7月1日

   American League 

SEATTLE MARINERS VS TEXAS RANGERS

シアトル・マリナーズ            テキサス・レンジャーズ

Safeco Field  Seattle , WA


 7時過ぎに起床。ちょっと肌寒い。窓の外を見ると、道を歩いてる人はジャンバーを着ている。

 7時50分、歩いてパイク通りPike Stのモノレール・エスプレッソMonorail Espressoへ行くが、すでに行列になっていた。さすがは有名店。並ぶ時間が勿体無いので別の店へ。旅行中また来るチャンスはあるだろう。シアトル風コーヒーは日本でも人気だが、当然、ダウンタウンには良いカフェが多くある。早朝から営業してる店も多いので、朝食がてら色々な店を楽しみたい。コーヒー党の妻はそれをとても楽しみにしていた。5th通り沿いの程々の混み具合の店へ。看板が無いので個人の店だと思ったら、カップはまたも「シアトルズ・ベスト」これなら日本でも飲めるのに…クロワッサンサンド、シナモンベーグル、ラテを持ってホテルPまで戻り、そのまま出発。8時25分。

 今日は夜にマリナーズ観戦だが、昼間は近郊の名所巡り。まずは、昨日行けなかったスノコルミーの滝Snoqualmie Fallsを目指す。スプリング通りSpring Stから5号ハイウェイを南に乗って、すぐに90号へ分岐。交通量は多いが渋滞は無い。もう1つの浮き橋マーサーアイランド・ブリッジMercer Island Bridgeでワシントン湖を渡る。やはりインターステート道路なので、車線が多いぶん視界は狭く、それに途中でマーサー島を通るのでトンネル部が長い。昨日の橋の方が景色も迫力も良かったように思う。

 405号を過ぎると徐々に交通量は減る。この時間だと、シアトルに向かう反対車線の方が混んでるようだ。妻は助手席でパンを食べている。I-90号は数日前にヤキマからウェナッチーに向かう途中でも少しだけ通ったが、昨年もシカゴで走ってる。アメリカ北部を東西に結んでる主要道路で、シアトルからボストンまでは5000キロ。セーフコ・フィールドから出発して、US.セルラーの真横を通り、フェンウェイではグリーン・モンスターの真後ろを通っている。

 多少のアップダウンを感じてくると間もなく出口。ダウンタウンから20分くらい。スノコルミーの標識に従い北へ。同じ方向へはトラックが1台だけ。新しそうな住宅地のある丘を越えると5キロほどで州道202号に突き当った。スノコルミー市街へは右だが、滝は左。スノコルミー周辺は、数年前に日本でもヒットしたドラマ「ツイン・ピークスTwin Peaks」のロケ地で、滝も象徴的なシーンとして使われた。

 すぐにドラマでも見た鉄橋が出てきた。たまたま高校生くらいの少女が一人で歩いていたので「えっ!」わりと山間部なので、徒歩の人など他にはいない。別に事件でも何でもないが、ドラマを見ていた者にとっては、風景にワンポイント加わった感じ。

 ドラマで出てきたホテルも、すぐ左手にあり、そのまま駐車場に入ってしまう。満車だったので、ロータリーで回って引き返すが、ベルボーイ2人に睨まれた。客でないのだから当然か。手前にあった砂利の駐車場も「Employees Only」(従業員専用)の立て札がある。窓を開けると滝の音が聞こえる。もう近いようだ。「ちょっとなら平気だろう」と、そこに停めて行こうとしたが、後から入ってきた車のスーツ姿の人が声をかけてきた。「やあ、滝に行きたいの?」「はい」「だったら、この先にパーキングあるよ」「ここはホテルの人だけですか?」「そんな事はないけど、向こうの方が滝に近いよ」なかなかのジェントルマン。言われた通り200メートルほど進むと、道路の両側に駐車場があった。50〜60台は駐車可能で、料金は無料。時間は90分までと書かれていた。

 私はパンを食べて一服してから外へ。少し歩くとすぐに木製の展望スペースがあった。テレビで見たままの迫力ある滝が目の前に。滝だけを見たい人にはホテルが邪魔かもしれないが、あの建物はドラマにも出てきた景色の一部だ。100mくらいは離れているのだろうが、スゴい勢いの水飛沫で、展望台の周りも霧雨が降ってるよう。展望台には2〜3家族いたが、程よい混み具合。

展望台から坂を下って50メートルほど下までいけたが、その先は柵があり行き止り。もっと下まで行きたい人は、手前のリバー・トレイルから滝壺まで下りられるようだ。距離は1/2マイルと書いてあった。展望台周辺は小さな公園になっていて、ピクニックエリアもあった。帰り際に園内でオレンジ色のツガイの鳥を発見。ボルチモア・オリオールズのロゴそっくり。

 帰りは90号入口までは5分くらいだったが、高速を挟んで南側が州道18号だったので、そのままインターを通り越す。ワシントン州の州道標識は、合衆国初代大統領ジョージ・ワシントンの横顔に数字が描かれている。旅行当初から気になってたが、ここまでなかなかイイ番号に出会わなかった。本当は「51」がよかったが、どこを通ってるか分からないし、もう終盤なのでこの辺で写真に収めておかないと。18号の標識はすぐに見付かり路肩に停めて写真。しかし、山の中なのに交通量が多くなかなかUターンできない。5分待っても車が切れないので、少し先に進み坂を下りようやくUターン。

 90号は渋滞も無く、シアトルへはすぐに戻ってこれた。やっぱり、浮き橋は昨日の方が良かったなぁ。5号に入ってもスムーズに進み、次の目的地のワシントン大学University of Washingtonへ向かう。169B出口で下り45th通りへ。賑やかな通りだが、学生街と言った印象は特に無い。右折してユニバーシティー通りUniversity Wayに入り、正門付近までパーキングを探すが、結局、一回りしてきて大学生協BookStoreの前でコイン駐車。あるだけの小銭を投入するが、メーターが動いたのは22分だけ。メーターは1つの柱に2つ付いていて、前後の車で使い、1セントでもカウントする。

 生協にはワシントン大学のグッズがたくさん置いてある。過去の旅行で行ったイェール大やUCLAでもそうだったが、プロチーム顔負けの品数の多さ。紫を基調にチーム愛称のハスキーズHuskiesのロゴが光ってる。お土産としても人気があるようだ。2階にはラッピング・コーナーもあり、その奥は本当のブックストアになっていた。ハスキーズはどちらかと言うと、野球よりもアメフトの方が有名らしい。あのボブ・サップBob Sappも同チーム出身だそうだ。ハスキー犬のロゴは同じだが、中にはDaugsの文字のグッズも幾つかあった。ハスキーズの別称なのだろうか?Tシャツ、キャップ、サンバイザー、ステッカー、鉛筆などを購入。T/Cも余裕で使える。

 実際に周辺を見た感じでは、思ってたよりも広くて学内見学は時間がかかりそうだ。歩いて回るのでは、ほんの一部しか見れないだろう。当初の予定では、シアトルでは1日は自転車で回ろうと考えていたが、今からでは中途半端だ。ワシントン大学はグッズだけで引き上げる事に。

 野球やソフトボールの試合がやってるなら、観戦の手もあるが、どの学校も5月末には公式日程は終わってしまい、それ以降は全国大会(又は選手個々にサマー・リーグ参加)になる。学校で公式戦を見る為には、シアトルではちょっと寒い時期に来る必要がある。

 メーターは大分過ぎていたが車はなんとか無事。妻の運転で出発。9th通りの住宅地の中でAAAの事務所を発見。貰い忘れていたポート・エンジェルス(オリンピック半島周辺をカバー)とシアトル市街地の地図をゲット。もう使わない場所でも記念に貰っておくのだ。

 次の目的地は、知人の親戚の家を見てくると言う指令。面識も約束も無いので見てくるだけだが、住所だけで一般の家に辿り着くかと言う挑戦でもある。わりと広い11th Avを北に向かう。両脇に店舗もあるが徐々に静かな住宅地になっていく。道なりに州道522号へ斜めに合流。再び住宅地に入るが、家がバレるので、ここから先は省略。なんとか指令は成功。子供用のグランドが近くにあり良い環境だった。仮に、住所が1234番地なら、交差するストリートの数字は千と百の位の12thとなるようだ。地図さえ読めれば、密集度にもよるが3〜4軒に絞れるようだ。

 ルーズベルト通りRoosevelt Wayで南に戻る。大学を通り越して、ユニオン湖Lake Union沿いに出るつもりが、曲りそこない橋を渡ってしまう。Uターンして再び湖の北へ。大回りしてきて再挑戦。橋の手前を右折するが、小さい道なので分かり難い。丘に面した住宅地に出るが、湖は見えないのでまだ湖畔ではない。パシフィック通りPacific Stから、東へ少し戻りようやく湖沿いのノースレイク通りNorthlake Wayに出た。

 すぐにアイバースIvar’s Salmon Houseを発見。さっきの橋の真下だった。駐車場の花壇ギリギリに停める。まだ昼前だが、外の注文カウンターには客が2〜3人並んでいた。ネットでサーモン専門レストランと紹介されていたので、ちゃんとしたレストランだと思っていたが、店の形態はファストフードって感じ。私達はサーモンスペシャルとオイスターチップの夫々セットをカウンターで買って、隣の飲食スペースに持っていって食べた。大きな蒸してあるサーモンは、薄味なので醤油が欲しくなる。それに高菜の混ぜご飯みたいなのに蒸しパンと、かなりのボリューム。牡蠣フライは素材の味が濃くて美味い。それにポテトとコールスローサラダ。後日、店のウェブサイトで確認すると、レストランは同じ建物の裏側にあったようだ。

 昼時なので客はどんどん増え、私達が食事を終えた頃は20人以上の列が出来ていた。湖で野外授業なのか、ライフジャケットを着た子供が多い。次の目的地はチッテンドン水門だが、行き方がイマイチ分からないので、列に並んでいる人に聞いたが、誰も水門自体知らないと言う。丁度、タバコ休憩に駐車場に出てきたコックさんに聞いたら、地図を見ながら丁寧に教えてくれた。12時37分、出発。

 ノースレイク通りを西に進み、湖が終わる辺りで右折してフリーモントFremontに出る。ガイド本にもあった観光スポットで、それなりに店舗が集中してたが、人はそれほど歩いてない。でも、路駐が多く、2車線のところもほとんど1車線しか使えなかった。道なりに36th St→リアリー通りLeary Way→バラード通りBallard Av→マーケット通りMrrket Stと進む。混んではいたが、それなりに進み1時には水門のある公園に着いた。

 港が近いのか、周辺は倉庫のような建物が多い。使われてない線路の両側にあるパーキングは、けっこう混んでいる。Pチケットの自販機は紙幣は使えず。黒人女性の係が来て「小銭が無いならカードを使いなさい」でも、妻が集めてたクオーター(たまに裏が各州の絵が描いてある)を犠牲に1時間分のチケットを買う。フロントガラスに貼って園内へ。

 チッテンデン水門 Hiram M. Chittenden Locksは、ワシントン湖とピュージェット湾の水位の差を調節している所。パンフによると、元々のワシントン湖は、海とは直接繋がってなかったが、1917年にワシントン湖船舶運河Lake Washington Ship Canalが完成し、ユニオン湖を経由して船の往来が出来るようになったそうだ。20世紀初頭の地図も載っていて、それ以外にもシアトル近郊では多くの河川工事がされてきたようだ。

 ビジター・センターのある公園北側も、花がたくさん咲いて綺麗だったが、歴史のあるレンガ造りの管理棟を超えると景色は一変する。幅約100mの運河には、手前にコンクリート堤で大小2つの水路が通っていて、小さい方の水路には、これから海に出て行く10隻ほどのヨットやクルーザーが、水門が開くのを待っている。犬を乗せたボートもあり、慣れているのか、犬はデッキの先端で得意そう。水が海側に放出され、水路内の水位がどんどん下がっていく。上の通路では、たくさんの観光客が、それを見物してる。水門の上流と下流では、それぞれ道路と鉄道の跳ね橋が架かっていた。

 船の通過を見届けて、通路を渡りフィッシュ・ラダーFish Ladderへ。幅としては水門よりも、こちらの方が広い。地下のガラス張りからカンバック.サーモンを観察出来るのだが、魚道は外にもあり、たまたま外に飛び出してしまった鮭を見ることが出来た。鮭は何跳ねかして、また水の中へ落ちた。見やすいのは地下だが、外のゲートも迫力がある。人工的に滝を作っているのだが、あれを昇る鮭はスゴイ。根性のある鮭はこっちを選ぶようだ。その瞬間を見る為に、ジッと激しい流れを見つめてる人もいた。

 丁度1時間くらいで車へ戻る。マーケット通りから15th Avを右折。水門からも見えていた跳ね橋に引っかかる。橋の下にはヨットがたくさん見えた。橋を渡るとダウンタウンは目前で、クイーンアン・ヒルQueen Anne Hillの西側を通る。丘へ登る事も考えたが、地図を見るとこちらから丘に上がる道は無い。もっと手前からなら入れたが…

 エリオット通りElliott Avからダニー通りへ。ダニーからの右折は、ダウンタウンの縦横両方の道(アベニューとストリート両方)が僅かな間隔でぶつかってるので、気をつけないと違う道に入ってしまう。4thの次が5thではないのだ。5th通りはモノレールの下を通っているので、道の真中に柱がある。次にどっちに曲がるかで柱のどっち側に入るかも決めておいた方が曲がるときに楽。ホテル着2時15分。

 部屋は掃除が済んでいた。アイバーズであれだけ食べたのに、昨日のキッシュの残りをたいらげる。しかも、飲物は朝買ったラテと、残飯整理だ。

 3時55分、球場出発。駐車場代がかかるので、今日は公共交通機関を使う事にする。歩いていると、バンクーバーの時のような2本角のバスが通り過ぎていった。5分ほどでウェストレイク・センターWestlake Centerに着いた。人が多くとても賑やか。正面入口から入りエスカレーターで地下1階へ。地下の靴屋やブティックの横を来た方向に戻り、突当たりのガラス扉を出るとトンネルバスUnderground Busの駅。エリア内は無料と聞いていたが、時間もあるので切符売場の窓口で確認すると「切符は必要ないからサウスCに行って」と言われ、エスカレーターを下りて乗場へ。すぐにバスが来たので乗り込む。

 トンネルバスはダウンタウンの渋滞緩和策。地下に道路が通ってるのかと想像してたが、バスが走る所は、円形にトンネルが続いていて、下にレールも通っていた。車両はバスだが、乗ってると地下鉄のような感じ。ドライバーは車と同じハンドル操作をしている。外が全く見えず不安なので、2つ目の停留所を過ぎて女性ドライバーに確認するが、運転に忙しそうで、よく教えてくれない。顔も怖い。勘を頼りに4つ目で下りる。地上に出ると「5th Ave」の標識、周りは中国語の看板が多い。少し北に歩くとジャクソン通りJackson Stに出て、なんとか今いる場所を把握できた。まあ、球場には近い。

 2nd Avまで歩くと球場が見えた。手前のクエスト・フィールドの北にある広い駐車場は15ドルの看板。1週間前のパーキング(20ドル)は何だったんだ?オキシデンタル通りOccidental Avに入ると、有名なスポーツバー「スラッガーズSluggers」があった。それ以外は目ぼしい店も無く人通りも少ない。球場は見えてるけどなかなか着かない。右側にグッズ屋が並ぶようになると、多少賑やかになってきた。今日のチケットは予約しているが、明日のチケットを購入してしまいたいので、グッズを見るのは後にする。たいてい場外の方が安いのだ。

 球場の前まで来ると、さっきの静けさが嘘のような人の波。どこのゲートもかなりの行列が出来ている。今日は先着20000名にキャップが貰える日なのだ。チケット窓口に行くがウィル・コール窓口はまだ開いてない。一般窓口で明日のチケットを買ってからウィルコールに並ぶ。少しして5〜6つの窓口で「A〜D」「E〜H」などの札が下げられたので、列はファミリーネームの頭文字にバラけた。以前に経験してるので、私達も戸惑う事はなかった。5時になり窓口が開きスムーズにチケット交換。並んでいたのは15分くらいか。すぐに入場の列に並んだが、列は100メートルくらいに伸びていた。まあ、開門からそれほど遅くならなければ、帽子は貰えるだろうと思っていたが、後ろの日本人女性3人組が「一人だけ貰えなかったら、どうしよう」などと言ってるので、露天を見に行くのはやめて並ぶ事に。

 さあ開門。列が長いので入場できるまで15分くらいかかった。手荷物検査ではセンサーの着いたスティックをバッグに入れる。キャップは無事にゲット出来たが、1時間後くらいに入った人でも貰えていた。実際そんなもんだ。

 グランドではレンジャースがバッティング練習中。ソリアーノAlfonso Sorianoは細いので、遠くからでも一目で分かる。今日の席は、1塁ベースのやや後ろで、前から19列目。イチローの守備も1塁に駆け込むのも両方楽しめそうだ。一応、明日の席(もっと外野寄り)もチェックしてから、二人で3塁側にあるチーム・ストアを見に行く。エレベーターで店のある階に下りるのだが、帰りにはチケットチェックもあるようだ。

 店内はとても混雑していて、日本語も飛び交っていた。マリナーズグッズは日本でもかなり売られてるので、日本に無さそうな物を探す。目を引いたのはキングドームが描かれてるTシャツだったが、最近は大型スポーツ店でもクラシック調の物は売られてるし、買って数ヵ月後に日本で見るのはシャクだ。やはり背番号Tが無難か。リードJeremy ReedやブルームクイストWillie Bloomquistの若手なら、まず日本には無いだろう。まだ、明日もあるので、取り合えず今日は下見だけ。

 運転ではないのでビールでも飲もうと思い、3塁側コンコース裏の一番種類が多いカウンターバーで「レニアはあるか?」と聞いたが無かったので、他のを買った。スタンドに戻ると、大型モニタには、ミズノのグラブ職人久保田さんの紹介ビデオが流れていた。

 まもなく、始球式のため初老の男性がマウンドへ。隣の席の1人で来ている男性に「誰ですか?」と尋ねると、モニターを指差し「○○・△△だよ」(モニタに名前が出てる)。「そんな事は誰だって分かるよ」と思ったが、気を取り直し「彼はどんな人なんですか?」と聞くと「私には分からないよ」ニコニコしてるがちょっとボケ野郎だ。

 マリナーズの先発はシーリーAaron Sele、1回表、テキサスの先頭打者デルーチDavid Dellucciが2球目をライトへホームラン。今日も早々と先行される。しかし、次打者ヤングMichael Youngの右中間への打球を、イチローが走って走って最後は左手をいっぱいに伸ばして好捕。私は思わず「とれ!よーし!!」と叫んでしまった。捕った瞬間、鳥肌!鳥肌!勿論、場内は拍手喝采。もっとスゴいプレーが出たら泣くかもしれない、たぶん。レーザービームもそうだが、5月にフェンスを駆け上がったビッグ・プレーも思い出す。双眼鏡でライトフェンスを見ると「Washington Mutual」の「S」の文字にはまだスパイクの跡が残ってる。また、隣の男に聞いてみる「あの会社を知ってますか?」「勿論」「なんの会社?」彼は一言「バンク」顔は笑顔だが口数が少なく最低限しか答えない。

 テキサスの先発はパクChan Ho Park、イチローの最初の打席は四球だったが、次打者ウィンRandy Winnがゲッツー。今日もやられるのか?しかし、2回裏マリナーズはリードのタイムリー2ベースで同点に追い付く。2〜3階席のレフトポール付近を除き、ほぼ満席になった。イニング間に売り出し中のモースMike Morseのインタビュー。聞き手は中学生くらいの女の子だったが、最後に「好きな選手は?」とモースが聞くと、その子は「イチロー」場内大爆笑。

 3回裏、イチローは2打席目に左中間へ2塁打を放つ。「ほれー!行けー3つ3つ!!」妻も私も勿論大騒ぎ。隣の男は静かだが拍手だけはしていた。でも、せっかくのチャンスも後続が簡単に凡退で無得点。センターのモニタ下の広告は、昼間たくさん見たブラウンベア・カーウォッシュがたまに出てくる。

 4回表にテキサスは2点を追加、5回にもソリアーノとブレイロックHank Blalockにタイムリーを打たれ4点差。スタンドも集中力を切らしたのか、盛り上がる場面でもないのにウェーブが起こる。隣の男は、真剣に試合を見てるようで、ウェーブには1度も参加しなかったが、その隣の太った女2人組がノリノリなので、対照的で可笑しい。しつこいウェーブは4周くらい回ってきたが、私も3回目からは立たなかった。ウェーブがシーリーの集中力を削いでいるようにも感じた。

 シーリーは6回にニックスLaynce Nixにホームランを浴び、デルーチに死球を与えてしまうが、リリーフした長谷川がなんとか後続を抑えた。その裏、先頭のイチローがセンターオーバーの3塁打。ウィンのタイムリーで生還。その後、チャンスを広げ2死満塁までいくが、あと1本が出ず1点止まり。レンジャーズ6−2マリナーズ。陽は陰ったが、周りに大きな人が多いので全然寒くない。

 イチローは守備の時でも気が抜けないので、7回終了まで1度も席は立たず。暖かく居心地が良いと言うのもある。コンコースで試合を見ながら、アイバーズのクラムチャウダーを食べる。9回からはスタンドに戻るが、帰る人がけっこう多いので、違うセクションの前の方に座る。先発がパクだったので、近くで韓国の旗を振ってる人がいた。9回表モースがイージーゴロをエラー、イイ選手だがマダマダ。

 9回裏は5番から三者凡退でイチローには回らず試合終了、9時30分。テキサス6−2シアトル、勝ち投手パク、負けシーリー、ニックス4打数2安打2打点、ヒダルゴRichard Hidalgo 4打数2安打、デルーチ3打数1安打1打点、ソリアーノ4打数1安打1打点、ブレイロック5打数1安打1打点、テシェーラMark Teixeira5打数1安打(以上テキサス) イチロー3打数2安打、ウィン4打数1安打1打点、リード4打数1安打1打点、セクソンRichie Sexson4打数1安打(以上シアトル)

 階段が混んでいたので、スタンドを横に移動しながら3塁方面に進む、帰りのバスの発着所はレフトポールの方角らしい。ネット裏も越えて、3塁ダッグアウト近くを通る時、「誰かサインしてるよ」と妻が言うので、ちょっと前まで言って覗くと、なんとハーシュハイザーOrel Hershiser投手コーチ。思わずボールを出して順番を待ったが、周りに待ってる人がたくさんいるので、当然回ってくるはずが無い。それにしても、日本人だか韓国人だか知らないが、マリナーズの帽子にサインを求めてる不心得者がいた。なんて失礼な。彼の事など知らずに、誰でもイイから取り合えず貰っておこうという感じだ。

 ちょっと出るのが遅くなってしまったが、バス停(1th Avとロイヤル・ブルーム通りRoyal BroughamWayの角から20メートルほど北)には、まだ沢山の人がいた。「ダウンタウン行きですか?」と確認してから私達も列に。乗る時に1.25ドル払ったので、無料ではなかったようだ。一応行き先は運転手にも確認した。2連式の丁度真中の席に座れたが、乗客はどんどん増え、立ってる人もいっぱいになった。バスはなかなか発車しなかったが、動き出してからも渋滞のようですぐに止まる。

繋ぎ目のアコーディオンの内側で窓も無く、立ってる人も多いので外が確認できない。止まったり進んだりしながら3〜4つ目で停車したところで、「マーケットのネオンが見えるよ」と妻。慌てて降りようとしたが、ここで降りる人は多かったようで、「年寄りが先だ」とオジサンに制止されてしまった。お婆さんが降りると「さあ、どうぞ」と言われ、ちょっと恥ずかしい。

 ダウンタウン着は10時半。混んでたので歩いた方が早かった気もする。それにしても、さっき暗くなったばかりだと言うのに、通りに人がいなくなるのが早い。ホテルのある東の方角へ歩き出すが、2nd通りを過ぎる頃は閑散とした感じでちょっと怖かった。車で流してる黒人やイレズミ女、窓を開けて騒いでる。早歩きで前の人達に追いつくが、アメリカ人観光客も用心しながら歩いてるのは感じる。野球のグッズを身に着けてる人だと一安心。

 5th通りのドラッグ&雑貨の店へ寄ろうと思ったが、看板は点いてたが店は閉まってる。やってるのはホテル隣のマックだけ。食い過ぎてる気もするので、我慢して部屋へ戻る。風呂に入ってから、イチゴとブドウを食べる。明日で観光や試合観戦は最後だが、やはり妻は、エバレットでカエルのグッズが買えなかったのが、心残りのようだ。明日マリナーズはデーゲームで、アクアソックスは夜にホームで試合がある。予定に無かったが「う〜ん、どうしよう?」考えながら12時過ぎに寝る。


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