オハ35系●オハフ33 |
2011年 1月30日更新 |
オハフ33はオハ35系の緩急車として、戦前から戦後にかけて製作された。
オハフ33として新製されたのは600両余りだが、
スハフ41の台車振り替えに伴う自重減少による編入が、同車の新製終了直後に20両発生したほか、
昭和39(1964)年以降にオハ35からの改造車が100両余り追加された。
このオハ35の緩急車改造車については、主に戦前製であるTR23装着車からのものを1000番台、
戦後に製作されたTR34装着車からのものを1500番台と区別しているが、
戦中・戦後の混乱を生き抜いた車両群故に、例外も少なからず存在した。
このように、他の形式からの編入や、改造元のオハ35の前歴の複雑さから、
オハフ33は同一形式ながら、外観のバラエティーが多岐にわたる極めて個性的な形式となった。
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オハフ33 124 福フチ (留置車両) 1984年 3月17日 豊岡駅 |
ぶどう色の未更新車体にキャンバス張りの丸屋根、平軸受けのTR23と、
オリジナルを良く保った戦前製オハフ33。 ここで増解結をする附属編成なのであろう。「京都行」のサボが準備されて中線に2両留置されていた。 |
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オハフ33 125 福フチ 福知山発 米子行き 529レ 1986年 3月12日 福知山駅 |
リベットが残る戦前形オリジナルながら、
近代化改装されて青塗りとなり、Hゴム支持の客用扉や上段内折の洗面所窓で幾分モダンなイメージとなった。 Nゲージ鉄道模型で製品化されているのもこのスタイル。 |
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オハフ33 226 米ヨナ 出雲市発 豊岡行き 546レ 1984年 3月17日 米子駅 |
青色塗装の近代化改装車だが、丸屋根や木製客用ドアにオリジナルの古風なイメージが残る。 写真の通り、山陰筋の35系更新車は例外なくTR23のコロ軸受化が実施されていた。 |
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オハフ33 289 米ハマ 浜田発 大阪行き 726レ 1985年 2月 9日 米子駅 |
キャンバス張りの丸屋根に車端を絞った折り妻の、最もポピュラーな戦前製オハフ33。 但し、青塗りの近代化改装車であり、台車は円筒軸受けに改造されている。 写真の726列車は、山陰本線でも指折りの長距離鈍行だった浜田発大阪行きである。 |
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オハフ33 299 福フチ (留置車両) 1984年 3月17日 豊岡駅 |
未更新でぶどう色塗装の戦前製オハフ33。 客用ドアは窓位置がやや高い、立ち客に配慮した実用本位のタイプである。 前出のオハフ33 124と共に豊岡駅の中線に留置されていた。 |
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オハフ33 2349 新ナオ 富山発 直江津行き 237レ 1984年 3月 2日 富山駅 |
屋根絞りは無いが、切り欠きがある折妻の所謂「キノコ折妻」と呼ばれる戦後型オハフ33で、
台車はTR34を装着している。 トイレ窓は上段内折、客用ドアは木製タイプだが、直江津区所属車に良く見られた中桟無しのタイプである。 |
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オハフ33 2350 新ナオ 富山発 直江津行き 237レ 1984年 3月 2日 富山駅 |
形態は前出の2349号と同様に「キノコ折妻」の戦後型オハフ33であり、
同じ列車の両端に連番で組み込まれていた。 トイレ窓は上段内折に改装されながらも波目ガラスの古風なタイプ。 客用ドアは木製タイプながら、やはり直江津区所属車特有の中桟無しタイプである。 |
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オハフ33 387 福フチ 浜田発 福知山行き 544レ 1984年 3月16日 米子駅 |
折妻ながら屋根絞りが無くキャンバスの末端処理も無粋な戦後型オハフ33。 客用ドアはスハ43原形を思わせるプレスドアーが装着されている。 |
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