8月31日

California League (A)

STOCKTON PORTS VS VISALIA RAWHIDE

ストックトン・ポーツ VS  バイサリア・ローハイド

Banner Island Ballpark  Stockton , CA(カリフォルニア州 ストックトン) 


 6時45分起床。妻はすでに起きていた。窓からの景色も素晴らしく、とても爽やかな朝だ。身支度も早々に、朝食のためにレストランのある棟へ歩いて行ったが、なんと11ドルとの事なのでパス。そう言えば昨日チェックインの時に言われたような気がするが、早口だしGSの事ばかり頭にあったので聞き流してしまったのかも。でも、フロント横の売店はコンビニ並みに充実しているので、パン、ジュース、それから歯磨き粉を買った。それから、売店と並んで大きな土産物コーナーもある。木彫りの民芸品に鳥の剥製など「誰が買うんだ?」って物も置いてあった。

 朝食は公園内で食べる事にして、7時過ぎにチェックアウト。昨日ダメだったGSにも立ち寄ったが、店の人が居てもカードは使えなかった。「キャッシュで払うから!」と頼んだが、カードでしか支払い出来ないシステムなのだそうだ。まあ、事務所(小屋?)の作りからしても、たいていは無人なのだろう。車の燃料メーターは丁度半分くらいだ。山中で給油出来ないのも不安だが、クレジットカードが何回もエラーになってるのも少々心配だ。この機械のせいで、今後のカード支払いが全て出来なくなったりして…

 気を取り直してバレーへ出発。すぐに西ゲートになり、今日はしっかり20ドル取られる。昨日の南ゲートの事もあり、まだ閉まってる時間だと思ったが残念。ちなみに初日に払ってれば7日間は出入り自由。

 昨日は真っ暗で全く見えなかったが、渓谷沿いの140号はすごい景色だ。マーセド川の流れはバレー側よりも早く深く大きい。
時間が早いので道はガラガラ、すぐにビジターセンターに到着した。パーキングには入れないでそのままセンチネル橋へ。

 ドームの眺めは昨日とは逆で、朝の太陽が逆行になる感じ…雲が適当に陽射を隠してるので、また違った空と岩の対比を楽しめたが、それよりも渓谷の眺めが素晴らしかった。行きに見てきたのと同じ川とは思えない静けさだ。バスは既に走っていたが、バス停の裏側のベンチで食事。時刻は8時を回ったところだ。

 朝食を食べながら今日の予定を見直す。バレー内は滝もほとんど枯れて、昨日見尽くした感があったので、車でもう一度見たいところだけ回って、早めに発とうと言う事になった。

 まず、干上がったミラーレイクにもう一度行ってみる。車だとアッと言う間だ。昨日は暑さと馬の糞にやられて集中できなかったが、やはりハーフドームをバックに据えた眺めは水が無くても壮観だ。池の中央に浮かぶ石の上に登る。写真を撮ってもらおうとしたら、足が滑って滑り台のように下に滑べり落ちてしまった。「古いビーサンだからだよw」と大笑いする妻に「せっかくだから、水が無い事のメリットを味わおう」ともう一度滑り台をやってみる

 途中の開けた場所からのドームの眺めも素晴らしかった。近くには乗馬センターがあり、早い時間だが多くの人が指導を受けていた。まあ、人気のアトラクションなのかもしれないが、馬が歩く場所とトレイルは分けて欲しいものだ。

 戻ってストアの駐車場に車を停め、歩いてポストオフィスへ。外観もそうだが、中に入っても古くて味のある建物だった。客は私たちともう一組だけ。妻は切手を買って絵葉書を郵送する手続きをした。バレー出発9時20分。

 ノースサイド・ドライブをゆっくり走り、昨日は暗くなってしまい寄れなかったポイントに何ヶ所か寄って写真を撮る。そこで、川の向こうの南側の岩壁に…「あっ、うっすらと滝が白い筋に…」確信は無いがブライダルベール滝なのでは?次のポイントで説明の碑があったので、そうだと確信する。ビューポイントが数百メートルとか前後しても、岩壁は大きいのでどこからでも見えるのだ。前を走っていた白人カップルも嬉しそうだ。川は流れもほとんど無く、山をリフレクションさせている。美しさに絶句!その後も、各ポイントで停車したが、さっきの白人カップルも併走するように付いてきた。

 そこから間もなくビッグオーク・フラット道Big Oak Flat Rd.へ分かれ、本格的な山道へ。渓谷の眺めも140号よりも更に高い場所から見下ろすようになる。石のガードレールがあるので、なんとか走れるがちょっと怖い。広範囲の山火事の跡も圧巻だ。ビューポイントで車を停めて眺めると、遠くに民家らしき建物も見える。こんな所で生活できるのだろうか?

 120号との分岐には10時10分頃着いた。曲がってすぐGSがあったので当然寄っていく。小さな店だが多くの車が停まっていた。しかし給油機を見ると…昨日のと同じタイプ。一応カードを読ませるが、やはりエラーになってしまった。店に入って「キャッシュで払える?」と聞くとOKだそうで、50ドル札を渡した。つり銭でお菓子でも買おうと考えていたが、給油メーターは50ドル分まで来てしまった。「まじ!?半分近くあったのに…」再びレジでレシートを受け取ると、やはり行楽地価格のようだ。

 私の運転で出発。120号イーストのタイオガ道路Tioga Rd.を進む。杉の木の多い山道だ。ホワイトウルフと言う地名らしき看板を過ぎた辺りから、景色は白い岩がたくさん出てくるようになった。途中、これから山登りに出掛けるような人たちが集まっていたヨセミテ・クリークと言うビューポイントがあったが通り過ぎる。トレイルの入口のようでトイレもあったが、先を急いだ。

 分岐から40分ほどで一つ目の目的地オムステッド・ポイントOlmsted Pointに到着。すでに駐車場はそこそこの入り。車から降りると、遠くにハーフドームが…こちらからは右横からの眺めとなる。岩の丘にも上がり大パノラマを楽しむ。道路の向かいの更に高いポイントにも上がってみた。こちらまで来る人は少ないが、なかにはもっと高い所まで登ってる人も居る。ミラーレイクで滑って転んだビーサンでも、ここの岩は表面がザラザラして滑らなかった。

 そこから車で更に東に進むと、すぐにテナヤ湖Lake Tenayaが見えてきた。長い坂を下ると湖畔の道にはすぐだ。東側に回って停車。こちら側からの眺めが一番良いはずだ。人が少ないせいか、景色もなんとなく寂しい…岩山の向こうの雲が早く流れているのが印象的だった。

 ここでUターン。ビッグオーク・フラット道を更に東に進めば、ヨセミテ公園はまだまだ続くのだが、あと2〜3泊はしないと全部は回り切れないだろう。私達の予定は今夜はストックトンまで行くので、この辺で戻らないと間に合わない。

 帰路は山側を走るので運転は楽しい。四駆の走りを堪能するチャンスだ。谷側だと怖くてそんな余裕は無いが……慣れてくるとけっこうなスピードでカーブを攻めていたので、前の車は大抵は道を譲ってくれる。しかし、ノロノロ走ってるくせに、後を気にしないドライバーはどこにでも居る。混んでない山道でも5〜6台の渋滞を作っている。その台数を追い抜くのはなかなか難しい。さっき給油した分岐は12時半ごろ通過。更に120号を西へ。標識では「to SanFrancisco」が出てきた。10分ほどで公園ゲート、レシートをチェックされた。昨日はどっちもスルーだったのに……さようならヨセミテ…

 そこからは同じ山道でも道幅も広くなりリミットも55になった。ギアもDで走ることが多くなってきた。更に山を降りていく。窓から入る風が温かくなってきた。天気は晴れ。バックミドウズBuck Meadows辺りでは、なぜか道路はアスファルト舗装されていて走りやすかった。それと、僅かにショップもあったが先を急ぐのでスルー。

 更に走り13時10分、グローブランドGroveland到着。サンフランシスコ方面からヨセミテへの行き帰りのほぼ中間辺りにあり、お洒落で可愛い店が軒を連ねている。路駐しようと思ったが、パトカーがウロウロしてたのでメインの駐車場に停める。…しかし、駐車場から近いところはホテルやレストランばかりで雑貨屋は無かった。仕方なく戻って町の入口にあったリカーショップへ。ガムと水を買い、荷出しをしていた男性に「トイレ貸してもらえますか?」と尋ねると、レジの女性に確認し「トレイは貸せないんだ。でも、ちょっと来て」と言って、店の外に私を引っ張っていった。道路沿いの坂の下を指して「あそこに黄色い建物が見えるだろう。あのホテルで借りると良いよ」と教えてくれたが、黄色いビルなど私には見えなかった。よく分からないが礼を言って、車でその方向へ……近くに来ると確かに2階建ての黄色いホテルがあった。さっきの場所からだと、反射のせいか?白く見えていたが、元々あるのが分かってる人には、やはり黄色なのだろう。路駐して交代でトイレに行く。昔のホテルのようで、トイレもとても広く豪華で綺麗だった。誰かいたらチップでもやらないと…誰にも会わなかったが。

 のんびりした町だ…出発して少し行ったら、町の端で日本人と思われるカップルが、スピード違反で検挙されていた。街中はスピードリミットが急に20とかになるから、それまで50とかで走ってて気付かなかったのだろう。それにしても、これからヨセミテに行くのだろうか?あんなコンパクトカーで山道を…その前に、こんな時間にこんな所にいる時点で、明るいうちに着けるのだろうか?

 グローブランドを越えても、まだ下りの山道が続いていた。しかし、ヨセミテ近辺とは違い、なんか日本の低山のような感じ。材木を運ぶトレーラーが前に居るのでプチ渋滞になってる…延々と続く山道。野焼きを行っている所では、横に消防車がいた。けっこう下りて来たが、街はまだ見えず風景は枯野と言う感じ。木材をトレーラーから鉄道に乗せ換える大きな施設を横目に120号を更に西に。地図だと108号と合流しているようだ。オークデールの手前まで来ると、牧場などが見えてくる。そして民家がポツポツと…ここで、妻と運転を交代…その後、短い時間でアッと言う間に市街地に…交通量も急に増えた。

 120号はオークデールOakdale市内で右折。やっとナビの役目だ…時刻は2時40分。短い市街地を過ぎると、町から町までの間は、今度は農地や果樹園になっている事が多い。踏切もあったが、アメリカでは一時停止をしてる車は殆ど無いし、踏切内も徐行さえしない。マンティーカMantecaで99号ハイウェイに乗り北へ。3時10分。

 乗った時から交通量は多かったが、10キロほど進んだところで完全に渋滞にはまる。全然動かない。しばらくしてパトカーが路肩を通って追い抜いていった。事故か?次の出口で下りて、下道でストックトンを目指す。程なくしてダウンタウンになり、一通に気をつけながら今日の宿がある通りへ。ホテル着、3時40分。

 トラベラーズ・モーテル…2階建てのよくある風のモテールだが、1階の隅の小さなフロントへ行くと誰も居らず呼び鈴を押した。奥へ通じるドアは開放され、テレビの大きな音が聞こえる。もう一度押すと「ちょっと待って!」と声がしたが、出てきたのは犬だった。レトリバーだろう。犬はフロントと奥を落ち着き無く行き来している。やがて、初老の女性が松葉杖をついて出てきた。「予約してます」と予約票をコピーしたものを見せるが、彼女は自分のリストにパッと目を通し「うちは聞いてないよ。これだけじゃ…部屋は無い。帰って!」………「えっ…!!!???」そう言われても「はいそうですか」と帰る訳には行かない。予約してることも、料金をホテルズ・ドットコムに支払っている事も説明したが、女性が言うには、そのサイトには登録してるが、予約がある時はファックスがある筈だが今日は無いと言う。問い合わせてくれと言っても電話番号が分からないと言う。時間が掛かってるので、後から来た黒人男性が割り込み,部屋があるか聞いていたが、女性は「無い」と追い返す。これでは、別に部屋を用意してもらうことも無理なようだ。

 車に戻り、荷物の整理をしてた妻に告げると、「ドットコムの連絡先は私も控えてこなかった」との事。アドレスなら分かるがネットが出来る環境にはない。フロントに再び戻ると、女性は友達とお喋りしていた。「なにを言っても無駄だな」と言う感じで車に乗り込む。さてどうしたものか。フロントのあの感じではファックスも紙切れなんじゃないか?とも思ったが、そんな事を今考えても仕方ない(後日、確認したらホテルズ・ドットコムのミスだったようです。お金は返してもらい、お詫びの品も頂きました)。

 最初は、ホテルズドットコムに連絡を付けようと、ネットカフェを探していたが、ちょっと考え、自力でホテル探しをした方が早いだろうとなり方向転換。まあ、今までの旅なら当日にホテル探しする事は定番だったし…。しかし、さっきの黒人ではないが、金曜なのでホテルは埋まってるケースが多いだろう。まあ、ヨセミテを早めに出てきた事が不幸中の幸いだ。ゲーム開始までに宿を確保しなくては…

 旅行前に宿探しをしていた時に、記憶している他の候補から攻めようとハイウェイに乗るが、これが大渋滞。隣町のトレーシーまで行ってAAA(ここへの地図はある)で探してもらおうかと言うと、妻が「着く頃は営業時間が終わってるかも」と…確かにそうだ。ノロノロと次の出口で一般道へ。5号ハイウェイの南側へ出て、それらしき看板を探す。「あった」と思っても、そうとう酷い外観で「営業してるの?」と思ってしまうホテルも…手頃かなと思われるホテルは、駐車場でバカップルが電話で交渉してる感じだ。当然、フロントで聞くまでもなさそう。

 何軒目かで聞いた(ここも空いてなかったが)フロントのインド系の男性が「次のイグジットにけっこうホテルあるよ」と教えてくれたので、1区間だけハイウェイに乗ってみる。確かに高架から3軒くらいのホテルの看板が見えた。下りてすぐにデイズ・インがあったので飛び込んでみるが「こんなところ絶対空いてないよ」と思いつつドアを開ける。ヒスパニック系の女性が対応してくれ「日本人旅行者ですが、今夜、部屋ありますか?」と尋ねると、あっさり「Yes」とニッコリ…「えっ、マジ!?」…「ちょっと待って」と言って車で待つ妻の元へ…「空いてたよ!!」と大喜びで報告する私に比べ、妻は意外に冷静。二人でフロントに戻ると、また安宿探しの一行が…今度は大家族だ。このパターンも多く、大人数で一部屋を使うので、宿泊を断られてるっぽかった。私たちはすんなり手続きをして部屋に…値段もそれほど高くなかった。妻に「けっこう冷静だね。俺は野宿も覚悟したけど」と言うと、「絶対見付かると思ってたよ。今までだってそうだったじゃんw」と言われた…確かに…

 コーヒーメーカーでお湯を沸かし、ヨセミテで買ったカップラーメンで遅い昼食。ホッとするのも束の間、食べて間もなく球場に出発した。試合開始までは1時間ちょっとしかない…

 デイズインはインターのすぐそばだが、球場へは一般道で向かった。混んでなければ10分足らずの場所だ。予定していたトラベラーズ・モーテルなら徒歩10分で駐車場料金も掛からないはずだったが、まあ仕方ない。これでも近い方だ。
 球場は、公園やアリーナが隣接する一角にあり、本来は施設北側の道路から入るのだが、入る道路を1本間違えてしまった。こちら側のゲートは閉まっている。私が車を降りて、大きな踏切のような柵を押すと動いたので、更に押す「ギギーギーギーーー!!」と大きな音が周囲に響き渡るが、球場前で列を作っている人達は無反応…つーか、日本人のように見て見ぬ振りって感じ。車一台が通れるスペースが出来たので、すかさず妻は車を中に入れてしまう。一番良い場所に停め、何食わぬ顔でチケットを買って、列に並びました。と言ってもアジア系など私たち以外に居ないのでバレバレの上、目立ちまくりなんですが…それでも、みな知らん顔です。ここ本当にアメリカかよ?

 今日は、プロモーションデーで、プロスペクトの有望株マックス・シュタージMax Stassi捕手の背番号10のレプリカユニホームが先着で貰えるので、みな行列を作ってる。金曜日のナイターなので元々動員が良いと言うのもあるだろう。でも、球場周辺の写真を撮ってないので、妻は列に残して、私は写真を撮りに行くことに。最初のホテルからなら、時間も余裕だったのだろうが… 

 球場周辺はマクラウド湖Lake Macleod(川の入江くらいの規模)と隣接していて、都市と自然が融合した気持ち良い空間だ。しかし、レフト方面から周って行くと球場の裏は何も無スペース。なんか殺風景だし勿体無い。手付かずなら芝でも敷けば良いのに……センターで湖沿いに出ると風が冷たかった。半ズボンにビーサンで来てしまったが、昨日までの気候とは大分違うようだ。帽子を飛ばされないようにライト方面へ進む。ライトポールから15メートルほど後ろは、もう湾だ。サンフランシスコのAT&Tパークと同じように、ここはスプラッシュヒットが出る構造のようだ。しかも、すぐ先にお洒落なヨットハーバーがある。ライトポールとヨットハーバー…なんて見事なロケーションだ。ホテルでのトラブルも吹っ飛ぶ!

そのままライト側の駐車場に出るが、途中、人通りの無い場所でチンピラに2組遭遇。なにも言われなかったが、目つきも態度も相当だ…こちらの駐車場は遠いので無料なのかと思ったが、あんな奴らがウロチョロしてるなら有料に停めるのが利口だろう。一塁側からホーム側に戻ると、正規のゲート前で係員がいたので、声をかける。「知らずに東のゲートから入ってしまいました。お金を払うのでチケットを下さい」と言うと、快諾してくれた。料金は5ドルだ。返す返すになるがトラベラーズ・モーテルに泊れてたら必要の無い出費だ。

 車に戻り、駐車券をルームミラーにぶる下げて、ジャンバーを持ち正面ゲートから入場すると、妻が大声で呼んでるので、そちらに行くと「10番の選手がサインくれるんだよ」と言う。しかし、私はもうユニホームは間に合わなかったようだ。「まあ、一つでも貰ったから」と、妻のユニホームを見せてもらう。ピラピラだが店でTシャツを買うよりも、記念にはこっちの方が断然価値が高い。私もボールにサインを貰おうと並んだが、係が「すいません。この人で最後なんです」と言われ断念。妻は無事にユニにサインをしてもらった。

 それにしても寒い。スタンドに出るのを躊躇いコンコースに留まっていても、時々吹き抜けていく風は冷たい。来場者は防寒対策をとっている人が圧倒的だ。まあ、中には白人特有の寒さに強い半そで半ズボン、ビール片手にって強者もいるが…

 比較的風を受けない三塁側に行くと、バイサリアのダグアウト前で、選手を指導している背番号4を発見。ピッチングコーチのドレイベックDoug Drabekだ。90年代にメジャーで大活躍した投手で、最多勝、最高勝率のタイトルホルダーで、もちろんオールスターにも出場している。声をかけると快くサインに応じてくれた。(座右の銘の意味で)「なにか良い言葉を書いて?」とお願いすると、私の名前を聞いて「○○さんへ」と言うような感じで書いてくれた。ちょっと意味は通じてなかったようだ。

 フレズノに行く前にちょっとだけ立ち寄ったバイサリアだが、ローハイドに改名する3年前まではバイサリア・オークスを30年以上も名乗っていた。オークスOaksと言うのは「樫の木」の意味で、オークランドも同様だろう。樫の木がいっぱいある土地柄なのだろう。

 一方、ホームのストックトンは、ポーツと言う名前を60年も使い続けている。プロ野球組織に参入した歴史も古く、1886年にはカリフォルニア・ステート・リーグに参加している。ポートPort(S)の意味は「港」だが、チームのロゴも錨をあしらった物。内陸に位置するストックトンだが、ゴールドラッシュ時代から運河が発達し、石炭などをサンフランシスコ湾へ運ぶ重要拠点となっている。「ストックトン港」は街のシンボル的存在だ。
 試合前はマスコットの“スプラッシュ”が国歌斉唱に参加する子供たちを和ませていたが、プロモデーの主役であるはずのシュタージ捕手は残念ながら欠場するようだ。

 試合が始まったが寒くて集中出来ず…上着とブランケットは夫々持っていたが、半ズボンとビーサンなので、露出してる部分が多いから風が直接当たる…我慢できずに車に置いてあった靴に履き替える。靴下は持って来なかったので、ちょっと気持ち悪いが寒いよりはマシだ。再入場の時は手にマジックでSPと書かれる。それと、コンコースへもよく歩きに行ったが、たまたまサイズの小さなユニホームを配っていたので、私もユニをゲットできた。それにしても確認もしないから、2〜3枚貰ってしまう人も居るのではないだろうか?

 3回裏にロビンソンDusty Robinsonの3ランが出てスコアは5−0でポーツがリードを広げたようだ。しかし、ポーツが初回に先制していた事も、私達は気付いてなかった。寒くて試合どころじゃない。なにか食べて暖を取ろうと、スペシャルホットドッグ($8)、フレンチフライバスケット($5)を買って食べる。ここはソースの種類が豊富で、パンチ(チーズマヨ)、マヨ、ケチャップ。ナチョスに付いてくる辛いハラペーニョ。タマネギ微塵切りなど…。

 内野席はほぼ満席で、マイナーの割にはセクションの移動はチケットチェックが厳しい。ネット裏のやや1塁寄りに、モデストで出会った変人オジサンが座っていたが、彼の方が良い席なので、そこまで行って挨拶する事は出来なかった。まあ、どっちでも良いけどw
ポーツは4回にもロペスDiomedes Lopezのホームランで追加点を入れた。

 グッズショップも早めに行って買物してしまい(ペナント2ドル、キャップ15ドル)車に置いて来る。なにしろスタンドに居るのが苦痛だし、動いてないと凍えてしまいそうだ。6回頃になり座席係が手薄になったので、ネット裏の壁際に立って観戦。ここなら比較的風が来ないが、足踏みは止められない。しかし、地元チームが大量リードしてる事もあって7thイニング・ストレッチは盛り上がり、一瞬だが熱気が寒さを上回った気がした。でも、今日も朝は早かったし、ホテルの事やらで疲れていて、明日も早起きなので、7thイニング・ストレッチ終了後球場を後にする。

 ハイウェイから南のエリアは夜通るとひっそりしていた。デイズインも看板も点灯させず真っ暗で近くまで行かないと分からなかった。部屋に戻り、シャワーを浴び寝る。テレビで映画アルマゲドンをやっていたので途中まで見ていたが、寝てしまった。12時過ぎ頃だと思う。


試合結果 ストックトン6−2バイサリア
勝ち投手マーフィーSean Murphy  負けTaylor Siemens

ロビンソン 4打数3安打5打点 カブレラYordy Cabrera 4打数ノーヒット シュタージ 出場せず(以上、ストックトン)

ウェバーGarrett Weber 4打数2安打 ベルCarter Bell 4打数2安打1打点(以上、バイサリア)



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