Yearning for the old days 
2007/05/15
     

風 呂


   
   
 お休みの日、昼の明るいバスタイムは至福☆
ピピッと音が響き、湯はり完了。気分に合わせて入浴剤をチョイス。
体に馴染むよい加減の湯に、脚を伸ばしてリラクゼーション… 「極楽、極楽〜」

 我が子どもの頃の風呂は…。
狭かった家の割には風呂場は広かったと思う。1坪くらいはあったと思う…。
ペンキで塗装された壁。うろ覚えだけど白と青?のツートンカラーだったかな。
コンクリートの床にブッロクが置かれ、その上に浴槽が載っていた。
深さがあり、椅子を踏み台にしたもまたぐのは大変だった。
でも母や弟と一緒に入ることができた。
浴槽は小さな長方形のモザイクタイル張り。
(今にすればレトロチックのいい感じかな?)
(湯のかさの増減を、「お母さんはタイル○つ〜」などと楽しんでいたような。)
洗い場は木のスノコが敷いてあった。風呂のふたも木だった。
使われてなかったが、今でもよく見かける白い陶器の洗面台があった。

 他所様のお家は知らないが、我が家は灯油で湯を沸かしていた。
石油ストーブの給油タンクのようなカプセルみたいなタンクを抱え、土間から居室
を通り風呂場と行き来していた。
さて、火加減の調整が難しいのか、時間を間違えてしまったのか、今では信じら
れないような熱〜い湯であることが多かった。そろりそろりと入れても身動きがで
きないが、黙ってじっとその湯につかる。そう、完湯(?)することで(大人の嗜み
かのように)勝ち誇っていた。
 しかしながら11人もの入浴…。湯は足りたのかなぁ?湯は冷めなかったのか
なぁ? 当時は毎日シャンプーする習慣はなかったけれども、
追い焚きしていたのかもしれないけれど、容易いことではない。
湯水のようにではなく、湯は無駄にできなかったと思う。

 お風呂は「極楽、極楽〜」?
11人もいると、「入れ!」と言われれば、「後で〜」と言うわけにもいかない。
好きなときに好きに入れるわけでない。蛇口から湯が出てくるわけでない。
母は膝枕で私の髪を洗ってくれた。
未だ母にも話していないのだが、白状すると…、
実はこのときに、ぬめったようなスノコに寝ころばなければならないのがとっても
嫌だった。目をギュッとつぶり、体がちぢこもる。
そして何より極めつけなのことは… 浴槽と壁の間から出てくるゴキだった。
うひょ〜。ゾワゾワ。クラクラ。湯を掛け掛け追い払う戦い…。「嫌〜!」

右に倣え、グリーンのバスクリン、洗面器に湯で薄めて使うクリームリンス。
こどもの日。菖蒲の長い葉がででで〜んと浮かび、肌を撫でる。
冬至。柚が白いガーゼに包まれ浮かぶ。握ってはさらに香り立つ。
祖父は一番風呂に入る。
祖母は「湯殿」と呼んでいた。

 先日のゴールデンウィーク、スーパーの店先で菖蒲の葉を見かけた。
「ねぇ買って帰ろうか〜?(買いたい…)」と言ってみた。
「えぇ〜?(そんなんいらない)」だって…。
 ぶひっ

 
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