2004.7.18(日) 遠征、裏磐梯。 【 同船 】

 
 
 

今日は、今年の遠征第2弾。前回の九州とはまったく逆方向の東北は福島県、裏磐梯にある桧原湖に遠征です。
とは言え、先週末まで東京で仕事だったので、そのまま後輩のM君宅に転がり込み、そこを基点に出撃です。
再三このサイトにも登場しているM君と、そのまた後輩のS君と、私の3名での釣行となりました。
土曜日のうちにM君の車で福島入り。湖畔の宿で1泊して日曜日に出撃、という段取りです。
しかし、おりしも記録的な豪雨で、新潟から福島にかけての山間では、人的被害も出ている大変な状況。
私たちが会津若松にたどり着いたとき、やはり現地は時折激しすぎる雨が降る最悪の天候でした。
湖畔の宿では風の音が耳についてなかなか寝つかれないほど、激しく風が吹き、時折雨も降っていました。
そして、出撃当日の朝、やはり天候は相変わらず。出撃すべきかどうか、判断を迫られる状態です。
少なくともS君にはカッパも無く、相当迷いましたが、とりあえず一旦はレンタルしていた船に3人乗り込み、
吹き付ける強風と白波が立つ状況の中、出撃することにしました。
桧原湖は至る所に大小の島が点在する地形で、湖岸は斜面から水中へ一気に落ちている感じの所が多いです。
元々は、恐らくフツウの山や谷だったところに磐梯山の噴火で溶岩が流れ、川がせき止められてできた湖で、
比較的新しい自然のリザーバー、と言えると思います。
今回は行けませんでしたが、水中に神社の鳥居が没している地点が観光名所になっていたりします。

●7:30  出撃
わざわざ湖畔に泊っていたにしては、相当にゆっくりな出撃。
宿泊客の様子を見ていても、早々に出撃していく人と、そうでない人がハッキリ分かれている感じ。
しかし、宿があるエリアはちょうど向かい風。湖の対岸まで行ってしまえば、風裏になっているはず。
琵琶湖の湖西と湖東の関係を思い出しながらそんなイメージを思いついたが、如何せん始めての場所。
勝手な判断で無理を押して出撃して、危険を冒すようなことはできないのが、船長の心得。
しかし、宿の方も私のイメージと同じことを言っておられたので、とにかく波風の無いところまで行けば
何とか釣りになるだろう、ということになり、とりあえず3名乗船して出撃した。
予報では、雨は朝の早いうちだけで上がり、昼からは晴れてくるという天候のはず。
とりあえず、慣れない21ftの和船で強風の中、桟橋から船を進めた。

●7:45  ワンド@
荒れる波をかき分けて桟橋から出撃。荒れていると言っても、琵琶湖のそれと比べるとピッチも小さく、
充分に耐え得る範囲であるのは間違い無かったが、如何せん普段乗っている船とはまったく勝手の違う和船。
エレキでのコントロールもままならない状況で、非常に勝手が悪い。
とりあえずやや沖までエレキで出て、エンジンをかけて風裏を目指した。
到着したワンドは、やや風が当たるものの、波は穏やか。
しかし、時折吹く突風にあおられ、直ぐに船が流されてしまうので姿勢制御が難しい。
そんなことを考えながらスピナベ、クランクをキャストしていると、程なく雨が降り出した。
しかも一気に強烈な降りとなり、大粒の雨が船上を叩く。
こうなると、カッパの用意が無いS君が大変。風は相変わらず強いので相当寒いはず。
当初の予報とはまったく違って雨は激しく、一向に止む気配も無い。
やがてS君からSOS信号が出て、早々に桟橋へ戻ることにした。

●8:30  ワンドA
S君を桟橋に下ろし、M君と2人で再び出撃。今度は先程より更に風裏になると思われる場所を目指した。
案の定、着いてみると波はほとんど立っていない。しかし、時折突風が吹き、あおられる状況は変わらない。
魚探に映る水深は、7mぐらいまで落ちた後は比較的フラット。
所々フラットなエリアがある点が、通常のリザーバー(ダム湖)と違うところのような気がする。
まずは斜面の落ち込みに沿って、スピナベ、テキサスをどんどん投入して行く。
しかし一向にアタリも無い。船の後ろに陣取るM君にもアタリは無い様子。
風に流されながら岸沿いをチェックし、小さな岬を回り込んで浅いワンドに入った。
さほど広いワンドのでは無いが、水深2mぐらいでウィードもビッシリ生えている感じ。
ここで、持っていたバイブをシャロークランクに持ち替える。
オカッパリで立ち込み釣りをしている人が居る。フツウのリザーバーではあまり無い光景だと思われた。
ワンド内を風に流されて進んでいると、やや大きめの岩が水没しているのを発見。
岩肌に沿って落ちるようにテキサスをキャスト。2回ほどアクションを入れたところで、ラインに重みを感知。
アタリというほど明確なものは無い。モソッと重くなった感じ。しかし、フッキングをすると一気に引く。
とにかく潜ろうとしている動作。ラインは12ポンドなので簡単に切れないだろうが、
ドラグを緩めてやりとりをする。やがて上がって来たのは、30cm級のスモールマウスバス。
スモールを釣り上げたのは、恐らく私の人生初。色が明らかに黄土色。口も小さい。

●9:30  ロック&シェイドエリア@
その後も追加を狙い、岸沿いをぐるりと回って、更に風下へ向けて岸沿いを進む。
やはり水深7mぐらいまで一気に落ち込んでいる、大きな岩がゴロゴロあるエリアに入る。
木々もややシェード気味に生えていて、その隙間を縫ってクランクをキャスト。
シェイドの奥に大きな岩があり、わずかな隙間からクランクを投じた。
巻いて潜航を開始したクランクに、またも重みが加わる。
今度は、ガツンとまでは行かないがルアーをひったくられた感じのアタリ。
やはり潜ろうとする引き。釣り上げると30cm級。この引きは面白いかも知れない。

●10:00  ブッシュワンド@
追加を狙ってそのままエレキの操船だけで岸沿いを進む。
やや大きな岬を回り込み、様子の全然違うエリアに出た。
岸沿いは水深は1.5mぐらい。岸から30mぐらいの沖合いにブレイクがあり、
そこからは水深5m〜6mぐらいまで一気に落ちている。
みな、そのブレイクの向こう、深場のフラットエリアを超スモールなセコリグで釣っている。
私は、どうもそこまでしてチマチマ釣る気になれず、岸沿いのシャローをバイブでチェック。
数投目、増水で水没した立ち木の横に投げ込んだバイブにヒット。しかし、ジャンプ一発、バレてしまった。
バイブに突進してくるほどのパワーなのに、フックが掛からない不可解さ。
恐らく口が小さいからなのか、という想像はできる。その後もしばらくチェックを進めたが、
時刻が11:00となったため、S君を置いてきた桟橋に戻り、一旦上陸して皆で昼食をとることにした。

●11:00  昼食
M君、S君、私の3人で、レストランにて昼食。
S君は初心者同然なので、朝イチの雨に相当参ってる様子。
昼からも車で待機(爆睡)するとのこと。またM君と2人で出撃することにした。

●12:30  ブッシュワンドA
やや天候は回復傾向かと思われたが、やはり山の上の天気。
時折日差しが覗くわりには、一気にガスがかかって激しい雨に見舞われる。
M君と向かったのは午前中の最後にチェックした場所。山中のリザーバーには珍しいシャロー。
現場に到着し、また同じように巻物でチェックを開始。
ここで、まだ釣果の出ていないM君に私なりのアイディアを少々指南。
それを信じて、水没したブッシュや立ち木に向かって投げ込んでいたクランクに待望のヒット。
慎重にやりとりしたM君。釣り上げて見ると???
桧原湖では珍しいと言われているラージマウスバス、30cm級。魚体は明らかに青緑。
先ほどまでの釣果もライブウェルにキープしていたので、一緒に泳がして見るとその差歴然。
しかし、せっかく桧原湖までスモールを狙いに来て、いつもと同じラージに苦笑いしきり。
「完全ボウズでは無い。」とはM君の談。言い得て妙だが本人が、一番納得していない。

●13:30  ロック&シェイドエリアA
その後も追加を狙って岸沿いを進むが、エリアを外すと途端に生命感が無くなった。
それでもしばらくエレキで前進し続け、ロック&シェイドのエリアをチェックしたがまったくアタリも出ず、
このエリアは早々にあきらめ、次の新天地を求めてエンジンで移動することにした。

●14:30  ワンドB
ここまでは、南北に長細い湖のほぼ南端からスタートし、西岸を北に向かって攻め上がっていた。この移動で、
南北のほぼ中間付近まで達してたと思われる。1周40Kmあるらしいので、そんなに小さい湖でもない。
到着した場所は、緩く大きなワンドになっていて、その開口部にやや大きめの島がある。
ワンドの内側、島の周辺までは水深の比較的浅いエリアが続く。深い所でも5mぐらい。
岸に近づくと水深は2mも無い。そこをクランクやバイブの巻物でガンガンチェック。
周囲には結構船もいるが、ベイトタックルを手にしているのは我々の船ぐらい。スピニングを持っている
周囲の人々に釣れている様子は無く、ましてや我々の巻物にアタリなど一切無い時間帯が続く。
生命感が無い、そう思える状況で、一体なぜ船が集まっているのかまったく不明。M君と相談の結果、
最後の1時間、2人とも釣果をあげている水没したブッシュと立ち木のエリアに入り直すことにした。

●15:00  ブッシュワンドA
水没した枝の様子や水深を改めて観察しながら進む。
普通、水没している木々とは枯れてストラクチャーとなっているものが多いが、
今日見える木々は青々と葉っぱをつけ、それが水中に没している感じ。
想像するに、ここ数日の大雨で1.5m〜2m以上、水位が上昇していると思われた。
もし増水していなければ、どんな感じの地形になっているのだろう、と思う。
恐らく、次にまた訪れることがあれば、全然違う風景だと言うことだけは間違い無さそう。
そんなことを考えながら、ブッシュの中のスペースにクランクをドンドン投入。
M君も必死になってキャストを続ける。そのひたむきさに根負けしたのか、ヒット。
今度も慎重にやりとりをして、上がって来たのは30cm級のスモール。
いよいよこれで、2人とも正真正銘のボウズでは無くなった。
一方私の方はなかなかアタリも出ず、最後の30分というところになって、ようやく本日はじめての
ダウンショットを投入。ワームは4インチ。しばらくして、フッと横にすべるような動きを感知。
スウィープにアワセると走り出した。すかさずフッキング。
ダウンショットを投入してからものの15分で、20cm級を1本ゲット。
しかし、その次にダウンショットを投入すると、根掛かってブレイクしてしまったので、
ダウンショットは20分間もやっていない状態で終了。その後残りの時間、ビッグワンとの出会いを夢見て
巻物を投げつづけたが、敢え無くタイムアップとなり、桟橋に戻ることにした。

釣行終了後、東京まで戻ってPの東京都内にあるお店に行って来ました。そこでスモールに関するお話を
伺ったのですが、2インチや3インチの小さなワームでチマチマした釣りをしないと、流石におちょぼ口
なので釣りにくいそうです。「言わば、ギルを釣るような感じ」とのことでした。
そう考えますと、ガンガン巻物を投げ、ワームも4インチ以下は使わず、それでも釣果を得られたと言うのは、
幸いなのかも知れません。しかし、どうせなら堅いルアーで釣りたいですし、始めて行くフィールドで
チマチマ釣り歩いていたのでは、ラチがあかない気がします。
とは言え、いざ「数」を求められると、チマチマ細かい釣りをするとは思いますが。。。
いずれにしましても、荒れた天候の中ながら、初スモールにも出会えてなかなか楽しい釣行でした。
ただ、1日桟橋(車中)で留守番をさせてしまった、S君には申し訳無かったです。。。

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