【登校無用パート4】

3時限目は体育。もちろん、男女別々。

先生「男子は全員持久走!」

生徒「えーっ、そんなー。」

先生「誰や文句があるやつは、5000位でがたがた言うな。

  10000でもええんやぞ。」

  渋々、走る用意をする生徒達。

天地「とほほ。魎呼たちは来るわ、体育は持久走だわ…。」

  泣きながら走り出す天地。が、暫くして、

友人「おい、柾木みてみろよ。白眉さんバレーやってるぜ。」

 ふと見ると女子はバレーボールの授業中。

天地「頼むぞ、魎呼、阿重霞さん。これ以上問題をおこさないでくれ…。」

  走りながら呟く天地。なぜか不安な未来が脳裏をよぎる。

 こちらは女子の授業

先生「はーい、二人一組になってペアをつくって試合をします。」

阿重霞「魎呼さん、ものは相談ですけど。ここは一気にあの津名魅って言う子を

   やってしまいませんこと。」

魎呼「おっ、阿重霞。たまにはいいこと言うじゃねーか。」

津名魅「あの…お姉ちゃ…阿重霞さん。私と組みませんか。」

阿重霞「あなた、私とペアを組むっていうの?」

    目配せをする魎呼。それに呼応するかのように阿重霞の瞳もきゅぴーん!

    と燃え上がる。

阿重霞「よろしくってよ。私と組みましょう。」

    その言葉に喜ぶ津名魅。

  試合が始まった。なぜか、魎呼と阿重霞は対戦相手として対決

  しようとしていた。

  阿重霞がサーブする。

阿重霞「そーれっと。」

魎呼「おらーっ!トスを上げるんだよ。」

女生徒A「は、はい。」可哀想に魎呼に力尽くでパートナーに選ばれた女生徒Aは

    命がけでトスを上げる。

    ブロックにとぶ津名魅。

魎呼「よっしゃ、もらった!!」魎呼のスパイクが津名魅を襲う。

津名魅「きゃー!」思わず顔を背けた津名魅をかすめてボールは阿重霞に一直線。

阿重霞「むぎゅっ…。」

魎呼「おい…阿重霞、大丈夫か?」声を掛ける魎呼。

阿重霞「りょ、魎呼さん…あなた…。」

魎呼「偶然だよ、偶然。」

阿重霞「次はしっかり頼みますわよ。」

魎呼「おう。」

   女生徒Aのサーブを阿重霞が受ける。

阿重霞「あれーーーっ。なぜか、トスが魎呼さんの方に…。」

    ブロックにとぶ津名魅。

魎呼「よっしゃ、今度こそ!」魎呼のスパイクが津名魅を襲う。

津名魅「きゃー!」思わず顔を背けた津名魅をかすめてボールはまたも

   阿重霞に一直線。

阿重霞「むぎゅっ…。」

魎呼「ちぃ、またかわしやがった。おい…阿重霞、大丈夫か?」声を掛ける魎呼。

阿重霞「りょ、魎呼さん…あなた…。」

魎呼「偶然だよ、偶然。」

阿重霞「ふん。一時でもあなたを味方だと思っていたわたくしがバカでしたわ。」

魎呼「偶然だよ、本当に偶然。」

阿重霞「わたくしも全力で行きますから…ねっ!」

    天地の予感は的中した。

阿重霞「樹雷稲妻落とし!」魎呼に直撃するボール。

魎呼「くっ…くっそーう。」

阿重霞「おーっほっほ、ゴメン遊ばせ。」

魎呼「そっちが、その気なら…。」

阿重霞「樹雷稲妻落とし!」

魎呼「上空でたたき落としてやる。天空剣スパイク!」

阿重霞「むぎゅぎゅ。」

   不毛な戦いが始まった。

天地「勘弁してくれよー。」彼にとって5000mよりも二人ことが大きな

  疲労になっていた。

 キーンカーンコーン

天地と津名魅は屋上に来ている。

津名魅「学校って楽しいですね。」

天地「そうですか?宿題や掃除なんかあって大変だと思うんだけどなぁ。」

津名魅「あっ…ごめんなさい。…わたし、やっと学校に来られるように

   なったから、つい浮かれてしまって…。」

天地「【そうか、津名魅さん身体が弱いから前の学校もあまり通えなかったんだ。

   よし、俺がいろいろ案内してあげよう。】と勝手に思いこむ天地。

天地「いやー、俺の方こそ。そうですよね。学校には友達もいるし、楽しいことも

  ありますよね。へへっ。」

津名魅「うふふっ。」

天地「あはは。」

放送「あー、あー、マイクテスト、マイクテスト。屋上で不純異性交遊をしている

  柾木天地君、至急教室に戻りなさい。」

天地「りょ、魎呼のやつ、なんて放送流すんだよー。みんなが本気にしたら

   どーするんだよー。」

女生徒達「柾木君ってやっぱり、そういう人だったのね。」

    「転校生にいきなり手を出すなんて…。」

    「あーいうタイプが危ないのよ。」

    「私たちも気をつけなくっちゃ…。」

    「今村君以下よね。」

    「そこまで言っちゃ、かわいそーよ。木守くん以下とか。」

    「いやだ、同じじゃないの…。」

    屋上にまで聞こえる話し声。

天地「ううっ、すっかり誤解されてるぅーーーっ。」涙声の天地。

 キーンカーンコーン

鷲羽「はい、みんな席について。」

天地「わ、鷲羽先生?次は数学じゃ…。」

鷲羽「数学の先生が欠勤のため自習にします。…って思ったんだけど、

   退屈でしょうからクイズ大会にします。

  ぱふぱふーっ!

鷲羽A「鷲羽ちゃん、えらーい!」

鷲羽B「鷲羽ちゃん、最高!」

鷲羽「うんうん。」鷲羽ちゃん人形を肩に悦に入る鷲羽。

「じゃー、僕よ。特製OHPを持ってきて。」

九「はいはい。ただいまー。」そそくさと物を押して九太郎が教室に現れた。

 そして、鷲羽が異空間と連結した教壇で解説を始めた。

鷲羽「このオーバー・ハング・キャノンをヘキサガンダムに搭載すると

  火力がパワーアップして、ジュンコ感激ーって、違うでしょうが九太郎。

  私が言ってるのはOHP、これはOHCなの。」

九「でも、けっこうのってましたよ。」

鷲羽「だいたい、Vガンダムみてない人にはわかんないじゃないの。」

九「そこは、マニアネタっていうことで。」

鷲羽「がたがた言わずにちゃんと物を持ってくる!でないと笛をふくわよ。」

九「はい…。」しょぼんと外へ出る九太郎。

特製OHPか運びこまれ、クイズがはじまった。

鷲羽「それじゃー、始めるわよ。正解者にはご褒美もうあるからがんばってね。

   じゃー、魎呼から。」

魎呼「よっしゃ、どこからでもかかってきな。」

天地「そういう、問題じゃないだろー。」突っ込む天地。

鷲羽「じゃー、第一問。次のうち魎呼のセリフはどれ?」

魎呼「なんだ、簡単じゃねーか。」

鷲羽「1  さっさみだよーっ!

   2  元気爆発ガンバルガー!

   3  みゃおーん!     」

魎呼「なになに、1はもろに砂沙美だし、2は番組が違うし、3は魎皇鬼…。」

鷲羽「ブー。はい、時間切れ。グランド10周。」

魎呼「って、鷲羽、正解なんてないじゃないか!」抗議する魎呼。

鷲羽A「鷲羽ちゃんに逆らったらだめよ。」

鷲羽B「天地殿と一緒にいたいんでしょー?

魎呼「くっ、くそーう。」キッと鷲羽を睨みグランドへ出る魎呼。

ゼロス「完全に脅しですねぇ。」

天地「はぁ…。【どうなるんだろう、俺】」

【登校無用パート5】

鷲羽「さてと、次は阿重霞さん!」

阿重霞「は、はい。」

鷲羽「さて、問題です。次のうち阿重霞さんの誕生日は?」

阿重霞「あーら、簡単ですわ。」

鷲羽「 1 4月2日

    2 2月14日

    3 11月7日

    さーてどれ?」

阿重霞「1は確かテレビ放送が始まっためでたい日ですわよねぇ。

    2は砂沙美の誕生日だし、3はこの作者の誕生日だし…。」

鷲羽「ブー、時間切れ。グランド10周。」

阿重霞「えーっ、こんなの正解ないじゃないのー。」

鷲羽「先生に口答えするの。」

阿重霞「とほほ。」教室を出ていく阿重霞。

鷲羽「次は天地くんね。」

天地「えっ、俺?【ついにきたか…】。」

鷲羽「さて、問題です。阿座化と火美猛右利きなのは?」

天地「火美猛。」

ピンポーン

鷲羽「縁日無用で魎呼が最初にやっていた店は…。」

天地「金魚屋。」

・・・・・

鷲羽「やるわね。天地くん。では最終問題。歌う天地無用で魎呼が

  希望した国は?」

天地「ドイツ。」

ピンポーン

鷲羽「全問正解。すばらしいわ。」

津名魅「わぁー、天地さんて、ずごく物知りなんですね。」

   目を細めて手を叩いている津名魅。

天地「いやー、それほどでも。」

鷲羽「じゃ、ご褒美ね。」

天地「わっ、鷲羽先生。何するんですか?」

鷲羽「ご褒美と言えば女の人の裸に決まっているでしょう?」

九「それ、セクハラ発言じゃ…。」←ちょっと違うぞ!

鷲羽「おだまりっ!」

九「むぎゅっ!」突如出現したハンマーで殴られくらくらの九太郎。

魎呼「はぁはぁ…そうだぜ。お前のような裸をみても誰も喜ばねえよ。」

 グランドから駆け戻った魎呼が息も絶え絶えに言う。

阿重霞「ヒーヒー。そうですわ。天地様の前でそんな子供のような裸など…。」

九「それなら、サターンの18禁もクリヤー…。」

 ぐしゃ!

鷲羽「バカなやつはほっといて…。」

天地「…大丈夫なのか九太郎さん…。」

鷲羽「阿重霞ちゃん、大人ならいいのね。ゴクゴク。」突然、緑の液体を飲む鷲羽。

  と見る見るナイスバディのお姉さんに変身。

鷲羽「天地くん、このセクシー鷲羽の裸ならいいでしょう?」

九「…ナイスシェクシ〜。」

鷲羽「邪魔者は異次元送りにするわよ。」

九「シュン。」

鷲羽「それじゃー、気を取り直して…。」

天地「わ、わ、わ。だから問題が違うって…。」

キンコーンカーンコーン

鷲羽「ちぇっ、せっかくいいところだったのに…続きはまた今度ね。

  バッハッハーイ!」

天地「…ふーっ、助かった。」

魎呼「へぇー、大人バージョンだと阿重霞より胸があるな、鷲羽のやつ。」

阿重霞「きーっ。」

昼休み

天地「さて、パンでも買いにいくか。今日は砂沙美ちゃんの弁当を

  もってくるの忘れちまったし。」

津名魅「…あのー天地さん。よろしかったら私と一緒にお弁当を

   食べませんか?」なぜか2人分の弁当を持っている津名魅。

魎呼「どけ!」

津名魅「きゃっ!」

魎呼「天地ぃ、私が作った弁当食べておくれよー。」

阿重霞「なにを言うんですの。天地様はわたくしのお弁当をたべるんですっ。」

魎呼「何を〜。」

阿重霞「やりますの〜。」

天地「まぁまぁ、ここはジャンケンで…【ほっとくとまた喧嘩するだろうし】。」

魎呼「よし。」

 ジャンケンポーン

なぜか魎呼が勝った。

天地「どれどれ、凄い新聞紙に包んであるなぁ。これ競馬新聞じゃ…。」

魎呼「あっ…外より中を見ておくれよー。」

天地「そうだな。…わっ、これなんだ?イカの塩辛みたいな…。」

阿重霞「天地様、危ない!」

   天地が摘んだイカの塩辛もどきを阿重霞は叩き落とした。

魎呼「なにしやがる。」

阿重霞「よーく、床をごらんあそばせ。」

   ジュー!

天地「ゆ、床が溶けてるー。いったいなんなんだ、これは。」

魎呼「あちゃー、失敗だった…アデオース。」テレポートして逃げる魎呼。

阿重霞「わたくしのは安全ですのよ。銀河松茸と銀河トカゲのまぜご飯ですの。」

津名魅「あの…それ…。」

阿重霞「文句があるの。」

津名魅「…いえ。」

天地「銀河松茸と銀河トカゲかぁ…。【勇気を出すんだ天地!】」

  パクッ!

天地「ふぁー。ぐー、ぐー。」急に倒れる天地。

阿重霞「あらっ、天地様、天地様。」

津名魅「早く、吐かせましょう。」

・・・・・

天地「いやー、助かりましたよ。」

  数十分後、ようやく天地は正気にかえった。勿論、阿重霞は遁走している。

津名魅「…銀河トカゲはちゃんと毒抜きしないと強い睡眠作用があるんです。」

天地「なんで、津名魅さんそんなことを?」

津名魅「えっ、本で読んだんです。」

天地「へぇー、勉強家ですねー。」

津名魅「あっ、天地さん。私のお弁当を食べてください。」

天地「あっ、もうこんな時間かぁ。購買部のパンも残ってないみたいだし。

  じゃ、遠慮なく。」

 津名魅の弁当を食べる天地。

天地「へぇー。」

津名魅「どうですか?」

天地「おいしいですよ。おいしいですけど…。」

津名魅「何か変な味でも?」

天地「いやー、家で食べるご飯と同じ味なもんで。いつも砂沙美ちゃんが

  作ってくれるんですが…、どうしているかなー、砂沙美ちゃん。」

津名魅「…砂沙美ちゃんって?」

天地「俺の妹みたいな子なんですよ。本当の妹じゃないんですけど

  妹以上というか、とっても可愛い子なんですよ。」

津名魅「【ありがとう、天地兄ちゃん】。」

天地「えっ、何かいいました?」

津名魅「い、いえ、何も。」

その頃食堂では…

清音「…ったくもー美星ったら…すいませんね九太郎さん。手伝わしたりして。」

九「いえ、馴れてますし、楽しいですから。」

清音「私も、仕事がはかどるので助かります。」

食堂のおばさん「皿を割らないように気をつけておくれよ。」

九・清音「はーい。」

清音「美星が随分お皿を壊しちゃったもんだから…。」

九「どのくらいですか?」

清音「そーねー…1分間に1枚位のペースだったかな。」

九「そんなにですか…ハァ。」

清音「ところで美星はどこに行っちゃったんだろう。」

九「ああ、私の代わりにプロフェッサーのところへ。」

清音「ああ、鷲羽さんのとこね。でも、大丈夫かしら…。」

そして屋上では

美星「やっぱり、学校の昼食と言えば、焼きそばパンよねー。」

 モグモグ!

美星「そして、びせい牛乳の一気飲み!…腰に手を当てるのがポイントね。」

ゼロス「ほほー、なるほど。いやー、美星さんのレクチャーは

   ためになります。」

美星「ん?そうですか?」少し得意げである。

ゼロス「はい、そりゃーもう。」こーゆーのを言わせたら魔族一である。

こうして楽しい昼食タイムは過ぎていった。

【登校無用パート6】

キンコーンカーンコーン

天地「昼からは2時間通しての生物の授業なんですよ。」

津名魅「別の教室に行くんですか?」

天地「ええ。」

  ぞろぞろ歩いていく生徒達。

天地「【嫌な予感。でも、開けなきゃ】」生物室の前で立ち止まる天地。

  「逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ…。」

津名魅「天地さん、どうかしたんですか?」

魎呼「天地ぃ、早く開けろよぉー。」

  がらっ。

鷲羽「はーい、良い子たち、早く席について。」

天地「ここは…。」

魎呼「鷲羽の…。」

阿重霞「研究室…。」

津名魅「…ですね。」

魎呼「…おい、津名魅、なんで、お前がそんなこと知ってんだよー。」

津名魅「えっ、…まー、勢いで…つい。」

魎呼「今更、媚売っても許してやんないぞー。」

天地「魎呼!」

魎呼「あーん、ちょっと言ってみただけよ。気にしないでね、津名魅ちゃん。」

  天地に言われ猫を被る魎呼。

鷲羽「ちょっとね、亜空間キューブで空間を繋げたのよ。ここなら、機材も

  揃っているしね。」

ゼロス「いやはや、すごい設備の部屋ですねぇ。」

天地「…なんか…帰りたくなってきたな…あっ、鷲羽先生。

  俺、腹が痛くなってきたんですけど…。」

鷲羽「あらー…困ったわねぇ。」

男子A「…ふん、あーあ、かったりぃなー。」

鷲羽「あら?そこの男子A。早退したいの?」

男子A「いいのかよ?ラッキーだぜ。」

鷲羽「じゃあ、バッハッハーイ。」亜空間が開かれ男子Aは席ごと消えた。

鷲羽「他にも早退したい人いる?」

天地「腹痛直りました。」

鷲羽「そう。良かったわ。では、今日はこの生物を使った実験をします。」

天地「なんですか、その生物。」

鷲羽「私が最近発見した新種で名前がないのよ。いろんな物に身体を変化

  させることができるのよ。」

ゼロス「ほぉー、ロデムみたいなものですか。」

鷲羽「そんなの最近の良い子は知らないわよ。」

津名魅「なんですか、その…ロデムって。」

阿重霞「ロデオなら知ってますけど…。」

魎呼「外人が怒ったときに叫ぶやつじゃねーのか。ロッデームって。」

  得意に話す魎呼。

天地「ハァ…それはガッデムだろ…ホントにもう…。」呆れる天地。

阿重霞「所詮は猿知恵ですわね。オホホ。」

魎呼「なんだとーっ。」

天地「…ハァ…ったく、もう。これじゃ家と変わらないよー。」

実験は順調に進んでいった。そして、クライマックスの放射線照射の時間となった。

鷲羽「じゃー、助手、そこの青いボタンを押してX線を照射して。」

助手「はーい。これですね。」

魎呼「…やばい、天地伏せろ。」

阿重霞「巻き添えはゴメンですわ。」

  二人にせかされて天地と津名魅も机の下に潜る。

ゼロス「いやー、こんな暗がりで男女がくっつくのも一興ですね。」

   顔を見合わせ紅くなる天地と津名魅。

魎呼「津名魅のやつー、このどさくさにー。」

阿重霞「どーして天地様と…。」

鷲羽「…ですから、放射線を当てると…あれ?どったのみんな?」

魎呼「鷲羽!後ろだよ、後ろ。」

鷲羽「こら、魎呼。学校では鷲羽先生と呼びなさいと言ったろ。

  で、後ろって…わー。」

美星「赤いボタンを押すんですね。そういえば、赤いボタンを知ってるか〜

  って歌もありましたよね。」ポチッ!

 ばっこーーーん!大音響とともに試験管が破裂した。

美星「あらあら、どーしましょう。」そこには真っ黒になりながらも

  いつもの調子の美星がいた。

鷲羽「どーしましょうって、なんで美星殿がここに…。」

美星「えっとねぇ。九太郎さんが皿洗い代わってくれるって言うから、

  代わりにここに来たんですけど。」

鷲羽「…ったくっ、九太郎の奴…。」

天地「…あのー、鷲羽先生。」

鷲羽「何、天地くん!」ちょっと不機嫌に答える鷲羽。

天地「あのー、試験管の新生物が逃げたみたいなんですけど。」

鷲羽「わっ、そりゃ大変、早く捕まえなきゃ。」

魎呼「人畜無害なんだろ?」

鷲羽「…だったんだけどねぇ。」

阿重霞「…だったって…まさか!」

鷲羽「美星殿がゲッター線を照射しちゃったから、検討がつかないよ。」

天地「とにかく、この部屋にいるはずだ。早く捕まえよう。」

 新生物は、すばしっこかったが、多勢に無勢。ついにコーナーへと

追いつめられてしまった。

魎呼「いま、捕まえてやるぞー。」

新生物「キュキュー!」新生物は叫ぶと飛びかかってきた。

阿重霞「ぎゃー、なんなのなんなの、なんで、わたくしに…。」

魎呼「阿重霞!そこを動くなっ!」

阿重霞「動くなって、言ったって、これじゃ…。」と恨めしそうに

   自分の頭上を見る。

新生物「キュキュ?」

魎呼「…フッ、安心しな、いま助けてやるよ。うーーん!」手に気を

  集中させオーラプレードを作り出した。

阿重霞「まっ、まさか!?りょ、魎呼さん。落ち着いて!」

魎呼「往生せーよー!」

  びしゅーっ!

新生物「キュキュー!」

魎呼「…ちぃ、かわしたか。」

阿重霞「りょ、魎呼さん、いま、わたくしもろとも切ってしまおうと

   なさらなかった?」

魎呼「き、気のせいだよ。」

阿重霞「正直におっしゃい!樹雷皇第一皇女のわたくしに対して…。」

津名魅「あの…。」

阿重霞「あなたは黙っていてくださいましっ!」

天地「そのー…。」

阿重霞「まー、天地様まで…。」

ゼロス「そのー、生物を追いかけた方がいいのでは?」

阿重霞「はっ?」

 一同は気を取り直して追いかけ、再び教室の入り口へと追いつめた。

【続く】