【登校無用パート7】

遂に謎の新生物を追いつめた天地たち。今度は失敗は許されない!【と思う】

魎呼「さぁ、覚悟しな!」

新生物「キュキュー!」

   がらっ!

新生物「キュキュー、キュキュ…。」

魎呼「あっ、逃げちまった。おい、清音、責任とれよ。」

清音「えーっ、なんで私がぁ…。」

 新生物は、美星を捜しに来た清音の手によって鷲羽の実験室から

学校の中へと飛び出した。

清音「…そういうわけだったの…わかったわ。【美星のやつぅ・・・】」

鷲羽「じゃー、この銃で捕まえてね。」

阿重霞「この銃って…。」

魎呼「おい、鷲羽!なんで、さっき出さなかったんだよ。」

鷲羽「えっ。」

天地「まさか…忘れてたんじゃ…。」

鷲羽「…んなことより、新生物を捕まえることが大事よ。」慌てて取り繕う鷲羽。

天地「でも、銃が3丁しかないですよ。」

鷲羽「じゃー、3班に分かれて探してちょうだい。」

魎呼「よし。じゃーあたしが天地と。」

阿重霞「お黙りなさい。わたくしが、天地様と…。」

鷲羽「はいはい。こんなこともあろうかと用意しておいたわ。」

清音「抽選ですか?」

天地「…なんか…おみくじって言った方がいいような…。」

抽選の結果、魎呼・阿重霞、美星・清音、天地・津名魅の3班となった。

ゼロス「あのー、私は…。」

鷲羽「ゼロスくんはここに残って私の手伝いをしてちょうだい。」

ゼロス「わかりました。では、みなさん、がんばってくださいね。」

魎呼「【くーっ、なんであたしが、阿重霞と…】」

阿重霞「【きーっ、なんでわたくしが、魎呼さんなんかと…】」

魎呼・阿重霞「組むんだよー!【組むんですのー!】」

清音「どーして、また美星と何だろう。」ぽっり呟く清音。

美星「いいじゃない、清音。私たちはGPきってのベストパートナー

  なんだから。」

清音「そう思っているのはあんただけよ。」

美星「ん、清音なんか言った?」

清音「ハァ…なんにも。」心なしか寂しそうな清音。

  わかるぞぉー!その気持ちっ!

天地「津名魅さん。僕たちもがんばって探しましょう。」

津名魅「はい。でも、どこから探しましょうか?」

天地「うんー、そうですねぇ…食堂に行ってみましょうか?

  食べ物のあるところですし…。」

食堂

天地「んー、見渡したところ、それらしきものはいなさそうだな。」

津名魅「そうですね。」

天地「そうだ、厨房の方に行ってみましょう。」

おばさん「おや?何か用かい?」

天地「あのー、変な動物見かけませんでしたか?」

おばさん「あー、さっきいたよ。そら、こいつさ。」

    と、天井からつり下げられた魎皇鬼を指さした。

天地「りょ、魎皇鬼!」

おばさん「おや、あんたのペットかい?困るよ、学校にペットを

    もちこんじゃー。」

天地「は、はぁ…。」

九「人参をほとんど食べちゃったんだよ。」

天地「きゅ、九太郎さん?どうしてここに。」

九「美星さんの代わりなんだけど、まだ、美星さん戻ってこないんだよねぇ。

 清音さんも20分前に探しに行ったきりだし…。」

おばさん「あの二人…さては逃げ出したか…。」

九「そ、そんな事はありませんよ。清音さんに限って…。」

津名魅「あのー、お二人とも私たちの捜し物を手伝っていただいているんです。」

おばさん「なんだい、そーだったのかい。」

九「で、まさか魎皇鬼を探しているんじゃないだろ?」

天地「ええ。実はかくかくしかじか。」

九「どえーっ!美星さんたら…。」

天地「じゃ、僕たちはこれで…。」

  天地達が厨房を出ようとしたそのとき、食堂から悲鳴が聞こえた。

天地「行ってみよう!」

  二人が現場にかけつけると、腰を抜かした男子生徒と、テーブルの上で

 クネクネ踊っている食パンの姿があった。

天地「見つけたぞ!」

新生物「キュイキュイ!」

   新生物は脱兎のごとく逃げ出した。←死語かもしれんなー。

教室

天地「…確かこっちの方に逃げてきたはず…。」

津名魅「教室の中でしょうか?」

   教室を見回す二人。生徒はいない。別教室の授業なのであろうか。

津名魅「…あら?本が置きっぱなしに…。」

天地「なんか、いかにも怪しいって感じですね。」

  天地が本に手を伸ばそうとした瞬間、本は新生物に変化し、飛びかかって

  きた。

津名魅「天地さん、危ない!」

  バタン!

新生物「キュキュー。」

 新生物はゴキブリばりの特攻精神で天地の不意をつくと、出口から再び

 逃亡を図った。

天地「いてて…。」

津名魅「大丈夫ですか?天地さん。」

天地「ええ、…ん?ゼロスさんいつからそこに?」

ゼロス「えっ、いやぁ…僕はただ通りがかっただけですからぁ…。」

鷲羽「つまり、偶然、二人が抱き合っている現場を見ちゃったぁーと

  いうわけなのよ。」

天地・津名魅「はっ!」鷲羽に言われ、我に返る二人。

天地「こ、これは…。」

鷲羽「いいのよ、別に魎呼や阿重霞殿にちくったりしないから。」

天地「そういう問題じゃぁ…。」

ゼロス「そうそう、これを天地さんに渡そうとお二人を捜していたんですよ。」

天地「なんですか?」

鷲羽「新生物用トレースレーダーよ。」

天地「トレースレーダ?トーレスなら知っているような…。」

鷲羽「それは別ネタでしょ。そういえばトーレスもロボット大戦に

  出てたわねぇ…、ファラ【折笠愛】やキーン【高田由美】、

  サラ【水谷優子】、レイン【天野由梨】そしてジュンコ【小林優子】も

  でてるけど、イーノ【菊池正美】は出てないわねぇ…。

   ん、そんなことをいっている場合じゃないでしょ?

  いい?あの新生物はゲッター線を浴びてるわ。

  だから、この放射線探知レーダーですぐ発見!というわけなのよ。」

イーノもロボット大戦に出てる!と言いたかった天地であったが、

使ってる人も少ないという噂があるので言えずにすごすご教室を後にした。

その頃、体育館前にたどり着いた美星と清音は…。

清音「とりあえず探してみましょ。」

美星「…誰もいないよぉー。」

清音「んーそうねー。そうだ、器具倉庫を探してみましょ。」

美星「えーっ、暗いのやだぁー。」

清音「こんなところで、駄々をこねないの。」

美星「だぁってぇー、器具倉庫の暗闇から額にバンドエイド貼った男の子が

  出てきたら、怖いもん。」

清音「んなもんでるかー!」

美星「…でも、京都の体育館で見て吃驚したってお客さんが…。」

清音「それが本当だとしても、本人が知ったら傷つくわよ。」

美星「そうねぇー、あっ、でもこの話はフィクションという

  ことにすればぁ…。でも、本当なんだよ。」

清音「あんたねぇ、話を根底からぶちこわすようなこと言わないでよ。

  さぁ、いくわよ。」

  器具倉庫へ入っていく二人。

美星「でも、本当にいるんだよ、バンドエイド貼った男の子って…。

   清音ってばぁ〜。体育館の入口のガラスをぶち破って出てく

   るんだから…ちょっと、清音。待ってぇ〜。」

【登校無用パート8】

 器具倉庫奥にたどり着いた美星と清音。

美星「何もないよ。早くでよぉーよー。」

清音「そうねー…。」

  がたっ!

清音「誰?出てきなさい、私はGPの清音一級刑事よ!」

新生物「キュキュー!」

美星「ひゃぁーーーぁ!」

清音「大変なことになったわ、応援を呼ばなくっちゃ。」

体育館前に全員が集まった。

いや、たった一人、美星を除いて。

天地「ホントに美星さん身体を乗っ取られちゃったんですか。」

清音「ええ。」心なしか元気がない清音。

魎呼「しゃーねーな。」

阿重霞「なんかいい方法がありますの、魎呼さん?」

魎呼「あたしのオーラビームで美星ごとぶち抜く!」

清音「ちょ、ちょっと魎呼!それじゃ美星が死んじゃうでしょ。」

魎呼「この場合、多少の犠牲はやむを得ないだろ?」

津名魅「そんな…。」

阿重霞「そうですわ、たった一人の尊い犠牲で大勢の人々が救われるなら

   仕方ないことですわ。」

天地「阿重霞さんまで…。」

魎呼「阿重霞、たまにはいいこと言うじゃねーか。さすがは樹雷の

  お姫様だ。あたしがビームをぶち込むから援護してくれ。」

阿重霞「わかりましたわ。」

 

 阿重霞が銃で新生物の気を引き、その間に魎呼が間合いを詰める

魎呼「もらったー!」

ビシューン!

清音「みほしー!」清音の叫び声がグランドに響きわたる。

ビシューン!

魎呼「ちぃっ、はずしたのか?」反撃されて驚く魎呼。

鷲羽「違うわ。…ビームをはじいたのよ。」

阿重霞「ビームをはじいたって、まさか…。」

鷲羽「これが噂に聞く、オーラバリアね。生半可な攻撃は通用しないわ。」

天地「密接して攻撃しないとだめってことですか…。」

魎呼「でも、あれじゃー近づけねーよ。」

  と、GPの銃を乱射する新生物を指さす魎呼。

清音「…エネルギーがもうすぐ切れるわ。そこで一気に…。」

魎呼「よっしゃ!」

清音「待って魎呼!」

魎呼「なんだ、清音。止める気か?」

清音「私がやるわ。」

天地「清音さん…。」

  悲壮な決意の清音をみてたじろぐ天地。

鷲羽「待って、清音殿!」

  清音に耳打ちを始める鷲羽。

鷲羽「わかった?みんなも、作戦通りにするのよ。」

魎呼「ホントに大丈夫なのか?」

阿重霞「一抹の不安がかくせませんが…。」

鷲羽「いい、九太郎!失敗は許されないわよ。」

  いつの間にか召喚した九太郎に鷲羽が命令する。

カチ。カチカチ!

清音「いまだわ!」

  清音の声を合図に一斉に走り出す。

鷲羽「そろそろ…ね。

   あーっ!モルダイバーだ!」

新生物「キョキョ?」キョロキョロしている新生物。

   やはり美星の特性が残っていたようだ。

九「エルメキア・アロー!」無数の光の矢がグランドに降りそそぐ。

 鷲羽の声を合図に物陰に隠れる天地たち。

だが、津名魅の姿がなかった。

天地「あっ、津名魅さん…。」天地の眼前にエルメキア・アローの

  洗礼を受ける新生物と津名魅の姿があった。

阿重霞「あの子ったらなんで逃げ遅れたんですの。」

清音「…津名魅さんもモルダイバーに反応しちゃったみたい…。」

 たたっ!

天地「大丈夫ですか津名魅さん。」津名魅に駆け寄る天地。

津名魅「う、うーん。」

ピカーッ!

と、突然津名魅の身体が輝きだし、どんどん小さくなっていく。

天地「さ、砂沙美ちゃん?」

砂沙美「う、うーん。あれ?」キョロキョロ見回わす砂沙美。

阿重霞「砂沙美…。」

砂沙美「てへっ。ばれちゃった。」

    舌をだして頭を叩く砂沙美。

美星「う、うーん。」

清音「美星、美星、しっかりして!」

美星「う、ん?あれ、清音、おはよう。」

清音「馬鹿ね、美星ったら…。」

美星「清音、なぜ泣いてるの?」

清音「ばか…心配してたんだから…。」

美星「こんなとき、どんな顔をしたらいいかわからなくって…。」

【CV水谷・綾波バージョン】

ぷちん!

清音「…一生わからんよーにしたるわーい。」

美星「ごめ〜ん、清音ぇ〜。ちょっとそんなセリフを言ってみたかったのぉ〜。」

九「どーやら一段落ですね。」

鷲羽「で、新生物はどうしたのよ。」

九「はっ!」

ゼロス「はい、九太郎さん。私が捕まえておきましたよ。」

   新生物が入ったガラスの容器を差し出すゼロス。

鷲羽「ホント、ゼロスちゃんありがとーね。うちのバカは役に立たないから…。」

ゼロス「いやー、それほどでも…。」

九「ぐすん。どーせ、俺なんて…。」

【登校無用パート9 エピローグ】

いつものお風呂場にて【イメージしてから読んでね。】

魎呼「いやー、今日はまいったぜ。」

阿重霞「ホントですわ。学校って大変なとこですのね。」

魎呼「この美星のバカのせいで…。」

 ぴしゃ!

美星「いや〜ん。冷たいですぅ〜。」魎呼に水をかけられ逃げる美星。

  「清音ぇ〜。」

清音「はいはい。私もあんたのせいで大変だったのよ。」

美星「私も身体を乗っ取られて大変だったのにぃ〜。」

魎呼・阿重霞・清音「自業自得だろっ!【でしょっ!】。」

美星「そんなぁ〜、みんなで〜…あ〜ん【涙】。」

鷲羽「…。」騒ぎに呆れる鷲羽。ふと、ノートパソコンの画面から顔を上げると

   浮かない顔の砂沙美が…。

砂沙美「…。」

鷲羽「どーしたの砂沙美ちゃん元気ないわね。今日は楽しくなかったの?」

  喧噪の中、一人離れてお風呂につかっている砂沙美に鷲羽が声をかけた。

砂沙美「…ううん。楽しかったけど…。」

鷲羽「楽しかったけど…なに?砂沙美ちゃんらしくないわね。」

砂沙美「…天地兄ちゃん、怒ってるんじゃないかなーって…。」

鷲羽「怒ってないと思うけどねぇ。」

  背中で鷲羽の声を聞きながら浴場の壁に向かう砂沙美。

砂沙美「天地兄ちゃんいる?」

九「…ん?天地くん。砂沙美ちゃんが呼んでますよ。」

天地「あっ、なんだい?砂沙美ちゃん。」壁に向かって歩く天地。

  壁といっても、女湯は別の空間にある。が、声は聞こえる。不思議だねぇ。

砂沙美「あの…、あのね。今日はごめんなさい。」

   バシャバシャ。

   壁に声をかけると反対の壁に逃げるように走り出す砂沙美。

天地「砂沙美ちゃん?砂沙美ちゃん!」

砂沙美「…。」

鷲羽「こりゃまた、砂沙美ちゃんらしくないわね。じゃぁホイホイと。」

  パソコンを操り空間をつなぐ鷲羽。

天地「わ、わーーぁ。」

  ザボーーーン!

魎呼「わおっ!天地ぃ。よく来てくれたね。」天地を見つけすり寄る魎呼。

天地「わ、わ、前を隠せよ。魎呼!」

魎呼「いいじゃないかぁん。私と天地の仲だろ。」

天地「よ、よせ。」

鷲羽「ホイホイと。」

魎呼「カッパ?カッパカッパ。」

  鷲羽により身体をカッパにされてしまった魎呼。

  その隙をついて砂沙美に近づく天地。

天地「砂沙美ちゃん、今日は楽しかったかい。」

砂沙美「う、うん。…。」

天地「どうしたんだい。」

砂沙美「あのね、天地兄ちゃん。怒ってない?」

天地「怒ってなんかないさ。むしろ、砂沙美ちゃんに学校を案内して

  あげられて嬉しかったよ。」

砂沙美「ホント?」

天地「本当さ。また、おいでよ、案内してあげるからさ。」

砂沙美「…ううん。もう行かない。」

天地「どーして。」

砂沙美「砂沙美ね。今日、天地兄ちゃんに学校のいろんなところを案内

   してもらってとっても楽しかったんだ。魎呼姉ちゃんや阿重霞お

   姉さま、美星さんや清音さん、そして鷲羽さんや九太郎兄ちゃん、

   ゼロスさんがいろいろ協力してくれたから…。

   でも、楽しい思いでは1度きりにしておきたいの。

   1度きりの大切な思い出に…。」

天地「ふーん。」

   二人の会話を横目で眺める鷲羽。

九「きっと、砂沙美ちゃんは今日の思い出に

 プリズムシールを貼っておくんだろーな。」

 鷲羽を通して二人の会話を聞いている九太郎。

ゼロス「しかし、温泉って気持ちいいですねぇ。」

九「お前も変な魔族だな。」

ゼロス「お互い様です。」

魎呼「カッパカッパカッパ!」

鷲羽「よしよし、簡易変換だから5分もすれば元にもどるよ。」

阿重霞「でも、いつの間にか砂沙美もあんな事を考えるような年頃に

   なったのですわね。」鷲羽に近づいてきた阿重霞がポツリ言う。

鷲羽「阿重霞殿もお姉さんなんだからしっかりしなくてわね。」

星の降るような夜空。

岡山の夜は更けてゆく。

【終わり】

もちろんゲームもこんな感じで進むんですよ。一部のキャラはでてきませんが…。

T−LINKへ