8月28日

California League (A)

MODESTO NUTS VS STOCKTON PORTS

モデスト・ナッツ VS ストックトン・ポーツ

John Thurman Field Modesto , CA(カリフォルニア州 モデスト) 


 成田では”エスタ”の手続きで悪戦苦闘。こんなの前は無かったのに…その上、手荷物検査では、お土産の羊羹(ようかん)でも引っ掛ってしまった。羊羹は“液体”扱いなんだそうだ…搭乗ゲートに行くのがギリギリになってしまったが、便も機体整備とかで1時間遅れる。
離陸後は後ろの席の3人が、ずっと喋っていて煩くて眠れなかった。まあ、日本語練習中の外国の人なので、会話自体は微笑ましいのだが…
そして消灯…真っ暗な空に遠くで雷が光る。真横の高さで広範囲。マジでスゴい!

 久し振りの観戦旅行はサンフランシスコ。もっと早く訪れたい街だったが…
明るくなってからは、雲とその間から海が見えるだけの景色がしばらく続いていたが、ようやく陸地が見えてきた。ベイエリアと言われるだけあって、入組んだ入江の景色がとても綺麗だ。着陸間際、サンフランシスコ湾に浮かぶのはサン・マテオ・ブリッヂか…
サンフランシスコ国際空港着10時20分。出発も遅れたが、向かい風が強く更に30分ほど予定よりも遅れたらしい。

 飛行機から降りて、通路が広くて綺麗なので写真を撮ってたら、デジカメのバッテリーが残り僅かだと気付く!マジかよ!!!…通路のコンセントで充電。入国審査の待ち列でも7分充電。けっこう顰蹙だったかも…
無事審査を済ませ、エスカレーターでフロアを1階上がり見付けたインフォブースでミュニのパスポートを購入。7日後の事を考えての行動だw

 そして、今度はエレベーターで4階レベルまで上がりブルーライン(空港のターミナル間を結ぶエアトレイン)に乗る。車内は荷物が多いので混んでる。日本人っぽい人は居ない。3〜4層の高架の最上部を走るブルーラインからの眺めは抜群だったが、カメラのバッテリーを気にして、ここでの撮影は見送る。3つ目の「レンタカーセンター駅」で降りると目の前がエイビスのカウンターだった。3人ほど並んでたので、ここでも充電10分。

 番になったのでカウンターの女性に、日本からの書類を見せると、車を選ぶよう言われる。ネットで予約したのはシボレー・クルーズ(日本のより一回り大きい)同等レベルと聞いていたが、用意されたのはキアorカムリ…日本車ではつまらないので「キア」と言うと「小さいよ」と言われ「他には?」と聞くと「トヨタ・ラブフォー」を薦められる。「ラブフォーって…そんな大きくないじゃん」と思いつつもラブフォーに決めた。15分ほどで手続きを済ませエスカレーターを降りて立体駐車場へ…言われたKに停めてある車を見て「大きいじゃ〜ん!」日本のラブフォーよりもボディーも排気量も一回り大きい車のようだ。

 妻の運転で、立駐を出て一般道へ。久々のアメリカドライブなので練習したいところだが、飛行機が遅れたせいで予定が押している。すぐにハイウェイにも出られるのだが、慣らしの意味もこめて、分かりやすい乗り口までマクドネル通りを2キロほど走り、101号ハイウェイに乗る。

 寝不足も時差ボケも無く、陽射しの明るさが心地良い。数分で右手に湾が広がってくる。その向こうに円形灰皿のような球場が見えてきた。キャンドルスティックパークだ。着いていきなり来た!泣きそうだ…!!! 

 今でこそ、ボンズのホームラン記録で注目され、しかもスプラッシュヒットで一世を風靡したAT&Tパークが、サンフランシスコの野球の代名詞となっているが、その前の本拠地は長くこちらだった。野茂がメジャー初登板したのもここだったし、それよりも前からメジャーのテレビ中継ではお馴染みの存在だった。少年時代からの憧れの地だっただけに、数年ぶりのアメリカ旅行との感慨も交差して一際感動した。

 高速を下りて数百メートル進むと巨大なアーチが…駐車場入口の小屋にいた警備員に、駐車場奥への進入を許可してもらおうと頼む「写真を撮りたいので5分だけ…」あっさり断られる。しかたなく道路で何枚か撮ってキャンドルスティックポイント(隣の公園)へ。対岸のオークランドがよく見える。コロシアム(アスレチックスの本拠)も確か湾に面していたが、ここからでは確認できなかった。奥の駐車場では黒人がタムロして音楽をガンガン鳴らしてた。強面な感じが多いが貧乏っぽくはないので危険は感じなかった。ここでは変わった植物も見ることが出来た。雑草なのだろうが、乾燥地に対応して進化してきたのだろうか…

 再び101号へ。ダウンタウンを貫けベイブリッジへ向かう。次は、オークランド側へ渡る前に、橋の途中にあるトレジャー・アイランドへ寄る予定。サンフランシスコ湾に浮かぶ島の中では2番目に大きな島で、大部分は海軍の施設となっているが、サンフランシスコの街並みが一望出来て、人気の観光スポットになっていると言うので…

 ベイブリッジは上下線ともハイウェイだから、島に入るExitの僅かなタイミングを逃せば、また戻ってくるには相当な時間が掛かるし、オマケに逆方向だと通行料金も掛かる(SF市街から出るのはタダ)。かなり前から注意してたので、妻はすんなり狭い出口を下りた。高速の出入口は隣接する小島イェルバブエナ島側にあり、少々の山道を走ってトレジャー側に。海沿いの駐車スペースに停車。車を降りると、潮の香り、風が肌寒い。「来たんだ…」さっきのキャンドルスティックパークとは、また違って、サンフランシスコそのものを実感できる場所だった。ダウンタウンの街並みを正面に、左にはさっき渡ってきたベイブリッジを臨み、右手の奥にはゴールデンゲートブリッジが…その手前はアルカトラズ
島か…
 時間も無いのでユックリは出来ないが、サンフランに居ると言う心地良さ。強烈なポイントは出来るだけ早く訪れるべきだ…

 ベイブリッジを渡るとハイウェイは複雑に分岐を繰り返す。580号に入り鋭い車線変更で州道24号へ。1本間違っても全然違う方へ行ってしまう……一般道を少し走りAAA(トリプルーエー、全米自動車教会-日本のJAFみたいなもの)に到着。午後1時20分。車に乗ったら次はこれなのだ。地図やホテルの手配だけではなく、事故や故障ではもっと世話になるだろうから、行き先々の街のAAAの場所を調べておくのは必須だ。店内はけっこう混んでいて賑やかな店だったが、入るとすぐに男性職員が親切に要件を聞いてくれ、行き先の都市名を書いたメモを渡すと、奥から10部ほどの地図を出してきてくれた。
 AAAオークランドがあるのは、市中心部よりもかなり北部でバークレー市に近い。スーパーなどの複合施設が立ち並ぶ一角で、裏手には沼と絶壁に立つ墓地が…見上げるとなかなか面白い景色…

 

 そこから一般道でUCバークレーへ。カレッジ通りを進んでいくと、大学が近づくたびにカフェなどの店舗が増えてくる。バンクロフト通りBancroft Av.を左折して右に寄せ路上駐車する。すぐ横の歩道にパーキングチケットの販売機があったので、持ってる小銭を全部(紙幣不可だったので)使い購入。出てきたチケットは約40分。まあ、時間も無いのでこの範囲での散策となった。それにしてもキャンパス内は人で混雑していて、学校と言うより市場のように活気で溢れている。人波を掻き分け奥に進むと、遠くにキャンパスのシンボル的存在、セイザータワーが見えた。
メインのグッズショップも近かったので覗いてみると、学校色の黄色と紺の色合いがとても好みだったので、ジャケットやキャップ、バイザーを衝動買いしてしまう。「ベアーズ」と言うニックネームも良い響きだ。

 カリフォルニア大学バークレー校は、UCLAなど10校あるカリフォルニア大学系列の中で創設は一番古い。バークレー市の丘陵地に広大な敷地を持ち、サンフランシスコ観光スポットの一つでもある。学問もそうだがスポーツでも優秀な選手を輩出しており、チームとしてはどの競技も「カル・ゴールデンベアーズ」を名乗っている。ちなみに野球では、ジャイアンツやドジャーズで活躍したジェフ・ケントや、FA導入の話になると決まって登場する名前、アンディー・メッサースミスなど多くのメジャーリーガーが卒業している。
 大学野球のシーズンは終わっているので、試合を見ることは出来ないが、自前の素晴らしい野球場を見ていきたい。しかし、探してみるが短時間では見つからず…この辺りのはずなんだが…

 帰りはユニバーシティ通りから直接ハイウェイへ…今度は私が運転で、今夜の宿泊地モデストを目指す。ヘイワードHaywardまでは混んでて、とても時間が掛かった。その先も渋滞はしてないものの、常に交通量は多い。景色はハゲハゲの丘が続いている感じだったが、途中、風力発電なのか?数十個の風車が回ってる場所が印象的だった。道路の方は以前に比べコンパクトカーが増えた感じがした(日本車以外も)。2時間ほどでモデストに到着。サンフランシスコから約150キロ。

 北カリフォルニアでの主要道路99号ハイウェイから227出口を下りると、今夜の宿クオリティインはすぐにあった。時刻は16:35。小さなフロントだが、PCも1台ありネットも自由にやって良いとの事。部屋でカメラの充電を30分。

 モデスト市は北カリフォルニアの中規模都市で人口は約20万。大きなワイン工場とガロ交響楽団が有名。もちろん、私たちが訪れた目的はマイナーリーグのチームがあるからだがw


 ネットでモデスト市内のスーパーマーケットを検索したら、ホテルの向かいに一つ見付けたのだが、フロントで聞いてみると、そこは店舗ではなく加工や配送センターらしい。買物は出先でと言う事になり、球場へ出発する足でダウンタウンへ。時間も少ないが、この町で数少ない名所の一つ「アメグラの銅像」を見ておきたい。

 ダウンタウンを10分ほど走り、J通りと17th道の交差点へ。向かいのタコス屋に車を停める。まあ、モデストで最も有名なのは?…となると、やはり大映画監督ジョージ・ルーカスの出身地と言う事になるだろう。スター・ウォーズ、インディ・ジョーンズと数々の人気シリーズがあるが、私にとっては何と言っても「アメリカン・グラフィティ」なのだ。オールディーズこそが私の青春そのものだった…それをモチーフにした銅像と言う事で、町もなかなか分かってるw植込みの中に旧車に腰掛けるティーンエイジャーのカップル。見た感じはアメグラの登場人物達より幼く感じるが…まあ良いだろうw


 停めたついでにタコス屋にも寄る。客は2人しかいなかった。タコス2つで99セントと激安、ビッグボトル(1リットルくらい?)のスプライトも購入。それを持って一般道で球場へ。

 ダウンタウンからそう遠くはないが、ハイウェイを超えてトゥオルミ川沿いに出ると一気に郊外って感じに…木々の間から照明塔が見えてきた。久し振りの感覚だ…

 すぐに右側に駐車場があったので、係に5ドル払い停める。間もなく試合開始だと言うのに、けっこうガラガラだ。チケットを買って入場しようとしたら、飲食物の持込み禁止で入場を断られる。まあ、こんな大きなボトルを持ってたらねぇ…じゃあ、タコスとスプライトは球場の周りを散策しながら食べてしまおうと歩き出す。

 ジョン・サーマン・フィールドJohn Thurman Fieldは1952年開場の古い球場だが、そんな風には全く見えない新しそうな外観…10年前ぐらいに改築されたらしい…外野方向からは高い壁が邪魔してグランドは全く見えない。まあタダ見防止には当たり前なんだが…人目と陽射しを避けてタコスを食べる。
外からでは球場の雰囲気は感じられず、駐車場に戻ってきた。しかし、上着を取りに車に戻ろうとするが、車が見つからない…「え?おかしいなぁ」でも、景色がなんか違うような…それに短時間で車の数も5倍以上に増えている…ん?…金網の向こうのゴルフ場の、さらにその奥…別の駐車場が見える。「俺たちが停めたのはあっちだ!」1塁側と3塁側の両方に駐車場はあったのである。まあ、ちょっと考えれば分かりそうだが、やはり時差ボケと長距離移動で頭が働いてないのか…

 ゴルフ場を横切って反対の駐車場へ…本当は入るのはNGっぽいが戻るよりは早かっただろう。それにしてもゴルフ場と隣接し過ぎで周りをグルっと出来ないなんて…大きなメインスタンドはゴルフ場側からが一番見栄えがするのに…

 入場して、すぐ横のグッズショップを見る。マスコットが前面に出たロゴがイマイチなので、Tシャツなどは買う気にはならなかった。静物(食物)に顔を描いても可愛くはないし…1塁側からの入場者の方が多かったようで、中はそれなりに混んでいた。

 シングルAにしては立派過ぎるネット裏席は、最上段部分にピクニックエリアがある、かなり変わった構造。傍から見てると、ちょっと変なのだが、あそこに居る人達は絶対に幸せに見えた。そうこうしてるうちに試合開始のセレモニーが…座席はまだ疎らだし、まだまだ陽も高い…素人っぽい女性歌手の国歌斉唱…決して上手くないが…やはりマイナーのオープニングは長閑で良い…国家斉唱では妻は感動して涙してた…

 モデスト・ナッツは、シングルA、カリフォルニア・リーグに属しているコロラド・ロッキーズ傘下のチームで、数年前まではアスレチックス傘下でモデスト・アスレチックスを名乗っていた。A’sを名乗っていたのは約30年間と言うから驚きだ。モデストのマイナーリーグの歴史は古く、カリフォルニアリーグの創世記(今の形態)1940年代から参加していたようだ。
対する、ストックトン・ポーツは、モデストから北に30キロほど行った町を本拠にしていて、現在は、こちらがアスレチックスの傘下。

 私達の席はPreferred Grandstand(7ドル)。2番目に安い席だが、内野の中間から後ろ辺りなので、まあ良く見える。
試合は初回から点の取り合いとなった。ストックトンが先制するが、その裏モデストは5番パーカーKyle Parkeのタイムリー3塁打などで4点を取り逆転。ナッツの応援はアルミ製の観客席を足踏みでバンバン鳴らすので喧しい。ナッツは2回にもパーカーのタイムリーなどで2点を追加。

 フードコーナーでチキンチップスとフライの盛合わせ(6ドル25セント)を買う。ボリューム満点だが、トッピングしたバーベキューソースはイマイチ。ミニッツメイドのソフトドリンク3.25ドルとクラッカージャックも一緒に頼んだが、店員がクラッカージャックを忘れていたので「クラッカージャックは?」と聞いたら、すぐにくれたが、レシートには載ってないので無料でくれたようだ。席に戻ると、ストックトンの長い攻撃が続いていて点差も1点差に…押し出し四球まであったようで、どんどん試合ペースが遅くなっていく… 

 午後8時になった。風が涼しいが寒いとまでは感じない。三塁側のベンチの上辺りの席に、ストックトンのユニホームを着たオッサンが数人。プレーに対して叫んだりかなりウザい。5回終了で6−5でモデストがリード。ストックトンの先発は立ち直り、モデストは2番手が好投して試合がしまってきた。他のイニング間でもアトラクションは頻繁に行われているが、やはりTシャツ飛ばしの時は異様に盛り上がる。マスコットのナッツ二人組み(アル&ウォーリー)と進行役のマイク・オン・ザ・マイクMike on the Micの掛け合いも息が合っていて、とても楽しい。それを撮影する激しく動くカメラマンも、すごいプロ根性だ。

 試合は6回裏にナッツが1点追加するが、7回表のポーツはトンプソンTony Thompsonの2ランが飛び出して同点とする。当然、オッサン軍団は大騒ぎだ。私達も近くの席に移動してたので、少人数の叫びをモロ聞いてしまった。
オッサンの一人(上ユニでキャップに缶バッジを幾つも付けて、一番変人っぽい)がチラチラこっちを見るので、話しかけてみる。「ストックトンに住んでるんですか?車でどのくらい掛かりますか?」と聞くと「30分だよ」。「私は日本人で、いま旅行中ですが、ストックトンには3日後に行きます。野球も見る予定です」と言うと。うんうんと頷くだけ。彼がこちらを意識してたのは明白だが、その割には無愛想な反応。やはり、かなり変人っぽい。「球場はどうですか?綺麗?」と聞くと「Good!」とだけ言って、またグランドを見て叫びモードになってしまった…

 午後9時、7thイニングストレッチを見届け席を立つ。ショップでペナントやキャップを買ってから球場を後に。まだ、1日目だし移動の疲れもあるので早めの上がりだ。

 高速を使い出口二つ目でホテルへ。約15分。私はロビーのネットでファンタジーの選手入替、妻は税関で空けられたヨウカンの包みを包装しなおす。その後、シャワーを浴び11時半就寝。


試合結果 モデスト10−8ストックトン
勝ち パーカーGeoff Parker 負け ジョセフJonathan Joseph
リチャードMyrio Richard4打数2安打1ホームラン トンプソン5打数1安打1ホームラン2打点 以上ストックトン
オルテガRafael Ortega5打数3安打1打点、アダムスCristhian Adames5打数2安打2打点、パーカー5打数2安打4打点 以上モデスト

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