6月28日

West Coast Collegiate League

BELLINGHAM BELLS VS SPOKANE RIVERHAWK

ベリンガム・ベルズ           スポーケン・リバーホークス

Joe Martin Field  Bellingham , WA(ワシントン州 べリンガム)


 7時30分起床。風呂場の換気が悪くて、部屋が蒸し暑く、よく寝られなかった。窓も変な位置にあるので、開けても大した効果は無かった。少し頭痛がする。  

 8時過ぎ、朝食のため外へ。郊外のモーテルなら朝食付きだったろうに、まったく…ホテルの前には、私達の車は停まってなかった。この時間なので、既に出て行った車があったのだろう。

 東側の向かいの角にあったブレッド・ガーデンBread Gardenと言うカフェに入る。ガラス張りの落着いた店で、客はこれから出勤のビジネスマンが多い。コーヒーを飲みながらPCを叩いてる人もいた。いかにも観光客っぽい我々は浮き気味。ガラスケースにサラダ、惣菜、キッシュ、サンドイッチなど、甘系のパンは隣の棚に置いてあった。種類が多いので、ちょっと悩んだが、ソフトな春巻きみたいなのと、バジリコ風味のキッシュ、惣菜のトマト&ボカチーノ。それからラテを2つ。店員のアジア系の女の子は私の従妹にそっくり。まあ、年が違うが…

パンや惣菜などは、妻が先にテーブルに持っていき、私はカードで支払いを済ませ、他の人と同じようにレジ横で飲物が出来るのを待っていた。その間レシートを確認すると、ラテは同じサイズを2つ頼んだのに、1つはメニューの通り$2.50、しかしもう1つは$1.00となっている。何も言ってないが勝手にセット料金にしてくれたようだ。レジ横にチップ入れ(ファストフードやカフェなど、チップは不要と言われる店でよく見かける)の小鉢が置かれていたので、コーヒーを受け取る時1ドル硬貨を放り込むと、従妹が「サンキュー」と頭を下げた。小鉢の中には1セントなんてのも目立ったが、割引額からしても、気分的にも、1ドルは全く惜しく無い。従妹に似ていたからではないが、彼女は日系だと思う。こう言ってはなんだが、あの気遣いは他のアジア系では?だろう。もう1つの根拠として、ラテがアツアツだった事もある。アメリカでコーヒーを飲んでも大抵はちょっとヌルく感じるのだが、この店だけはアツアツだった。日本人は熱い飲物は熱い方が好きだ。それぞれの物を妻と半々で食べた。ボカチーノがなんだかよく分からなかったが、チーズにしては塩辛くなくて美味かった。味は殆ど無いのだが、風味が良い。

 ホテルに戻り、荷物を整理して9時頃にチェックアウト。時間が早いから待ってる人は少なかったが、これがあと1時間もするとフロントは大混雑となるだろう。ダウンタウンで泊まってるような人は、動きもゆっくりのようだ。出てくる時の廊下にも、ドアの前に新聞がそのまま置かれてる部屋が大半だった。たぶんまだ寝てるのだろう。せっかくの旅行だろうに時間が惜しくないのだろうか?

 これでも早いと思っていたが、ボーイが一人しかいないので、車は2台待ちだった。これからどんどん忙しくなるだろうに、長身のボーイはノロノロ歩いて取りに行く。昨日のガッシリした方は走っていったが。車を待ってる間に清算書を見てると、見慣れない項目で10.85ドル取られてる。フロントの女性に「GST roomって何?」と質問すると、「グッド・サービス・タクス・ルームよ」とニンマリ。ニンマリの意味は「納得しなさい」と見えた。アメリカではそんなチャージ一度も取られなかったぞ、まったく!やはりホテルを間違った。(後日確認すると、カナダ特有の税制度らしい)

 外でタバコを一服。車はなかなか来ない。20分ほどして、ようやくトロトロと玄関前へ。トロいボーイは愛想も無かったが、日本人がケチだと思われるのも嫌なので一応チップは手渡す。駐車場さえあればこんな必要も無いのに。返す返す選択を誤った。

 早起きしてる割に出発は遅くなってしまったが、妻の運転で出発。ペンダー通りを直進すると、そのままY字路でジョージア通りに合流する。イラスト地図は分かりやすくて助かる。そのまま西へ進むと間もなくスタンレー・パーク入口。特にゲートは無いが、地図を頼りに一通を右に進み、2つ目のパーキングへ。けっこう空いている。他の車を見ると、ダッシュボードの上に時間の入ったチケットを置いている。2枚置いてある車もあるので継足しも出来るようだ。側にあった自販機で駐車券を購入。1時間2ドルで、丸一日だと6ドルだ。長居する気はないので1時間分だけ購入。

 スタンレー・パークStanley Parkは、カナダ最大の都市公園で、ダウンタウンの北西に飛び出した半島全体が公園になっている。東京ドームの約90倍の広大な敷地に、自然のままの森や海岸や湖が広がり、トレイルやサイクリング・コースも充実している。水族館、バラ園、子供動物農場なども園内にはあるそうだ。

 まず、駐車場からすぐ外の、湾に面した遊歩道に出た。潮の香りが強い。浜辺にはたくさんの海草と水鳥。この場所がどこなのかイマイチ確信が無い。丁度、サイクリングの人が停まったので、地図を見せて「ここはどこですか?」と尋ねると、「う〜ん、ここだよ」と全くトンチンカンな所を指した。一応、お礼を言ったが、去った後で「ふざけんな。右に曲がってきたんだから、こんな方のわけネーだろ」アメリカ人は時々、地図がまるで読めない奴がいる。カナダ人もか?

 妻が急にトイレに行きたいと言うので車に戻る。地図によるとトイレのあるパーキングは限られるようだ。確信は無いが、次か次にはトイレがあるようなので先に進む。予想通り、次のパーキングは大きくて、トイレも土産物屋もあった。大きなトーテムポールがたくさん立ってたので、現在地もやっと把握できた。妻を待ってる間、小さな展示コーナーを見る。原住民の暮らしなどが写真やイラストで紹介されている。ここは東に突き出た岬にあるトーテムポール・パークTotem Polesで、北側の海沿いに出てみると遠くにライオン橋が見えた。妻が戻ってきたのでトーテムポールの前で写真。色の付いて無いのも数えると全部で8本立っていた。次のポイントへ。

 公園の外周を海沿いに左回りで1周するつもりだが、全部のポイントで停まるのも大変なので、地図を見て絞り込む。岬を回ってトーテムポール・パークの裏を通り過ぎ、次の次くらいのパーキングで、プロスペクト・ポイントProspect Pointの標識が出てきたので停車。ライオン橋はけっこう近くに見えるけど、「それほどのポイントかぁ?」と思ってると、そばで釣りをしてたオジサンが何かを釣上げた。近寄って「何が釣れたの?」と尋ねると、ちょっとモゴモゴしていたが、たぶん「ホワイトポー」と言っていたと思う。それほど大きな魚ではなかった。オジサンはアジア系で、バケツにはハングルが書かれていた。

 更に先へ進むと、今度は本当のプロスペクト・ポイントにやってきた。バスやトリムも何台か停まり、沢山の人で賑わっていた。土産物屋もある。やはり有名なポイントだ。さっきの場所と間違う方がどうかしてる。花文字の横から階段を下りてライオン橋を下から見る。なかなかの眺めだったが、階段はその為だけではなく、そこは屋敷か何かの跡地のようだった。

 上に戻り、来た方角に100メートルほど歩き、今度はライオン橋を真上から見下ろす。橋の入口にはライオン像が立っていたが、見下ろしている場所にも小さなライオン像があった。ライオン・ブリッジLion’s Gate Bridgeは公園の中を突っ切る、ダウンタウンとノース・バンクーバーを結んでいる主要道路だ。車に戻るとチケットの時間が過ぎてしまっていたので、自販機で追加購入。5分ほど間が空いてしまったが、その分早めに出ればいいだろう。

 プロスペクトを過ぎると、道は少しだけ公園内部に向かって走る。両脇は森林になり、左手には巨木のポイント。ここは通過。また海沿いに出て走る。芝生の公園で停車。イングリッシュ湾English Bayを臨むポイントで、船が何隻も行き交っている。ここはレストランもあるが、人は少ない。パーキングが奥にもあるので、そちらにも回ってみる。売店の裏の階段を下りると砂浜に出られるようになっていた。大きな流木を綺麗に並べて、それが何十メートルも続いていた。

 次は最後のポイント。右手の子供パークを抜けると道沿いに小さなパーキング。他の車はいない。停めて下に下りる。ロスト・ラグーンLost Lagoonは、灰色をした広めの池。案内マップでは少し期待したが、大した風景ではなかった。バックのダウンタウンも、端の方なので大した建物は無い。見所は噴水とカモが近くに泳いでる事くらい。少し蒸してきた。乗ったり止まったりで、ちょっと気持ち悪くなってしまった。駐車時間はまだあるので、少しベンチで休む。

 なんとか落着いて11時45分に出発。出口では、特にチケットをチェックするような事は無かった。池の端をグルッと回るとそのままジョージア通りに出られ、もう一度市街地へ。サーロー通りThurlow Stを右折して、昨日も通ったネルソン通りへ。キャンビー橋に直接出られるネルソンは、丘の上なので手前から確認しやすい。キャンビー通りは昨日同様、12thを越えるまでは混んでいた。キングエドワード通りを、球場方面とは逆に右折して、街に最初に入った時のオーク通りへ出る。思った通り、反対方向からも99号ハイウェイには乗れた。地図を見るとこれが一番分かりやすい。

 99号は交通量は多かったがスムーズ。車に乗って地図を見てたら、さっきの気分が悪いのがぶり返してきた。ナビの役目も暫く無いので、私は大人しくしてる事に。運転してる妻には、心配させてもいけないので黙っていたが、喋るのも億劫だ。空港付近は、ほとんど渋滞は無くリッチモンドを過ぎる。東京湾トンネルみたいな海底トンネルを抜けると、徐々に田舎の景色になってきた。妻が飴を取ってくれと言ったので、ついでに私も1つ口に入れる。少し舐めていたら、不思議と気分が良くなっていった。「えっ!もしかして糖尿か?」と、妻に話すと、疲れているから血糖値と関係あるかも?栄養も偏っているのではないか?アメリカ人の取る酵素は日本人に適用させるのは難しいなどと、延々と健康管理の話をされる。たぶん、寝不足が一番の原因だったと思う。

 国境検問所12時40分着。電光表示は「10min」だったが、並んでるのは1列に15台程度なので、また芝生の公園は過ぎてしまう。元気を取り戻していた私は、順番が来る間に走って写真を撮りにいった。花で作った星条旗の前まで来たが、反対側のカナダ国旗は遠いので、アーチ越に眺める。運転席の妻は可哀想に見られなかった。ゲート前では、前の車の10メートルくらい手前で停車。番になりゲートに進むと、ヒゲの白人係官が車を覗き込んできたので、パスポートを渡す。「どこへ行くの?」「ベリン...ベリンガムです」「ああ、ベリングハム。何日?」「1日だけです。日本へ帰るのは7月3日です」そこまで答えると、「じゃあ、良い旅を」と、パスポートを返してくれた。「えっ、これで終わり?」トランクも車の下も調べない。やり取りはホンの1〜2分だろう。アメリカ側への入国は比較的厳しいと聞いていたので、拍子抜けした。

 そのまま5号ハイウェイに入ると、陽が射してきたが、風がちょっと強い。ベリンガムへは20分ほどで着いた。球場に一番近いExit253で下りる。レイクウェイ通りLakeway Drを左に出て、ハイウェイからも見えたバリュー・インVal-U Innに入るため左折しようとするが、突然、右側からモスグリーンのRVが飛び出してきた。ぶつかりそうになったので、助手席の私は窓を開けて思わず「どこ見てんだバカヤロー!」と叫んだ(勿論、日本語)。怒ってるのは十分伝わったようで、運転してた青年は車をバックさせたが、妻は動揺してか、駐車場に入らずに直進してしまう。ファストフードの看板がたくさんあり、けっこう賑やかな通りだった。

 気を取り直し、地図を見て「あっちのエリアの方がホテルがたくさんあるはずだ」と、リンコルン通りLincoln Stを右折。ちょっと路面が悪くスピードが出しにくかったが、1キロほど進み、ホテル街とも言えるほどホテルが並んだサミッシュ通りSamish Wayへ出た。予めチェックしてきたラマダやモーテル6らチェーン系以外にも、カスケード・イン、アロハ・インなど個性的な名前のホテルもあった。更に進んでダウンタウン手前のベリンガム・インや、高台に聳えるお城みたいなノースガーデン・インなども見に行くが、場所的にどうもイマイチ。ラマダに決めてしまおうか駐車場で少し考えるが、もう一度バリュー・インを見に行こうと、今度はハイウェイで1本北まで戻る。

 進行方向がさっきとは逆なので、出口はポッター通りPotter Stからバリューインのすぐ裏に出られ、そのまま駐車場へ。高速出口からは球場の照明塔も見えた。やはり球場の近くが良い。フロントでは赤いカーデガンのオバサンが丁寧に対応してくれた。値段を聞いて即決、税込みで68ドルだ。安っぽいイメージがあったが、フロントも広くて綺麗だし従業員も制服を着ていてちゃんとしてる。ホテルの見取り図をくれて「この辺に停めれば部屋からすぐよ」と教えてくれた。「朝食は、そこの部屋で6時からよ」と言われたので、「明日は5時ごろチェックアウトしたいのですが」と言うと、「大丈夫よ。朝早くても誰かいるから」みたいな事を言われたので、この時は「チェックアウトが早い時間でも大丈夫」と言う意味に受け取ったのだが・・・

 表の駐車場にはアメリカ、カナダ両国の国旗が掲げられていた。114号室はホテルのほぼ真ん中、西側の入口に近い。カードキーは珍しい縦型で、レジで通すようにドアを開ける。今日は喫煙室が取れたので窓を開けて一服。虫に刺された足はようやく痒くなくなったが、4箇所ほど赤く腫れたまま。

 少し休憩して、3時半ごろ買物に出かける。フロントで近くのスーパー・マーケットを尋ねると、「目の前よ」と道路の向かいのフレッド・マイヤーFred Meyerを指した。「おお、これは便利だ」歩いていける。信号を渡るとG.Sも隣にあった。明日は長距離ドライブなので今日中に給油しておきたい。バリューインに戻ってきて大正解だ。

 フレッド・マイヤーは日用雑貨や衣類も扱う、けっこう大きなスーパーだった。買物カゴもアメリカには珍しく、小さな手さげ式を当たり前のように置いてあり、4分の1くらいの人がそれを使ってる。明日、オリンピック公園でサンドイッチを食べるため、ポテトサラダ、チキン野菜炒め等をグラム買いでパックに入れてもらう。惣菜コーナーにはチャーハンもあったので、それも1パック。薄くスライスしたパンは、長持ちするWet 24もあったが硬そうだったので、Wet32を買う。カット野菜1袋、バナナも一房。レジ横にロッキングカラビナが置いてあり、安かったので土産用に5つ購入。

 4時半、部屋で遅い昼食。チャーハンだけのつもりが、サンドイッチも作り明日の予行。まあ、パンは一袋でも食べきれないので、今から食べ始めた方が良い。満腹でテレビを見てたら寝てしまった。6時に目が覚めたが、来る時に気持ち悪かったのが嘘のように絶好調。やはり睡眠不足だったようだ。

 6時20分、球場出発。ホテルからは3〜400メートルなので、歩いても行けそうだったが、G.Sに寄りたかったし、どんな所か分からないので、帰りのことも考えて車を使う。G.Sのノズルはレバーが固くて、最初上手くいかなかったが、店員の青年が手伝ってくれた。田舎の人は親切だ。半分くらいしか入らなかったが、タンクは満タン。明日に向けて万全だ。

 出難いのでスーパーでUターンして、レイクウェイ通りを渡りポッターを右折。球場の外野側から進むと、レフト後方のグランドではリトルリーグの練習をしていた。球場東側の広い砂利の駐車場は無料。こんなに空いてるのに路駐の車も多い。そんなに近い方が良いのか?その北側にはフットボールと思われる立派なスタジアム。その隣はスポーツ.コンプレックスの看板の建物、体育館か?地図にはアイス・アリーナとあるが、ちょっと違う感じ。

 球場は外観からしてとても古そうだった。看板も、囲いで使われてる木も年季が入ってる。オールスターと言う名目の7ドルのチケットを購入。他は、その上のMVPが8ドル。入場だけなら5ドル。狭い入場口はとても賑わっている。球場係は若者が多く、揃いのベルズのTシャツを着ていた。

中へ入ると、木の柱や、放送ブース、一つ一つの物がとても古くて時代を感じる。ジョー・マーチン・スタジアムJoe Martin Stadiumは、シアトル・マリナーズが誕生した1977年、傘下のシングルA球団として誘致されたベリンガム・マリナーズBellingham Marinersが、20年近く本拠地としてきた球場だ。ケン・グリフィーJr.がプロ生活をスタートさせたのもここからだった。その後もジャイアンツBellingham Giantsが96年まで本拠にしていたが、それ以降は町にプロ球団は無い。マリナーズの直前まではドジャーズBellingham Dodgers。30年代にはウェスタン・インターナショナル・リーグWestern International League(現在は無い)のベリンガム・チヌックスBellingham Chinooksと言うプロ球団があった。

 今日の試合は、数日前に観戦したアップルソックスも所属するウェストコースト・カレジエイト・ベースボール・リーグWest Coast Collegiate Baseball Leagueの公式戦。全くの別組織だが、ベルズと言うチーム名は、セミプロなどのこの町のチームが度々名乗っていた伝統的な名前らしい。現行のベリンガム・ベルズでは、2002年に所属したジェフ・フランシスJeff Francis(ブリティッシュ・コロンビア大U of British Columbia)が、コロラド・ロッキーズで活躍中。おそらくリーグ全体でも彼が出世頭だろう。

 対戦相手リバーホークスの本拠地スポーケンは、ワシントン州の東端のけっこう大きな町で、現在もスポーケン・インディアンズSpokane Indiansと言うマイナー球団がある。

 スタンドに行く時に、係の黒人のオジサンと目が合い、オジサンは大きな口でニッと笑った。球場にいる有色人種は、たぶんこの人と私達だけ。私達は1塁側のアルミ製のスタンドに暫く座っていたが、前の爺さんの座布団に「Bellingham Red Raiders」のロゴがあったので「これは何のチーム?」と聞くと「高校のチームだよ」と爺さん。スタンドからは、私達のホテルもよく見えた。風が冷たい。

 国歌斉唱は若い女性で、声が綺麗でとても上手かった。たぶん、旅行中で一番上手い。始球式はグランドキーパーのオジサンが紹介されたが、ヨレヨレのシャツとズボンでマウンドから投球。ついでにフォームもヨレヨレ。開始時の観客は約200人。キャパがそれほどではないのでガラガラには見えない。レフト、センターの後方には緑の山が幾つか見える。高さからいってマウント・ベーカーMt.Bakerではないだろう。バンクーバーの展望台から見られなかったベーカー山は、ベリンガムの真東30〜40キロに位置してるが、今日も曇ってるので姿は拝めなかった。この山とは縁が無いのだろう…

 ベルズの先発は体の大きなカッジWill Kaage(センテナリー大Centenary College)、リバーホークスは手足の長い左のムーアJordan Moore(スポケン短大CC of Spokane)。共にマズマズの立ち上がり。1回が終わるまでアルミ席にいたが、寒いのでチケット本来のネット裏上段へ。こっちは屋根があるので風が来ない。寒さが全然違う。3塁側の芝生席では、ずーっと毛布に包まって横になってる人もいた。芝生席は丘になっていてとても広い。三塁ファールゾーンから繋がっているが、グランドとの境は白線が引かれてるだけ。ファールフライを追いかけて、桟敷まで飛び込んでしまうところを是非見たいもんだ。

 3回裏ベルズは、二死2塁からシュレーダーChad Schroeder(マウント・フッド短大Mt. Hood CC)がセンター前タイムリーで先制。食べ物を買いに行く時、マスコットの黄色い鳥と遭遇。顔がキモいし、怖いと思うのだが、子供には不思議と人気があるようだ。ホットドッグは3ドル、コーヒー2ドル、ロゴは無いが蓋付きでスタバ並の容器。グランドではアトラクションの着替え競争が行われていた。

 5回表、不運な当りが続き、満塁からワイブルAaron Wible(UCリバーサイド校U.C. Riverside)が、右中間に上手い技ありタイムリー。2点入り、なおも一三塁から死球でまた満塁。ここで次打者ブラルヴァーSteve Bralver(ハワイ大U of Hawaii)がレフトへグランドスラムを叩き込む。打った瞬間「いった!」と思ったが、風のせいか意外にもフェンスギリギリやっとこ超えた。少し遅かったが、ここでベルズはピッチャー交代。バーガソンBrendan Bergerson(ウェスト・バージニア大West Virginia U)が、なんとか後続を切る。リバーホークス6−1ベルズ。

 スモーキングエリアは特に無く、吸う人は端っこで吸っている。私もアルミ席後ろで一服してたら、的当てゲームの球が飛んできた。ネットが破れていたようだ。硬球なので当らなくて良かった。イニング間には2度ほど、小さな子供を乗せたSLがグランドを走った。右中間の後方に建つアパートには、ベランダに椅子が置いてあり、特等席となっていた。ダウンタウンからけっこう離れているので、アパートそのものを珍しく感じたが、野球好きにはポイントの高い物件だ。勿論、私も住みたい。野球シーズンだけなら…

 6回頃、グッズを買いに裏の小屋へ。けっこう流行っていて、ベルズの攻撃時以外はとても混んでいる。客は入れないタイプで、商品は取ってもらう。中は狭いので娘が一人で対応していたが、最初は客かと思った母親っぽい人が外でアドバイス。「キッズ、ドーン」「これはドーン」と、最初はなに言ってるか分からなかったが、「ドーン」は「アダルト」の事のようだ。「アダルト?」と聞くと、「発音悪くてごめんなさい」と母。父親も途中でやってきた。ロゴがカッコ良いので、このチームは多めに買うことになった。キャップ$15、ペナント$2、Tシャツ$15、パーカー$25。T/Cでの支払いに、父親はちょっと不安そうな顔をしてたが、パスポートを見せると「おー、ジャパーン!」と途端にニコニコ顔になった。サインも確認せず「OK、OK」その為にパスポート出したのに。(↑親子かは確認してません)

 スタンドに戻ると丁度7thイニング・ストレッチ。7回裏ベルズの攻撃は簡単に終わり、私達は席を立った。時刻は9時だが、明るいのでついつい時間を忘れてしまう。明日は早い出発なので、さっさと帰って早寝しないと。球場の外では15人くらいの子供達が、ファールボールが飛んでくるのを待ち構えてる。隣のフットボール場だと思っていたスタジアムでは、ナイターで女子サッカーの試合が始まっていた。

 ポーター通りからホテルへ。1分で着いてしまった。ホテルの駐車場はトラックも多い。昼と同じ広いスペースに停められた。風呂に入り、明日の準備をして、運べるものはトランクに積んでしまった。10時過ぎに昼間買ったバナナとサラダで食事。ホットドッグを球場で食べたので軽めだ。スポーツニュースでは、キース.フォーク(レッドソックス)が打たれてる場面が何度も流れてた。オールスターファン投票の話題も。11時前に床に就く。


試合結果 スポーケン6−1ベリンガム 勝ち投手ムーア 負けカッジ フローマンNick Froman5打数2安打、ブラルヴァー5打数1安打4打点(以上スポーケン)、シュレーダー4打数2安打(ベリンガム)

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