャーでも5〜6ドルだろ」とアルバイトらしき青年に言うと、「ちょっと待って」と無線で本店からの指示を仰ぐ、少し待ったがやはり値段は変わらないとの事。いくらなんでも高過ぎるので買わない事にした。店舗の方でも見てみるが、やはり「GIANTS」と大きく書かれている物は、“日本”で身に着けるのは抵抗がある。「SJ」と小さく入ったキャップだけ購入。良いチームだが、こんなにグッズをケチったのも初めてだ。

8回表が終わり、3塁側のほぼレフトポールの手前の席に移動。風は少し冷たくなってきたが、まだ西日を浴びなくては…その直後のサンノゼの攻撃では、主砲スザックAndrew Susacに逆転ツーランが飛び出す。球場のボルテージは最高潮だ!9回表のモデストの攻撃は1打同点のチャンスは作ったが、サンノゼのクローザー、サンフォードShawn Sanfordが1点を守りきり試合終了となった。盛り上がった割には効率の良い試合で、時刻はまだ午後7時を回ったところだ。

旅行中で、初めて最後まで試合を見た。空はまだ明るく、寒くもないので、もっと居たいところだが…帰る時にピクニックエリアで火事?ものすごい炎だが、鎮火できないスタッフを周りのスタッフは手伝う事も無く笑っている。

出口に向かう人波の中で、日本語で「ダメでしょう〜わかった?」と子供を叱る父親を発見。見た目は親子とも完全に白人だが…私達が注視してるのを気付いた父親は、私たちに軽く会釈(日本的に)。こっちもペコリ…こんな所で…変な感じだw正面入口では売れ残ったホットドッグを1ドルで投売りしてたので、当然2個買った。
終了後も球場は人で溢れていたが、出庫も意外にスムーズだった。

 さっき行ったショッピングエリアへ再び……リカーショップでビールを見ていたら「日本人?サッポロ、アサヒ、あります」と店員が話しかけてきたが、せっかくアメリカにいるのでミラービールを買った。本当は地元っぽいのが良かったけど、メジャーのしか無かったので。セブンイレブンにも寄って、カップラーメンとサラダを買ったが、駐車場で物乞いが声を掛けてきた。この付近はあちこちに物乞いが多い。

 やっと暗くなってきた頃に、ホテルに戻った。シャワーを浴びて、午後10時過ぎに夕食。ビール、サラダ、ホットドッグ、甘いパン。湯きりが無いマイクロウェーブのインスタントヤキソバ。テレビでは、キッチンスタジアムのパクリみたいな番組…カンフーの道着みたいな女シェフが包丁持ってポーズ。11時半就寝。


試合結果 サンノゼ3―2モデスト

勝ち投手ハロルドStephen Harrold 負け ローズChad Rose セーブ サンフォード

クラーク3打数1安打2打点(以上モデスト)
スザック4打数1安打2打点、パーカー3打数1安打1盗塁、パニックJoe Panik4打数2安打(以上サンノゼ)

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